間延び。盛り上がらない戦の回。なぜ?
★あらすじ
1556年4月 長良川の戦いで道三は高政に討ち取られる。明智家は明智の荘を出る。
先週ドラマの16話を見てこれは傑作大河だと絶賛し、短縮の話があればなんとか完全版を放送してほしいと懇願した後、なんと今週はびっくり期待はずれでした。なぜだろう?演出かな。
俳優さん達が全力投球をなさっているのはよーくわかった。それぞれの俳優の方々は素晴らしい芝居をなさってます。道三と高政、光秀と光安叔父さんも皆いい表情。特に光秀と叔父さんの明智城での別れのシーンでは、長谷川さんが本気泣きをなさってました。
しかしながらドラマとしては全体に撮り方が凡庸。特に人と人の対話の場面でのカメラの角度や絵の構図になんの面白みも無し。そして戦場の場面は何の緊張感も無し。先週とは印象が全然ちがいますね。どうしたのだ。
脚本も…あの道三と高政との一騎打ちの後で、お互いに立ったまま怒鳴り合ってるのは現実的だろうか?
かっこいい |
川の中での戦いのシーンまでは人々が入り乱れて太鼓も鳴っていて騒がしく戦場らしかったんですよ。画面にも勢いがあった。ところが道三と高政が二人きりになって怒鳴り始めてから、急に萎むようにエネルギーがなくなっていった。二人の対峙の場面はまったりと全体がゆっくりで間延び。音楽も間延び。カメラの撮り方は凡庸。伊藤さんももっくんも、撮り方次第でもっとかっこよく撮れた筈。
あ…わかった。この場面はね、父子の戦いを芸術的に見せようとし過ぎて(スローモーションの多用など)勢いがなくなったんでしょうね。もったいぶり過ぎ。台詞の間ものんびり。人と人の殺し合いの殺伐とした雰囲気とアクションのスピード感がない。音楽もよくない。
その後道三が倒れて、光秀がやってきてからは戦場のエネルギーがゼロ。戦場の音もない。シーンとしている。周りに1万人以上の人が戦っているとは思えない。現代人が鎧を着て突っ立ったまま喋ってるようだ。全く盛り上がらない。台詞の間もおかしい。
そもそも光秀はなぜ敵陣の大将に近づけるのだ?光秀は戦っている場面もなかったですね。
明智城に帰ってきてからの場面は音楽が合わない。光安叔父さんが光秀に別れの言葉を言っている真剣な場面に、なぜか穏やかな音楽。音楽が邪魔。西村さんも長谷川さんも熱のある素晴らしい芝居をなさっているのに、撮り方が普通でその熱が伝わってこない。
それから牧の方と煕子さん、藤田伝吾と光秀の場面。敵がそこまで迫っているのに長々と普通に喋っているのもおかしい。大河ドラマは過去にも時々こういう場面があるんですよ。もう5分後には死ぬかもしれないほど敵が迫っているのに…緊迫して恐ろしい状況のはずなのに…人物達がのんびり長々と喋っている。台詞の間が長すぎ。さっさと話し終わりなさいよと思う。音楽ものんびり穏やか。それにしても石川さゆりさんはすごい女優さんだと思った。
尾張の帰蝶さんは、父道三が亡くなった話を聞いて「ただ悲しい」だけの泣き方は物足りない。ここは憎き兄高政に対して「あいつを許すまじ」とギリギリと歯を食いしばって悔し涙を流してほしかった。帰蝶さんが道三の気性の激しさを受け継いでいる様子が見たい。そういう演出も出来るだろうに。
全体に戦時の見せ方ではない気がした。どうもにも盛り上がらない。俳優さん達の熱演が伝わらずもったいない見せ方。どうしたんでしょうかね。
先週16話は緊張感があって良かったぞ。先週は気持ちがかーっと上がって面白かったのに。不思議ですね。
さて光秀はこれから越前だそうです。
これからも楽しみにしてます。