能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2020年9月8日火曜日

亀のフルーツ話:洋梨の幸せ・Bartlett




一般的に「女性はフルーツが好きだ」と言われる事が多い。フルーツは美容にいい。健康にいい。ビタミン豊富。おいしい、爽やか、フルーツはカラフルで可愛いくて女性が好む…などというイメージかな?

ところが海亀は(たぶん)果物全般があまり好きではない。なぜならすっぱいから。食べますよ。普通にいただきます。美味しいとも思う。しかし…あまり自分からは積極的に求めないかも。すっぱいのだ。歯にしみる。

生のフルーツの多くは…確かに美味しいのだけれど…頭の隅のどこかで「やっぱりすっぱいよな~」と思うのですよ。一応「おいしいおいしい」と言いながらも頭のどこかで「これ本当においしいかな~」と密かに思っているのです。

そういう人間なので海亀がわざわざ「フルーツがおいしい」という時は本当においしいのだろうと思うわけです。前置きが長くなった。


今回のお題は洋梨です。

最近この地のスーパーに行くと洋梨をよく見かける。種類はBartlett/バートレットと言うらしい。これが美味しい。生が美味しい。甘くてすっぱくない。丁度いい繊細な酸味。いい香り。すごく美味しい。ちょっとびっくりした。


というのもこの地は南の島なので、パパイヤ、マンゴー、パイナップルなどの南国のフルーツはいいのだけれど(飽きた)、本土から来る温帯地域の果物はハズレが多いのです。例えば。この地では熟して香り高く柔らかい桃にはほぼ出会うことがない(大好きなのに)。スーパーの桃は全部コチコチに硬い。本土から時間をかけて輸送されるため、十分熟れる前に収穫された若いモノしか来ないからだろうと思う。時には固くて食べられないこともあって、桃は大抵コンポートにするしかない。

洋梨もそうだろうと思っていた。固くてすっぱいだけだろうと思っていた。


さてスーパーに洋梨が並んでいる。掌に持って…ほんの少しやわらかいかな?と微妙な固さのものを選んで持ち帰る。傷も多いし…どうかなーだめかなーとモノは試しで剥いてみた。



真ん中にナイフを入れて二分する。刃がすーっと入る。あれ…結構柔らかい? 八つに切って縦に皮を剥く。ナイフが滑らかに果実に沿う。フォークを刺せばスーっと入る。

おいしい。

びっくりするほどすごくおいしい。繊細な味。おおっ…これはこれは…かなり美味しいではないか。生のフルーツなのに…。

なめらか。果汁を含んだ微細な細胞が綺麗に並んで詰まっている感じ。キメが細かくて個々の細胞はほとんど認識できないほどなめらか。小さな細胞の一粒一粒がそれぞれ果汁を含んでいる。ほぼクリーミー。歯を立てればしっとり。滴るほど水っぽくジューシーではない。噛めばトロリとしている。じわっと果汁が滲み出る。果汁を包む小さな小さな細胞達がクリーミーに練られているような感じ。



いやーこれはおいしい。質感もなんとなめらかでゴージャス。洋梨ってこんなに美味しいものだっけ? 

あ…そうか…昔の日本ではザリザリ歯ざわりのジューシーな丸い梨が一般的でしたもんね。25年前の日本で生の洋梨を食べることはなかったもの。洋梨はタルトですよ。あれも大好きだ。しかしその後ロンドンにいた時にもあまり洋梨を生で食べた記憶がない。生は買わなかったな。どうしてだろう?


というわけで、アメリカ本土カリフォルニアから遠路はるばるやってきてくれた洋梨はとても美味しかった。びっくりした。生がおいしい。

東海岸北部育ちの旦那Aが言うには、このバートレット種の梨は普通に庭木として庭に植えられていたそうだ。珍しいものではないらしい。ああ…そうなんだ。いいなぁ。これは本当においしいですねぇ。

昭和育ちの私は洋梨には今でもすごく感動する。前にも買ったと思うのだけれどおいしさに気がつかなかったのはなぜだろう。今年あたらめて数回買ってみてすごく美味しいと確認しました。

ネットで調べたらバートレット種は、今は日本でも東北や北海道で収穫されているらしい。どうやら洋梨は収穫してから暫く「追熟」というものをやって食べるものなのだそうだ。ああそうか…だから本土から距離があるこの地でも輸送中に追熟ができるから美味しく食べられるのですね。なるほどなぁ。