“Mummy, thanks for making us all so proud to be British.”(ママ、僕達みんなに英国人でいる事を誇らしく思わせてくれてありがとう)。うわーちょっと泣ける。
Queenもチャールズ皇太子の時々飛ばす軽い冗談に笑う。病院のフィリップ殿下に話が及ぶと唇をかみしめた。彼女の60年の治世を称え、上記の英国の誇りに話が及ぶと、ステージを囲んだ2万を超える観衆から歓声があがる。そこへ国家“God
Save The Queen”。宮殿を取り囲んだ見渡す限りの人人人が国を愛して国家を歌う。最後にQueenが国中に灯された4200に及ぶかがり火の最後の火を灯す。
その直後、宮殿の上に打ち上げられる大掛かりな花火。奏でられる音楽はホルストの“Jupitar(木星)”とエドガーの“Pomp and
Circumstance(威風堂々)第1番Land of Hope
and Glory(希望と栄光の国)”。これで気持ちがうわーっとアガル。この2曲は英国では何かあるたびに流れる曲。私も馬鹿みたいにこの曲を聴くだけで気持ちがあがるようになった。マジで泣きそうになる。宮殿に投写された赤白青のライト。画面は宮殿の上空を飛ぶヘリコプターの映像に切り替わる。花火と宮殿がものすごく綺麗だ。
前回のセレモニーは自宅のフラットで旦那AとTVで見ていた。街の喧騒や祝砲(花火だと思った)、式典の最後に飛ぶ戦闘機の音などもフラットの窓の外に聞こえてきた。街の土産物屋には女王の顔を印刷したカップやお皿が連日並べられていたし、式典の前数日は祝日になった。式典の一環としてロックバンドやミュージシャンが集い大規模コンサートを開催。バッキンガム宮殿の屋上に、Queenのブライアン・メイがのぼり、英国国家“God Save the Queen/神よ女王(国王)を護り賜え”を一人奏でるという演出もあった。ああ懐かしいな。当時は旦那Aの仕事で移住した英国での生活にどっぷりつかっていて、あの国からよその国へ移住するなんて思っても見なかった頃。まさか、10年後に外国にいるとは思わなかった。
ずいぶん待たされて最後に現れるロイヤルの方々。なんと今年、女王様の旦那様フィリップ殿下が前日に病気になられて欠席。女王は旦那様のエスコートもなくお一人で式典に出席されることとなった。長々と続けられる宗教の儀式。英国民は普段、宗教に無頓着な人が多いが、こういうときの宗教の力は大きい。ましてやこれは国家元首=国のお祝い事。Queenは英国国教会Anglicanの首長でもある。神様が国を守ってくれているという意味は非常に大きい。みな頭を下げて神様に感謝しご加護を祈る。この国の国歌は文字通り“GOD
Save The Queen”なのだ。
式典の最後に参列者の全員が立って国歌“God Save The Queen”を歌う。国民も国中でTVを見ながら心の中では歌っているはずだ。その歌声が国中に響き渡る中、この銀色のスーツに身を包んだ小さな高齢の女性は、たった一人、口を一文字に結んでなんとなく寂しそうなお顔をなさっている。なんだか泣いてしまった。