能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年7月24日水曜日

NHK大河ドラマ「八重の桜」第28回「自慢の娘」



戦いは続きます。今回も篭城戦の続き。全員が必死です。

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●1968826、27
彼岸獅子を従えて入城した山川大蔵(玉山鉄二)が軍事総督に任命される。軍議では敵に占領された小田山をどう取り返すかの話し合い。その頃八重ちゃん(綾瀬はるか)は銃の調整。「もう(弾が)これしかねえ…」

 城の外では西郷頼母(西田敏行)と息子が城を出ようとしている。国境の萱野権兵衛へ伝言を届けるという。八重ちゃんが「ご家老様はお逃げになるのか…お城を捨てるのか…」と問い詰める。「人にはそれぞれ道がある」と言葉少く背を向ける頼母。なおも訝る八重ちゃんに「恭順を唱えることのほうが今はむしろ勇気がいる」と秋月(北村有起哉)が諭す。城では一人容保公(綾野剛)が呟く「頼母…生きよ

 城内では女性達が玄米を握る「一粒も無駄にしてはいけねえ。」そこへ娘子隊の帰還。照姫(稲森いずみ)のもと中野竹子(黒木メイサ)らの死が伝えられる。八重ちゃんの母(風吹ジュン)「一緒に生きてた人が一人ひとりいなくなるな…」八重ちゃん「戦だから立ち止まってはいかんけ…」。そこへ砲撃の音。

 小田山から砲撃が始まる。桁違いの威力のアームストロング砲らしい。八重ちゃんのアイデアで大砲の火薬を増やして小田山に打ち込む。成功。そこへ父権八(松重豊)が現れる「北出丸で鉄砲隊を指揮したそうだな。山本家の名に恥じぬ働きであったと聞く。よくやった。」なおも大砲を指揮しようとする八重ちゃんに権八は城内を鎮めるよう言いつける。

 城内の女性達にも容保公が声をかけて廻る。鳴り響く大砲の音。城内に打ち込まれた砲弾の爆発を八重ちゃんが消しとめる。すぐに八重ちゃんは砲弾の火消しの方法を女性達に指導。

容保公が八重ちゃんを呼ぶ。砲弾の火消しを説明するようにとのこと。砲弾は信管を濡らせば爆発をとめることが出来る。なお弾の中には鉄片が入っており、それが飛び散ることで周りを破壊する。八重ちゃん、子供の頃の追鳥狩の思い出とともに「役に立ちたいと思っていた。…一人また一人と共いる仲間を亡くしますが残った者達で力を合わせ会津を守るお役に立ちたいと存じます。」と殿に伝える。容保公「八重、女も子供も皆我が家臣。共に力を尽くせよ。

城内の女性達、子供達が飛び散った砲弾の弾(鉄片)を集める。それを溶かして鉄砲の弾を作る。女性達「(鉄砲の弾も)怖くねえな…」
 
その様子を遠くから見つめる父権八。「一度も認めてやんなかった。おなごが鉄砲の腕だけ磨いても何一ついい事はねえ。いつか身を滅ぼす元になんべ…そう思うてた。んだけんじょ、八重が鉄砲を学んだことは間違いではなかったかもしんね…。闇の中でも小さな穴が一つ開けば光が一筋差し込んでくる。」(チビ八重ちゃんの映像)「その穴を開けんのが八重の鉄砲かもしんねーな…」(←嬉しそう) 権八、八重ちゃんと目があうと無言でうなずく。
 
●828
小田山に敵の大砲がずらりと並ぶ。砲撃は増える一方。敵は日々兵力を増している。「今のうちに囲みを破り兵糧と火薬を運び込む道を開かねば…、なんとか米沢藩とつなぎをとらねば…」そこで佐川官兵衛(中村獅童)が早朝出撃すると申し出る。

その夜、容保公の前で官兵衛の出陣の儀式。危ない戦になるため官兵衛も覚悟を決める。「もとより命は捨てる覚悟で出陣いたしまする…必ず囲みを破り米沢への道を開きまする。それが出来ねえ時は城に戻らぬ覚悟…」

●829
朝(卯の刻・午前6時)官兵衛が寝過ごした(←笑)。出陣が遅れたため苦戦を強いられる。その後、城内では子供達が凧揚げ。それを日向ユキ(剛力彩芽)が郊外から見る「八重姉様だ…お城はまだまだ大丈夫だ…」

京都では覚馬(西島秀俊)のもとに岩倉具視(小堺一機)が会いにきている。覚馬の建白書『管見』を読んだらしい。「新しい国の形が全部ここに書いてある。死んだらいかん、また会いまひょ…。」

●914
新政府軍の総攻撃が始まる。砲弾が雨のように降り注ぐ。撃ち込まれる砲弾は一日2000発。近くに落ちた砲弾を山川登勢(白羽ゆり)が消しに行く。消し止めたと思った瞬間爆発。登勢を抱きかかえる八重ちゃんの上にもまた砲弾が降り注ぐ。天井に穴が開いた。
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凄まじいです。特に最後914日の新政府軍の総攻撃の様子は、短いながらも怖いシーン。登勢さんの負傷と共に非常にショッキングな最後でした。
 
今回も826日から914日までの篭城戦の様々なエピソードを細かく描いています。前回、前々回に比べてだんだん砲撃が激しくなる様子もリアルで本当に怖い。城内にいる人々の必死な様子が伝わってきます。子供達もたくさん城内にいたんですね。家老達・男性達の顔が険しいのに比べて、女性達は、食料を用意している場面や弾を作る場面でも、誰かの引越しか何かのように和気あいあいとしてるのがかえってリアル。普通の人達(女性・子供・老人)がそのまま城で戦ってるんですね。それにあらためて驚かされます。だからこそ心を摑まれます。もし私があそこにいたら…と考えずにはいられない。
 
以前から(一般的には無名の女性を主人公にしたため)「主役がなかなか出てこない」とか「容保の桜、会津の桜でいいじゃないか…」という意見もネット界隈では飛び交っていたようですが、今のこの篭城戦での八重ちゃんの活躍を見ると、この方が主人公でよかったなと思います。というのもこのドラマでは、いかにも普通の(普通じゃないけど)女性が、歴史の激流に飲み込まれながらも必死で最善を尽くす様子が描かれているからです。八重ちゃんだけじゃない。彼女の友人達の勇気、神保雪さんや中野竹子さん、西郷千恵さん、それに今回の山川登勢さんそれぞれのエピソードも強く心に残ります。戦時に男性が頑張るのはあたりまえ。だけど女性達がそれ以上に頑張っているのを見るともっと心を動かされる。八重ちゃんと彼女の友人達に突然降りかかった事件=女性の目から見た会津戦争。これは「容保の桜」では描けなかっただろうと思う。毎回会津の女性達に心を動かされています。
 
官兵衛さんが寝坊した話は有名らしいですが、実際には米沢藩はもう降伏していたそうで、もし彼が2時間早く起きたとしても、結果はそれほど変わらなかったらしいです。それにしても彼はこの後、会津が降伏するまで城の外で戦い続けたそうで凄い人ですね。
 
ところで今回は容保公がよかった…。八重ちゃんとの場面での言葉もよかったし、官兵衛との場面もよかった。綾野剛さんはお若いのに、全てを背負う殿様の貫禄がありますね。頑張ってくれている部下を信頼する上司の顔なの。いい上司と部下の関係なんですよ。皆、なぜここまでして彼のために戦うのか…が納得出来る。官兵衛や八重ちゃんが切々と自分の思いを伝えるのを聞く容保公の表情が本当によかった。
 
相変わらずいろんな細切れのエピソードがてんこ盛りで、淡々とストーリーが進みますが、この淡々とした感じがかえって史実をリアルに再現しているように思えます。