目玉は、資本家代表ソフトバンクグループの孫正義社長VS国立情報学研究所教授の新井紀子さんのバトル(笑)。孫社長お一人に全ての(悪徳も含む)企業/資本家全体を代表させるのは違うだろうとも思うのですが、いつの間にかそういう雰囲気になってましたね。しかしそこが面白かった。
この番組では、
これからの企業ではロボットやAIがいかに労働者から仕事を奪っていくのか…労働者に仕事がなくなることで労働者の収入がなくなり、結果収入をなくした労働者/人々が消費をしなくなる/出来なくなる…そしてその結果、ものを売れなくなった企業も倒れてしまう。経済が成り立たなくなってしまう。だからこそ富の再分配が必要で、その為の法人税でありベーシックインカムであり…という話をしていて…。
そこで新井さんが孫社長に噛み付くわけですが…正直ちょっと気持ちよかった。
…というのも近年、あまりにも一部の資本家が肥え太って一般の人々/労働者が大きな不満を抱えている状況…を(おそらく誰もが)あまりにも多く日々感じるからなんですよね。
(私はソフトバンクグループのことはよくわからないのですが)孫社長のようなお方は、企業が未来を見て夢を追うこと…その結果、事業を拡大し莫大な富を得ることで世の中にますます貢献すること…が大切だと考えているでしょうから、彼にとっては現実的な税金や個人の消費の問題はまた別の話。企業家は上しか見ていない。確かに最先端技術の分野に関わっている大企業にはこの考え方は正しいのだろうとも思う。
それに対して新井紀子さんの目は現実を見つめる。健康な社会は個人が潤わなければ成り立たない…だからロボットやAIの導入などで潤った企業は、法人税やロボット税などで富を社会に還元するべきだと言う。資本家が夢を追うこと…理想ばかりを語って富の再分配を考えないのは無責任であると。
実際はどちらも正しいのだろう。しかし個人的に(特に一般の企業に関しては)新井さんの言葉の方が納得できる。企業が儲けたら社会や労働者に還元するべきだろうに、どうも今の多くの企業からは全体にそういう動きや意図が見えてこない。
ここ30年ほどの海外へのアウトソーシングもそう。近年の不安定な非正規雇用の問題もそう。今後のAI+ロボットの導入もそう。企業が利潤ばかりを追って社会や労働者に還元しない世の中になれば、
いつか企業も倒れる日が来る。
経済のことはよくわからないのだけれど、本当にこれからの世の中はどうなっていくのだろうかとちょっと考えさせられた。