これを無視するわけにはいくまい。
ちょっと前のエントリー「日本人は(アジア人は)スーパースターになれるのか」で、さんざんアジア人はアメリカの白人社会には受け入れられないから難しいと書いたのだが、またまたきましたね。今回はなんとアジア国籍のアジア人。外国人です。韓国のPSYさん。ビルボード・チャートでなんと11位。これはすごい。とにかく今よく売れてるらしい。
動画サイトにも行って聴いてみた、見てみた。
PSY - GANGNAM STYLE (2012)
あ、これはノリがいいな。こういうのはほんとに何がウケるのか分からないですね。でもなんで人気なのかも分かる気がする。音楽が超キャッチー。それにPSYさんが普通のオヤジっぽいから面白い。漫画のキャラみたい。誰が見てもユーモラス。それにこのダンスだけでも売れそうだ。厩舎で彼が踊ってるらしいイラストも面白い。曲もビデオのノリもLMFAOに似てますね。ウケた層が同じなんでしょう。
韓国のK-POPが頑張っていると過去に何度も書いたのだけど、そんな頑張りがここにきて実を結んだという感じでしょうか。とにかく国を挙げて押せ押せでマーケティングをやっているらしい。その辺りの事を詳しく書いたレポートを見つけた。
以前の少女時代や2NE1もそうだと思うんだけど、とにかく彼らはターゲットを決めて狙って売り込んでるんですね。あらかじめ市場を調査してとにかく狙って努力をしてくる。以前からK-POPがいずれ米国にも上陸するだろうとは思っていたけど、まさかこういう方が大売れするとは思わなかった。面白いです。
外国語で売れるために曲がキャッチーなのはまず必須。その上でPSYさんのような面白キャラ枠というのは昔から存在するのかもしれません。大昔にオーストリアのFalcoさんという人がいました。
Falco - Rock Me Amadeus (1985)
(25秒から曲の開始)
PSYさんのPVをみてこの人を思い出した。1985年の曲。全部ドイツ語で歌ってアメリカを含む世界中で爆発的に売れたの。この人をカッコイイと思うかどうかは人によると思うけど、所謂ロックスター風ではないし、ちょっと妙なオジサン? でも面白いしとにかく売れたの。そういえばスペイン人の「恋のマカレナ」というのもあったな…。なんだかこのあたりの枠な気もする。
ただK-POPの方々がすごいなと思うのは、彼らは言葉を完全にマスターしてくるんですね。言葉の壁を極力排除してやってくる。日本に来たK-POPの方々もそう。PSYさんがいかに英語慣れ=西洋慣れしているのかは、上記のリンク先でも紹介されているこのビデオを見るとよく判ると思う。
Surprise! Britney Learns 'Gangnam Style' from Psy!
From The Ellen
DeGeneres Show
(人気の昼のトークショー)
アメリカ訛り、アメリカ人のノリで普通に喋ってます。司会者や出演者(ブリトニーですよ)の頬に挨拶のキスをするのも自然。先に進めようとする司会者を遮ってオーディエンスに自己紹介をするのもすごく自然。アメリカの人達に「言葉が出来る」というのを見せるのはすごく大切なんです。外国人だから…という括りに決して思わせないぐらい言葉を習得してやってくる。隙を決して見せない。それぐらい努力をしているんだろうと思う。そういうところがほんとにすごいと思う。あ、今ちょっと調べたらPSYさんはアメリカで大学に行ったらしいです。高学歴ですね。なるほど。
とにかくアジア人として快挙。たいしたもんです。アチラでウケるのを静かに待っているのではなく、積極的に掴みにいく姿勢は日本人にも必要なのかもしれません…。
追記:ひゃービルボードで現在2位だそうです。すごいなー。(9月27日)