能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2021年3月10日水曜日

TBS 『逃げるは恥だが役に立つガンバレ人類!新春スペシャル!! 』・感想



お正月に放送されたものをやっと拝見。日本での放送は1月2日。


あらすじ
家庭という仕事場の「共同経営者」である森山みくり(新垣結衣)と津崎平匡(星野 源)。共働きとなり、二人で家事の分配をしながら平和に暮らしていた。そこでみくりの妊娠が発覚。


これはこれは…とても野心的なドラマ。力作です。 

以前のテレビドラマのシリーズの雰囲気もキャラクター達もそのまま…その彼らの4年後を描く。 以前のドラマでみくりさんと平匡さんが議論を重ねて「現代の男女のあり方」を見せてくれたように、今回もお二人が「子供を持つこと」をめぐる様々な事柄を問題提議。てんこ盛りです。おまけに新型コロナまで襲ってきた。それらを全部まとめて綺麗に感動的に仕上げたドラマ。お見事。面白かった!

本当に様々な事柄が出てきて、それでも話がスムースに流れているのが見事。2時間の間にものすごい情報量。力技。ほぉーと何度も考えさせられた。そしてドラマとしても面白い。


今回のメインのお題は「親になること」。子供を持つことをめぐって2人の生活の変化、そして社会とのかかわり方等々、様々な事柄を問題提議。親になるとは? 私は自分の30代を「親になること」を経験せずに過ごしてしまったので、大変興味深く拝見。初めて知ることも多い。そしてこの話は「今の時代に親になる話」でもありますね。みくりさんのお母さん役の富田靖子さんを見て「これは…私の世代に孫が生まれる話なのだ」と少し妙な気持ちにもなった。 


ネタバレ注意

個人的に一番身を乗り出したのは、(夫婦が親になることをめぐっての)会社での働き方の問題。私は以前から日本の働き方…会社のあり方や、仕事に対する常識等々…会社や社会が人々に無理を強いている現状…が気になっているので、このドラマでそれを取り上げて正論を言っているのが嬉しかった。大きな拍手です。

女性が会社勤めをしていて、仕事のやりくりから妊娠をためらう状況説明
子供を持つのに順番待ちが必要。生みたいときに生めない。

そしてみくりさんが妊娠。夫婦二人が産休や育休を取る事が難しそうな状況での二人の言葉
子供って夫婦で、社会で育てるものですよね。
そもそも仕事を休めないって事自体が異常ですよね。

そこで「平匡さんが育休を取る事」へ文句を言う上司の灰原氏に、沼田氏が説教
なんで怒ってるの?原因は?
 ① 長く休みを取るから?
 ② 男が育休をとるから?
 ③ 男が長く育休をとるから?
それさ、育休だから嫌なの?他の理由だったら?例えば突然の事故。家族の病気の介護。自分自身の体調が崩れる場合もあるよね。いつ誰が長い休みをとるかなんてわからない。働いてるのは人間なんだから、そういうことでしょ。その時何が大事かって言ったら、誰が休んでも仕事は回る。帰ってこられる環境を普段から作っておくこと。それが職場におけるリスク管理。

ふおぉおおおっ素晴らしい!素晴らしいぞ!そうだ!そのとおり!いいですねぇ。そうそう。仕事のやり方の見直し。リスク管理ができているなら、誰もが育休を取れる状況にもなる。

そしてみくりさんと平匡さんは(現状では皆が遠慮して取りずらい)育休をしっかり「さも当然」と取って、会社で「育休を取る」前例を作るなどと言ってました。いいぞ。どんどんやって。

これはいい話。権利が認められているにもかかわらず、日本の働き方のスタンダードが…社員は有給休暇もろくに取れない。育休も取れない、…日頃から残業も当たり前、何事も社員が無理をすることが当たり前…なら、そのような日本の働き方の常識は変えていったほうがいい。ドラマで問題提議をしてくれることは素晴らしいと思う。大きな拍手。

こういうことは国民全体でじっくり話し合ったほうがいいと思う。NHKで様々な人々を呼んで討論をやらせるとか方法はありそう。こういうドラマが、皆が意識を変えていくきっかけになればいいと思う。もちろん個人的な意見です。


子供を持つことによるお二人の日常の変化も興味を持って拝見。みくりさんは身体が辛いし、また理解があって優しく真面目で頑張り屋の平匡さんはストレスで壊れそう。大変。そしてついに赤ちゃんが生まれて…二人でお世話をする様子は微笑ましい。幸せだ。いい夫婦です。

ロボホンが出てきたぞ。

男性はいかに父親になるか…平匡さんの気持ちの変化
最初は妊娠の報告にも塩対応。男性は実感がわかない。夫が「女性をサポートします」ではなく夫婦で「一緒に勉強して一緒に親になる」。平匡の父「男としてしっかりしろ」。理想の父親とは何だろう。平匡さんも不安。しかし誰にも相談できずに一人で溜め込んで苦しむ…「男らしくあらねば」それもまた呪いかも。

親になることは男性にとっても大きな変化。平匡さんは真面目で頑張り屋さんだから、全てのことにいっぱいいっぱいになっている。それに気付いたみくりさんが平匡さんを労わる。男女共に「初めて親になること」の不安の共有と理解。いい夫婦です。

そして2020年2月。赤ちゃんが生まれる。平匡さん「生物だ。生きてますね」←笑
いい表情をなさってます。特に新垣さんが優しい表情。赤ちゃんの魔法ですね。  


みくりと平匡の正式な結婚
な~んと…籍を入れていなかったのですね。事実婚だったのか。びっくりした。前のドラマの最後もそういう設定でしたっけ。子供が生まれることになって正式に結婚することになった。夫婦別姓の問題も話し合い。みくりさんが津崎を名乗ることに。婚姻届を出してすんなりと結婚。双方の両親は結婚式は?…とは言わなかったのかな。

百合ちゃん(伯母)
17歳年下の風見さんとは別れていた。理由は「どうしてこんなにしんどい。頑張れなかった」
そして彼女に子宮体癌が見つかって手術をすることに。諸々の事情から助けが呼べない。高校時代の友人に連絡を取ってきてもらう。独り身にももっと優しい社会を。

LGBT
百合の高校時代の女友達は女性が好き。彼女はずっと悩んだが現在は恋人と暮らす「今は自分を認められてるし、堂々と彼女とつきあうこともできた」

共に暮らす沼田と梅原「同性のパートナーは死に目に会えない」←なぜなら病室に家族しか入れない場合があるから。これ大切なポイント。これは問題の一例ですが、だから同性婚は正式に認められるべきなのですよ。現代社会の婚姻の意味とは(どのような性であれ)二人の人が共に寄り添い助け合って暮らし…それが家族として社会に認められること。同性婚を法制化するということは、彼/彼女らが正式に家族になるということ。というのも世の中には(上の例のように)正式な家族でなければ認められないことが多いからです。彼/彼女らが幸せに暮らす権利。これに反対する理由がわからない。皆が幸せになれる社会であってほしい。

そしてCOVID-19
2020年3月。二人で話し合って東京と千葉で別れて暮らすことにする。それが最善の方法だと結論を出した。みくりさんは実家へ避難。これは辛いですね。平匡さんは赤ちゃんに会えないのが辛い。みくりさんも東京に一人残った平匡さんを心配する。

そして5月過ぎ、再会。平匡さん「この子が出来たかもって言われた時からもっと楽しめばよかった。…こんなに近くにいられるんだから。おかえり」ハグ。よかったですね。


いい話だったので、内容を長々と記録しました。お題が盛りだくさんのすごいドラマ。お二人に赤ちゃんが生まれて様々な困難を乗り越えて、最後はハグしあえてよかった。

今の30代…(もしかしたら私の子供の世代かもしれない)若い方々のドラマを見てまた感動してしまった。時代は回って若い方々が新しい時代を作っていく。ポジティブなメッセージが素晴らしい。大きな拍手。

お二人はいい夫婦です。以前のドラマもよかったし、今回のスペシャルも素晴らしかった。お二人をまた見たい。見守りたい。応援したい。今後また数年後に、亜江ちゃんが大きくなって小さい弟なんかもいたりして…、みくりさんが30代半ば、平匡さん40代でパパとママをやっているのも見てみたい。シリーズ化するといいな。