● アルザス地方/Alsace
● ロワール地方/Loire *
● シャンパーニュ地方/Champagne
● ブルゴーニュ地方/Bourgogne *
● ボジョレー/Beaujolais
● ジュラ地方/Jura
★ ボルドー地方/Bordeaux ←今回はこれ
Cabernet Sauvignon & Merlot Blends● シュッド・ウェスト地方/Sud Ouest 南西地方 *
● ラングドック・ルーション地方/Languedoc & Loussillon *
● ローヌ地方/Rhône *
● プロヴァンス地方/Provence
● コルス島(コルシカ島)/Corce
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今回はボルドー・ワインの2本目に挑戦。
Saint-Émilion…なんだか高そうな名前ね。実際にこのワインはうちの買うワインの値段としては結構高い41ドル。
実は思うところがありまして…というのも、今まで赤ワインを考えながら数本飲んでみて思ったのは、
重い赤ワインは難しい。アルコールやタンニンが多い南のワインは私には重い。例えば以前飲んだローヌ地方の3本の赤ワインは粗くてどれも楽しめなかった。それからまた以前飲んだボルドーのカベルネ・ソルビニョン100%のワインも粗く硬く浅くて今ひとつ。それらのワインの中の3本はVIVINO.comのスコアでは5点満点で
3.8点。決して低い評価ではないはずなのにあまり良くなかった。(唯一ラングドック・ルーションのカリニャン+グルナッシュのブレンドは美味しかった…あれはスコア
4.0点)
…ということは…私の好みと重い赤ワインとの相性に問題があるのではないかとも思ったわけです。もしかしたら重い赤ワインが合わないのではないか?
美味しい赤ワインを見つけるのは難しいのではないか? しかしそれで結論に至るのは残念だ。お題の
「ワインでめぐるフランスの旅」はまだ始まったばかり。結論を出す前にもう少し南の赤ワインのことを知るべし。それに肉料理に合わせるために、美味しい重いワインもいくつかは知っておきたい。
私にとって重い赤ワインが難しい理由は…
①ブドウの種類に好き嫌いがあるのか?
②アルコール分が高いことが原因か?
③VIVINO.comであまりよくない点数だからか?
④そもそも安い値段のワインしか飲んでないからではないのか?
そこで思った。③番と④番が原因ならば、
③VIVINO.comでスコア4点以上のワインを探して飲む
(ラングドックのワインは美味しかったし)
④しかしそのためには…多少の出費もやむを得ず。
そんなわけで近所のスーパーで見つけたこのワイン、VIVINO.comでスコアは平均 4.1! この2021年は4.0点だけれど全体的にいいワイナリーなのだろうと思った。ここのところ他にもいくつかのボルドー・ワインを購入したのだけれど、今回これを飲んだ理由は、このワインがラム/仔羊の肉に合うと書いてあったから。さてどうかな。ドキドキ。
というわけで開けました。
Château Lassègue, Les Cadrans de Lassègue Saint-Émilion Grand Cru 2021 合わせたのは
イースター気分のラム/仔羊の肉のフライパン焼きと赤ワインソース。ふぅ。
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豪快なテーブル。色とりどり。 |
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ワインソースがおいしい |
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にぎやか |
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しめはエスプレッソとショートブレッド&チョコ |
さて今回はラムチョップをフライパンで焼いただけなのですけど、この
料理方法は驚くほど簡単。フライパンで片面2分半焼いてひっくり返して2分半焼く。サイドをちょっと焼いて完成。あとは肉を焼いたフライパンに赤ワインとローズマリーにニンニクとビーフ・ストック、バターを入れてちょっと煮詰めてソースを作るだけ。焼いたラムにソースをたらりと垂らす。簡単なのにすごく美味しい。
今回フライパン焼きにした理由は
時間がかからず簡単だから。しかしこの調理の方法は…
びっくりするほどケモノ臭いと思った笑。以前英国ではラムをよく食べていたのだけれど、そういえばラムの料理をする時は中近東の煮込み料理ばかりで、
そのままのお肉を焼くは初めて。シンプルに焼いたお肉からの油と匂いでびっくり。換気扇の周りが数日ケモノの匂い。でもラムは大好きでとても美味しかった。生ローズマリーは大切。一度やってみようと思っていたのでよかった。
さてワインのお味は…
あ…まろやか~。ぅわ~やっぱ違うんだね。丸い。まろやか。(温度じゃないけど)
なんだか温かい感じ。スムース。なめらか。シルキー。角が無い。
硬い感じが全然無いですね。すごいね。こんなに違うんだ。
まず開けて、お肉を焼きながらチビチビ味見。おいしいわ。旦那Aが「え、もう飲むの?」「うん、ちょっと味見、美味しいよこれ」 早速クラッカーとチーズを出して旦那Aも飲み始める。「ああ~スムース…」やっぱりそうよね。丸いよね。丸い。まだ開けたばかりで空気も十分入れてないのに美味しい。
最初は丸くて暖かくてほんわり…スモーキーとか…なんだろうシャープな感じがない。同時に尖ったところがないということは、あまりフルーツの味も薄いかも。私はなんだか
ココア・パウダーとか思いついた(チョコかな?)…とにかく温かい味よ。
そして調理が終わって食卓に着く頃(ボトルを開けてカラフェに移し20分ぐらい経ったと思う)料理を食べながら飲む。美味しい。ああ…そうか、やっぱり4.0点なんだ。おいしいもん。今年のお正月に飲んだローヌ地方の安いワインのようなアルコールのぴりぴりする感じがほとんど無い。徐々に出てくるフルーツの味はベリー系とかチェリー、カシスなどと人々は言っているようだ。
そして(私はアルコールに弱いのですけど)、
味そのものにアルコール分を感じないとあまり悪く酔わない気がした。お酒に弱い私が2杯飲んで大丈夫だった。酔うことは酔うけど、酔っぱらってもなんだか陽気で歌を歌ったり、急に頭の回転がよくなって冗談がどんどん調子よく出てきてなんだかな…やたらと陽気なイースター・ディナーになったぞ。よく笑った。美味しいワインってこういうこと?いいじゃん。メルローで陽気。
翌日も残った料理をほぼそのまま食べてまた飲んだ。同じく美味しいけど…
少し酸味が強くなったかな。まだ美味しい。
3日目。旦那Aが仕事なので私だけちょっと飲む。酸味…フルーツ味が増えた。その代わりに
例のアルコール分のピリピリした味が前に出てきた。おっとっと。
4日目。うん、
アルコールが前面に出てきましたね。美味しいフルーツ味のレイヤーは残っているけれど…どうかな。そろそろ潮時かな。そういうものか…。
これなのよ。赤ワインが難しいのは。こういうのも個人それぞれの好みによるらしくて、赤ワインはボトルを開けて3日ぐらいが一番美味しいという人もいるらしい。どうですかね。私は
1日目のまろやかなのが一番おいしいと思った。
それではワインの情報
Château Lassègue, Les Cadrans de Lassègue Saint-Émilion Grand Cru 2021 ● シャトー・ラセグ/Château Lassègue サン=テミリオンのワイナリー。このシャトーは18世紀からワイン生産を行っていた。サン=テミリオンの南側の丘陵地帯に広がる 36 ヘクタールのブドウ畑は、自然の円形劇場のように丹念に配置されており、南/南西向きの完璧な日当たりと、さまざまな割合の石灰岩が混ざった粘土質の土壌に恵まれている。
2003年に、米国カリフォルニア・ソノマ郡の高級ワインで知られるワイナリー
ケンダル・ジャクソン社/Kendall-Jackson Vineyard Estates のオーナー
ジェス・ジャクソン/Jess Jackson氏と、同社のワイン醸造家…超高級ワインを生産する伝説のフランス人醸造家
ピエール・セイヤン/Pierre Seillan氏が提携して、このシャトー・ラセグを買収。現在はカリフォルニア在住のピエール氏に代って
息子のニコラス氏とその妻クリスティーナさんが父親のピエール氏の指導の下、シャトー・ラセグでワイン造りを行っている。
この
お父様のピエール・セイヤン氏というお方は、
加州ソノマ郡の高級ワインで伝説的な存在らしいです。彼は現在70代。フランス南西部のガスコーニュ地方のブドウ農家に生まれ、その後ロアール地方やボルドーのワイナリーで長年ワイン醸造に関り、
彼独自の「マイクロ・クリュ/micro-cru」の方法を編みだした。1990年代に米国加州のジェス・ジャクソン氏と出会い、1997年にカリフォルニアのソノマ郡に移住。フランスよりも大きな規模での高級ワインを夢見てカリフォルニア・ワインの醸造を始めた。1998年からブランド
ヴェリテ/Vérité Winery を、2001年から
Anakota Wine を手がけている。また他にもピエール氏は、1994年からイタリア・トスカニーのワイナリー
Tenuta di Arceno にも関わっている。
この
ヴェリテ/Vérité Winesというのが今値段を調べたら300ドル以上の値段の高級ワインで…ドヒャ~。そのようなお方がフランスのシャトーでフランス産のボルドー・ワインの生産を手掛けた…今は息子さん夫婦が醸造を手がけているけれど、もちろんピエール氏の「マイクロ・クリュ/micro-cru」の方法で生産されているそう。
この
シャトー・ラセグ/Château Lassègueのワインは2種類。共にメルローを主にカベルネ・フランとカベルネ・ソルビニョンのブレンド。 90ドルの高いワイン…メルロー種 55 % の 「Château Lassègue, Saint-Émilion Grand Cru」は VIVINO.comで
4.2点。そして今回うちで飲んだのが、主にメルロー種で造られたブレンド…「
レ・カドラン・ド・ラセーグ/Les Cadrans de Lassègue」 …値段は30ドル~40ドルくらい。
ともかく…有名な醸造家の家族が手がける(比較的お手頃価格の)ボルドーワインだったのですね。それにしても加州のワイン、300ドルとはすごいねぇ。こうなってくると…300ドルの職人さんのアート/芸術作品を飲むという感じになりますね。
● 産地 フランス/Saint-Émilion(サン=テミリオン) サン=テミリオンはボルドーの北東35kmに位置している。サン=テミリオンの歴史は先史時代まで遡る。紀元2世紀には古代ローマ帝国によってこの地にブドウが植えられた。町の名は、8世紀にこの地の洞窟に隠遁したブルトン人の僧侶聖エミリオ (Saint Emilion) に因む。この地の土壌や地形はワインの醸造に適しており、エミリオに付き従った僧侶たちが、販売も視野に入れたワインの醸造を行うようになった。ボルドーワインの主要なブランド名のひとつ。この地域はユネスコ世界遺産として登録されている。
● 葡萄 この地の粘土と石灰質の多い土地に植えられた50年以上の葡萄の木から採れるブドウを使っている。
ネット上の情報によってはこのワインの
ブドウのブレンドの比率が違っているのだけれど、これは年によって違うのだろうか?ブレンドの比率を表記していない記事も多い。ともかくメルローが主原料でカベルネ・フランとカベルネ・ソルビニョンのブレンドらしい。
ちなみに出てきたのは…
・75% Merlot, 20% Cabernet Franc, 5% Cabernet Sauvignon
・90% Merlot and 10% Cabernet Franc
🍇メルロー/Merlot このワインの主なブレンド。ボルドーを原産地とする赤ワイン用ぶどう品種。色はやや朱色を帯び、プルーンのような熟した黒い果物の香り。
芳醇でまろやかな味わい。柔らかなタンニンと濃厚な果実味が特徴で、飲みやすい味わい。カシスやブラックベリーのような濃厚な果実味と、甘いスパイスの香り。シルキーなタンニン。口当たりがなめらか。熟成するとキノコやクローブなどの複雑な香り。特にボルドーのサン=テミリオンやポムロールなどの右岸地区で造られるワインが有名。
🍇カベルネ・フラン/Cabernet Franc このワインの補助的なブレンド。赤ワイン用のブドウ品種。カベルネ・ソーヴィニヨンよりも軽く明るく淡い赤色のワイン。タバコやラズベリー、ピーマン、カシス、スミレ、黒鉛などの香りが生まれることもある。一般に青い植物性の香り。
強さよりもエレガントさを感じさせる味わい。軽めなのでランチや軽い夕食、暑い時期にも向く。ボルドー発祥説とスペインのバスク地方原産と意見が分かれるが、12世紀にバスク地方の教会に記録が残っているそうだ。
🍇カベルネ・ソーヴィニヨン/Cabernet Sauvignon このワインではほんの少し。ボルドーの優れたワインにおいて主要品種として用いられ、またメルローやカベルネ・フランとブレンドされることも多い。フランスで18世紀までに生まれたとされる。小さな粒と分厚い皮と大きな種で、
ワインはフルボディでタンニンも酸も豊富(色が濃く強い渋味(タンニン)、しっかりとした骨格)。カシスの果実味に加え、杉やミントのような清涼感のある植物の香りも。長期熟成に向く。牛肉や仔羊肉など、しっかりと噛む赤身肉と合う。 ←以前飲んだこれの100%のボルドーワインはガツンと硬い印象だった。
● このワインの特徴は… ルビー色の核と新鮮な赤い果実の風味を持つ、鮮やかに透明な赤のボルドーワインブレンド。豊かで華やかなブーケ、シルキーな舌触り、そして細かく溶け込んだタンニン、バランスの取れた果実味。レッドチェリーとレッドカラントの香りにスパイスの香りがアクセント。
メルローの豊かさとカベルネ・フランの贅沢さが見事に調和し、
空気に触れるとカシスとスミレのほのかな香りが広がる。口に含むと、シルキーで丸みのある赤と黒の果実の味わい。
熟したプラム、ブラックチェリーリキュール、乾燥カシスが贅沢な香りを放ち、オレンジピール、トーストしたオールスパイス、新鮮なシナモンの樹皮、乾燥茶葉を思わせる香りがほのかに漂う。
ベルベットのようなメルロー風味が口の中いっぱいに広がり、赤い果実、トーストしたベーキングスパイス、トリュフ、コーヒー豆の多層的な香りがゆっくりと広がる。鉄分を豊富に含むミネラルが引き締まった複雑な構造を生み出し、きめの細かいタンニンとしっかりとした酸味が口の中に広がり、長くエレガントな余韻を残す。この Saint-Émilion のクラシックな味わいは明るさと洗練さを兼ね備えており、
今後10年間熟成させれば進化し続けると期待できるだろう。
● 組み合わせ グリルした肉、ビーフ、ラム、またボリュームのあるシチュー、熟成チーズとよく合う。
★ 1日目、2日目がまろやかで美味しかった。仔羊の料理にも合っていてよかった。2日目、3日目と少しずつフルーツ(ベリー系、カシス)の味…
酸味が前に出るようになり、またアルコールのピリッとした味も前に出てくるようになった。このアルコール味はこれがいいのか悪いのか…これからも研究が必要。私はアルコールの味があまり前面にこないワインが飲みやすい。まず最初にココアの香りだと思った。最初はとにかく丸い。まろやか。これはメルローの味がよかったのだろうか。
すごく飲みやすい。 Vivino.comスコアが
4.0 点の赤ワイン。いいスコア。以前飲んだローヌ地方の赤 3.8点のワイン、それからラングドック・ルーションの赤 4.0点、そして今回の4.0 点の赤ワインの味の違い、その評価もそれなりに納得した。なるほどと思った。これからは4.0点以上のワインを飲んでいきたい。その方がワインの良さがわかりやすい。ワインやブドウに対してもっとフェアに学ぶことができる。
● ところで余談だが…チーズ話 今回新しくわかったことがある。ディナーで様々な料理を並べて食べて、写真にもあるように(タイミングを考えずに)カマンベールをテーブルに出していたのだけれど、このワインと合わせて悪くはない。悪くはないが…これ、もしかして…
もっと合うチーズがあると思った。冷蔵庫になんかなかったかな?もっと強いハードチーズがいいんじゃない?ゴーダチーズがあったよねぇ。A「それ熟成ゴーダだけど」あ、いいんじゃないの、それ出そう。
熟成ゴーダいってみよう。そしてこのワインと合わせた。おいしい。
全然こっちの方がいい。このスモーキーというのか、ナッツ系の香ばしい味とか…。
このワインはハードチーズの方がおいしい。相性がいいと思った。
旦那Aがチーズ好きで冷蔵庫にいくつかのハードチーズが入っていることが多い。それで熟成ゴーダがあったのはラッキー。ちょっと強めの風味。でも赤ワインには合う。
ところでまた話しは変わるが…、今回食べた輸入もののカマンベール、
美味しいけれど結構臭い…とアメリカでは評判らしい笑。なんだそうなのか。臭くはないけど、けっこう強い風味なのはわかる。しかしこの熟成したカマンベールだからこそメルローの赤ワインに合うという話もある。まぁまぁ悪くはない組み合わせ。でもカマンベールは白ワインの方が合うのだろうとも思った。
熟成ゴーダチーズの方がペアリングとしては美味しかった。発見。
ワインとチーズのことを調べたのでまた後で文にしようと思う。
ワインメモ
🍷Château Lassègue, Les Cadrans de Lassègue Saint-Émilion Grand Cru 2021
Vivino.com Score: 4.0
Winery: Château Lassègue
Grapes: Merlot, Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc
Region: France / Bordeaux / Libournais / Saint-Émilion / Saint-Émilion Grand Cru
Wine style: Bordeaux Saint-Émilion
Alcohol content: 13.5%