能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20...

2025年3月5日水曜日

お猫様H:猫のいる風景



最近の写真が無かったので去年から今年にかけてのランダム Photos。

白に映える女
猫には表情がある
美猫さん
美しいポートレート
これから洗う洗濯ものに寄り添う猫
見下ろす猫
ドアの外で待つ猫
野性の呼び声
ぬくもり


2025年3月4日火曜日

トランプ米大統領・米議会・施政方針演説まぁ~すごいもんだね…やっぱり大嘘でした😩



今見終わった。まだなんの解説も見ずに印象だけ書いておこう。


まぁ~たいしたものだわと感心しましたわ。トランプ氏は78歳。それなのに一度も澱むことなく2時間も喋って喋って喋り続けた。あれは…プロンプターを読んでいるのでしたっけ?まさか全部暗記しているわけではないですよね。あのスピーチ・ライターは有能だわ。

トランプさん元気だな。まずそこが超人的だと驚いた。喋りも上手いよね。選挙前のキャンペーンと違って、喋りもユーモラスでゆっくり。場面場面では思いやりさえ感じた。上手いんだろうなと思った。人を惹きつけるのが上手い。本当に上手い。なんか思わず信じそうになった。

そういえば私、こういう米大統領の施政方針演説を聞いたのは生まれて初めてで、今までの他の大統領がどのように喋ったのか全く知らないのだけれど、それにしてもこのトランプさんの演説は上手い。

事前に考え抜かれた演出演出演出のオンパレードであったとはいえとにかく上手い。正直心が動いた…この私でさえ。私トランプ氏のことは政治家として全く信頼していないし、特に外交と経済は全くダメだと思うけれど、しかしこの演説では少し心が動いた。スピーチ・ライターは超有能。取り上げたお題もわかりやすく誰が聞いても同意しやすい内容だと思った。しかしあの喋った内容は全部本当なのだろうか。


私でさえ賛同できることを沢山言ってた。違法移民を厳しく取り締まる。犯罪人に甘くしない。法で裁く。警察を建て直す。女性のスポーツにトランスの男は入れない(YES)。性別や性の嗜好、人種などで就職の機会の逆差別をしない(皆平等に)。とりあえず人の性は生まれた時のものとする(これは私は付け加えたいことがあるが)。子供への性転換手術の規制。健康に関する調査、食の安全を調査し実行する。

…あと他にあったかな?

色々と賛同できることもあった。いいことだと思えることが結構聞こえてきていた。それらは以前から聞こえてきていたことでもあるけれど。


私は基本的にLGBTQの人々の自由の権利は守って欲しいと思う。しかしトランスジェンダーに関しては、民主党の行き過ぎた方法のせいで女性にとってフェアではない状況に憤りを感じていたので、女性のエリアを守ってくれたのはいいことだと思う。ただし基本的には「人が人に思いやりを持って世の中が平和である」のなら私は誰が誰と寝ていようと、どのような服装をしていようと構わないので、もし(LGBTQに限らず)様々な分野での弱者が辛い思いをしているのであれば私は応援する側にいたいと思う。それは以前からずっと変わらない。困っている人が幸せになるためなら応援する。しかし女性のエリアには男は入ってくるな、女性を蔑ろにするな…女性も弱い立場なのだから。それも譲るわけにはいかない。だから女性の視点から見て、トランプさんや保守派の人々が言っていることには賛同している。


ただし、トランプさん…共和党全体ですね…の言っていたことにどうしても賛同できないことがある。環境問題。

この演説でも石油資源を「掘って掘って掘りまくれ」それから「アラスカにパイプラインを通す」と言っていたけれど、あ~これはとんでもないな。心が暗くなった。これは前期の時も心配していたこと。もうだめかなと思う。おそらくここ数年で何種類かの野生の生き物は絶滅するのだろうと思う。絶望している。

それから環境破壊に地球温暖化はどうなるのだろう。この演説でもトランプさんは「環境問題はデタラメだ」とか言ってたかな。もう昔の人だからしょうがないのだろうね。怖いし残念です。


しかし私が基本的にはリベラルの民主党寄りだとは言っても、リベラルが暴走したらそれを支援するわけにはいかないのですよ。コロナの頃のmRNAワクチンもほぼ強制になりそうで、あれは心底恐ろしいと思った。私は自分の身体のことは自分で決めたいと思うから。またBLMのお題で警察を社会の敵とみなしたり、万引きは罪としないとか、国境は緩く解放して…なども決して賛同していたわけではない。民主党は確かに暴走したと思う。あたりまえの常識が壊れかけていた。本当にどういうつもりだったのだろうと思う。


それからこの演説で、アメリカも世界各国に意味不明の援助をしているのにも驚いた。アフリカの国の人の性転換の手術をサポートするとか…驚いた。トランプ氏がひとつひとつその意味不明な「支援」に数百万ドルが使われていると話していた。それも止まるそうだ。そういえば驚くほど多くの…130歳以上の(存在しない)高齢者が社会保障を受け取っているとも言っていた嘘でした  ↓ )。本当だろうか。それ全部税金ですからね。きちんと締めて欲しい。


※追記 
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メディアの Fact Check を見てみたけれどトランプさんかなり嘘をついているようですね。やっぱりな。だから彼は信じられない。もっと正確なデータを言えばいいのに。

Fact-checking Trump's speech to Congress

 演説でトランプ氏は、アメリカの100歳以上の(存在していない)高齢者(合計・約2000万人以上)が社会保障を受け取っている…と言っていたけれど NBCのサイトによると 大嘘!確かにデータには多くの人々の名前が間違って載っているが社会保障の支払いはなされていない。データを修正するのにお金がかかるのでそのままなのだそう。またまたトランプさんの馬鹿馬鹿しいほどの大嘘。だから彼の言う言葉は信じられない。それにインディアナ州のホンダの新工場も嘘!…なんだ真面目に聞いてたのに。
結局彼は自画自賛ばかりしてそれを飾る嘘の数々…トランプ氏は病的に嘘をつき続ける人。話はうまいし人を惹きつけるが中身は何もないのだろう。こういう人が大統領とは世も末。
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…なんだか私がずいぶん保守寄りになったように聞こえるかもしれないけれど、私の中身が変わったわけではない。


繰り返すがトランプ氏は外交と経済は最悪だと思う。恐ろしいことにならなければいいと願う。それが一番心配だ。  


ただとても気になったことがある。

この大統領の演説は議会の議員の前で行われたのだけれど、議会の半分の共和党員はまるでロック・コンサートでもあるかのように熱狂しているのに、民主党の側は苦虫を嚙み潰したような顔でずーっと仏頂面。それも異常だと思った。

本来なら国会議員達も党を超えて個人個人の意見を持つのが本来の姿であるはずなのに、明らかに共和党側がいいことを言っているのにもかかわらず、民主党員の全員がまるで「全て反対するのが当たり前」であるかのように共和党側に一歩も歩み寄らないのも問題だと思った。

これはもちろん共和党の側も同じ。民主党がどれだけいいことを言っても共和党員は民主党に対し、決して賛同することは無い…まるで「戦い」であるかのように。それでは何も決まらない。議会なのに「話し合いの場」ではなくなっているのは異常だと思う。

どちらの党もいいことを言っている。しかし同時にどちらの党も間違ったことも言っている。話し合いの場を「戦い」にするのではなく、両党の正しいことをお互いが聞くようにならなければこの国は前に進まない。

会議は「戦い」であってはならない。


私が個人的に心配なのは(以前にも書いたと思うが)、トランプ氏個人がどうこうというよりも(彼は78歳で永遠にパワーがあるとは思えない)彼を取り囲むウルトラ・コンサバな右翼の恐ろしく排他的な人々に力が与えられるのが怖い。本当に怖い。私はアジア人のマイノリティで外国人ですから。私のような人間が生きやすい国であってほしいと心から願う。

これからメディアの解説を読む。


2025年3月3日月曜日

Armin van Buuren, Norma Jean Martine, LAWRENT & Alok - Euphoria (2025)



エリーゼの…


Armin van Buuren, Norma Jean Martine, LAWRENT & Alok - Euphoria (2025)
Euphoria - Single
Armin van Buuren, Norma Jean Martine, LAWRENT & Alok
Released: January 3, 2025
℗ 2025: Armada Music B.V. / Alok Music / B1 Recordings
 


アルマーダ社のアーミン社長がAlokさんと組んで、ダンスフェス “Tomorrowland Brazil 2024”でお披露目した曲だそう。ビデオはその様子。

この曲について、アーミン社長が子供の頃に初めて弾いた曲と言っているのだけれど何歳だったのだろう?私この曲は10歳ぐらいに練習して弾けなかった。そして13歳ぐらいで形にはなったと思うけれど、レコードのようには決して弾けなかった。今も綺麗に弾けない。結構難しいと思ったのだけれど、楽譜でもあの曲は簡単なAのレベルだと書いてあった。トホホ

この手の有名なクラシック曲をポップスに変える方法は、曲に馴染みがあるだけに高い確率でダサくなることが多いのだけれど、このアレンジは元曲の印象が少なくて綺麗にまとまってますね。うまいね。さすがやな。


★Armin van Buuren
オランダのプロデューサー・トラックメイカー(ビートメイカー)・作曲家・編曲家の音楽アーティスト、DJ。1976年生まれの現在48歳。オランダ・ライデン出身。ジャン・ミッシェル・ジャールの曲に感化されてDJを始めた。ライデン大学で法学を学んでいたがDJ業が忙しくなって休学。後に2000年代に復学して卒業した。現在、EDM、プログレッシブ・トランスを代表するDJ。DJ MagazineによるDJ Mag Top 100において2007年・2008年・2009年・2010年・2012年に1位を獲得、その後も上位をキープ。
2003年にMaykel Piron、David Lewisと共にダンス・ミュージック専門の独立系レーベルArmada Musicを立ち上げた。

★Alok
Alok Achkar Peres Petrilloさん。1991年生まれ30歳。ブラジルのmusician、DJ、record producer。2022年の1月のDJ Magazineのランキングでは世界で4位だそうです。欧州ではこれからなのかな。しかし南米で大物みたいですね。

★Norma Jean Martine
米国ニューヨーク州出身のシンガー・ソングライター。現在英国ロンドン在住。欧米各国の大物アーティストと作曲でのコラボが多数。彼女の曲は各国でチャートインしている。

★LAWRENT
英国ロンドン在住の DJ、artist、producer、Songwriter。元々はフランスのパリで活動していてフランスの大物アーティスト達とヒット曲をリリースしていた。2020年にロンドンに拠点を移し、各国のアーティストやDJ、K-POPに至るまで様々なコラボ・ワークで活躍中。


Euphoria
Armin van Buuren, Norma Jean Martine, LAWRENT & Alok
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[Verse 1: Norma Jean Martine]
心の赴くまま 私に地図はない
この愛は未踏の地 道なき道の上
街を離れ 私達はもう振り返らない 今夜 今夜
偉大な未知の世界への冒険
進むごとに 私達は深く落ちていく
今夜はオープン・ロードを彷徨えばいい

[Chorus: Norma Jean Martine]
幸せな高揚 触れ合うたびに
私はハイになる 高まりを感じる
Baby, あなたが沈んでいるのなら 私はあなたを元気づける
この愛は私達のためにある

[Build: Norma Jean Martine]
Euphoria
Euphoria

[Drop: Norma Jean Martine]
多幸感 触れ合うたびに


[Verse 2: Norma Jean Martine]
遊牧民のように 二人で月を追い
衝突するまで 高速で転がって
私達は暴れまわる もう振り返らない 今夜

[Chorus: Norma Jean Martine]
幸せな高揚 触れ合うたびに
私はハイになる 高まりを感じる
Baby, あなたが沈んでいるのなら 私はあなたを元気づけるわ
この愛は私達のためにある

[Build: Norma Jean Martine]
Euphoria
Euphoria

[Drop: Norma Jean Martine]
幸せな高揚 触れ合うたびに
多幸感 触れ合うたびに
Baby, あなたが沈んでいるのなら 私があなたを元気づける
幸せな高揚 触れ合うたびに

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Songwriters: Alok, Armin van Buuren, Brad Mair, John Dirne, LAWRENT, Norma Jean Martine & OHYES


2025年3月2日日曜日

USA × UKR会談決裂…あれはヴァンス氏が余計なこと言ったからだろう



2月28日の米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂したことで大騒ぎになっている。私も50分弱に及ぶ会談の全編を捉えたビデオを見た。多くのメディアはヴァンス氏とゼレンスキー氏が喧嘩を始めた最後の10分ほどを切り取って報道しているようだけれど、あれは実際には50分弱続いた会談の最後の部分のみ。二人の喧嘩に途中からトランプ氏も加わって大変ショッキングな映像だけれど、実は始めの40分間は平和的に会談がなされていた。

メディアも世間も、「トランプ&ヴァンス派・VS・ゼレンスキー派」に分かれて喧々囂々どちらが悪いのかを話しているようだけれど、私はあれは元々以前からあったヴァンス氏とゼレンスキー氏の長年の不和が世界中が見守る中で爆発してしまったのだろうと思った。ああいう言い争いは事前の議論でも何度も起こっていたのではないか。あの二人の喧嘩はおそらく初めてではない。



数日前に私はこのブログに19世紀のオーストリアとフランスとイタリアの関係を書いたのだけれど、今回のウクライナをめぐる欧州と米国とロシアの問題も、時代の転換期だからなのだろうと思わずにはいられない。それで考えたことを記録しようと思った。会談の様子だけでは見えてこない、世界の状況を考察する。

そして今までに私は「歴史はその時代に生きた個人が作っていく」と何度も書いてきているのだけれど、今回のことでもそれを強く感じている。人の言葉と関係が歴史を動かす。そのあたりも考えてみた。



まずこの会談の目的は、「鉱物資源(レアアース)の権益をめぐる米国とウクライナの合意文書への署名」であった。誤解してはいけない…あの会談は停戦だとか、安全保障だとかの具体的な合意が目的ではない。あの会談は、今後の停戦と安全保障に向かっての一段階…米国がウクライナからレアアースを確保することをウクライナ側に署名させ、(米国の利を確保した上で)これから段階を経て米国とロシア、ウクライナ、そしてEUなどとの合議で停戦と安全保障に進めていく、その一段階でしかない。

室内にジャーナリストを入れた質疑応答の中で、記者たちが停戦や安全保障のことに多く言及したため、またゼレンスキー氏が今後の安全保障について何度も要求したため、私もしばらく混乱していたのだけれど、この会談の場はまず「鉱物資源(レアアース)の権益をめぐる米国とウクライナの合意文書への署名」のみであったことを忘れてはいけない。

残念ながらその「第一歩」が今回決裂してしまったということ。


事前に行われた議論ですでに合意は整っていたのだろう。トランプ氏もメディアの前で誇らしく署名をする様子をメディアに見せたかったのだろうと思う。しかしメディアの前で(予想していた以上に)プーチンをこき下ろし、安全保障を迫るゼレンスキー氏にトランプ氏もかなりイラついたのだろうと思う。それでもトランプ氏は40分近く辛抱強く耐えていた。

しかし一旦ヴァンス氏とゼレンスキー氏が喧嘩を始めると(これはヴァンス氏の失敗だと私は思う)、とうとうトランプ氏も堪忍袋の緒が切れた。そして彼の口から暴言が飛び出し始める「お前には切り札がないだろう。すぐに負けるぞ。兵力も足りないし、まだ戦争がしたいなんて言ってるのか、停戦を受け入れるべきだ」…こうなったらもう止まらない。抑えていた感情を爆発させてトランプ氏が吠える。まるで子供のように。

そしてそこに畳みかけるようにヴァンス氏が「あなたは無礼だ、もっと感謝をするべきだ」と畳みかける。こうなると大国が苦しむ小国をいじめているようにしか見えなくなってしまった。これはヴァンス氏の失態。今後は交渉を成功させるために、この短気でプライドの高すぎるV氏を誰か抑えておいた方がいいと思う。この人は問題だ。
 

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *

米国 トランプ大統領
あくまでも「Deal/取引き」の人。

① 彼が悲惨なこの戦争をすぐにでも終わらせたいと思っているのは事実だろう。彼がウクライナとロシアの平和を願っていることは信じられる。彼が一個人として戦争の終結を願うのは本当だと思う。

② ただそれに加えて、彼は「ウクライナの戦争を終わらせた大統領」の名声も欲しがっている。(嘘かまことか)巷では彼が「ノーベル平和賞」を狙っているとの話も出ている。彼が、3年間も続く悲惨な戦争を終わらせた「偉大なピースキーパーの大統領」の名声を欲しがっているのは想像できる。大変な名誉であるからだ。

③それからアメリカの国民の半分がウクライナへの援助に疲弊していることを考え、今までアメリカが援助してきた3500臆ドルに対し、アメリカにも利益が欲しいと訴える。それがウクライナに眠るレアアースを獲得すること。トランプ氏は「5000臆相当のレアアースが欲しい」と言っている。この会談はこの「レアアースの獲得のための合意文書への署名」の前のメディアへのお披露目の機会だった。

④ 彼が思うところの「停戦」の保証はどこにあるのか。彼はプーチンのことを「よく知る」と語っている。私には彼が「俺たちはバディだから停戦も簡単にできるよ。プーチンは俺の言うことなら聞くから」と言っているように聞こえた(そしてそのおまけとして、オバマやバイデンは無能で何もできなかったとこき下ろす)。


米国 JDヴァンス副大統領
①彼は保守派。中西部の地方の出身で多くの労働者の支持で政治家になった人。変化を好まない古いタイプのよきアメリカを目指しているようだが、このお方はまだ40歳。大変な努力をしてイェール大・ロー・スクールを出たと聞いたが、外交に対する無知(に見える)を見るにつけ、イェール大卒の肩書はどこにいったのだろうと思わずにはいられない。

②それから彼が、2016年の大統領選でトランプ氏の批判をしていたことは知られているのだろうか。2017年にはCNNの寄稿者でもあった。しかし2022年の中間選挙で、オハイオ州から共和党の上院議員として当選…その時にトランプ氏から支持を得て彼はトランプ氏の信奉者になった。はて、このお方の信念はどこにあるのかと疑問に思う。風見鶏?

②ヴァンス氏は「米国第一主義」を掲げ、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援継続に強硬に反対し続けている。1年前の2024年2月の独ミュンヘン安全保障会議 (MSC)に上院議員として出席し「ウクライナへの軍事支援には意味がない」と文句を言い、ウクライナからの代表団にも「意味が無いから」と会おうとしなかった。

Navalny’s death fails to move the dial for Republican Senator J.D. Vance
https://www.politico.eu/article/navalny-death-fails-to-move-the-dial-for-vance/

そして今年2025年のミュンヘン安全保障会議 (MSC)にも出席し、長期化するウクライナでの戦争について「現実的になりましょう」そして「EUにはもっとNATOに出資して欲しい」と要求。その上で(余談だが)保守派の視点から「欧州全体が保守派の言論の自由を制限している」と噛みついた。どうもこのお方は喧嘩っ早いと私は見た。余計なことを言い過ぎる。

Zelenskyy meets with Vance, says Ukraine needs "real security guarantees"
https://www.cbsnews.com/news/zelenskyy-meeting-with-vance-rubio/


ウクライナ ゼレンスキー大統領
彼はウクライナの国民のために様々な国に出向いて軍事支援の交渉を行っている。彼は国民のために真剣に戦っている。28日に米国での交渉が決裂したすぐ後に、彼は英国に飛んでスターマー首相と会談。22億6000万ポンド=およそ4270億円の融資をとりつけた。このお方は必死だ。

ウクライナはロシアとの戦争でものすごい数の死者を出している。2014年からのドンバス戦争では14,200~14,400人の死者が出ており、2022年からのロシアのウクライナ侵攻では推定100万人の死傷者が出ているという。このお方が、これだけの死傷者を出したロシアの一方的な侵略戦争に対し、ただ「Deal」だけで停戦…または敗戦を受け入れるとは思えない。

彼にとっては(件のレアアースの眠る東側の土地を含め)東ウクライナの土地の多くを「敗戦」の結果としてロシア側に明け渡すことは決してできないこと。もう後戻りはできないのだろう。少しでも土地を取り戻し、ウクライナの誇りを守る。そのために必要なのは西側諸国の軍事支援。

今回の決裂したアメリカとの「レアアース合意文書への署名」の場で、彼がトランプ氏と「Deal」を結ぶのはいいが、その代わりに安全保障が欲しい…と何度も何度もプーチン氏の裏切り(25回も停戦合意を覆しウクライナを攻撃してきた)を繰り返し語っていた理由は、プーチン氏がトランプ氏との口約束やバディの繋がりだけでウクライナ侵攻を完全にやめるとは思っていないからだ。彼は世界に向かって「プーチンがどのような相手なのか現実を見てくれ」と必至に訴えていた。

喧嘩が始まってからトランプ氏は彼に「切り札が無いだろう」と言っていたけれど、ゼレンスキー氏のもうひとつの「切り札」は「プーチンに侵攻を許しロシアの東ウクライナ支配を許したら、次はポーランドに侵攻する」ことの可能性。そしてそのポーランドはNATOのメンバー。彼がトランプ氏に「米国には海があって実感がないだろうがいつか(ロシアの脅威を)感じることになるだろう」と言ったのはそこ。

仮にロシアが東ウクライナ占領の後、NATOメンバーのポーランドやフィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニアなどに侵攻したとしたら、今度はNATOの集団的自衛権でロシアとNATOメンバーとの戦争が始まる可能性もある。そのNATOに50%以上の出資をしているのがアメリカ合衆国。


NATO Defense Expenditure NATO防衛費
Estimated military spending of NATO countries and share of GDP in 2019
2019年のNATO諸国の推定軍事支出とGDPに占める割合
(記事の中に棒グラフで出ています)
https://www.forbes.com/sites/niallmccarthy/2019/12/03/nato-summit-the-countries-meeting-the-2-threshold-infographic/


ゼレンスキー氏が話していたのはそれ。それを聞いて、以前からNATOへの莫大な出資を疑問視していたトランプ氏がカッとなった。ところで…トランプ氏が冷戦時代に作られた「対共産/対ソ連」のNATOの意味を十分理解しているかどうは疑問だ…と言った人もいる(ジョン・ボルトン氏のインタビュー)。トランプ氏のキレたのはそのあたりの「痛いところ」を突かれたのが原因ではないかと私は思った。

ゼレンスキー氏が国民の命と誇りのために、(トランプ氏やJDヴァンス氏のような)ウクライナとヨーロッパの現状をよく理解しようともしない政治家が率いる無知な大国に対し、「レアアースを差し出すからとにかく支援をしてくれ」と直談判に出向いたのは勇気ある行動だと私は思う。彼はヴァンス氏の難癖にも全く動じなかった。ウクライナを守る絶対的な信念と、切り札(レアアース)を持って、彼があまりウクライナに同情的ではない米国にお願いに来たのは勇気ある行動だと思った。交渉の決裂が決定的になったあの言い争いの瞬間に…ウクライナの国の運命を左右する交渉が失敗に終わったことを理解した彼がどれだけ絶望したのか…は想像もできないほどだ。見ていて苦しくなった。


プーチン大統領
ここでは多少余談になるが、私の個人的なプーチン氏の印象も書いておく。今まで様々なメディアで見てきた彼の評判を見る限り、彼は恐ろしい独裁者であるのだろうと想像する。彼は昔のソビエト連邦時代の大国の栄光を取り戻すために、ウクライナはロシアのものだと言って譲らない。それはウクライナ以外の東欧の国々に対しても同じなのだろう。だからプーチン氏はウクライナが西洋側に近づくことに焦りを感じた。彼はまたウクライナ東側のレアアースも欲しいのだろう。今回のゼレンスキー氏の言葉によると、プーチン氏が停戦合意を覆したのは25回にも及ぶと言う。プーチン氏は信頼できる人物ではない。また彼に反抗する者は、ロシア国内でも毒殺、バルコニーから落ちるなどの方法で暗殺されている。トランプ氏の「俺は彼をよく知っているから終戦できる」という根拠のない軽い言葉と、ウクライナが経験してきた被害を比べれば、ゼレンスキー氏が必死に訴えるのも理解できる。


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米国はなぜウクライナのレアアースにこだわるのか?
スマートフォン、コンピュータ、電気自動車、風力タービン、軍事機器などに使用されるレアアースは様々なテクノロジーの発展にに欠かせない素材。この素材が米国からは産出されない。2019年から2022年の米国のレアアースの輸入の72%は中国からのもの。これからの中国との関係を考えれば、米国は中国からレアアースを買いたくない。それでウクライナに目を向けた。もちろんロシア側もウクライナのレアアースを欲しがっている。米国はそのような理由からウクライナのレアアースを押さえておきたい意図がある。

プーチン氏とトランプ氏と中国との関係
米国としては、プーチンをただ悪者にして非難する以上にもっと考えなければならないこともある。これから中国との関係が難しくなるかもしれない場合に、米国としては中国とロシアが「反米同盟」として近づくのを許すわけにはいかない。米国は出来ることならロシアと敵対することなく、共に中国を牽制したい意図もあるかもしれぬ。トランプ氏もその辺りは考えているのではないか。

EUの焦り
28日に米国での交渉が決裂した後、ゼレンスキー氏は英国に飛んでスターマー首相と会談。22億6000万ポンド=およそ4270億円の融資をとりつけている。なぜ英国を含む西洋の諸国がウクライナを支援するのか。それは前述のNATOの問題。冷戦時代に成立したNATOとは「対共産/反ソビエト」の防衛軍事同盟であったが、このNATOに50%以上も出資しているのが米国。

これには理由があった。NATOが成立した時、世界の国々は戦争で疲弊していてNATOに多くの出資が出来なかった。それでその時代に一人勝ちしていた米国がNATOの筆頭出資国になった。

しかし冷戦は終わり、第二次世界大戦が終わってからももう80年が過ぎている。米国の国民の間には、欧州の安全を守るNATOになぜ米国が50%以上も出資しなければならないのかの疑問も上がっている…欧州各国が十分に出資していないのはフェアではないという意見があるのも納得はできる。

米国の保守派に支持されるトランプ氏もヴァンス氏も、これら国民の意見を反映して「欧州は自分で自分の面倒を見るべきだ」と考えている。(アジアに対しても同じことを考えているかどうかは私にはわからない)


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最後に会談の最後がどのようになったのか経過を記録しておこう

会談の決裂・ヴァンスが噛みついた
そもそもこの会談は上記のようなそれぞれの思惑が交差している状況から始まった。事前に行われた会議で「レアアース合意文書への署名」はすでに決定していたと思われる。記者の集まったあの会談はその署名のお披露目式の直前の会談であった。

トランプ氏はレアアース確保のために穏やかに会を進めていた。声を荒げることも無く会談を進めようとしていたと思う。

ただゼレンスキー氏は手ぶらでは帰りたくない。「レアアース合意文書への署名」を切り札として出す代わりに、ウクライナへの支援の継続を確実なものにしようとしていた。

トランプ氏の「俺がプーチンに話せばなんとかなる」の言葉には保証がない。今回は停戦出来たとしてもまた2年後に戦争が再開するかもしれない。そのことをゼレンスキー氏は繰り返していた。

ゼレンスキー氏による(畳みかけるような)プーチン氏への非難にトランプ氏は耐えていた。しかしゼレンスキー氏は必死で説得を続ける…世界中が見守るカメラの前で。

そのような状況で、トランプ氏はいつものように「いかに俺がすばらしい大統領なのか、偉大な大統領なのか、いかにオバマとバイデンは無能なのか」を何度も繰り返す。それに対してゼレンスキー氏が苛立つのが見えた。

記者との質疑応答の途中で、記者の一人が「(ゼレンスキー氏が)なぜスーツを着てこなかったのか」と質問をして己の馬鹿さを晒す。

ゼレンスキー氏はますます苛立っている。この時点でもトランプ氏はよく耐えていた。


ポーランドの記者がトランプ氏に質問する「あなたがプーチン氏に肩入れしすぎていると心配している」

トランプ氏は「お互いに歩み寄らなければ取引は成功しないんだ。(プーチン氏に)厳しくしても交渉を成立させられない」と説明。

ヴァンス氏がしゃしゃり出る
「いいですか。和平への道、繁栄への道とは、外交に取り組むしかないのですよ」(←私にはオレオレのヴァンス氏がステージに上がって俺が説明してやるからよく聞けよと言っているように見えた。しかし彼がここで大統領の横から口出しする意味は無い。彼は余計なことをしたと思った」

その言葉に(元々反ウクライナ支援のヴァンス氏をよく思っていなかった)ゼレンスキー氏が語りかける「プーチンは…これこれこういうことがあったんですよ、プーチンは停戦を破った…こんなこともあんなこともした。ヴァンスさんどういう意味で「外交」と言ってるのか?」…この時点でのゼレンスキー氏のトーンはまるで無知な生徒に先生がウクライナの状況について講義しているようだった。「JD」と名前を呼びさえした。

そこでヴァンス氏に火が付いた「…メディアの前でそれを言うのは失礼だ…トランプ氏に感謝するべきだ」

ゼレンスキー氏「あなたはウクライナに来た事あるのか?我々の問題だと?一度でも来たらどうだ?」

そもそもゼレンスキー氏はヴァンス氏が嫌いですよね。トランプ氏の軽い言葉と「オレサマすごい」にもイライラはするだろうが、それでも大統領とは「Deal」を結ぼうとしているだから仕方がない。しかし若いヴァンス氏の無知による傲慢さには我慢ができないのだろう。

そしてヴァンス氏はヴァンス氏で、世界中が見守る会談のカメラの前でゼレンスキー氏にコケにされたのに怒り心頭。(己の無知を晒され)恥をかかされたと思ったのだろう。プライドが高すぎ。扱いが難しいなこの人。そしてよく喋る口でわーわー騒ぎ始める。…これはダメだ。ヴァンスさん、黙ってればよかったのに。この会談の決裂は彼の余計な自己顕示欲で始まったものでしょう。黙っていればよかったのに。

トランプ氏もここで押さえていた怒りが爆発。支援の要求を繰り返すゼレンスキー氏と「Deal」がスムースにいかないことにずーっとイライラし続けていたのだろうね。それでゼレンスキー氏に「カードが無いだろう、あなたは何百万という人々の命と第三次世界大戦になるかもしれないことをギャンブルしているんだぞ」と脅し始める。

…ああもうだめだ。

その間もヴァンス氏は「一度でもありがとうと言ったのか?」と畳みかける(←最初に言ってましたよ、もう黙ってなさいよ)



なんかさ…、このやりとりも見る人によってはゼレンスキー氏が悪者。また反対派にとってはトランプ氏とヴァンス氏が大国の傲慢を振りかざしていると見るらしい。

私は…どうかな。ゼレンスキー氏は要求し過ぎた気はするけれど彼の信念は揺るがない…それは立派だったと思う。彼には後がない。 一方米国側は「スーツを着ないの?」などとアホな問いをして己の馬鹿さを晒し、大統領も副大統領も米国と欧州との関係が理解できない。それはゼレンスキー氏もイライラするだろう。無理もない。


これで…アメリカはNATOから抜けるのかな。トランプ氏は世界中の国々に関税をかけて関係を悪くし、結果国内の物価もまた上がると言われている。これから欧州との密な関係も切れるのかな。アジアの国はどうなるのか? …時代が変わっているのだろうなと思う。

あ~なんか、とんでもないものを見たと思う。困ったな。
とりとめもないが、色々と考えたので自分用に書き留めておきます。


2025年2月27日木曜日

R3HAB, Mufasa & Hypeman, Mufasa & RANI - Believe (Shooting Stars)(2024)


いい曲 明るいダンス



R3HAB, Mufasa & Hypeman, Mufasa & RANI - Believe (Shooting Stars)(2024)
 
Believe (Shooting Stars) - Single
R3HAB, Mufasa & Hypeman, Mufasa & RANI
Released: October 25, 2024
A Virgin Records release; ℗ 2024 CYB3RPVNK, HMG, 
Mutineer, under exclusive license to Universal Music GmbH


少し前にUK upfront club chart かcommercial pop club chartに入っていたのかな。いい曲ですね。シンプルだけどリズムが気持ちいい。

MVの最初に男の子達が踊ってるのがかわいい。陽気💕この陽気なダンスのお方が Mufasa さん。曲の中で「ヘイ!ヘイ!ゴー!ゴー!」と騒いでいるのも Mufasa さんだと思う。 

「Mufasa x Hypeman spreading good vibes around the world- Bag Raiders- Shooting Stars」でYouTubeを検索するとMufasa さんのダンスビデオが出てくる。 ノリがいいね。一緒に踊りたい。😄😄😄 

他にもいろんな曲を踊ってるビデオが出てきた。面白い~!!! 😆


★R3HAB
Fadil El Ghoulさん。オランダとモロッコのDJ/music producer。1986年生まれ。DJ MagazineのTop 100 DJs では2012年から徐々に順位が上がって2021年には12位。大物スターとのコラボも多く、日本の嵐の「Turning Up」もこのお方のリミックス。

★Mufasa & Hypeman
Jeff Obengさん。現在米国ヴァージニア州在住。どうやらこのお方は Tiktok のインフルエンサーらしい。陽気なダンスで皆をハッピーにしているらしい。独特の"Obang" ダンスがウケているのだそう。有名アーティストのMVにも出演してる。

★RANI
Shannon Sewrani Hilversumさん。1999年生まれのオランダとスリナム共和国をルーツに持つ女性シンガー。いい声ですね。


Believe (Shooting Stars)
R3HAB, Mufasa & Hypeman, Mufasa & RANI
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ヘイ Mufasa (hmm)
ヴァイヴを広めてみる?
どこに広めるって?
世界中だよ (around the world?)
世界中! (around the world?)
世界中だ! (around the world?)
Let's go!3, 2,1, go!


Hey, hey, hey, oh
Go, go, go, oh
Hey, hey, hey, hey
Go, go, go, go



どうして どうしてなの?
私 正気を失ってる?
今もサムバディを探してるの
私 ず~っと一生迷ってばかり
でも私 大丈夫, ooh-whoa

流れ星を信じる?
暗闇の中にいるとき
Oh, oh, わかってる
あなたの場所への道がわかった
流れ星にお願いしてる, oh

流れ星を信じる?
流れ星を信じる?

流れ星を信じてる?
暗闇の中にいるとき
Oh, oh, わかってる
あなたがいる場所への道がわかった
流れ星にお願いしてる, oh
Oh, ooh-whoa


週末だけの恋を見つけるのは難しいわけじゃない
でも私には何か残るものが必要なの
あなたの心を頂戴 大切にするって約束するわ
夢中になろうよ

どうして 言ってよ?
私 正気を失ってる?
今もサムバディを探してる
ず~っと一生迷ってばかり
でも私 きっと大丈夫

流れ星を信じてる?
(Hey, hey, hey, oh, go, go, oh)
流れ星を信じてる?
(Hey, hey, hey, oh, go, go, oh)

流れ星を信じてる?
暗闇の中にいるとき
Oh, oh, わかってる
あなたの場所への道がわかった
流れ星にお願いしてる, oh
Oh, ooh-whoa

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Songwriters: Jack Glass / Christopher John Stracey / Lewis Beresford Hughes / Nick Audino / Kilian Wilke / Johannes Burger / Fadil Ghoul El / Lucas Hain / Felix Hain / Jeffrey Obeng



歴史メモ:1859年ソルフェリーノの戦い(Battle of Solferino)に至るまで・イタリア独立までの歴史



昨日、独ドラマ Netflixの歴史ドラマ『皇妃エリザベート/Die Kaiserin/The Empress』のシーズン 2 の感想を書いたのだけれど、旦那Aとこのドラマについて話していて出てきた疑問…

シーズン2の最後にハプスブルグの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が出陣した戦闘は「イタリア独立戦争」のどの戦だろう? 

答えは1859年。オーストリア対フランス・イタリア連合軍の大戦(6月24日ソルフェリーノの戦い)に向かって皇帝自らが出陣する様子が描かれていた。その戦に至るまでの政治情勢を調べたので記録する。



まずは戦に至るまでのオーストリアとイタリアの歴史から

ウィーン会議(1814年~1815年)
(Wiener Kongress/Congrès de Vienne/Congress of Vienna)
1814年から1815年にかけて、オーストリア帝国の首都ウィーンにおいて開催された国際会議。オーストリアの外相メッテルニヒが議長を務め、ヨーロッパ諸国の代表が集った。会場はシェーンブルン宮殿。

フランス革命とナポレオン戦争終結後、ヨーロッパの秩序再建と領土分割を目的として、オスマン帝国を除く全ヨーロッパ各国代表が集まり、1814年9月1日から開催された。

会議を主導したのは議長国オーストリアのほか、イギリス、プロイセン、ロシア。戦後の混乱の後、勢力均衡を維持し回復する力を有した欧州の大国同士が、相互に均衡を維持し合う国際秩序(ウィーン体制)を構築する目的で行われた。

オーストリア帝国からは…
君主:皇帝フランツ1世(フランツ・ヨーゼフ1世の祖父)
全権:外相メッテルニヒ公爵クレメンス・ヴェンツェル・ロタール


オーストリア帝国の北イタリア支配
ウィーン会議で決められたオーストリア帝国のイタリア支配とは…

イタリア北部のロンバルディアと旧ヴェネツィア共和国領を獲得、オーストリア皇帝が王を兼ねるロンバルド=ヴェネト王国とする。

オーストリア帝国が北イタリアを支配することが決定された。


ロンバルド=ヴェネト王国
(The Kingdom of Lombardy–Venetia/Regno Lombardo-Veneto/Königreich Lombardo-Venetien)
ウィーン会議にて1815年6月9日に公式に成立。

ミラノ公兼マントヴァ公であったオーストリア皇帝フランツ1世(フランツ・ヨーゼフ1世の祖父)がロンバルド=ヴェネト王フランチェスコ1世となる(在位:  1815 – 1835)。それ以後もオーストリア皇帝が国王を兼ねた。

次代皇帝はフランツ1世/フランチェスコ1世の長男・フェルディナンド1世(在位:1835–1848)(フランツ・ヨーゼフの伯父)。



1848年革命/Revolutions of 1848
1848年からヨーロッパ各地で起こり、ウィーン体制の崩壊を招いた革命。1848年から1849年にかけて起こった革命を総称して「諸国民の春/springtime of the peoples/Printemps des peuples/Völkerfrühling/Primavera dei popoli」とも呼ばれる。


1848年までのイタリアの状況
ウィーン体制下のイタリアは

南部に両シチリア王国(スペイン・ブルボン朝系)、
中部に教皇国家
北部にトスカーナ大公国(オーストリア・ハプスブルク朝系)、
   ルッカ公国(スペイン・ブルボン朝系)、
   パルマ公国(スペイン・ブルボン朝系)、
   モデナ公国(オーストリア・ハプスブルク朝系)、
   サルデーニャ=ピエモンテ王国
   ロンバルド=ヴェネト王国
   (オーストリア・ハプスブルク朝系)

が割拠しており、復古体制に対する不満は1821年のカルボナリの蜂起、1831年のジュゼッペ・マッツィーニの青年イタリア結成などに現れていた。


1848年革命時の北イタリアの状況
1848年---------------------------------------
1月、シチリアのパレルモで暴動が起こり、両シチリア王国からの分離独立と憲法制定が要求され(シチリア革命)、これを第一波として革命がイタリア各地に波及した。

3月にはオーストリアの支配下にあったロンバルディアとヴェネツィアの民衆が反乱を起こして現地のヨーゼフ・ラデツキーの率いるオーストリア軍に勝利し(ミラノの五日間、ダニエーレ・マニンのヴェネト共和国建国)、サルデーニャ=ピエモンテ国王カルロ・アルベルトに介入を要請した。要請を受けたカルロ・アルベルトは早くも3月23日にはオーストリアに宣戦を布告。第一次イタリア独立戦争が始まった。

しかし初めはサルデーニャ=ピエモンテに援軍を送っていた教皇国家と両シチリア王国が途中で戦線から離脱。それに対し本国からの援軍を受けて体勢を立て直したオーストリア軍はラデッキーの指揮の元、7月2425日のクストーツァの戦いでサルデーニャ=ピエモンテ軍を破る(オーストリア勝利)

8月6日にミラノはオーストリアに再占領され、ロンバルディア臨時政府は解散させられた。両国は8月9日に休戦。停戦協定が結ばれた。

1849年---------------------------------------
休戦後、革命は急進化し、1849年2月には教皇国家におけるマッツィーニのローマ共和国建国、トスカーナにおける革命の激化を見るに至って、サルデーニャ=ピエモンテはオーストリアに対する戦争を再開。しかし3月23日のノヴァーラの戦いに敗れて、サルデーニャ=ピエモンテ国王カルロ・アルベルトが退位7月には息子のヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が即位した。

残るローマ共和国はフランスの軍事介入により6月29日に崩壊。ヴェネト共和国8月24日にオーストリアに降伏。ヴェネツィア臨時政府も解散させられ、イタリアにおける革命は打倒された。

こうしてイタリア全体に復古体制が復活する中、サルデーニャ=ピエモンテの新国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が立憲君主制を維持し、その後のイタリア統一運動の中心地となった。


1848年革命時のオーストリアの状況
宰相メッテルニヒが1815年以来ウィーン体制の維持に努め、ヨーロッパ諸国の民族主義、自由主義運動を弾圧していた。

1840年以来の不況と貿易赤字、1847年からの飢饉による農村の危機、多額の軍事支出によって国家財政は逼迫していたが、フランス二月革命の背景の一つである金融恐慌がウィーンにも及び、メッテルニヒ体制は動揺。

1848年フランスの二月革命/Révolution française de 1848の成功(王政が倒れ第2共和政となる)が伝えられた影響により、オーストリアの宮廷には自由主義的改革要求が提出された。3月13日に学生の一部が議事堂に押しかけてメッテルニヒの退陣と憲法の制定を要求、ウィーン市内に暴動が拡大。メッテルニヒは辞任してロンドンに亡命した(ウィーン三月革命)。5月15日には新憲法に反対の暴動が起こる。皇帝一家は避難。

その頃北イタリアでは、オーストリアのラデツキー軍が7月24日、25日のクストーツァの戦いでサルデーニャ=ピエモンテ軍を破る。オーストリア国内でも反革命が巻き返し民衆を鎮圧。

※参照
ヨハン・シュトラウス1世作曲
『ラデツキー行進曲/Radetzky-Marsch/Radetzky March』
この曲は1848年7月クストーツァの戦いでのラデッキー軍の大勝利の祝典のために書かれた曲だそうだ。帝政が廃止された現在のオーストリア共和国でも国家を象徴する曲であり、国家的な行事や式典でたびたび演奏されている



10月6日にはハンガリー支配の反対派がウィーンにて蜂起、市街戦となる(ウィーン十月蜂起)。皇帝一家は避難。

11月21日にシュヴァルツェンベルクが首相に就任。12月2日に皇帝フェルディナント1世が退位。弟フランツ・カールの長男・甥のフランツ・ヨーゼフ1世に譲位。

フランツ・ヨーゼフ1世は18歳で皇帝に即位。同時にイタリアのロンバルド=ヴェネト王国の国王フランチェスコ・ジュゼッペ1世(在位;1848 – 1859)として即位。



フランスの介入…イタリアとの同盟
その前に…
1851年、ナポレオン1世の甥・ルイ・ナポレオンが国民議会に対するクーデターを起こし独裁権力を掌握。1852年に皇帝に即位して「ナポレオン3世」と名乗るようになる。

フランス皇帝ナポレオン3世はイタリアの解放運動に対して好意的であり、フランスの国益などの複合した思惑からイタリア介入を決意する。

1858年7月サルデーニャ=ピエモンテ王国の首相に就任したカミッロ・カヴール伯爵がフランス皇帝ナポレオン3世と会談、「プロンビエールの密約」を調印…反オースリア同盟を締結。

それによりサルデーニャ王国がオーストリアから攻撃を受けた場合、フランスはサルデーニャ王国を援助すること、そしてサルデーニャ王国はオーストリア領のロンバルド=ヴェネト王国、パルマとモデナの両公国それに教皇国家のレガツィオーネを併合することになるが、その見返りにサルデーニャ領のサヴォワとニースをフランスに割譲することを決めた。

フランスにとっては敵国であるオーストリアを弱体化させる意図があった。またトスカーナ大公国は、教皇領の一部を加えた上で中部イタリア王国とし、君主をハプスブルク家からフランス皇帝の従弟のプランス・ナポレオンに替えること、そして南部の両シチリア王国は現状のままとされた。


オーストリアと南伊・両シチリア王国の同盟
その頃1859年 2月、オーストリア・ハプスブルグ家皇后エリザベート(バイエルン王ヴィッテルスバッハ家)の17歳の妹マリア・ソフィアが、両シチリア王国のフランチェスコ2世に嫁ぐ。この結婚には政治的な意図があった。
その様子はドラマ内で描かれていた

北イタリアを統治するオーストリアは、各地で起こっていたイタリア独立運動、それからフランスの北伊サルデーニャ王国への介入などに対抗し、イタリア南部の両シチリア王国と姻戚関係=同盟関係を結ぼうとした。



第二次イタリア独立戦争(1959年)
(Seconda guerra d'indipendenza italiana/Zweiter Italienischer Unabhängigkeitskrieg/deuxième guerre d'indépendance italienne)
1859年にフランス第二帝政とサルデーニャ王国の連合軍がオーストリア帝国と戦った戦争

1859年、フランスと同盟を結んだサルデーニャ王国カブール首相はオーストリア国境近くでサルデーニャ軍を行軍させてウィーン当局を刺激。オーストリアは4月23日にサルデーニャ軍の動員を解除するよう要求するが聞き入れられず。オーストリアは4月29日にサルデーニャに宣戦布告、ピエモンテに侵攻。フランスも参戦することになる。

● オーストリア軍:兵士19万8000、大砲824門
 総指揮官・フランツ・ヨーゼフ1世
● サルデーニャ軍:兵士5万6000、大砲90門
 総指揮官・国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世
● フランス軍:兵士12万8000、大砲312門
 総指揮官・ナポレオン3世

6月4日 マジェンタの戦い
イタリア勝利。オーストリア軍はロンバルディアの大部分から撤退
ナポレオン3世とヴィットーリオ・エマヌエーレ2世はミラノに入城
6月24日 ソルフェリーノの戦い
イタリア勝利=フランス=サルデーニャ連合軍の勝利。ナポレオン3世とオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が陣頭に立った戦闘では両軍とも3万人近い死傷者を出した。オーストリア軍はヴェネツィアの背後にある四角要塞地に後退。

ドラマのシーズン2の最後にフランツ・ヨーゼフ1世が軍を率いてイタリアに出陣する様子が描かれていた


ソルフェリーノの戦いの意味
第二次イタリア独立戦争中の1859年6月24日イタリア北部ロンバルディア地方のソルフェリーノを中心に行われた戦闘。

ナポレオン3世率いるフランス帝国軍と、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世率いるサルデーニャ王国軍の連合軍が、フランツ・ヨーゼフ1世率いるオーストリア帝国軍と戦った。

フランス・サルデーニャ連合軍が勝利した。

この戦いは世界戦史上、交戦当事国の君主が親征に出て軍を指揮した最後の大きな戦闘としても知られている。

この戦いの後、フランスとオーストリアの間で和平条約が結ばれ、オーストリアはイタリアに対する影響力を喪失した。

ちなみに、この戦いの後戦場を目撃したアンリ・デュナンは、戦場の惨状に強い衝撃を受け「ソルフェリーノの思い出」と題した書籍を出版。ジュネーブ条約と国際赤十字の設立につながるプロセスに着手した


終戦と戦後
ソルフェリーノの戦場を視察したナポレオン3世は犠牲者の多さに仰天、ヴェネツィアを征服するために要する時間と犠牲を恐れ、また国内からの反対や、プロイセンの介入の可能性、そして強力になりすぎるサルデーニャ王国への懸念も相まってフランスはこの時点で講和を模索。

1859年7月11日、ナポレオン3世は同盟国のサルデーニャ王国に伝えることなく、ヴィッラフランカでフランツ・ヨーゼフ1世と会見。停戦に合意した(ヴィッラフランカの講和)オーストリアはヴェネツィアを保持するが、ロンバルディアはフランスに割譲、フランスが即座にこの地をサルデーニャ王国に譲渡することになった。その他のイタリアの国境は現状維持する。

カヴール首相は戦争遂行を主張したが、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が却下したため辞職。12月、トスカーナ、モデナ、パルマ、レガツィオーネは中央統合諸州に統一され、サルデーニャ王国との合併が表明された。1860年3月までにサルデーニャ王国は北部と中央イタリアのほとんどを支配した。



南イタリアとイタリア王国の成立
カヴール首相は南イタリアを支配する両シチリア王国を併合することは考えていなかった。1860年5月軍事家ジュゼッペ・ガリバルディが千人隊(赤シャツ隊)を率いて、両シチリア王国のメッシーナ、パレルモで起きた民衆の反乱を援助し、9月に両シチリア王国を滅ぼした。そして10月、征服地をサルデーニャ王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に献上してイタリア統一に貢献した。

1861年3月14日、サルデーニャ議会はヴィットーリオ・エマヌエーレ2世をイタリア王と宣言し、イタリア王国が成立した。



※参照
映画『山猫/Il Gattopardo/The Leopard (1963)』
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
1860年、イタリア統一戦争のさなかのシチリア島。シチリアの名家の当主でサリーナ公爵であるファブリツィオはパレルモの近郊に住む貴族。ガリバルディの赤シャツ隊がシチリア島に上陸すると、甥のタンクレディはガリバルディの軍に合流する。シチリア王国の貴族の若者がガリバルディのイタリア統一運動に参加する様子が描かれている。その後タンクレディはサルデーニャ王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の政府軍に加わっている。

◆ 映画『夏の嵐/Senso (1954)』 
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
1866年、第三次イタリア独立戦争の頃のオーストリア占領下のヴェネツィアでの、イタリアの伯爵夫人とオーストリア軍の将校との恋を描いた。





2025年2月26日水曜日

独ドラマ Netflix/Sommerhaus Serien『皇妃エリザベート/Die Kaiserin/The Empress』(2024) シーズン 2:目線を変えれば最高の素材なのに





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『Die Kaiserin』(2024) TV Series-Season 2/独/カラー
/約50分・全6話/制作:Katharina Eyssen』
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シーズン2を見終わった。お姫様物語としては勢いがなくなった。しかし反対にもっと面白くなったとも言える。


私はシーズン1の感想で、このドラマは「重厚な歴史ドラマで面白くなりそうだ」などと書いたのだけれど、ネット上で他の人の感想を読んでみると…、皇妃エリザベート(の周り)の史実を知っている人ほど「史実と違う茶番である」と怒っているようで…。 私が少し前に『マリー・アントワネット』のドラマを見て憤慨していたのと同じように、歴史ファンのなかにはこのドラマにがっかりした人々もいたようだ。史実に詳しいと、ドラマを見る目はどうしても厳しくなりますね。

その史実と違うシーズン1の問題とは…、
フランツ・ヨーゼフ皇帝の弟のマキシミリアンがエリザベートに惹かれ、またマキシミリアンが兄のフランツ・ヨーゼフをライバル視していて、そのためロシアのプリンスをけしかけてフランツを困らせて…などというのはとんでもない話だそうだ笑。それに革命家のApafi 伯爵夫人が宮殿に忍び込むのもありえない、それから人物達の髪型や衣装も時代に合っていない…などなど気に障ることが結構多いらしい。

まぁともかくそれはおいといて…



さてシーズン2は、そのようなトンデモな内容はあまりなかったのではないかと私は思ったけれどどうだろう。このシーズン2では…誰と誰が好きで嫌いでライバルで嫉妬して…などのゴシップ的なものはあまり無く、むしろハプスブルグ家のオーストリアと周辺国との関係はどうなっているのか…などの歴史的な話がよく描かれていたように思った。

皇帝の弟のマキシミリアンはベルギー国の王女シャルロッテと結婚。イタリアのロンバルディア州ミラノに総督として、またロンバルディア・ヴェネトの副王としてイタリアに居住。

ハプスブルグ家の支配に抵抗していたイタリアの民衆の様子が描かれ、またそのイタリアの後ろにはフランスのナポレオン3世がついていて、(反オーストリアの)イタリアにフランスが武器提供をしている…などなど政治情勢が描かれているのがとても面白い。

ハプスブルグ家と軍隊がドイツ語を話し、イタリアの民衆はイタリア語で文句を言っている。フランツ・ヨーゼフとエリザベートが北イタリアを訪ねれば民衆の目線が厳しくていたたまれない。そして場面が変わればオーストリアとイタリアの様子を見守るフランスのナポレオン3世がフランス語で話している。

3つの国がそれぞれの言語で会話をしているのに興奮する。そうそうヨーロッパの歴史を描くのであればそうでなくちゃ…言語が変わるだけで私は無茶苦茶興奮した。この辺りの歴史には疎いのでネットで調べて勉強。なかなかいい。ヨーロッパの政治情勢をハプスブルグ家を通して描いているのが本当に面白い。…「ピエモンテ州が立ち上がった」と聞けばGoogle mapを開いてチェックする。面白い~。


しかしながらこのシーズン2、主役のエリザベートにはあまり輝く場面がない。それがこのドラマの根本の問題だと思った。

結局(わかっていたことではあるのだけれど)このエリザベート皇后というお方は、ティーンの頃にハプスブルグ家の皇帝に見染められて嫁入りするのはいいけれど、その後は不幸が続くことが多く、女性視聴者の喜ぶような色恋などのふわふわした話はほぼ描けないお方。…不幸が引き金になって彼女はオーストリアの宮廷生活にも馴染まず、子供も義母に取られ、結果宮廷での生活を避けていつも旅ばかりしているような女性で…、考えてみれば(おそらく)Netflixが期待したような「お姫様物語」が描けるような人ではない。彼女はそのような素材ではない。


しかし彼女が生きた時代の欧州は歴史的に見てかなり面白い時代…もしNetflixが意を決して欧州の激動の時代の大河ドラマを描こうとするならば最高の素材。例えばこのままの配役で(エリザベートはもっと似ている女優さんを連れてきて端役にして)、タイトルを『Habsburg/ハプスブルク』などにして当時のオーストリアの状況を描いた大河ドラマをつくればとても面白かっただろうに。いや~本当にもったいない。

それにもかかわらずこのドラマシリーズは、そこそこ知られている「悲劇のオーストリア皇后」のドラマを彼女のネームバリューだけで作ろうとしたのではないか。


というのもこのシーズン2を見た後でWikipediaを見たら、このドラマ…シーズン3で完結なのだそうですよ。あと6話で終わってしまうのだそうだ。なんとなんとなんと…え~本当か。ということは…せめてマキシミリアンのその後(メキシコ)は描かれるだろうとしても、おそらく息子ルドルフのマイヤーリンクは描かれませんね。あと6話だけなら無理だろう。それにエリザベート皇后も(ハンガリーとの関係以外は)ますます旅に出るばかりでウィーンの宮殿に寄り付かなくなってしまう…となれば宮殿での暮らしを描くこともできない。やっぱりこれは元々長続きする素材ではなかったのだろう。


しかしもったいないな~。できればハプスブルグ家の最後の様子をフランツ・ヨーゼフを中心に描いてもらいたかった。うん それなら見たい。本当に見たい。

イタリア語とフランス語とドイツ語が出てきて、そこにハンガリー語とロシア語、英語などの台詞が加わるドラマだったら面白かっただろうな~。いつかそういうドラマを作って欲しい。ドイツかオーストリアが本気を出してそういうドラマを作ってくれないものかな。