能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2020年10月6日火曜日

英ドラマ FX『ブリーダーズ 最愛で憎い宝物/Breeders』(2020) シーズン1:現代の子育て







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『Breeders』(2020-) TV Series – Season1/英 ・米
/カラー/約30分 ・全10話 
Creators: Chris Addison, Simon Blackwell, Martin Freeman 
Season 4 US Release Date: March 2, 2020
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英国発のドラマ。現代の家族のリアルな日常の物語。英国人俳優 Martin Freeman さんのアイデアから始まったプロダクションだそうだ。製作は英国の Avalon Television。英国から BBC と Sky、そして米国 FXの共同制作。アメリカでの放送は今年3月2日から4月27日まで。全10話。

作品そのものは随分前に見終わっていたのだけれど、私の夏のあたりの体調不良でそのままになっていた。そろそろ録画HDが一杯になってきたので感想を書いて録画を消さなければ。



主人公は短気ながらちょっとロマンチストの男 Paul (Martin Freeman) と、サバサバ現実的な気の強い出来る女 Ally (Daisy Haggard)。年齢は俳優さんの年齢と同じぐらいだろうか。Paulは40代後半。Allyは30代後半から40代前半。子供は2人。 

このドラマは都会の忙しい男女がどう子育てをしているのか(+それぞれの両親との関係)を、現実的にリアルに描く。現代の家族とは? 


完璧な親などいない
完璧な家族でなくてもいい
それでもOK…いろんなことがあるけれどね



タイトルは Breeders…ブリーダーってみもふたもない笑。しかしこれは親子の話ではなくて親になった男女二人:Paul と Ally の話。

同居の男女二人に可愛いお子さんが2人いて、微笑ましい親子のドラマかと思ったら正反対。最初から最後まで F-word 満載。パパもママももちろんいい両親になろうと必死で頑張っているのだけれど、結局キレて子供達を怒鳴り散らす。F-word から始まってそれ以外の汚い言葉でも常にののしりあう。それがあまりにも酷くて笑ってしまう。大人達のイライラがおかしい。 

人生はドタバタ。いろんな事がある。そういうドラマなのだろう。

どこかの家族をドラマとして観察するのなら、誰かの綺麗な話よりも誰かの失敗や間違いの方が面白い。それを大袈裟に描けばもっとおかしい。そうやって問題ばかりを強調して描いたら、もしかしたら家族とはなんぞや…と見えてくるものもあるのではないか。 

「人間て…こんなもんだ。あるある。あっ言っちゃった…うわーひどいなーヤバイヤバイ。でもしょうがないよね。人間だもんね。」笑。 10エピソード分の様々な事件/問題を見て、気持ちが登ったり降りたり大笑いしたりギョッとして呆れ返ったり appalled したあと、最後にはほろりと泣いてしまう。そんなドラマ。途中でも時々泣ける。それがまたいい。


確かに人々の日常ってこういうものかも…


過去に10年間英国に住んだせいか、このドラマの魅力はわかる(つもり)。英国式リアリズムとユーモアで家族を描いたドラマは、たとえ家族の話であっても可愛らしく微笑ましいだけものにはならないのだろう。なぜなら全てが美しいばかりの家族のドラマなんてフィクション/嘘っぱちだと英国の人々はわかっているから。 

上品でアッパーな方々の話ではない。Paulの両親は sweet なブルーカラー。Ally の両親は自由な米国人の父と気の強すぎる母…離婚していて彼等は今でも憎み合っている。それも隠さない。Paul と Ally は二人ともホワイトカラー+クリエイティブ…ロンドンにいる一般的な普通の人々なのだけれど、彼等は毎日忙しい。

現代の英国の普通の人々の普通の日常。皆必死に時間をやりくりしてストレスを抱えながら子育てをする。それはきっと昔の感覚では「美しい」とは言えないものかもしれない。

本音を言う。毒づき、お互いにののしり合い、泣き叫び、文句をいい、不安になり、怒り、他人に嫉妬し…、誰にでも経験のある日々の感情を現実よりも大袈裟に描けば面白いではないか…という感じなのだろうか。 これは英国独特の自虐的ユーモアなのだろう。


そんな英国式にゴリゴリに誇張された Exaggerated なリアリズムのこのドラマを、私は決して嫌いではない。実は最初は旦那Aと一緒に見ていたのだけれど、このドラマのトーンの激しさ、荒々しさ、言葉の汚さにあきれ果てて旦那Aは2話でリタイアしてしまった。私…かなり面白いと思ったんですけどね。確かにリアルにギスギスしているので見ていてちょっと疲れるかも。要注意。 


それにしてもこの二人は激しい。特に Ally はキツイ。正直すぎて RUDE な人達。いくつかのエピソードでは私も目をむいてあきれた。小さな子供達に F-word なんて序の口。自分の親にも RUDE 。同僚にも RUDE 。知り合いにも RUDE 。出会う人皆にRUDE 。

しかしこれ…この二人…きっとお互いに隠し事はないのだろう(いやありましたね、バレたけど)。ふわふわしたファジーな感情だけで事を流さない。おかしな事 issue/problem があったら、目の前で address して論議しあう…いや文句を言い合う。

このお二人は心の底にある同じ価値観でつながっているのだろうと思う。善悪の判断やモラルなどの大切なコアな部分を共感し合っている。だからどんなにぶつかりあっても、毎日大声で怒鳴り合っても大丈夫なのだろう。それは…本当にわかり合った夫婦のあり方でもありますよね。 

…中身の事をほとんど書かずに感想ばかり書いてますけど、カジュアルにドラマを見ながらもいろいろと考えさせられたのですよ。夫婦って、家族ってなんだろう?


人は完璧じゃなくてあたりまえ。個人には個人のやり方がある。それぞれエゴがある。そんなバラバラの個人達が共に住んで家族になる。家族もそれぞれの幸せのあり方があっていい。私達の日常には色々な事があるけれど、失敗しながら間違いながらも日々を過ごしていければそれでいい。でこぼこでもいいじゃないか。

ケオスのように忙しくて毎日バタバタして…気持ちが不満と怒りで上がったり下がったりして失敗も沢山…色々とあって…それでも子供達は何よりも大切で、やっぱり笑って、日々失敗しながらも家族は前に進んでいく。それが生きるということなのだろうね。 

私に子供がいないからなのだろう。ちょっとしんみりと考えさせられた。ちょっと疲れるけれど。いいドラマ。


編集も巧み。現行のシーンに過去のエピソードが突然挟まれる。それで現行の物語のバックグラウンドが自然にわかる。編集のタイミングが上手くて爆笑ものの場面が何度もあった。

1話30分で全10話。全5時間のドラマなのだけれど、5時間もあればかなり踏み込んだストーリーが描けますね。やっぱり連続ドラマは面白い。

Martin Freemanさんがいい。好き。英国版「OFFICE」の地味キャラに惚れた。インテリなんだな。


このドラマはシーズン2が決まったそうです。


自分用にあらすじを書いておく 

★ネタバレ注意


EPISODES --------------------------------------------------

1. No Sleep
子供が夜中に起きて泣く、1日中騒ぐ。両親はイライラ。
2. No Places
二人のそれぞれの両親(子供達の祖父母)登場。子供達の学校のこと。
3. No Accident
Allyの父親 Michael が居候。男の子がよく怪我をして両親が疑われる。
4. No Lies
Michael の居候は続く。大掃除。Ally は産後鬱になったのか?
5. No Dad
ペットのスナネズミが死んでしまう。子供に死をどう教えるのか?そして突然の事件(最後のシーンで泣ける)
6. No Talking
友人のカントリーハウスで心を休ませる。Michael の式をしようとするが…(最後はひどい酷すぎる、開いた口が塞がらない)
7. No Exit
 Paul の長い1日
8. No Honeymoon
結婚式の準備…うまくまとまらない
9. No Cure Part 1
Ally が独ベルリンに転勤して、その間 Paul が子供の世話をする。男の子 Luke が病気に
10. No Cure Part 2
Luke の入院。心配は続く
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