ワインで訪ねる旅シリーズ。
今回はまたフランスから迷い出てイタリアのトスカーナ州に寄り道です。
先日Netflixでアメリカの映画
『マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ/Nonnas』を見てから、イタリアンを作ってイタリアのワインを試したいねぇと思っていた。スーパーに伊ワイン・キャンティのいいのがあったので買ってきて先々週の週末、イタリアご飯にすることにした。
…とは言ってもうちはイタリアご飯をよく作るので全く特別感がない。ごちそう感を出すには肉料理かと思ったのだけれど最近はお肉をあまり食べないので(年を取ったからだと思う)お肉…うーん…さてどうしようかと迷った。
買ってきたキャンティ・ワインの情報を調べていたら、幸いキャンティ・ワインは肉入りのトマトソースのパスタが合うと出てきた。なんだそうなんだ。キャンティ・クラシコならボロネーゼ(ミート)ソースがよく合うとのこと。なんだなんだそうか笑。ミートソースなら目をつぶってても出来るわ。だったら頑張らなくてもいい。というわけでボロネーゼ・ソースを中心に簡単イタリアご飯決定。
そんなことを話していたら、また旦那Aが「じゃあ僕が作るわ」と言う。いいですねぇ。じゃあ私はズッキーニを焼いてサイドにするわ。グリーンビーンを煮て、サラダでOK?そうしようそうしよう。
というわけで出来たご飯。
今回の食前チーズは料理をしながら…パルメザン・チーズの角切りを摘まみながらワインを飲む。キャンティにはパルメザンが合うのだそう。もちろんパルメザンは後でパスタの上にもかける。
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ルビー色のワインの色が明るくて綺麗です |
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デザートはBRUG Bakeryさんのタルト モモかな |
というわけで開けました
Lamole di Lamole, Maggiolo Chianti Classico DOCG 2021
スーパーで見つけたワイン。お値段は比較的お手頃なのに2021年はいい年で
VIVINOでは4.0点だそうで、それならいいだろうと買ってきた。
キャンティと言えば名前を聞く(六本木の有名なイタリアンのお店の名前だ…私は行ったことがない。旦那Aは仕事仲間と35年ぐらい前に行ったそうだ)。このワインを私は飲んだことが無い。さてキャンティ様はどのようなお味でしょう。初キャンティ・クラシコです。
さてワインのお味は…
あ、おいしいですねこれは。飲みやすい。なんか…
軽い?重くない。色も明るくて綺麗。少しピンクがかっている?少し酸味が多めなのかな。なんか…
明るいワインという感じ。いいですね。この軽くて明るい感じがパスタに合うということかな。軽さが丁度いいのか。それでもこのワインは牛肉や仔牛肉、ハム関連にも合うのだそうです。
なんだか料理をしながら飲み始めて、おいしいおいしいこれは軽くていいわ~などと言っていたら、「何味、何の香り」を考える前に酔っぱらった。
あまり複雑な印象はない。ただ飲みやすくておいしい。 レビューを読んでみると、ストロベリー、ラズベリー、チェリー、バニラ、オーク、ペッパー、トマトの葉…などなどと皆さん仰ってます。私は…なんだろう…何かフルーツを感じるというよりも、ただ
明るく飲みやすく美味しいワインという感じでした。
色が明るくてルビーのようにすごく綺麗なのも素敵。楽しいワイン。
さて問題のアルコール分はどうでしょう。私はアルコールに強くないので、アルコール味が強いかどうかはとても重要。アルコールのピリピリした感じが全面に出ていると美味しく思えない。しかしこのワインは
アルコール分をあまり感じなかった。おいしい。全体の印象が軽く飲みやすく軽やかで酸味があって爽やかでパスタにも合う。アルコール分は14%なので低くはないのだけれど、どっしりと重い感じもない。前回のボルドーの赤よりずっと爽やか。軽い酸味がいい感じ。
1日目はおいしいおいしいと2杯飲んでもOK。あまりアルコールも身体に長く残らなかったような気がする。2日目以降から少しアルコールが前に出てきたかと思ったけれど、酸味のバランスがいいせいか
2日目以降も十分においしい。3日目もそれほど味は変わらない印象
実は…ボトルを開けた初日の土曜日に二人で飲んだ後、旦那Aが翌日から仕事で飲めなくなったので、私だけが飲むことになってしまい…やっぱり持て余した。翌日もイタリアン、次の日もイタリアンと頑張ったのだけれど、もう飲みきれない…ということで、4日目に仏のチキンのワイン煮を作って何とか消費しました。チキンはとても美味しかった。今度からご馳走は旦那Aが2日間は飲める金曜日にするべし。
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翌日は豚肉の白ワインとレモン+オリーブのソース |
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次の日の昼にも少し飲んだ |
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夜もなんちゃってイタリアン |
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3日目の昼もソーセージで飲んだが飲みきれず、 結局夜にナンチャッテ Coq au Vin で使い切った 煮込みには足りなかったので料理用の赤ワインを足した |
ところで…
開けたワインのボトル内の空気をポンプで抜く器具を今は使っているのだけれど、そろそろワインのボトルの空気を窒素に入れ替える本格ワイン・キーパー/Nitrogen wine keepers, WineKeeper systemsを買うべきなのかもしれぬと思った。それならゆっくり飲んでも飲み残すことがない。
それではワインの情報
まずはキャンティ地方から…
● キャンティ/Chianti そもそもキャンティというのは
イタリアのトスカーナ州内の地方。トスカーナ州の真ん中辺りに位置するエリア。キャンティのワインとはその地方で育てられる
葡萄サンジョヴェーゼを主に原料とするワイン。
このワインは以前は涙の形の瓶を藁で包んだボトルのデザインが有名(そういえばこの藁に包まれた涙の形のボトルが高校の美術室にあった。これを静物画のデッサンでよく書いていた。美術の先生が飲んでいたのだな)。
キャンティ地方でのワインの生産の古い記録は14世紀まで遡り、「キャンティ山のワイン」として知られていた。1398年にはこの地方の白ワインと赤ワインが記録されている。1427年の古文書には、「フィレンチェ市が地方のワインに関税をかけた事」が記録されており「キャンティ」の名前もそこに記録されているそうだ。
この地方のサンジョヴェーゼ種の葡萄は、19世紀の土地の男爵がサポートしたことから定着し、今のキャンティの元となったそう。ワインの名前として「キャンティ」の名前が最初に使われたのは1716年。1932年までには、キャンティ地方の中で7つの区分けが行われ…Classico/Colli Aretini/Colli Fiorentini/ Colline Pisane/Colli Senesi/Montalbano/Rùfinaの地方に分けられることになった。その後もキャンティ地方内の土地の区分けが行われ地方名が追加された。
「クラシコ」というのはキャンティ地方の土地の名前であり、そこで生産されるワインの名前でもあるのですね。
● キャンティ・クラシコ/Chianti Classico とは キャンティの地方の中で一番大きなエリアが
「クラシコ/Classico」と呼ばれる。北はフィレンチェから南はシエナの間に位置する地方。この
土地内で一番古い歴史を持つ「キャンティ」のエリアを中心とした土地で出来るワインを「 キャンティ・クラシコ/Chianti Classico」と呼び、それらは
DOCGの認定を受けている。このキャンティ・クラシコ 地方内のワインメーカーはキャンティ・クラシコ協会(地元の生産者協会)に所属していて、協会メンバーの作る「クラシコ」のワインのボトルにはその印…
黒いニワトリ(gallo nero)のロゴが印刷されている。
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裏側に黒いニワトリがいました |
● DOCGとは =Denominazione di origine controllata e garantita。イタリアの原産地認定の印。イタリア語で「原産地統制呼称」の意味。このDOCGは、1963年に制定されたDOC(Denominazione di Origine Controllata)の上位分類として1984年に新設された。キャンティ・クラシコは1996年にDOCGに認定された。
● キャンティ・クラシコ・ワインの決まりごと 使用される葡萄の80%以上が葡萄種サンジョヴェーゼ/Sangioveseであることが厳しく制定されている。それ以外の20%までは決められた地域で収穫された黒ブドウならブレンドが可能。熟成したキャンティ・クラシコは「Riserva」と呼ばれている。またその上にはキャンティ・クラシコの最上級のDOCG「グラン・セレチオーネ/Gran Selezione」(2014制定)がある。
このワインの情報…
Lamole di Lamole, Maggiolo Chianti Classico DOCG 2021 ● ワイナリー:ラーモレ・ディ・ラーモレ/Lamole di Lamole この名前
Lamole di Lamoleとは「ラーモレの中のラーモレ」の意味。ラーモレの土地はローマ時代に発見され耕作され始めた歴史あるエリア。1350年にはフィレンツェ出身のゲラルディーニ家が城を建設した。その後ラモーレ・ディ・ラモーレ・エステートが第二次世界大戦直後に設立される。そしてこのワイナリーは元ラモール城の熟成庫と貯蔵庫を現在も使用している。
ワイナリーの現在の当主は、イタリア最大級の家族経営のワイン生産者
グルッポ・サンタ・マルゲリータ/Gruppo Santa Margherita社の(ワイン事業の)4代目 ヴィットリオ・マルゾット/Vittorio Marzotto氏。それまで白ワインで成功していたGruppo Santa Margherita社が、1993年にラモーレ・ディ・ラモーレ社を配下に置いた。また同社で25年以上醸造家を務めるのはアンドレア・ダルディン/Andrea Daldin氏。 ダルディン氏は近隣の町サン・ジミニャーノ/ San Gimignanoの葡萄生産農家の出身。
🍀…余談だけれど思い出話。1995年の年末に旦那Aとサン・ジミニャーノの側の葡萄畑の中のホテルに1週間ほど泊まった。元は農家の家だったホテルの部屋からはサン・ジミニャーノの塔が遠くに見えた。そのホテルは葡萄畑に囲まれていて、一度だけホテルからサン・ジミニャーノの町まで葡萄畑の中を徒歩で歩いてみた。1時間以上かかったと思う。あの旅行は私が旦那Aとロンドンに移住してから最初の旅行。10月にロンドンに移住して一か月後の11月にトスカーナ州を2週間旅行したので思い出深い。あの葡萄畑の辺りで育った人がこのワインを作っているのだと知って嬉しくなった。
● 産地 イタリア/LAMOLEラーモレは、グレーヴェ・イン・キャンティ/Greve in Chiant自治体の高地にある村落で、キャンティ・クラシコの北部に位置する。ブドウ畑は標高350~600メートルの南西向きで、トスカーナの
サンジョヴェーゼの産地の中で最も高い標高の土地。何世紀にもわたって地元の岩石を使い(手作業で築かれた)何キロメートルにも及ぶ乾式石垣は、サンジョベーゼのブドウにとって重要な役割を担っている。排水性に優れる砂岩泥灰岩が混ざった土壌は、栄養分とミネラルが豊富で、夏の降雨量が少なく、風が強く、日照時間も豊富、日中の気温差も大きいという恵まれた環境にあり、そこに育つ小粒で果皮と果汁の比率が高い特徴の(独自に開発された)サンジョベーゼ・ラーモレ・クローン種からは、芳醇で余韻の長いワインが生まれる。
● 葡萄
🍇 サンジョベーゼ
イタリア中部地方を原産とする赤ワイン用ブドウ品種。トスカーナ州はイタリア国内最大のサンジョヴェーゼ栽培地。この葡萄はイタリアの各地で異なる栽培文化が根付いており、同じサンジョヴェーゼを用いたワインであっても、産地ごとに異なるスタイルや味わいが生まれることで知られる。
「キャンティ・クラシコDOCG」はこの葡萄を80%使用することが決められている。粘土石灰質の土壌によく適合する葡萄で、特にキアンティ・クラシコ地区やモンタルチーノに発達するガレストロと呼ばれる泥灰土からは優れたワインが産出される。このワインの産地ラーモレ/LAMOLE村は標高が高く、この土地のサンジョベーゼはラーモレ独自のクローン種として発達した。
サンジョベーゼからできたワインは、強い酸味と、マイルドからやや強い渋み(タンニン)が特徴的で、イチゴやサクランボやプラムなどのフレッシュな果実香に、スミレのフローラル香やスパイス香なども。
サンジョヴェーゼはのワインは、高い酸味と程よいアルコール度数のため、料理との相性が非常に良い。イタリア料理の定番の組み合わせの一つとして、トマトベースのパスタやピザソースにはサンジョヴェーゼ・ベースのキャンティを合わせることが多い。また他のブドウ品種とのブレンドにより、比較的軽いミートローフやローストチキンから、グリル料理やスモーク料理、そしてステーキなどの重めの料理や、リボリータや豆のピューレスープなど様々な料理に合わせるのもいい。
● このワインの特徴は…
Sangiovese 80%、 Merlot 、Cabernet Sauvignonのブレンド
鮮やかなルビーレッドの色合いから、シクラメンとスミレの花のブーケ、そしてマルベリー、ブラックベリー、ブルーベリーのフルーティーな香り、そしてほのかな甘いスパイスとカカオの香り。口に含むと、力強く躍動感があり、躍動的でありながらエレガント。凝縮感と深みのある味わいは、特に食事との相性が良いワイン。
● 組み合わせ
スパイスを使った料理やピリッとした風味のある料理、ハーブを使った料理と相性抜群。またひよこ豆、野生の豆、レンズ豆などを使った風味豊かなスープ、ジビエソースを使ったパスタ料理、スパイスとハーブをたっぷり使ったじっくり煮込んだ肉料理など。また熟成チーズとの相性もいい。エキストラバージンオリーブオイルでシンプルに味付けしたスープにも最適。アジア料理や南米料理の肉料理にも。
★ 見た目がルビー色で透き通っていて綺麗。軽くて飲みやすい。味はドライかな。アルコール味を強く感じなかったので飲みやすかった(アルコール分が低いわけではない)。2日目も3日目も十分美味しいと思った。今まで飲んだ重めのワインは2日目から少しづつ味が変わったことを思い出したが、それと比べてこのワインは数日後も美味しいのでとてもいい。ただ私があまり飲めないので最後は煮込みに使ったのはもったいなかった。初めてのキャンティ・ワインは美味しかったです。特にこのワインは料理に合わせてこそ美味しいのだろうとも思った。伊ご飯はうちでよく食べるのでこれからもキャンティ・ワインは注目していこうと思う。
そういえば前回のボルドーワインを飲んだ時にチーズとワインの組み合わせを調べたことを思い出した。また今度文を書こう。
ワインメモ
🍷Lamole di Lamole, Maggiolo Chianti Classico DOCG 2021
Vivino.com Score: 4.0
Winery:Lamole di Lamole
Grapes:Sangiovese, Cabernet Sauvignon, Merlot,
Region:Italy / Central Italy / Toscana / Chianti / Chianti Classico
Wine style:Italian Chianti Classico Red
Alcohol content:14%