ハワイの鳥が頭に浮かんだのでその話をする。
ハワイの鳥・Pacific golden plover。
日本語の名前はムナグロ、ハワイ語ではkōlea。
この鳥は毎年5月になると群れになってハワイからアラスカに向かい飛び立つ。体長 25 cm、重さ 200g のこの鳥はハワイを飛び立ち、距離 3000 マイル(4800 km)の海の上をノンストップで飛び続け、3、4日かけてアラスカにたどり着く。
ハワイの鳥・Pacific golden plover。
日本語の名前はムナグロ、ハワイ語ではkōlea。
この鳥は毎年5月になると群れになってハワイからアラスカに向かい飛び立つ。体長 25 cm、重さ 200g のこの鳥はハワイを飛び立ち、距離 3000 マイル(4800 km)の海の上をノンストップで飛び続け、3、4日かけてアラスカにたどり着く。
彼らは高く飛ぶ。高度 3,000 フィート(910 m) から 時には 16,000 フィート (4,900 m)まで上ることもあるという。
アラスカに辿り着くと鳥達は直ぐにつがいになり産卵し、親鳥は雛が幼い間、夫婦で子育てをする。卵が孵ってから26日から28日後(8月の半ば頃)、雛が自力で生きられるようになると、親鳥は雛をアラスカに残しハワイに向かって飛び立つ…親だけが先にハワイに帰ってくる。
残された雛達は群れで生活して成長し、彼らも9月頃までにはアラスカを離れ、自力で4800 kmを飛んでハワイにやってくる。彼らがどのようにハワイへの方向を決めるのかは謎。そして彼らは秋から翌年の5月までハワイで過ごす。
ハワイの公園の芝生の上でよく見かける足の長い鳥。あれがPacific golden plover。
以前5月に、オアフ島の北端・タートル・ベイのホテルに泊まった時、彼らの群れが途絶えることなくホテルの夜の灯りの中を鳴きながら飛ぶのを見た。タートル・ベイは北に向かう彼らの通過点。まるでホテルの灯りを最後の目印にして、ハワイに別れを告げるように彼らは北の夜空に消えていった。
今は8月の半ば。既に今年の旅を終えてハワイに帰ってきた親鳥を見かける。小さな身体で4800 kmの海上を飛ぶ鳥…夜に海の上を飛んでいる時、どんなに心細いだろうかと思う。毎年本能で飛び立っていく彼らは、ある年の旅が最後になることも知らぬまま旅立つのだろう。彼らはどんな人間よりも勇敢。尊敬する。彼らを見かけるたびに「また会えてよかった おつかれさま おかえり」と声をかける。