2012年3月1日木曜日

Perfumeを海外へ-番外編2 考察=これからのこと


Perfumeの皆様。レーベル移籍、iTunes世界配信、オフィシャルYoutubeチャンネル、オフィシャル・インターナショナル・サイト開設、おめでとうございます。これでやっと海外に向けて第一歩ですね。これでやっと本格的に海外の話が出来るようになります。夢はかなう!

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そう、今回のこの発表、すごいことだけど、実際にはスタートラインに立ったばかり。これから、配信を開始して実際にどれぐらいのファンが曲を買ってくれるのか、今までに違法ダウンロードで聴いていたファンを呼び込んで、再度新たに曲を買わせることが出来るのか。今回のスタートが遅かった分、2年前に楽曲を買ってくれたはずの、一度は逃した客を回収することができるのか。売れればもうけもの。売れなくても当たり前ぐらいの気概が必要かも。

どうやらファンは世界中に散らばっているらしい。アジア全般(…と思ったらアジアとロシアには配信してないんですね。なんで?)、東欧、中南米各国、それに欧州の英語圏以外の国々。彼女達が開拓できる市場は、英語圏のイギリスやアメリカだけではない。不思議カッコイイニッポンはどこからも注目らしいのだ。実際にはどこで売れるかさえわからない。これは楽しみだ。
だから、これから、やれハリウッドだのビルボードだのグラミーだの全米ツアーだの、いろいろと期待は大きいと思うけど、まず地道に曲を売っていくことから考えてほしい。早速動画サイトに、新曲を入れたCMのメイキングがアップされていたけど、こういうものに「ハリウッドデビュー」などという文字が踊る日本のメディアもおかしい。アメリカのメイベリンやカバーガール等の化粧品のCMの撮影をしているのならともかく、撮っているのは日本のチューハイのCMなのだ。こういうおろかな日本のメディアは困ったものだと思う。日本のCMをハリウッドで撮っても、ハリウッドデビューにはならないんですよ! どうして私がこんな意地悪な言い方をするのか。それは、これからが彼女達にとって、本当に世界に出ていけるかどうかの真剣勝負だからです。これからいろんなことがあると思う。メディアの方にはもっと冷静でいてほしい。



まず、ピルボードチャート( Billboard 200) など忘れた方がいい。(もちろんユニバーサルの内部の方はやる気満々だと思うし、もちろん上手くいけば素晴らしいけど) 以前「Perfumeを海外へ」のメインエントリーでも書いたように、彼女達とチームPerfumeには、他に決して真似のできない独自性があって、そんなところが既に海外の一部のファンにもうけている(尊敬を勝ち取っている)のだから、その方向を(今は)絶対に変えるべきではないと思うのだ。

ビルボード(Billboard 200)で売れるタイプと、Perfumeは全然違う。ビルボードタイプになるにはまず方向性を変えなければいけないだろう(英語で歌う、露出の多い服、語学力、海外のTV出演など)。そういうものは、少女時代や、2Ne1などのK-popの方々が、アジア人として既にやれるだけの事をやっている。だからああいうものはK-popの方々に任せておけばいい。彼女達はライバルではない。むしろPerfumeも含めたアジア人全体を引き上げるためにがんばってくれていると考えた方がいい。(彼女達は実際に非常に難しい市場に挑戦している。)


じゃあ、ビルボード(Billboard 200)タイプでなければ、どこなのか。私はやっぱり不思議カッコイイニッポン路線でしばらく行くしかないと思うのだ。初音ミクもきゃりぱみゅもそう。彼女達はけっしてビルボードチャート(Billboard 200)に上がることはないだろうけど、その独自性で強烈な印象を残すことが出来たと思うからだ。(きゃりぱみゅの「つけまつる」は Top World Albumチャートで8位だそうだ)
Perfumeもしばらくはこっち系でいったほうがいい。ただ、Perfumeはスケールが違う。質も完成度も違う。叩き上げならではの豊富な経験、精神的な強さもある。ぜんぜん上だ。だからこそ成功の可能性はある。成功とは記憶に残るアーティストになること。大切なのは、Perfumeが面白くてカッコイイグループなのだという事を忘れないように。安売りをする必要はいっさいない。
例えが古くて申し訳ないけど、79YMOLAグリークシアターライブのビデオを見た方もいらっしゃると思う(これがベストの例ではないかもしれないが)。YMOはビルボードチャートBillboard 200)にアルバム1枚が81位にはいっただけだったのだが、このライブ、彼らの演奏が素晴らしくて、最初はすまして聴いていたおしゃれな客が、最後にたまらなくなって、わいわい踊り始めるというもの(この場面は現在ネットには上がっていない)。訂正;大変申し訳ない。思い違いをしてました。この観客がわいわい踊り始めるライブ、グリークシアターだと思ってたのですが、実はフジテレビで放送された『YMO LA SATELLITE TV LIVE』(1980年) "Yellow Magic Orchestra World Tour '80 From Tokio To Tokyo" Live at A&M Charlie Chaplin Studio, L.A. (Nov.7,1980)のものでした。Youtubeにもあがってました。力と質があれば、チャートなんて関係ないのだ。当時テクノは超最先端でかっこいいもの。日本だか中国だか(そんな格好の)変なアジア人のバンド、演奏したらすごかったという。アレですよ。83年ロンドンでのカシオペアもそう。ああいうショーはきっと忘れられないものとして残る。
ビルボードなんかの数字を気にして大衆迎合路線でやるより、ずーっといい。ビルボードチャートインは努力した結果で、目指す目標ではない。目標は記憶に残るアーティストになること。レガシーは永遠に続くのだ。


だから、メディアもファンも、たかがアメリカのチャートに入ったとか入らないとかで一喜一憂する必要は全く無い。そもそもあんなものに入る曲は音楽的にそれほど面白いものではない。PerfumeにはPerfumeの市場がある。海外の日本大好きトンガリっ子や、音楽通、メディアアート好きのようなHIPな客(センスのいい客)をターゲットに、ハイテク日本のダンスロボットになって最初は小さな市場でもいいから、このあたりのファンをがっつり押さえてほしい。ビルボードなんかに媚売ってたらこういうステキなファンを失ってしまう。
今回の配信で、売れたら行く場所のあたりをつけ、確実な規模のショーをやる。現在のPerfumeは日本でアリーナを3日分、一日で完売しちゃうような勢いらしいが、海外で実現可能なステージは5000人いや2000人クラスかもしれない。ステージ構成だって変えなきゃいけないだろう。「なんだまたこんなサイズに逆戻りか」と思うかもしれない。それをやるかどうかも本人達次第だ。でも、もし行ってみようと思うのなら、謙虚に、初心忘れず、海外の拠点にも「ファンに会いに来たよーありがとうライブ」を手抜きをせず、地道にやっていってほしい。少しずつ味方を増やしていくつもりで。そんな時、日本のメディアはいろんな事を書きたてるかも(または全く書かないかも)しれないけれどいっさい気にする必要はない。行くのなら海外のお客さんに喜んでもらうことを優先して。(それとも満を持してドッカーンとアリーナクラスを1回だけやったほうがいいのか… Japan Expoの可能性もある…

おっと、それから過去の『コンプリートベスト』、『GAME』、『トライアングル』のアルバムも出来るだけ早く配信してほしい。今、この配信のニュースで喜んでる海外ファンも多いみたいなので(Youtubeのオフィシャルチャンネルに行くとコメントが英語ばっかり。笑)彼らのこの興奮の冷める前にぜひ。とくに『GAME』と『トライアングル』は過去のPerfumeの印象を決定づけた曲が多いので、はずしてはいけない。『JPN』をつまらないという層も必ずいる。


ああ、それにしても、こんな私のうだうだは単なる杞憂かもしれないのだ。配信が始まったとたんに、どーっと売れて、いきなりヨーロッパツアーとかいっちゃうかもしれません。いやそれ以上にユニバーサルのトップからイケイケ指令が出たら、上のような悠長なことを言っている場合ではないゴリ押し戦略になるかもしれません…。とにかくがんばってほしい。
Perfumeのみなさま、どうかおからだを大切に。応援しています。