ここ10日ほど猫が病気になって看病していた。炎症性腸疾患 (IBD)と診断された。この病気は完治しない病気だそうだ。今は食事療法でなんとか回復している。先週、一時は何も食べられなくなりとても心配した。今は元気になりつつあると思う。特別療法食のフードもよく食べる。このまま健康になってくれればいいと思う。
原因は、彼女が高齢の11歳であること、そしておそらく去年のバスルームの工事のあたりから続いて年末年始にかけてストレスが溜まったのがいけなかったのではないかと思う。1月の頃から時々うんちが柔らかくなることがあったし、ここのところフードを食べる量も少し減っていたのだが、年齢によるものだろうとばかり思っていた。彼女は元々大変神経質で怖がりで、また全てに反発をしがちな(自らストレスを生み出す)頑固な子なので、何事もイージーゴーイングにできない性格も問題なのだろうとも思う。ともかく病気炎症性腸疾患 (IBD)になってしまったら、これから食事に気をつけてできるだけストレスを溜めないように日々ケアしていくしかないのだろう。
今回、いかにうちの夫婦にとって彼女が大切な存在なのかを実感した。彼女は大切な家族。一時、危ない状態だと思ったときは、さまざまな後悔「もっとこうしてあげればよかった」と思い何度も泣き、そして猫がいかに短い時間で危ない状態になるのかを知って狼狽えた。もう11歳なのだからと理屈で理解していても、たった5日で危ない状態になったそのスピードに感情が追いつかず狼狽え何も手につかなくなった。
危機を救ってくれたのはおやつだった。何も食べられない時に唯一舐めてくれたのはいなばのちゅ~る(買っていてよかった)。そして缶フードやカリカリが食べられなかった時に欲しがって食べたのはフリスキーのパーティーミックス/Friskies Party mix。いかにもジャンクフードのおやつ。しかし状態が危なかった時にこれでなんとか生きるためのエネルギーのカロリーが摂れたのだろうと思う。
今は特別療法食のフードの食事療法で様子を見ている。今日は気分がいいらしく、もしかしたら治ったかなと思える状態になっている。彼女がただ健康でいてくれればいい。
学びも多かった。猫が病気になった時の病院のかかり方も学んだ。今回かかりつけの医師が不在だったため緊急診療クリニックを訪ね、また緊急医療の総合病院も初めて訪ねた。彼女は今まで一度も病気になったことがなかったので、全ては新しい学びだった。
それから今回(すでに具合が悪いのに加えて)彼女が車での移動に異常なほどにストレスを感じているのを見て、これからのことを考え、自宅訪問の医師を探して連絡を取った。これからは車での移動をできるだけ少なく、自宅で診てもらえるように変えていこうと思っている。
★経過
12日 月曜日 早朝の発病
13日 火曜日 病院での血液検査
14日 水曜日 食べない 水も飲まない
15日 木曜日 病院で超音波検査 IBDと診断される
16日 金曜日 何も食べない 覚悟する 投薬開始
17日 土曜日 水を飲んだ
18日 日曜日 特別療法食の缶フードを食べ始めた
19日 月曜日 回復しはじめたと思う 薬をやめた
20日 火曜日 順調に回復中
21日 水曜日 回復中
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12日 月曜日 早朝の発病
早朝(日曜の深夜)午前3時頃、遊んで欲しいというので暫く撫でた。私も眠かったので「そろそろおやすみね」と踊り場に猫を残して上の階に上がった。歯を磨いていたら猫がカリカリを食べる音が聞こえてきた。そしてその10分後ぐらいに猫が嘔吐し始めた。
そしてその直ぐ後にトイレで下痢をした。これはその15時間ほど前に食べた缶フードが悪かったのだろうと思った。その時は食あたりだと思った。
慌てる私を見て猫はびっくりしたように階下に降りた。私がカーペットの掃除をしている間の10分後、猫は下の踊り場でまた嘔吐した。そうやって30分毎に嘔吐を繰り返し、朝の6時までに4回吐いた。最後は胃液しか出ていなかった。吐いた液体の上に白い泡が浮いていた。その後猫は疲れたらしく椅子の上で眠り始めた。人間は全てを片づけた後ベッドに潜り込んだ。
午前中に目を覚ますと猫がまた2回吐いた後が見つかった。朝方にご飯を食べようとして胃が受け付けなかったのだろう。昨夜の深夜から何も飲みこめていないらしい。
その日猫は1日中休んでいた。夕方5時頃にお腹が空いている様子だったので老猫用の缶フードを与えた。美味しそうに沢山食べた。もう大丈夫だと思った。ところがその5時間後、夜の10時頃に猫はそれを全く消化せずに吐いた。この日、猫は何も食べていない。夜中から緊急医療の病院に連絡をした。
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13日 火曜日 病院での血液検査
朝の11時にオープンする予約なしの緊急診療クリニックに猫を連れて行った。血液検査で異常は見つからないとのこと。急性嘔吐の抑制・予防の薬セレニア/Cereniaを注射してもらう。そして猫の特別療法食 ヒルズ 猫 腸内バイオーム/Gastrointestinal Biome Stress with Chicken Cat Foodの缶フードとカリカリを処方された。これで治るかもしれないとのこと。また具合が悪くなったら今度は緊急の総合病院に行って超音波検査/Ultrasoundをしてもらうよう言われた。その日、帰宅した後、猫はおなかがすいていたのだろう、買ってきたバイオームのカリカリを食べた。
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14日 水曜日 食べない 水も飲まない
猫が何も口にしなくなった。柔らかい缶フードもカリカリも一旦は興味を示すが顔を背けてしまう。水を与えても顔を背けて飲まない。いなばのちゅ~るだけは舐めてくれた。この日私はまだ彼女は大丈夫だと思っていたのだろう。午後までこのブログに文を書いていた。夜になってまだ何も食べないことから緊急医療の総合病院に電話をした。
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15日 木曜日 病院で超音波検査 IBDと診断される
朝7時に緊急医療の総合病院につれていった。超音波検査の技師に午前10時頃に見てもらえるとのこと。その後医師がそのデータを元に診断する。医師に会ったのは午後2時過ぎ。検査の結果、猫の内臓…胃と腸の壁が腫れて普通よりも厚くなっているとのこと。膵臓も少し腫れているらしい。おそらく炎症性腸疾患 (IBD)/Feline inflammatory bowel disease (IBD) ではないかとのこと。
この病気は原因も特定されにくく遺伝的な素因、食物アレルギーや不耐性、腸内細菌叢の乱れ、免疫系の異常などが関与しているという。IBDを完治させる方法はなく、食事療法や薬などで病気と共に生きていくしかない。医師の指導で 同じく特別療法食ヒルズ 猫 腸内バイオーム/Gastrointestinal Biomeを与えてこれから様子を見ようということになった。またこの日も嘔吐の抑制・予防の薬セレニア/Cereniaの注射をされた。それから水を飲まなくなっていたので水分の注射も受けた。
家での薬は
● 嘔吐の抑制の薬 セレニア/Cereniaの錠剤
● 食欲刺激剤 ミルタザピン/ミラタズ軟膏/Mirtazapine
を処方された。
家に帰ってからも猫はしばらく神経をとがらせていた。落ち着かずに長い間起きていた。それから猫は鼻と口周りを怪我していた。病院へのドライブで(毎回のことだが)猫はキャリアの中でパニックを起こし、キャリアの外に出ようとして枠に鼻を押し付け擦りむいて怪我をしていた。白いプラスチックのキャリアの内側に血が付いていた。後で鼻先や口の周りにかさぶたが出来た。
その日も猫は水を飲まない。フードも食べない。チキンのフリーズドライを水に浸して柔らかくしたものを一口、いなばのちゅ~るはよく舐めてくれたがフードはほとんど食べていない。注射で受けた水分のせいか大量におしっこをした。腎臓に問題はないらしい。
真夜中には少し気分がよくなったらしい。おやつのいなばのちゅ~るばかり欲しがる。水はまだ飲まない。午前1時頃に小さめの硬いうんちが出た。
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16日 金曜日 何も食べない 覚悟する 投薬開始
やっぱりこの日も何も食べない。もう4日間まともなフードを食べていない。気分は悪くなさそうだったが午後になってもフードを食べようとしない。とにかく何かを口に入れなければと、水に浸したチキンやいなばのちゅ~る(これで救われたと思う)、茹でたツナの切り身のおやつなど食べられるものをとにかく与える。しかし栄養としては全く足りていない。
● 食欲刺激剤 ミルタザピン
● 嘔吐の抑制の薬セレニア
を午後に与えた。セレニアは錠剤なので捉まえて口を開け喉の中に落とし込むのだが、猫はとても嫌がった。
薬を与えられたことでストレスを感じたのか、猫はまた内に閉じこもった。ツナもチキンもちゅ~るを溶かした水も飲まない。午後5時の時点で水も飲まずぐったりとしている様子を見て危ないと思った。また病院に電話をかけ始める。「猫が全く食べず飲まずの状態でどれくらい生きていけるのか…これから何が起こるのか…」
しかしどこにも電話がつながらなかった。この日は金曜日の午後で、普段のかかりつけの医師は先週から休暇中、火曜日に訪ねた緊急診療クリニックの医師も週末で土曜日まで休み。緊急医療の総合病院の医師は手が空いてから電話をくれるとのことだったがその日電話はこなかった。
猫は夜中に起き上がって少し気分がいいらしい。 食欲刺激剤が効いてきたのかお腹は空いているようだが、まだ水は飲まない。特別療法食バイオームは慣れない味のせいか嫌がって食べない。普段食べている缶フードを大さじ半分くらい食べた。しかしおやつをもっと欲しがる…いつものようにおやつの入った籠に頬を摺り寄せる。とにかくジャンクフードを食べさせろと言う。(彼女の身体に悪いことはわかっていたが)意を決してもう彼女が食べたいものを食べさせようと思った。もうあまり生きられないかもしれないのだ。ツナの切り身、いなばのちゅーる。水でふやかしたチキン、そしてフリスキーのパーティー・ミックスを欲しがるだけ20粒も食べさせた。せめてこれでカロリーが摂れればいい。そして猫は眠った。
もうだめなのだろうと思った。胃腸が悪くてフードが一切食べられない、水さえも飲めなければ、あまり時間はないだろう。本当にもうだめなのだと思った。こんなに簡単にさよならなのかと思った。「もっとこうしてあげれば良かった…」彼女の見ていないところで何度も泣いた。
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17日 土曜日 水を飲んだ
午前に2時頃、猫は水を少し飲んだ。 昨日の午後に耳に塗った食欲刺激剤の軟膏が効いているのだろう、おそるおそるフードを与えてみたら食べた。いつものロイアル・カナンの缶フードを小さじ1杯、バイオームの缶フードも小さじ1杯、そしてまたロイアル・カナンの缶フードを小さじ3杯。少し食べてくれた。
朝、猫は小さめ4センチほどの硬いうんちをした。
午前8時、猫がご飯を欲しがった。少しカリカリを与える。食べる。ロイアル・カナンの缶フードを大さじ1杯食べた。水を普通の量を飲んだ。そしてまた眠る。
午後1時過ぎ、ロイアル・カナン缶フードとカリカリをもう少し食べた。水を普通の量飲んだ。もしかしたら回復し始めているのかも。
午後3時 特別療法食バイオームの缶フードを小さじ2杯ほど食べた!
そしてまた嘔吐抑制剤セレニアと食欲刺激剤ミルタザピンを与える。
夜の7時にツナの切り身とバイオーム缶フードを混ぜたものを大さじ1杯食べた。そして水も沢山飲んだ。夜の10時にもまた大さじ1杯のバイオームとツナの切り身のミックスを食べた。
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18日 日曜日 特別療法食の缶フードを食べ始めた
午前の真夜中過ぎにもバイオームとツナのミックス小さじ1杯を食べた。お水も飲む。夜の間にバイオームとツナのミックス、そしてロイアルカナンのダイジェスティブ・ケアとバイオームのカリカリを少し加えたものを1/4カップ、朝までに全て食べつくしていた。
朝8時にバイオームの缶フードを大さじ1杯食べた。どうやらバイオームの味に慣れたようだ。午前10時までに猫はお腹が空いていて1時間毎にご飯を要求するようになった。バイオームを1時間毎に大さじ1杯与える。カリカリも常に置いていて、カリカリを食べそうになったら缶フードを与えるようにした。
そしてまた午後3時ごろに嘔吐抑制剤セレニアと食欲刺激剤ミルタザピンを与えた。
順調に食べて飲んで回復しつつあるようだ。食欲刺激剤のせいなのだろう、バイオーム缶フードを1、2時間毎に欲しがるのでその度に与える。沢山食べている。
緊急診療クリニックの医師から電話があり、回復していることを告げると、嘔吐抑制剤と食欲刺激剤を一旦やめて様子を見てみたらどうかとのこと。
この日の夜10時頃、大量の健康なうんちをした!!!
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19日 月曜日 回復しはじめたと思う 薬をやめた
午後の嘔吐抑制剤と食欲刺激剤を与えるのをやめた。その後も食欲が落ちることはなくよく食べている。午後に自宅訪問の医師と連絡をし、訪問初診の予約をした。
そして夜の10時頃に猫がまた大きく健康なうんちをした!!!消化器が回復しているのではないか。
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20日 火曜日 順調に回復中
順調に沢山のバイオーム缶フードを食べて過ごしている。ほぼ2時間毎に大さじ1杯半の缶フードを食べる。午後に普段のかかりつけの医師から電話。このまま様子を見るように。そしてもしまた悪化したら、また超音波検査/Ultrasoundで腸壁を確認して、場合によってはステロイド剤を与えることになると言われた。それはできれば避けたい。
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21日 水曜日 回復中
今日も朝からよく食べた。バイオーム缶フードの一度に与える量が増えている。大さじ2杯で3時間ほどは満足しているらしい。もう大丈夫じゃないかな。たぶん落ち着いた。そんなわけで私はこの文を書いている。
発病してから、猫の食べたもの全て、そしてトイレの内容と量、日々の猫の様子などなどを全て記録し続けた。確かに少しずつ猫の食べる量が増えている。このまま治まってくれればいい。
20日 火曜日 順調に回復中
順調に沢山のバイオーム缶フードを食べて過ごしている。ほぼ2時間毎に大さじ1杯半の缶フードを食べる。午後に普段のかかりつけの医師から電話。このまま様子を見るように。そしてもしまた悪化したら、また超音波検査/Ultrasoundで腸壁を確認して、場合によってはステロイド剤を与えることになると言われた。それはできれば避けたい。
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21日 水曜日 回復中
今日も朝からよく食べた。バイオーム缶フードの一度に与える量が増えている。大さじ2杯で3時間ほどは満足しているらしい。もう大丈夫じゃないかな。たぶん落ち着いた。そんなわけで私はこの文を書いている。
発病してから、猫の食べたもの全て、そしてトイレの内容と量、日々の猫の様子などなどを全て記録し続けた。確かに少しずつ猫の食べる量が増えている。このまま治まってくれればいい。