曲もフルが出た時に聴いてました。MVが公式に出た時にでも感想を書こうと思っていたんだけど、ちょっとMVを見たら印象が変わりそうなので、とりあえずまず曲の感想…。
この曲は良曲です。
文句なし。純粋に曲の良さとキャッチーさだけで売れるのならこの曲は売れなきゃおかしい。名曲です。超キャッチーキャッチーキャッチー!
構成も文句無し。メロディも綺麗です。カラオケで歌いたい王道のJ-POP。音数もみっちり、バックでバウバウ鳴ってますが、そんな小技を使わなくてもメロディだけでいける。純粋に曲として非常に良質。アレンジも凝ってます。中田さん、ドラマに長澤まさみちゃんが出てるから頑張っちゃったのかな…と思うくらいアレンジに気合が入ってる。
中田さんは、実はキャッチーでポップな曲に燃えるんでしょうか。キャッチーといえば「未来のミュージアム」も実は非常に良質な王道J-POPでした。こんなキャッチーで歌える曲が実は一番ノリノリなのかも…。
アレンジも曲の構成も気合の入り具合も「Magic of Love」より数段上です。これはトランス系の好きな私でさえも認めざるを得ない。アレンジもコーラスも「1mm」より複雑。とにかくいろいろと凝ってます。
パッチワークのような3人の声も気持ちいい。あ~様の安定感。今回もゆかさんがすごく大人。まるで別人ですねここ最近の彼女の声は。のっちさんが出てこないと思ったら後からリードで出てきた…と思ったらあ~様が絡んでる?とにかくメロディも3人の声も非常に気持ちいい。これはほんとに売れなきゃおかしいと思う。
ここまでキャッチーでJ-POP寄りになったのは、明らかにアルバム『LEVEL 3』と対極のバランスをとるためでしょう。『LEVEL 3』でダンス・音もの系に振れたら、今度はキャッチーなアイドル歌謡J-POP路線で反対側に寄ってバランスを取る…ということかなと思いますよね。
『LEVEL 3』で、もしかしたら離れちゃったかもしれない『JPN』歌謡ファンを、もう1度連れ戻そう…という戦略なんでしょうか。ここ最近は曲もイメージもよく両極に振れますよね↓
►「Spending All My Time」で英語のEDM→アジアツアー→「未来ミュージアム」→麺カタマキシマムザホルモン→「だいじょばない」ダンス→「Magic of Love」でトランス→最先端カンヌとヨーロッパツアー→大型フェス→ダンス音もの『LEVEL 3』+「1mm」→そして王道歌謡「Sweet Refrain」◄
うはー…なんか右に左にすごいもん。『LEVEL 3』を出した直後に王道J-POP歌謡を持ってくるなんてPerfumeにしか出来ないでしょう。いったい何を考えとるんだ(笑)。
リリースの間隔も驚くほど短い。『LEVEL 3』と「1mm」を出したばっかりでもう新曲なんて、みんな気持ちがついていけるのかちょっと心配だったりもする。
歌詞はまた「なんとかせんといかん」系な問題提議ソングみたいです。ここ最近の「1mm」なんかと同じ流れでしょうか。曲調は明るい感じなんでちょっと驚き。
さて、この曲を世間に宣伝するためのマーケティングはまたまたタイアップでした。今回はドラマ。いい意味でも悪い意味でも問題はここかもしれません。
前述したように、この曲は本来曲そのものの魅力で売れるはずの良曲です。もちろん今のPerfumeにこういうJ-POP歌謡が求められているのであれば…の話ですが。ただ…タイアップの一般的な印象は…大変安っぽい。ドラマの内容には一切関係なく、ドラマのテーマソングという売り方が(私個人的には)非常に安っぽく感じる。これが大変心配。
以前に出したドラえもんの「未来のミュージアム」も、曲そのものは良質なのに、どこか子供だましの印象がまとわり付いていたのは、古典的アニメ映画のタイアップのせいでしょう。ふりかえれば、あの時期の(アジアツアーを成功させたばかりの)Perfumeにとって、ふんわり子供だましのイメージが良かったとはあまり思えない。あのタイミングであの曲を出したのも、おそらくは、「Spending…」などで極端に振れた硬派なイメージをニュートラルに戻す動きだったのだろうと思うのですが…。
今回も、音楽通などには評判の良かった硬派な『LEVEL 3』の後で、畳み掛けるようにリリースされる作品が王道J-POP歌謡なのは十分理解できること。しかし今のタイミングでドラマの主題歌が正しいのか…ということはどうしても考えてしまう。
ただしこのマーケティングにも否定できない利点はあって、それはドラマの放送される間、毎週この曲がオンエアされること。もちろんドラマの視聴率次第という前提はあるとしても、現在の業界で曲のお披露目の機会が非常に少ない事を考えると、ドラマのタイアップで曲を多く聴いてもらえるのは確かにいいことなんです。
ドラマのタイアップという安っぽいマーケティングが良質の曲のイメージも落としてしまうのか…、それともドラマの回数分のオンエアでファンを新規に開拓することが出来るのか…さて、結果はどうなるか。
ドラマタイアップのイメージを忘れさせるには、ドラマとは全く関係のないMVや、歌番組の出演での強力なイメージ戦略で曲そのものを強く印象づける必要があるのですが、解禁になったShort ver.のMVを見ると、そのあたりはよく考えられているみたいですね。そういえば過去にも、同じくドラマタイアップだった「Spice」でのイメージ戦略は成功していました。
ともかく世間がこのタイミングで、今のPerfumeにこういうJ-POP路線を求めているのだとしたら、この曲は売れて当然の良曲だと思います。売れるといいなと思う。