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『Don't Stop Believin': Everyman's Journey(2012年)/米/
カラー/113分/監督:Ramona S. Diaz』
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旅土産。移動の飛行機の中で鑑賞。1度見てあまりによかったので旦那Aにも知らせてもう1度鑑賞。いやー素晴らしい素晴らしい…。すっかりジャーニーリバイバルマイブームになっちまった…。
ジャーニーと言えば高校の頃によく聴いた。特にバンドの誰が好き…等ということは一切なかったけれど、楽曲の良さだけでついつい1982年のアルバム『Escape』を購入。よく聴いてました…いやーよく聴いた…でもってよく歌ったりもした。今でも歌えるな…うんうん。
ジャーニーを最初に聞いたのは1980年のアルバム『Departure』からのシングルカット「Any
Way You Want It(お気に召すまま)」。あれがね、日本でもヒットチャートのトップ10に入ったかなんだかで、よくラジオでもかかってたんですね。そんなわけでこの歌も中学か高校ぐらいによく歌ってましたが…今歌詞を見てみるとかなり直接的にエロい歌ですね…(笑)あははははは…知らんかった。元気一杯の曲調なのにー……(*´ェ`*)
ジャーニーの歌はとにかく気持ちいいのだ。スティーブ・ペリーさんの声が空に抜けるようにうわーっと気持ちいい。上手いんです。だからついついこちらも歌いたくなってしまう。
ジャーニーは80年代の半ばぐらいまでアメリカのヒットチャートで大活躍。とにかくとにかく売れてました。ルックスというかイメージがあまりお洒落じゃないオールアメリカンな感じのバンドだったので、ファンにはならなかったけど(ま…JAPANとかのほうがお洒落でしたから)とにかく曲はよく聴きました。スティーブさんの声が綺麗なんでついつい曲に聴き惚れるという…。バンドのファンにならなくても決して嫌いではなかったです。とにかく曲がキャッチー。『Escape』以外のアルバムは買わなかったけど、当時MTVやラジオなんかでもよく流れてました。
10年後、米人の旦那Aと出会ってからも、お互いに同世代な為「ジャーニー懐かしいねぇ」などと意気投合。今でもよく歌ったりする。ヤツもジャーニーのファンでは無かったらしいのだけど、とにかく高校大学の頃に巷で売れていたので大抵の曲は歌えるらしい。お、そういえばアイツはベスト盤も持ってたな…そういえば。
自分がファンじゃなかったもんだから、日本で売れていたのかどうかも全く知らないんだけど、とにかく現在アラ50の人間にとってのジャーニーって中学高校大学時代の懐メロですよね。いやー懐かしいな。そういえば産業ロックという呼び名もあったな…そういえば。
Journey - Any Way You Want It (1980) Original
Released: February 29, 1980
℗ 1980 SONY MUSIC ENTERTAINMENT
そんなわけで、前情報を全く知らずに見たこの映画。ともかくジャーニーがまだやってるなんてことも全く知らなかったです。ぶっちゃけ25年ほどバンドに何があったかなんてのも全く知りませんでした。興味もなかった。
この映画のタイトル「Don’t Stop Believin’(信じ続けろ)」は、大ヒットしたジャーニーの楽曲のタイトル。映画の内容も(このタイトルそのままに)自分の夢を追い続けて成功した人物=現在のジャーニーのボーカリストの話。
現在のジャーニーのボーカル、アーネル・ピネダさんは1967年生まれのフィリピンの方。元々フィリピンのセミプロのボーカリストで、ジャーニーの曲も歌ってたらしいのですが、Youtubeに載せた彼のビデオが、なんとジャーニーご本家のギタリスト、ニール・ショーンの目に留まり、それがきっかけでアメリカに呼ばれて、ご本家ジャーニーのボーカリストに収まってしまったそうです。信じられないようなサクセス・ストーリー。
また上手いんだこのお方。映画の冒頭から歌ってるんだけど、スティーブ・ペリーの声にアーネルさんの映像を被せてるのかと思ったぐらい声が似てる。恐ろしいくらい似てる。私、前述したように中学の頃から聴いてて当時のほとんどの元曲を知ってるんで、彼のボーカルの再現力の正確さに驚愕。ほんとうにすごいです。気をつけて聴かないと分からないもん、本物(スティーブ)なのか代わり(アーネル)なのか…。
Journey - Any Way You Want It Live, 2008
アーネル君が可愛い
昔からジャーニーを知る者には十分楽しめます。昔からのコアなファンには、スティーブじゃなきゃヤダ…という方もいらっしゃるでしょうが、そこそこ楽曲が好きなぐらいのカジュアルなファンなら全く違和感がないと思う。それにこのアーネルさんも結構可愛い。可愛いなと思ってたら、なんだ私と同世代じゃないの…えぇー若くない…?
フィリピン人の彼がいかにジャーニーのボーカリストに迎えられたかの経緯を始めに、あのスティーブ・ペリーの後釜というとんでもないプレッシャーや、アジア人というハンデ(人種的な偏見)に打ち勝って、ジャーニーの正規のボーカリストとしてもう6年も活動している…という話が中心。ジャーニーのバンドの歴史から、全メンバーのインタビューも織り交ぜて年代ごとのライブの模様も沢山。ほんとに彼は上手いです。びっくりする。
自宅に帰ってきてからYoutubeでも見てみたけどやっぱり上手い。重箱の隅をつつけばそりゃースティーブさんとは違うところもあるけれど…でもあれだけ上手ければ全く気にならないです。何よりも信じられないような夢をかなえた彼のサクセスストーリーに感動させられます。ほんとにいい話。なによりも本家ジャーニーのメンバーのおっさん達が、アーネル君を大変可愛がっている様子がいい。ただただアーネル君の声に惚れて、彼と一緒に新生ジャーニーとして新しくアルバムを発表してツアーをして…と、おっさん達が非常に活き活きとして嬉しそうなんですね。「また第一線でやれる、またステージに立てる、ファンも待っていてくれる、このフィリピーノボーイ(45歳ですが)と一緒にやれば、俺達はまだまだイケる」と、おっさん達が超喜んでる…それがすごくいい。
ニール・ショーンもまだ若いな。やっぱりバンドに勢いが付くと元気が出るんでしょうか。他のメンバーもみんな元気がいいんですよね。とても嬉しそう。もう60歳のおっさん達ですが、40年間も実力派のバンドとしてやってきた百戦錬磨・正真正銘のプロの顔もステキです。オジサンかっこいい。
いやーそれにしても懐かしい懐かしい懐かしい…。こんなに昔のジャーニーを正確に再現してくれるのならぜひぜひライブが見たい…と思ったら、今年3月に日本では武道館でライブをやったらしいです。日本のファンの方々はどう思ってるんでしょ…。
今度近所に来たら絶対見に行こう…旦那Aと一緒に歌いたい。
それから、以前から書いてる「アジア人はスーパースターになれるのか」のテーマですが、このアーネルさんもかなり面白い例ですよね。アメリカの国民的バンドのボーカルがフィリピン人…。未だにアメリカではスティーブしかありえない…というファンもいるみたいです。映画の中でもこのことには触れていて、アーネルさんご本人も相当のプレッシャーに悩んだらしい。ところが彼の歌の上手さが多くの人の偏見を覆したんですね。今では多くの人達がアーネルさんをジャーニーのボーカリストとして受け入れているらしいです。実力が偏見に打ち勝ったんでしょう。素晴らしくいい話。これも時代が変わりつつある一例なのかも…。