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『 Celeste & Jesse Forever(2012年)/米/カラー
/92分/監督; Lee Toland Krieger』
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男女の関係というものは、100のカップルがいれば100通りの関係があるはず。100人いれば100の考え方があってもいい。カップルの別れ話があったとしても、いつまでも引き摺る人もいれば、直ぐに立ち直る人もいるだろう。女の恋は上書き保存と言う人もいるらしいが、別ファイル保存の人もいるだろう。男性も同じだ。みんな個人それぞれだろうと思う。
そんなわけで、映画の恋愛話も見る者個人個人の考えや立ち位置によって感想が違ってくるのも当然のこと。悲恋ものに涙する人もいれば、馬鹿馬鹿しいと思う人もいるかもしれない。そんな風に、こういう映画は一概にこれが傑作でこれがダメだとは言えないものなのだろうと思う。
何を回りくどく言っているかというと…、要はこの映画を見てそういう事をつくづく考えたということなのだ。
ほんのちょっとだけネタバレかも
セレステさんとジェシー君は離婚直前の別居中のカップル。30代前半だろうか。学生時代からの親しい友人同士で6年前に結婚したが、ここのところ別居中。…とは言っても、家を出たジェシー君はセレステさんの家の敷地内の別棟に住んでいるので、事実上隣同士。二人は今でも仲のいい親友同士。お互いに今でも好きなのは明白だが、どうやらしっかり者のセレステさんが、芸術家肌で役立たずのジェシー君に愛想をつかしたらしい。離婚するつもりではいるけれど、嫌い合って別れたわけではないので、二人の関係もなあなあ。未だに別居前と同じように仲良くしている。友人達はあきれ果てているが本人達は一向に気にしない。そんなところにとある事件が起こる…。さて彼らは無事に別れることができるのか、それとも寄りを戻すのか…。まあそんなような映画。
脚本は素晴らしい。演技も素晴らしい。劇中の音楽なんて全曲絶品。キャラクターもそれぞれとても魅力的。ああそうそう…と頷いてしまうほど素晴らしく良くできたシーンの連続。丁寧に丁寧に作られたリアルなロマンティックコメディ…、とは言っても当の本人達は別れようとしているのだからちょっと複雑だ。ぶっちゃけ簡単にまとめると、たぶん映画としては、演出も演技も脚本もストーリーもサウンドトラックも、みーんな素晴らしい。それなのに、何故か映画館をあとにしながら、どうも気持ちがすっきりしなかったのは…結局主人公達の行動にうまく同意できなかったからだろうと思う。もちろんこれは、私の個人的な意見なので、単に合わなかったということだ。あらー…。
この追いすがる未練がましい奥さんを見ながら「うーん…私ならこんな風にはならないがなー…」などと思ってしまった。だけど決して彼女を理解できないわけではない。未練がましく泣く奥さんはとても可愛いし、理解できるし、ほろりとさせられる。ただ、たぶん私はあんなふうにはならない…たぶん…うーんわからない。だって離婚したこと無いんだもの。そもそも私なら最初から別れないな…あんなに仲がいいのなら…。なかなか状況として想像も出来ないから彼女の行動を全て理解するのも難しい。しかし彼女にとってはとんでもなく辛いと思うわ…。
若いモデルの綺麗な女の子は、俳優エリック・ロバーツさんの娘さんだそうだ。あのジュリア・ロバーツさんの姪ですね。
劇中に流れる音楽が秀逸。サウンドトラックはいいセンスだと思う。