能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2023年2月8日水曜日

King & Prince – ichiban (2022)



かっこいいね



King & Prince – ichiban (2022)
Album: Made in
Released: June 29, 2022
レーベル: Johnnys' Universe


かっこいい曲。紅白で初めて知ってここに記録。今のジャニーズのボーイバンドってこういう曲を歌っているのですね。かっこいいじゃん。スキ。

というわけで調べてみたらこの曲は去年リリースされたアルバム『Made in』のリードトラックだそう。作詞/作曲はKREVAさん。

いい曲だと思ってキンプリは他にどんな曲をやっているのか動画サイトで見てみたら、シングルでリリースした曲はほぼ陽気なポップソングかバラードばかり。日本のアイドルらしい耳に優しいポップな曲調が多い。ということはキンプリがこの曲をNHKの紅白で演るっているのはかなり冒険だったのかも。そうなのか。私はこれが一番好きだわ。

紅白の選曲ってNHKさんがなさるんでしたっけ?いや~冒険をさせたなぁ。私個人的に大変嬉しい選択。他の陽気で穏やかな曲だったらたぶんここには曲を取り上げなかったと思う。たぶん。

意外性がいい。すごくいい。とにかく日本のボーイバンドがこういう攻撃的な曲を堂々とやっていることに驚いて頼もしく感じました。いいですね。かっこいいわ。ダンスも上手い。

最初のコーラスからラップのパート、その後のPre-コーラスかな?「かざせかざせ…」からの少し情緒的なメロディがすごくいい。いい気持ち。全編に低音がブンブン鳴ってますね。いい。思わず椅子に座っていても上半身をゆらゆら回さずにはいられない…いや立ち上がって思わず踊る。何度もリピートしてる。いいっすね~。


OMG…ぇえええっ…今、米国のアップルに行ってリリースの情報を調べようとしたのですけど、キンプリってアップルに曲がないの???ぇええ?どうして?なんで?今の時代に???信じがたし…。嵐はアップルに出てましたよ。キンプリはなんでないの?うそみたい。今調べたらジャニーズさんちは未だ色々と制限をかけてるみたい。ぅわああああ前時代的。もったいないなぁ。ボーイズはこんなにいい曲をやってるのに…。


2022 紅白歌合戦観戦記 2022/12/31



毎年恒例の紅白感想文。

さて今回は3年ぶりに観客の入った紅白歌合戦。やっぱりお客さんがいるといい。会場のエネルギーが違う。アーティストの皆さんも楽しそう。ステージのデザインも赤と白が戻ってきました。伝統です。よかったよかった。赤と白に時々金色も混じって派手で元気な歌合戦が帰ってきた。

色んな意味で伝統的な紅白歌合戦に戻ってきた印象でした。審査員の方々もステージの前の特等席にいらっしゃる。司会の方々のスペースにも無理がない。そして大きなステージ。ステージから見える客席もいい感じです。会場のペンライトの光も盛り上がる。豪華で明るい紅白歌合戦。


去年の秋、最初に出演者リストが発表になった時は「なぜK-POPが沢山いるのだろう?知らないグループやアイドルが多い?」と正直戸惑ったのですが、その後日本の大物アーティストも多数参加。そして実際のショーは様々な音楽が響き演出も華やかで結果はとても楽しいお祭りでした。

一番の目玉は司会の橋本環奈さん。今年の司会者の方々は全員揃って大変バランスがよかった。大泉さんのユーモア。櫻井さんのなめらかなMC。桑子さんの安心感。そして経験豊かなお兄さんお姉さん方の中で堂々とキビキビとショーを仕切って進行していた橋本環奈さん。本当に素晴らしかった。すごかった。冴えてる。頭がいい人なのだろう。メディアでも橋本さんが大絶賛されているのを見かけました。気持ちのいい司会。大きな拍手。

歌も豪華でよかったです。ダンスやポップスの若者向けの音楽に、演歌、バンド、歌のプロの技、若いエネルギーに、ベテランの遊びと、様々な要素が沢山混ざり合って豪華で楽しかった。やっぱり紅白は年のしめくくりのお祭り。いろいろな音楽が聴けるのが嬉しい。

今回も大晦日に旦那Aと感想を言いながら見て、その後しばらく熟成。そしてあらためて二回目「ヘッドフォンで曲を聴いて」その印象で感想を書いた。

またまた私が個人的に好きだったり面白かったリスト。見ながらメモした感想。ここに取り上げない方々もよかったです。本当です。いつもはアイドルに文句を言いがちなのですが今回は考えを改めた。アイドルの方々も大切。お若い彼らや彼女達…アイドルグループががいるからこそ楽しいシーンも沢山ある。やっぱり若いアイドルはいたほうがいい。だってお祭りですもの。


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天童よしみ「ソーラン祭り節」
元気いっぱい。派手派手で楽しい。バックバンドがファンキー。あっ仁田忠常がいる!
緑黄色社会「Mela!」
いい歌 ホーンがフュージョン風味 勢いのある上手いバンド。
〇郷ひろみ「GO!GO!50周年!!SPメドレー」
私はGOさんが好きです。エンタメのプロ。プロ中のプロのエネルギーが最高にかっこいいと思う。懐かしい歌。僕たち男の子にフニフニ最高。一緒に歌うわ。会場に入ったら全力疾走。すご~い。楽しい。
〇なにわ男子 「初心LOVE(うぶらぶ)」
いい曲。良質のポップス。踊れる。キャッチー。
LE SSERAFIM「FEARLESS」
私は普段からこういう曲が好きだから否定できない。しかしなぜ新しいグループが紅白に出られるのでしょう?それにしてもみんな綺麗な女の子達だ。
〇山内惠介「恋する街角~きつねダンスRemix~」
山内さんも好き。山内さんはいつもニコニコして楽しそうなの。サービス精神旺盛なエンタメのプロ。笑顔は宝物。山内さんは今年は日向坂46の女の子達大勢に囲まれてキツネ耳をつけて楽しそうに踊ってらしたのが最高によかった。ショーをとことん楽しんでいらっしゃるのが素敵。
〇鈴木雅之「違う、そうじゃない」
ファンキー。J-R&B。アレンジは R&Bなのにメロディはすごく和風。
〇BE:FIRST 「Shining One」
生で歌ってる?ダンスもうまい。すごいぞ。曲の展開もいろいろの凝ってる曲。意欲作。踊りながら歌もうまい。すごいね。(追記:すごくいいグループ。ライブでの歌がうまい。皆オーディションに勝ち残った方々なのですね。楽しみです。この曲の動画をこのブログの「Music」に取り上げてページに埋め込もうと思ったらできなかった。でもいい歌です)
SEKAI NO OWARI「Habit」
名曲。この曲はメロディーやリズムだけでも好きだったのだけれど、紅白で歌詞の字幕を見ていて歌詞もすごいことに驚いた。あんなに踊ってるのに歌っているのもすごい。みんなでダンスは紅白ならでは。
〇三浦大知「燦燦」
心に沁みる。お母さんに向けた歌かと思い調べたらお祖母さんへの手紙だそうです。
IVE「ELEVEN」
この曲は動画サイトに出たときにここに取り上げようかと思っていた。キャッチー。それにしてもルックスのいい女の子達だ。歌ってないの?
Perfume「紅白 Medley 2022」
Perfumeは特別な存在ですよ。もう12年間も見てきている。やっぱり彼女たちを見ると嬉しい。彼女たちもプロ。今回「チョコレート・ディスコ」のイントロが流れたら観客がわらわらと立ち上がった。愛されてる。いいね。
坂本冬美「お祭りマンボ~スカパラSP~」
冬美スカパラ贅沢ですね~。「お祭りスカ」すご~い。坂本冬美さんもいつも好き。綺麗なお姉さん。「お祭りマンボ」の曲も大好き。忙しい曲なのに冬美さん流石。これは踊れる。ステージも派手派手。スカパラの方々も楽しそう。やっぱ紅白はこうでなくちゃ。
★三谷幸喜さんがワイハにいる笑 鎌倉殿スキスキ。
ウタ「新時代」
このCGの見せ方が紅白にあっているのかわからない。けれど曲がいいなと思ったら作曲が中田ヤスタカさんだそうだ。歌はAdoさん。
〇三山ひろし「夢追い人」
いい歌声。しっかりとカメラ目線の三山さんのカリスマがすごい。演歌のお方は流石エンタメのプロ。けん玉おめでと~。
★ディズニースペシャルメドレー 「ディズニースペシャルメドレー」
Misiaさんのディズニーランドが夢のようで素晴らしかった。Misiaさんが妖精みたいでかわいい。
〇Vaundy「怪獣の花唄」
Vaundyさんのこのステージ慣れはなんだろう。堂々としている。気持ちのいい声。紅白を自分のライブステージにする22歳。すごいね。そんなもんかぁ紅白~いけるよなぁ いくぞ日本!いいぞ!笑
milet×Aimer×幾田りら×Vaundy「おもかげ」
このコラボは紅白用かと思ったら2021年のコラボ曲なのだそうだ。Vaundyさん作詞作曲プロデュース。
工藤静香「35周年SPメドレー」
工藤さんは何から何まで勝勝勝勝の人生だ。すごいマダム。それにお歌もうまい「あ~らしをっお~こしてぇゃ」で「おぅ」と声が出たわ。実は彼女を3回ほど街でお見かけしたことがある不思議。20年ほど前ロンドンのBrewer Streetで1度キムタクと一緒のところをすれ違った。14年ほど前には東京代官山の辺りでも2度ほどすれ違った。ベビーカーを押していらした…あれ?Kokiさんが今年20歳ということは…違う人かも。
〇King & Prince「ichiban」
この曲はびっくりした。ダンスしながら生で歌ってるの?口パクかどちらかわからなかった。だってダンスが激しいもの。すごいじゃん。曲も好き。かっこいいね。作詞作曲がKREVAさん。最後はふーふー言ってる。
〇Official髭男dism「Subtitle」
このバンドはどの曲もいい。信頼してる。何を聴いてもいい。巧みの技。クオリティーがすごい。この曲も展開が素晴らしい。かっこいいバンド。
★加山雄三「海 その愛」
加山さん最後のステージだそうです。今もお声がしっかり。すごいお方です。お疲れ様でした。紅白ならでは。雲のステージも綺麗。
Superfly「Beautiful」
Superflyさんの声は宝物。最初の一声から「あ~きもちいい」と思う。すごい声。天からのギフト。気持ちが上がる。
〇藤井風「死ぬのがいいわ」
メロディがいい。冒頭のピアノで驚く。しかし歌詞は戸惑う。シアトリカル演出。もしかして藤井さんも少し困っていたのでは。でも藤井さんは才能のあるお方よ。スカートはいてる。
篠原涼子「恋しさとせつなさと心強さと2023」
工藤さんと共に紅白ならではの目玉懐メロ。篠原さんがセクシーでセクシーで女むんむん。小室さんがピアノ。いい曲
〇ゆず「夏色」
今回のゆずさんの頑張りにワタクシは感動しました。北川さんが舞台中を走り回ってエンタメ・サービス大放出。すんごい楽しくて盛り上がった。観客も皆立ち上がった。こういうの大切です。拍手。北川さんが会場のお客さんとテレビのカメラとしっかりエンゲージするハッピーなステージ。岩沢さんの高音もいい。いい歌。楽しいわ。北川さんの笑顔がすごく素敵。アリガトー!!
〇関ジャニ∞ 「T.W.L」
そして関ジャニ∞がゆずの北川さん作詞作曲のT.W.Lを歌ってゆずとコラボ。楽しい。お祭りならでは。お客も立ち上がってタオルを振って大盛り上がり。素晴らしい。ハッピーなステージ。
〇星野源「喜劇」
名曲。曲もいいが歌詞もいい。お洒落。毎年いい曲。センスがいい。都会ね。アレンジが面白い。ギターが後ろでキュルキュル鳴っている。タイトなすごくいいバンド。すごい展開の曲。歌詞も哲学。心に刺さる。ふざけた生活はつづく、命繫ぐキッチン…ほんとにそのとおり。ベースマンがイイ男だ。
★氷川きよし「限界突破×サバイバー」
Kiinaさんの休業前の最後のステージ。ゴージャスな笑顔で堂々と歌い切った。Kiinaさんいきいきしてる。「いいぇええええええええ」とのけぞって雄叫び最高。ワタシはね、Kiinaさんがご自分に正直にどんどんお綺麗になっていくのが嬉しい。よかったですね。自分に正直に。自由に。幸せになって。応援する。綺麗よ。
★松任谷由実 with 荒井由実「Call me back/卒業写真」
ユーミンさんは曲がいい。ほんとにいい。お洒落。彌十郎さんも一緒に歌ってる。そして郷ひろみさんのユーミンリスペクトなお言葉も素敵だった。
★安全地帯「メロディー/I Love Youからはじめよう」
曲が素晴らしい。玉置さんの力強い歌。声に説得力。すごくいい歌。前向きの歌。かっこいいバンド。玉置さんいい声だなぁ~。ほんと。名曲
石川さゆり「天城越え」
石川さゆりさんの「天城越え」と「津軽海峡冬景色」は、オペラや歌舞伎の古典のように毎年同じ歌で、どのような演出やアレンジで見せ聴かせるのかが見どころだと理解した。ロックとラップ、和楽器とロックギター…などなど今までにも色んな演出がありましたが、今年は和楽器とオーケストラ。琵琶や笛、時々掛け声も入る。今回のアレンジも素晴らしくて、旦那Aがやっぱり今年も喜んでいた…今回はこれが1番と言っている。旦那Aは毎年石川さゆりさんに感動するらしい。
★桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎「時代遅れのRock’n’Roll Band」
おじさま方の楽しみ。これは…すごい組み合わせ。贅沢。これも紅白ならでは。全員大物。ありがたや~。皆さんそれぞれかっこいい。大人の余裕ですね。佐野元春さんがすんごいかっこいいわ。
MISIA「希望のうた」
だるまの前でうさぎが舞う。そうか今年はうさぎ年か。祈りを捧げるようなダンスでしたね。MISIAさんの歌う姿を見るとなんだか涙が出そうになる。このお方も天からのギフト。歌うために生まれてきた特別なお方。このお方が歌うと神様が微笑む。感謝。



2023年2月5日日曜日

Stacey Ryan and Zai1k - Don't Text Me When You're Drunk (2022)



才能の塊



Stacey Ryan and Zai1k - Don't Text Me When You're Drunk (2022)
Don't Text Me When You're Drunk - Single
Stacey Ryan, Zai1k
Released: January 16, 2022
℗ 2022 Stacey Ryan, under exclusive license to Island Records, 
a division of UMG Recordings, Inc.



Stacey Ryanさんはカナダ人のシンガー・ソングライター。彼女が最初に世間に知られるようになったのはこの曲。TikTokで(ファンからの自作の曲と詞を募集した)open verse challengeだったのだそう。先日取り上げたJVKEさんの「golden hour」のDuet Verse Challengeを見ていたら彼女の動画が出てきて、曲を聴いてみたらすごくよかった。バックに流れるコード進行がいい。「もしかしたら」と動画で色々と曲を聴いてみたら…またまた才能のある若いミュージシャンを発見。

彼女も動画サイトで有名になった人。去年リリースした「Fall In Love Alone」はインドネシアのチャートで1位。カナダの若いシンガーがアジアの国で突然1位になる…面白い。今どきはチャンスがどこからやってくるかわからない。

…と思っていたら彼女はなんと先日1月31日に米国のトークショー『The Late Late Show With James Corden』(←私は最近見ていない)にも出演してその「Fall In Love Alone」を演奏したそうだ。

私は彼女のデビュー曲「Don't Text Me When You're Drunk」が一番好きなのでこれを取り上げよう。


それにしても先日のJVKEさんといい、このStacy Ryanさんといい、英国のRayeちゃんといい、ここのところ才能のある若者の動画によく出会う。

このブログでは今年1月の最初に日本の藤井風さんの曲を取り上げて「EDMやダンス+ポップスもいいけれど、これからも楽器が出来る才能に溢れた上手いアーティストが必ず残っていくだろう」と書いたのですけれど、ここ数週間そのような若者ばかりが見つかるので面白いなと思う。

藤井風さんのエントリーで書いたミュージシャン達…L'ImpératriceLake Street DiveCharlie Puth、それ以外にも有名なJohn Legendや、以前米国のトークショー『The Late Show with Stephen Colbert』で箱バンドをやっていたJon Batisteなんかもそう。楽器のできるミュージシャン達は必ず残っていく。

動画をつついていたら、Charlie PuthさんとJohn Legendさんの共演や、JVKEさんとCharlie Puthさんが遊んでいる動画が出てきた。才能のある人々が繋がっている。その仲間にこのStacy Ryanさんも入れそうだ。


★Stacey Ryan
カナダ・ケベック州モントリオール出身。中学校 École secondaire de la Cité-des-Jeunes’ ではジャズバンドでトランペットを演奏。16歳で高校を卒業して、大学でjazz interpretation(解釈)…歌とギターを学んだそう。2021年、「Don't Text Me When You're Drunk」のopen verse challengeが大ヒットカウント。Island Recordsと契約。その後同曲をファーストシングルでリリース。コラボはopen verse challengeの参加者のZai1kさん。2022年5月にはシングル「Fall In Love Alone」がインドネシアで1位。7月にはカナダのMontreal International Jazz Festivalで演奏。11月には東南アジア・ツアー。またDuran Duranの前座を務めたそう。


やっぱりジャズの人なのね。曲のコード進行が心地よい。彼女はもうジャズ・フェスにも出たらしい。すごいね。

藤井さんと同じように彼女もYouTubeで様々なアーティストのカバーをやっているのですが巧み。上手いですよ。アース・ウィンド&ファイアーの「セプテンバー」をフォーク調でやったりしてる。ギター弾き語りでマイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」も最高。才能の塊。

今おいくつなのだろう?


Don't Text Me When You're Drunk
Stacey Ryan and Zai1k
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酔っぱらってる時はテキストしてこないで
(俺酔っぱらってる時はテキスト送らないよ)
Ooh
(俺酔っぱらってる時はテキスト送らない)
もう テキスト送らないで(yeah yeah yeah)


テキストはしないよ 俺のこと心配しなくてもいい
それで君はウザイくらい電話してくる きっと俺の噂を聞いたんだね
君は言う「酔っぱらってテキスト送らないで」でもオレ飲まないし   
君はいつ十分だと満足するのか わからないんでしょ
俺は避けるよ だって俺と何か始めたいんでしょ
俺は避ける だって君は俺に十分愛させてくれないからね
俺の立場はわかってるよ 
違うって 君は俺を心から愛してくれないでしょ
君は言う「電話しないで」
それならbaby, どうして電話してくるのか教えてよ

俺はバカだった 俺たち何か特別な関係になれると思ってた
でも君は 必要な時だけしか電話してこない
言ってよ 俺なにか間違ったことしたっけ?
でも俺たちここで立ち止まれないよ 次に進まなきゃ
はっきりさせよう 君が俺のことをどう思ってるのか話してよ
でも君言ったことわかってるの? 俺のために涙も流さないじゃん
仲良くてハッピーだった頃が懐かしいよ 君は俺に愛をくれた
酔っぱらって電話しないでって君は言うけど 俺は怒ってないよ



お願い 酔っぱらってテキスト送ってこないで
phone を置いて
あなたは目を覚ました時 きっと言ったこと全部を後悔する
酔っぱらってテキスト送ってこないで
もう テキストなんてしなくていいから


最初のデート 二回目のデート よかったわ(so fine)
でもあなたがいろいろと考えてるって言った時
私 ちょっと待ってって言ったの 始まる前にね
前にも言ったでしょ もっと言わなくちゃね
私はあなたの特別な人にはなりたくないって
ただそう言ってるの
だからどうしてテキストを送ろうとしたの?

あなたはシラフじゃなかった 返事するべきかな?
そして返事したの 数分間考えた後でminute or two
あなた がっかりしたって言ったI was
それで終わり でもそれで私にどうして欲しかったの?


お願い 酔っぱらってる時はテキストしてこないで
(飲んでるときは テキストしないよ)
phone を置いて
(put it away)
あなたは目を覚まして 
きっと 言ったことを全部を後悔するわ
酔っぱらってテキスト送ってこないで 
あんな風に惑わせないでよ(no, no, no)
私が思った通りになったし 
あなたは言ったことを否定したよね
あなた どうして待たなかったのよ 
心がクリアになって真っ直ぐに考えられるようになるまで (straight)
だってそうしたなら、
間違ってたなんて言わなくてもよかったでしょ
酔っぱらってテキスト送ってこないでよ
oh, girl, 約束するよもう送らない
それより テキストなんてしなくていいわ(don't do it)
だからたのむから 酔っぱらってテキストしないで(oh, no, no)
もう テキスト送らなくていいからもう送らないよ)


もうテキストなんてしないほうがいいわ(しないほうがいいね)
後悔することを言うかもしれないじゃない
(okay, 電話したほうがいいね)
ほんとにテキストしないで
(飲んでるときはテキストしないよ)
だって私あなたが恋しくなった時 あなたの問題を考えるのよ
だからテキストはしないほうがいいわ
スリンキーみたいに俺の心を引っ張るんだね)
後悔することを言うかもしれないでしょ
うん 眠れないんだ, yeah)
(君は俺をいろいろ悩ませて 俺は夜遅くまで眠れない
私一人でも平気なの だから私のphoneを一杯にしないで
テキストも送らないで
後悔することを言うかもよ
テキストはしてこないで
だって私あなたのことが恋しくなった時 あなたの問題を考えてしまう
テキストをしないで

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Songwriters: George Ponce / James G. Morales / Matthew Morales / Stacey Ryan
Don't Text Me When You're Drunk lyrics © Warner Chappell Music, Inc



2023年2月2日木曜日

お猫様H:半身本気アタック遊び



もう2月になった
時間が飛ぶ...

猫さんはお尻はだらだらと床に横になったまま、上半身だけで人間を本気アタック遊び。全身を使った遊びはめんどくさいらしい。
怠惰な女ですね



2023年1月31日火曜日

映画『ドント・ルック・アップ/Don't Look Up』(2021):今の世を憂う・よくできたSatire






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『 Don't Look Up (2021)/米/カラー
/2 hours 18 minutes/監督:Adam McKay』
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恐ろしいほど現実を映したSatire(風刺/皮肉/現状批判)。

今のアメリカのメディアや政治を見ていると、あぁこの映画とほぼ同じことが起こっているよねぇと思わずにはいられない。映画だから全てを現実よりも数倍大げさに描いているとはいえ、今の時代がどういうものなのかはかなりリアルに描かれていると恐ろしくなった。

この映画、ほぼ現実の世の中を模している。
これは今の私達の世の中。
今の世界はこの映画のまんま。

最初はただ悪ふざけなフィクションのブラック・コメディかと笑っていたが、情け容赦なく現実を思い起こさせる描写が次々に出てきて、そのリアルさに次第に背筋が寒くなった。怖い。笑うよりも怖くなる。悲しくなる。

今の私達。この世の中。ちょっとヤバいんじゃないか?大丈夫なのか?
今の世の中って、この映画とそれほど違わない…。


★あらすじ
ミシガン州立大学の天文学博士課程のケイト(ジェニファー・ローレンス)と彼女の師ミンディ博士(レオナルド・ディカプリオ)。この二人が「地球に巨大彗星が衝突し、ほぼ100%の確率で地球が破壊される」ことを発見。「衝突までの時間は約6ヶ月」。もうあまり時間がない。二人はそのことを世間に知らせようとする…政治家、国民に知らせるために二人は必死に駆け回るのだけれど、誰も気にかけない。理解しようともしない。さて地球はどうなるのか?


★ネタバレ注意

問題は、今の世の中には情報が溢れ過ぎていて、人々は迷い、どの情報を信じていいのかもわからず、結果世界中の皆が「一番の重要事項、今何に目を向けるべきなのか」を見定めることが出来なくなっている状態だということ。

「地球に巨大彗星が激突する。全てを燃えつくし生物全てが死ぬ。地球が死ぬ」
科学者のレオナルド・デカプリオとジェニファー・ローレンスが人々に伝えようとしているのはただそれだけ。そのことを彼らは政治家(大統領)に伝え、メディアを通して世界に公表するのに、誰もそれを理解しようとしない。耳を傾けない。


(以下細かくネタバレです)

科学者の二人は、まず米国大統領にその情報を告げに行く。しかし大統領もスタッフも「そんなたわごとよりも、今度の中間選挙の方が大切だから…」と二人の話にとりあわない。

大手の新聞社は、SNS上での読者ウケを重要視し、二人の持ち込んだ重大な事実をウケないからと取り上げない

二人はまたテレビの朝のトークショー番組に出演。国民に地球の危機を伝えようとするが、司会は「そんなことよりもポップスターと元カレのゴシップのニュースを見てみましょう…」と二人の警告を問題にしない。

ようやく「彗星に核ミサイルを当てて地球を救う」計画が実行されることになるが、それでさえも大統領(トランプ氏を思い出す)の宣伝材料の扱い。

そしてその「彗星爆撃計画」も突如中止させられる。ハイテク企業BASHのCEO(テスラ/イーロン・マスクを思い起こさせる)が、その巨大彗星がレアアース資源の宝庫だから資源を採掘したいと言う…結局は金儲けが優先される。 その間にも巨大彗星は地球に近づいてくる…。


デカプリオの博士がテレビで国民に向けてやっと事実を伝える場面…博士が司会者を黙らせ「地球に危機が迫っている」ことをカメラに向かって怒鳴る場面(国民に知らしめる場面)は、映画が始まってから1時間30分過ぎ。その場面まで、彼ら科学者の言う「地球の危機」が世間にまともに受け止められることはない。狂っている。


終末の日は近づいている。科学者の二人も次第に狂った世界に個人のレベルで飲み込まれていく。彼らも判断を迷う場面がある。そこもリアル。

もうどうでもいい。もうどうにもしようがない。そしていつしか「巨大彗星の激突」は、人々の空虚な論争のお題…つまりは「地球壊滅の危機」でさえ個人同士の相手を打ち負かすことだけが目的の低レベルな言い争いのお題になってしまう。SNS上では戦いが繰り広げられる。

(科学者+リベラル側は)「営利企業に抗議するキャンペーン」としてJust Look Up/ただ上を見て(←現実を見ろ)と世間に呼びかけ、ポップ・スターは「最後の地球救済ライブ」でキャンペーン・ソング「Just Look Up/ただ上を見て」を歌う。

一方大統領は「Don’t Look Up /上を見るな」(←現実を見るな)のスローガンと共にキャンペーン活動。サポーター達はそのスローガンの刺繍された野球帽を被り気炎を揚げる。

そして「Don’t Look Up /上を見るな」を信じていた保守の群衆は、次第に大きくなる空の彗星の光を実際に目にして「政府は嘘をついていた!」と暴動を起こす。群衆が暴れ始め街が破壊されていく…。

全てがあまりにも現実を思い起こさせる。


例えばこの映画の巨大彗星を、

現在の地球温暖化や環境問題に置き換えることは簡単だろう。それ以外にも食料問題、アメリカの銃規制…等々の問題と置き換えて考えてみれば、この映画がいかに現実を反映しているのかが見えてくる。

警告 ですね。

しかしながら現実は、
この映画を見たからといってアメリカの現状が変わるはずがない。
だからこそ、この映画のエンディングはああいうことになった。


もう私達には何もできないのではないか。 


映画を見終わったうちの二人は無口になり言葉もなく、それぞれソファーを立ち上がってコーヒーを飲みにいったり他のことを考えたり、猫を触ったりし始めた。二人ともたぶん息苦しくなったのだと思う。

Satire(風刺/皮肉/現状批判)だとわかっていても、あまりにもアメリカの現状をリアルに示していることに驚き、悲しみを感じた。キューブリックの1964年の映画『Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb/博士の異常な愛情』を思い出す。しかしあの映画を私が見たのは1980年代。あの映画には驚いたが、それでも当時は笑っていられた。

しかし今この映画を見て私達は心から笑えるのか?


アメリカではあたりまえの常識が通じなくなくなりつつある。実際にそう感じる。いや世界中、今の世の中はそうなのかもしれぬ。

米国のジャーナリズムはエンタメに変わり人の気を引くためのセンセーショナリズムに汚染され、メディア上の人々は怒鳴っているかのような大声で一方的な主張を繰り返す。ニュースは公平な情報を知らせるというよりも、視聴者が見たい聞きたい/視聴者が要求する一方的な情報をがなり立てるものばかり。そこに公正さや知性は感じられない。

政治家は人気商売。政治家は自分の票稼ぎのことしか考えない。政治家や専門家(と呼ばれる人々)の言葉は本当に信じるに値するのか。

メディアの情報には必ずマーケティングがついてくる。記事もニュースもテレビ番組も人々に何かを売りつけるための宣伝メディアとなってしまった。今の時代の情報は、どれが本物で、どれが宣伝目的ではないのかがわかりずらくなっている。そしてメディアそのものもウケを狙ってコマーシャリズムに身売りしている。

そして皆に与えられた平等な表現の場=ネット上には、知識も知性も常識も無い+思慮深くもない個人個人の声が、プロのジャーナリストの言葉さえ搔き消すように大音量で鳴り響く。そのようなSNS上の雑音は人々を日々惑わす。

今の時代は情報が多すぎて、私達が何を信じればいいのかがわからなくなっている。



そんなわけで、あっぱれ。この映画の監督さん、脚本家に制作の方々、よくやった、あっぱれと伝えたい。大きな拍手。よくもこのような恐ろしくリアルな映画ができたものだと驚く。そしてこの脚本がコロナ禍前に書かれたと知ってまた驚いた。

よくできた映画。現状を目の当たりにして苦しくなる映画。もうどうしようもないのかな…。わかりませんね。


主人公たちの最後の晩餐は…実際にあのような事があるのなら、人間はあのような状態に落ち着くのだろうと思う。とても自然に思えた。そこも上手い。

破滅に向かう時間に、時々挟まれる自然の映像が悲しい。動物の映像、ミツバチ、ホッキョクグマ、そして山に降り注ぐ火玉の前で祈りの舞を捧げるネイティブ・アメリカンの場面。…そんな映像がとても悲しい。本当に悲しい。しかし美しい。映像もよくできた映画だと思います。

この映画は心に残りますね。影響を受けて今も考えている。



思い出した映画
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか/Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb (1964):ブラックコメディ
ソイレント・グリーン/Soylent Green (1973):ディストピアSF映画、環境問題や食糧問題などで度々思い出す
ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ/Wag the Dog (1997):政治風刺、政治家の情報操作



2023年1月26日木曜日

歌舞伎の思い出



自慢話をする。

自慢話は年寄りの困ったところ。しかしここ3年のコロナ禍の巣篭り生活で、私は現在の観劇やライブのことを一切書くことが出来ぬ。先日思ったのだ…去年の年末のクリスマスの頃、私はなぜあんなに落ち込んでいたのだろうと。その答えは…私はここ3年間ライブやオペラや芝居を全く見ていないから。そうだそうだ、そうなのだ。

このブログの「海外色々」のインデックスを見直してみた。2013年から書き始めた観劇やライブの記録は2020年の2月のオペラを最後に止まっている。あれから全く何も見ていない。それ以前は毎年年末が近づけば大抵何本かのライブを予定に入れていた。忙しくしているうちにクリスマスの時期は過ぎる。忙しければ、太平洋のど真ん中で家族と簡単には会えないクリスマスも全く平気だった。あの去年の年末のChristmas Bluesはそんなライブ/観劇無しの3年間で溜まったものが溢れ出たのかもしれぬ。しょうがないね。

そもそも今までの海亀の人生、何に一番情熱を捧げてきたかと問えば…舞台で行われるエンタメ全般(舞台ならなんでもOK)を見ることだと答える。東京でもロンドンでもそう。ハワイに来てもそう。20代は東京で洋楽の外タレをよく見たし、ロンドンではジャズクラブに目覚めミュージカルを楽しみ芝居とオペラを齧った。ハワイではライブに芝居、オペラ、ミュージカル、ジャズクラブとなんでもあり。観劇とライブ…たぶんその趣味に私は今まで一番お金をつぎこんできた。その最愛の趣味をもう3年間もやっていない。煮詰まるのも致し方なし。


ともかく昨日、歌舞伎がテーマのドラマの感想を書いていて色々と昔のことを思い出したので記録しておこうと思った。自分用の記録。

私は歌舞伎は全くの素人。演目もほとんど知らない。決して興味がないわけではないのだけれど、東京にいた20代にはなかなか歌舞伎座に足が向かわなかった。まさか30歳以降に外国暮らしになるとは思わなかったので、いつかもっと大人になってから行けばいいと思っていた。こういうことになるのなら20代にもっと見ておけばよかった。

それでも私は昔二度、すごい歌舞伎を見た経験がある。もう37年も前の話だ。


1回目

その頃の私は、1983年に来日したデビッド・ボウイのライブに感激してボウイ氏の情報をよく調べていた。それで出てきたキーワード「デビッド・ボウイ、山本寛斎、歌舞伎…」。ボウイ氏が歌舞伎を見たのか、それとも寛斎さんが歌舞伎を見てインスパイアされて衣装を作ったのか…今はよく覚えていないが、その情報を見て思ったのは「私も歌舞伎というものが見てみたい。日本の芸術、見なくちゃ」。

その頃大学の同級生にたまたま歌舞伎に詳しい友人がいた。そこでその友人Tちゃんに聞いてみた「ねぇ、わたし歌舞伎が見てみたいんだけど教えてよ。一緒に行こうよ」。そうしたらTちゃんは「いいよ~じゃあチケットとるわ。今いいのがあるよ」。というわけで親切なTちゃんにチケットをお願いすることにした。

チケットが無事取れて、Tちゃんから色々と説明を受けたと思うのだが内容は覚えていない。なぜなら歌舞伎のことを聞いても当時の私にはほぼ理解できなかったからだ。ともかくチケットは取れた。ワクワクしながらその日を待つ。公演日は1985年の3月。

そして当日。歌舞伎座の前で待ち合わせ。歌舞伎座にたどり着いたらTちゃんは派手な着物を来て待っていた。すご~い。まだ大学生なのに着物で歌舞伎を見るTちゃん。彼女は歌舞伎に詳しいお嬢さんだった。



そしてその日の歌舞伎は、


1985年3月20日 午後4:30

桜姫東文章


・片岡孝夫/片岡仁左衛門 (15代目)
 長谷寺の清玄・清玄阿闍梨・釣鐘権助・清玄の亡霊・大友常陸之助頼国
・坂東玉三郎 (5代目)
 相承院の稚児白菊丸・桜姫・風鈴のお姫実は桜姫


何も知らないままに3階の席へ。ワクワクして興奮。そして幕が開いた。舞台に広がる鮮やかな色と光。一瞬でうわ~っと感情が高ぶって急に涙が出た。本当のことです。突然目から涙が出た。

その頃の私は若くお金のない学生で本物の舞台芸術を見た経験も無し。ステージのショーで見たことがあったのはいくつかの外タレのコンサートのみ。ミュージカルも見たことがなかった。現代劇の芝居さえ見ていなかった。そんな風に舞台に関することに全く無知の状態でいきなり(当時)片岡孝夫さんと坂東玉三郎さんの歌舞伎を見ることになった。

これなんだ。これが歌舞伎というものなんだ…。

もう37年も前の話。『桜姫東文章』の全ての内容を覚えているわけではないけれど、とにかく夢中で見入った。華やかだった。綺麗だった。原色の着物。明るい舞台。色鮮やかで本当に綺麗だった。長身の玉三郎さんの立ち姿の美しさ。本当に息を呑むほど綺麗だった。

今ネット上で『桜姫東文章』の内容を読んでみた。少し思い出したかも。そうそうお姫様が身を落として暮らす場面があった。場面場面を切り取った記憶しか残っていないけれど、今も舞台の様子は目に焼き付いている。一場面、舞台の右側に立った玉三郎さんが巻物を落としてそれが裾に広がる場面があったと思う。うわ~っと圧倒された。華やかで綺麗な場面だった(巻物かどうか…違ってるかもしれないけれど)

舞台上に溢れる鮮やかな色彩。そして役者さん達の声。楽器の音。そしてスーパースターのお二人(歌舞伎に無知でも孝夫さんと玉三郎さんのことはもちろん知っていた)。美しい着物。本当に夢のような経験だった。


2回目

そして2回目もTちゃんがチケットを取ってくれた。その公演は
 

1985年6月12日 午後4:30

鳴神


・市川團十郎 (12代目) 鳴神上人
・坂東玉三郎 (5代目) 雲の絶間姫

襲名披露口上

助六由縁江戸桜


・市川團十郎 (12代目) 花川戸助六実は曽我五郎時致
・松本幸四郎 (9代目)/松本白鸚 (2代目) 髭の意休実は伊賀平内左衛門
・尾上菊五郎(7代目) 三浦屋揚巻
・尾上辰之助(初代) くわんぺら門兵衛
・片岡孝夫/片岡仁左衛門 (15代目) 白酒売新兵衛実は曽我十郎祐成
・坂東八十助(5代目)/坂東三津五郎 (10代目) 朝顔仙平
・中村勘九郎(5代目)/中村勘三郎 (18代目) 福山かつぎ富吉


私の2回目の歌舞伎体験。そこで12代目市川團十郎さんの襲名披露を見てしまった。今出演者を調べたのだけど、スーパースターの方ばかり。しかし37年前、当時私の中でお名前とお顔が一致していたのは、團十郎 さんと玉三郎さん、当時の松本幸四郎さん、片岡孝夫さんだけだったのかも。それぐらい歌舞伎の世界に無知だった。全く知らなかった。

しかし團十郎さんの襲名披露なのだから、その日大変貴重な舞台を目撃していることは理解していた。しかしこれほどまでにスターの方々がいらしたとは…。今になって驚いている。

この日の舞台の様子も場面場面で切り取ったように覚えている。特に襲名披露口上は「すごいことを目撃してるのだ」と意識して目に焼き付けようとした。今でもその舞台の様子、そして團十郎さんの独特のお声の響きをよく覚えている。その日も夢のような時間が過ぎた。


幕間にはTちゃんが予約してくれていたお弁当をお食事処(?)のテーブルで食べた。あまり時間がなくて急いで食べたと思う。そしてすぐに席に戻った。そしてまた幕が開き舞台に見入る…ドキドキする。ああ楽しかった。 その2度の歌舞伎の体験は全てが嬉しく楽しくて、当時20そこそこ右も左もわからない子供だった私は、それまで見たことのない芸術を見て興奮し目を大きく開いて舞台を凝視したまま夢のような時を過ごした。本当に楽しかった。

それから日本は数年後にバブルを迎え私も日々忙しくなり、外タレのコンサートは時間をとって度々見に行っていたけれど、その後私がまた歌舞伎座に出かけることはなかった。今とても後悔している。当時はその数年後に日本を離れるなんて思っていなかった。

その後歌舞伎座に出かけたのは、(ロンドンに移住した後)1998年7月に旦那Aと叔母と共に日本に帰った際、ある日の午後に1幕だけを3階席で見たのが1回だけ。米国人の二人は英語のガイドをイヤホンで聴きながら芝居を見ていた。1998年7月の公演で今調べたら『義経千本桜』と出てきた。当時の三代目 市川猿之助さん/二代目 市川猿翁さんが出ていらしたそうだ。


昨日のドラマで歌舞伎のことを思い出して記録しておこうと思った。当時は無知なために、その公演がいかに貴重なものであったのかもよく理解していなかった。今になって驚いている。 今はネットで日本の芸能関係の記事を見ていれば、様々な歌舞伎役者の方々の記事を目にする事も多い。また歌舞伎役者の方々もよくテレビに出ていらっしゃるようだ。役者さんに関する知識も増える。もし今日本で歌舞伎を見ることができればもっと役者さんのことがわかるだろう。役者さんの事がわかればお芝居ももっと楽しいだろうと思う。


歌舞伎はおそらく西洋のオペラと同じで、演目で何をやるかが既に決まっているものを、その時々の公演の役者さんたちがいかに(同じ演目を)再現するのかを楽しむものなのだろう。歌舞伎も一旦ハマれば延々と楽しめる大人の遊びなのだろうと思う。

思い出話。色々と調べてみたら面白かった。大変貴重な公演を見たのだと再確認出来てよかった。その公演に連れて行ってくれた友人Tちゃんには大変感謝している。彼女とはその後連絡をとらなくなってしまったけれど、彼女はきっと東京のマダムになって今も歌舞伎を楽しんでいるのだろうと思う。2021年の『桜姫東文章』も見たに違いない。ちょっとうらやましい。

この先、いつかまた歌舞伎座で歌舞伎が見てみたいものだと思う。そして幕間でお弁当を食べたりして数時間どっぷり歌舞伎に浸りたい。いつの日か。


2023年1月25日水曜日

NHK BSプレミアム 「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」






贅沢なドラマ。ものすごく丁寧に作られた作品。今の歌舞伎役者の方が江戸時代の歌舞伎役者を演じるという贅沢さ。そして脇を固めるベテランの上手い役者さんの方々。出演なさっている俳優さん達が皆うまい!!!!セットも豪華。素晴らしい素晴らしい。

あまりに面白かったから1回目を見終わってすぐに2回目を見直し始めた。1回目の最初にぼんやりと見ていた場面も、ストーリーが解ってから見るともっと面白い。本当によくできた質の高いドラマだと思います。


このドラマは第77回文化庁芸術祭大賞(2022年) を受賞したそうです。


日本では元々…2021年12月4日と11日にNHK BSプレミアム・NHK BS4Kで放送されたテレビドラマ。それを2022年12月10日と12月17日に、1話38分×5話に再構成したものが地上波の総合テレビで放送された。私が見たのはその2022年12月ver.。TV Japanで年末に放送された。


主人公は実在の江戸時代の歌舞伎役者中村仲蔵(初代)
元文元年〈1736年〉 - 寛政2年4月23日〈1790年6月5日〉。江戸時代中期の伝説の歌舞伎役者。「名人仲蔵」とよばれた名優。
…このドラマは、裸一貫から這い上がりスターの座を掴み取った歌舞伎役者の初代 中村仲蔵の出世物語を歌舞伎演目『仮名手本忠臣蔵』を軸にドラマ化したもの。脚本・演出は源孝志さん、主演は六代目 中村勘九郎さん。

実在の人物だったのですね。ドラマを見終わってから調べて知った。


六代目 中村勘九郎さんが江戸時代の歌舞伎役者をなさる。その様子がとにかくかっこよくて見惚れた。あ~やっぱり歌舞伎のお方は歌舞伎をなさるプロ(あたりまえだけれども)…しかしまぁなんとかっこいいのだろうと。ほれぼれ。は~やっぱりすごいんだねぇ。今の歌舞伎役者のお方が江戸時代の歌舞伎役者をなさる説得力。そのことにまず感動した。だって勘九郎さんが腕を構えて見得を切る様子が本当に決まっている…ぁあこれが東洲斎写楽の役者絵のリアルな再現…江戸時代の歌舞伎の再現なのだわ…ととても感心して見入りました。

そんな写楽の時代の歌舞伎の世界の再現が楽しい楽しい。そして役者さん達は皆さんプロ。プロ中のプロの方ばかり。これはすごいドラマだと思いますよ。ほんとほんと。贅沢。


私は日本のテレビを見る機会が(日本に住む場合に比べて)少ないので、中村勘九郎さんと言えば唯一大河ドラマの『いだてん』しか知らなかった。で、その『いだてん』での勘九郎さんはとにかく素っ頓狂で…こんな人、現実にはいないだろう…だって水を被って「ひゃ~っ」と奇声を上げる人なんていませんよねぇ笑。これはお笑いメインのコメディなのかそれとも真面目な大河なのかわからんっ!…という印象だったのですが、


中村仲蔵の中村勘九郎さんは

プロ!役者!


すっごくかっこいい…💕

このドラマの中村仲蔵のキャラクターが信じられる。こういう人がいたんだろうなと思う。子供のように純粋で真面目。芝居が大好きで実力もあるのに、運で一旦は役者を廃業。しかしそこからまた努力して歌舞伎のスーパースターになるお話。それをコミカルなタッチでドラマ化。 

中村勘九郎さん最高でした。ほんと。仲蔵はかわいいし仲蔵が笑えば嬉しくなる。仲蔵が呉服屋の旦那に言い寄られれば大笑い、そして「稲荷町」から再スタートで虐められれば共に泣く。 中村中蔵の名前を持つことの意思表示には勘九郎さん御本人の本気を感じた。『忠臣蔵』の初演の後でお風呂で水を被りながら泣く様子がリアル…ぁあ悲しい。そして認められて堂々と舞台に登場して見得を切る…かっこいい~!!!拍手。

勘九郎さんのお顔と表情は普段はどこかかわいい感じなのに、歌舞伎の化粧をなさると別人のように男臭くごつい大男に見える不思議。すごく華やか。御本人から出るエネルギーも変わる。歌舞伎の魔法なのだろう。すごいです。 勘九郎さんの表情豊かな芝居に説得力…仲蔵は一所懸命。応援したくなる。勘九郎さんが仲蔵のキャラクターにぴったりはまっていて、私もドラマにはまった。

仲蔵の頑張りと成長と成功を見ていい気持ちになった。面白かった。いい話です。それにしても歌舞伎役者さんの見得をアート寄りのカメラワークで撮ると本当にかっこいい。絵のようだ。素敵。見惚れる。


そして他の役者さん達も素晴らしい。仲蔵の奥さん・お岸の上白石萌音さん。なんと芸達者な。彼女は三味線を弾いて長唄を歌う。ものすごくうまい。かわいらしくて魅力的でユーモラス。彼女にも説得力。唸りましたよ。あまりの巧みさに。彼女はやっぱり歌が上手い。いい声。

そして蕎麦屋「十六屋」に間借りするかわら版屋・鵜蔵に吉田鋼太郎さん。この鵜蔵が我ら観客を江戸の歌舞伎へ導いてくれる。江戸の歌舞伎の世界には厳しい階級があることや、芝居小屋の舞台裏の様子を教えてくれる。それが楽しい。どんどん江戸の歌舞伎の世界に引き込まれる。吉田鋼太郎さんの口調も滑らかでノリノリで、鋼太郎さんがこの役を楽しんでいらっしゃるのが伝わってくる。鵜蔵を見るのも毎回楽しかった。

上品な初代市川染五郎の二代目 中村七之助さん。仲蔵との友情がいい。七之助さんと勘九郎さんは御兄弟なのですよね。それがまた贅沢。本物の歌舞伎役者さんの身のこなしが…またすご~いとため息。もっと見たい。 大きなお父さんのような四代目 市川團十郎の市村正親さん。威厳があってかっこいい。 狂言作者の金井三笑の段田安則さんは怖いのになぜかコミカル。 仲蔵の師匠・二代目 中村傳九郎の高嶋政宏さんの4話の本当の涙。 呉服屋の旦那・吉川仁左衛門の谷原章介さんはエロな役がよく似合う笑。 ユーモラスな芝居の神様コン太夫の石橋蓮司さん。 またまたコミカルな中村直團次の笹野高史さん。「稲荷町」のいじわるな中村任三郎の山西惇さんが怖い。 仲蔵の義母の志賀山お俊 若村麻由美さんがかっこいい。 おっと蕎麦屋の女将は名取裕子さんじゃないかお綺麗だ。 そしてかっこいいのにコミカルな謎の侍 藤原竜也さん。 そして初代 尾上菊五郎には二代目 尾上松也さんがいるではないか~後鳥羽上皇! 本当にビッグネームばかり。


そして私が何よりも魅せられたのはあの江戸の芝居小屋、劇場・中村座の建物。あの建物がそれはもう素敵。あんなに小さな場所で歌舞伎が見られたらどんなにいいだろうと想像する。あの時代の芝居小屋はああいう感じだったのでしょうね。いいなぁ。役者さんが近い近い。手を伸ばせば触れそう。そして上の階の楽屋。それから地階の奈落のからくり。面白いですね。見に行きたい。なんて魅力的な場所。ああいうところで江戸時代に逆戻りして歌舞伎を見る…な~んて浪漫。楽しいだろうなぁ。見たいですね。

NHKのネット上のページを見ると美術さんが「映る映らないにかかわらず、濃密に飾りこむ事にこだわりました。演技者のみなさんに本当の江戸時代の中村座にいるような感じでお芝居していただきたかった」とおっしゃっていて…ああすごいな。また録画を見直そうと思う。本当に素晴らしい。


ところでこのドラマは、日本の芝居文化…江戸時代の歌舞伎の世界の再現ですが、もしこのドラマが、シェークスピアを愛するイギリスで(字幕入りで)公開されたら英国の芝居ファンにはどう受け止められるだろうかと思った。あの浮世絵の役者絵の再現…だと面白がってはくれないだろうか。
彼らも16世紀の劇場を再現した「シェイクスピアズ・グローブ」で今も芝居をやっているのですよね。あそこはキャパが1,570人らしいけれど採算は取れているのかな?


このドラマの演出と脚本をなさっているのは源孝志さん。このお方はのドラマは以前2作品見てます。2016年の『スーパープレミアム 漱石悶々 夏目漱石最後の恋 京都祇園の二十九日間』と、2021年の『正月時代劇 ライジング若冲 天才 かく覚醒せり』。両作品ともここで少し感想を書いてますが特に『漱石悶々』は面白かった。宮沢りえさんを前にしてドキドキする豊川悦司さんがおかしかった。そういえばあの劇中の効果音の使い方はこの『忠臣蔵狂詩曲』のものと似ている。コンコン トロロン…と間を埋める和楽器の効果音がすごくおかしい。


なんだか色んな意味ですごく濃くリッチで贅沢なドラマでした。また録画を何度も見直して江戸の歌舞伎役者の様子を堪能したい。

歌舞伎いいなぁ。もし今歌舞伎を見たらきっと面白いだろう。中村勘九郎さんや七之助さん 尾上松也さんに、『鎌倉殿』で見た坂東彌十郎さん、八代目 市川染五郎さんも舞台で見てみたい。テレビで見る方々を舞台で見たらきっと楽しいだろう。東京に住んでいたらはまったかも。前述の『ライジング若冲』の感想(ぼやき)でも書いてましたが、島暮らしはリタイア暮らしなので日本の文化が遠くて悲しいわ。シクシク