能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2020年6月7日日曜日

現行の問題に関してBanksy/バンクシー氏のメッセージ



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People of colour are being failed by the system.
有色人種の人々は 社会のシステムによって貶められている
The white system.
白人の(作った)システム
Like a broken pipe flooding the apartment of the people living downstairs.
まるでアパートの(上の階で)水道のパイプが壊れて
             下の階が洪水になっているかのよう
The faulty system is making their life a misery,
そんな欠陥のあるシステムが
          彼ら(有色人種)の生活を苦しめているが、
but it's not their job to fix it.
その問題を直すことは 彼ら(有色人種)仕事ではない
They can't, no one will let them in the apartment upstairs.
彼らにはできないのだ 
     誰も彼らをアパートの上の階に入れようとしないから
This is a white problem.
これは白人の問題だ
And if white people don't fix it,
そして白人達が問題を正さなければ
someone will have to come upstairs and kick the door in,
誰かが上の階にやってきてドアを蹴破ることになる

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最初はこの英国人のアーティストも、今回のアメリカで起こった問題を外から見守ろうと思っていたらしい。メッセージの冒頭に彼はこう書いている。

At first I thought I should just shut up and listen to black people about this issue.
(最初はただ黙って黒人の人々に耳を傾けようと思った)


なぜ彼がこの「アメリカの人種問題についての分析」メッセージを書こうと思ったのかは、彼も白人の一人だから…ということみたいですね。実際には彼は英国人なのだから、アメリカの人種問題には直接関係ない(と私は思う)のだけれど、これは彼の良心から出た分析と(彼と同じ)白人に対しての問題提議なのだろうと思った。


同意します。今世の中で起こっていることに関して、外国人で問題の外にいる私が個人的に誰かに怒りを表明することには違和感があったのだけれど、このメッセージには賛同します。ただやみくもに何かに怒りをぶつけるより、問題を分析してメッセージとして世に示したほうが人種問題を解決するための根本の課題に気付いていない人々の心には響きやすいかもしれないと思う。響けばいいと思う。


人種云々では私にも今まで嫌な経験がなかったわけではない。アジア人が白人の社会に関わっていけばがっかりすることも傷つくこともある。ほんの少しの経験ではあるけれど、そんな個人的な経験から私は、米国の人種問題の最大の課題とは…偏見の自覚のない人々(白人)なのではないかと思うようになった。

保守的な東南部の人々は言うに及ばず。 もっと深刻な問題は米国の普通の常識的な人々の中にある。例えば(私が今までに直接出会った)米国の東側から中西部に住む白人の方々。彼らは…会えば悪い人達じゃない。特殊な人達でもない。普通の人々。きちんと教育を受けていてむしろリベラルな人も多い。自分達が世界で一番正しく偉くて何も間違っていないと信じきっている人々。小さな世界に住む自信満々で健全すぎる人々。そんな彼らは白人の多い地域社会の中で平和に健全に暮らしている。

残念なことにそんな人々の多くは自らの心の奥深くにある偏見に全く気付いていない。自分達の言動が疑いようもなく「偏見を持つ側」のものであることにも全く気付かない。


そんな unaware な(上の階の)人々の問題とは…
    このバンクシー氏のメッセージに追加するなら、

上の階で水漏れして、アパートの建物そのものが腐りかけているのに、上の階の人々はそれに気づきもしないし、気付いても自ら直そうとはしない。そもそも彼らは直す必要があるとも全く思っていない。そして下の階から誰かがやってきてドアをノックすれば、彼らは「水漏れは下の階の問題だ」と言い、しまいには自己防衛だと銃を持ち出してくる。

そして下の階に住む人々は上の階の人々に対しての怒りを溜め込むことになる。それがアメリカの人種問題。


自信のあり過ぎる白い人々は(白人の作った)システムの外側の人間の苦言やアドバイスなど聞こうともしない。彼らは問題について話しかければしらをきり、問い詰めれば逆切れする。どこからどう手をつけていいのかさえわからなくなる。彼ら自身も問題をどう解決すればいいのかわかっていない。だから知らぬふりをする。

メッセージでバンクシーさんが言いたかったのはそういういことなのだろう。白人が自らの中にある偏見を自覚しなければ人種問題は決して解決しない。



米国の人種問題が綺麗に解決することは、欧州での(質の違う)問題のあり方と共に、あと何十年経っても解決することはないと私は個人的には思う。現行で未だ問題の山積みする米国の人々が、感情的+心情的に完全に平等になるのはほぼ不可能に思えてしまう。

だからこそ、そのシステムを作っている側の良心的な人々が、問題の根本を理解し、法を整備し教育を改善して、遠い将来皆が平等になるようにせめて努力だけはしていってほしいと思う。まず事実を知ることは何よりも大切です。

バンクシーさんのこの言葉を記録します。