能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

2018年9月11日火曜日

映画『BlacKkKlansman』(2018):面白い映画・エンタメであり教育的でもあり




 


-----------------------------------------------------------------------------
BlacKkKlansman2018年)/米/カラー
135分/監督:Spike Lee
-----------------------------------------------------------------------------
 
面白かったです。映画としてとても面白かった。この映画は(スパイク・リー監督らしく)内容は真面目な社会派の映画なのですが、まずそれ以前にエンタメとしても大変面白い。アメリカの人種問題の外側にいる…在米10年目の外国人の私にとっては、単なるエンタメとしてもとても楽しめた。

面白かったです。

ここでは「この映画は人種問題を扱って大変すばらしく」とか「いやもっと踏み込んでもっとメッセージ性を強く出した方がよい」などということは言わない。実際よくわからないのですよアメリカの人種問題。だからあまり意見も無い。

私の人種に関する意見を言うならば、

英国でも米国でもヨーロッパでも白人というのは白人以外の人種が嫌いな人が結構いるのね

という個人的な経験から得た知識のみ。しかしたいしたこともないんですよね。個人的にはそれほど辛い思いをしたわけでもない。そういう状況に積極的に挑戦して敵と戦ったわけでもない。失礼な相手と喧嘩をしたり嫌な思いをしたこともないわけではないけれど、どちらかと言えばこちらからは「触らぬ神に祟りなし」。嫌な思いをしそうな場所にはいかない。そういう人々には近づかない。そういう人々とお友達になろうとも思わない。フレンドリーで親切な人々とだけお友達になればよい…もちろん親切でいい人々も沢山いる。…というわけでそういう問題に対して結局私はヘタレのダメダメなんですけど、正直人種問題で悩むのはめんどくさい。「どうせ私は外国人だから」という逃げもある。だからあまり人種問題については語れないのですよワタクシ。
 
しかし白人が白人至上主義で威張っているのなら誰かにガツンとやってもらいたい気がするのは正直なところ。結局白人にとっては、アフリカ系もラテン系もヒスパニック系もアジア系もアラブ系もユダヤ系もインド系もぜーんぶ一緒…カラードの括りになってしまうので、白人以外の方々が色んな形で頑張ってくださるのなら是非応援したい。いつか世の中が変わって(カラードの)私の居心地が少しでも良くなるのなら嬉しい。
 
そんな曖昧な立ち位置から見た映画。よかったですよ。面白かったです。
 
 
アメリカの人種問題を扱った映画と聞けば、外国人にはわかり辛い小難しい映画ではないかと思うかもしれないけれどそんなことはない。そこがリー監督と脚本家の上手いところ。この映画は人種問題を扱っていながら問題を100%理解していなくてもエンタメとして十分楽しめる(もちろん基礎知識はあったほうがいいけれど)。そして押し付けがましくなくじんわりとアメリカの人種差別の歴史と現状を教えてくれる教育的な映画でもある。上手い。


ネタバレ注意
★あらすじ
ストーリーは実話がベース。1979年。コロラド州コロラドスプリングで最初の黒人警察官となったRon  StallworthJohn David Washington)が地元のKKKのメンバー募集の広告を見てそのオフィスに電話。彼(黒人の警察官)がレイシストの白人になりすましてKKKのメンバーになるという話。電話では本人が応対。実際のミーティングでは同僚の白人(ユダヤ人)の警官Flip ZimmermanAdam Driver)にRonとして現場に行ってもらう。電話でのRonの巧みな話術に白人アクセント、そしてKKKメンバーと対峙するFlipの機転とカリスマで作戦は成功。


主人公のRonを演じるジョン・デビッド・ワシントン  さんは、なんとデンゼル・ワシントンさんの息子さんだそうです。この俳優さんがどことなくユーモラスなのがいい。鷹揚に構えてどちらかと言えば無表情なのになんとなくおかしい。主人公としてすぐに好きになる。

そして同僚ユダヤ人のFlipを演じるアダム・ドライバーさん。このアダム・ドライバーさんが最高。ものすごくかっこいい。実際のKKKの現場に行くのはFlipなんですよね。彼が現場で敵と対峙する。そして彼には何度も危機が訪れる…身元がバレそうになる。その度にFlip極右の白人至上主義者になりきって激しい差別言葉を使い、御本人のカリスマ、機敏な行動で毎回危機を脱するのが痛快。この役はとてもいい。

この二人と、数名の同僚の警察官達が協力し合って地元の極悪グループKKKのアジトに潜入捜査を行う。

それと同時にアフリカ系の学生達は集会を開き(彼らも警察から監視対象)、KKKKKKで大親分David Dukeを招いて会合…そこへ地元の警官も警護に送られる。まあ様々な状況が重なっていくわけですが、全体に常に緊張感があって飽きない。中だるみしないので短く感じる。2時間もある長い映画だとは思わなかった。後で知って驚いた。


この映画が作られた背景は、もちろん現在のアメリカの(トランプ大統領の元)政治的右派と左派により分断された現状を反映してのもの。しかし白人至上主義者たちが自由と平等の国=米国にとって大変な問題なのは事実ではあるものの、この映画は必ずしも白人至上主義者達を一方的に糾弾するだけのものではないのも興味深い。

KKKのメンバー達が会合で「White Power, White Power」と叫ぶ場面を映せば、それと同時進行でアフリカ系の学生達が集会で「Black Power, Black Power」と叫ぶ様子も映し出す。RonのガールフレンドPatriceが「Ronが警官なら付き合えないわ」というのも彼女の警官に対する偏見。ユダヤ人のFlipは「今まで自分がユダヤ人だと深く考えたことはなかった。いつも白人としてやっていけた」と言う。

事実アメリカには白人至上主義の長い歴史がある。KKKの始まりは、南北戦争で負けた南部の旧連合国の白人達が、(奴隷制廃止を決定した)北部に対抗して作ったものであるらしい。また1915年に製作されたDW・グリフィス監督による無声映画『國民の創生/Birth of a Nation)』がKKKのプロパガンダに使われたこともこの映画で知った。これもまたアメリカの歴史。この映画の後に気になってこの辺りの歴史を少し調べようと思えたのもよかった。ためになる。


アメリカの人種問題は、私は当事者であるとは言い難く、だからこそまだまだ学ぶことも多いのだが、実際この映画は見る人の立場により見え方、受け取り方もずいぶん変わってくるのではないかとも思う。日々差別的白人と対峙している人にとっては、非情に恐ろしいアメリカの現状を示した映画でもありますね。この映画での1979年の白人至上主義者の言葉と、現在のトランプ大統領の言葉が重なっている脚本はもちろん意図的なもの。映画の最後に、去年米ヴァージニア州シャーロッツビルでの白人至上主義者達の集会の様子が流れましたが、一部のアメリカでは1979年から何も変わっていないのだろうか?…と考えずにはいられない。


エンディングで流れるプリンスの曲が素晴らしい。
ハリー・ベラフォンテさんが出てきた。
とにかくアダム・ドライバーさんがいい彼を見るだけでも価値がある。カリスマがすごい。ちょっと回転数を落としたような低い声もいい。 
RonFlipKKKを信じさせるために、それはそれはもう酷い差別用語を吐き捨てるように喋るわけですが、それが直接彼らの安全を守ることにもなるので酷い言葉なのに少しだけ安心してしまうのは妙な感覚。
KKKのシンボルマークが丸に十の字で島津の家紋と一緒なんですけど、知らなかった。
KKKの大親分David Duke氏を2000年頃のアメリカのコメディ『That '70s Show』の主人公トファー・グレイスさんが演じているのに大笑い。そっくり。


2018年9月9日日曜日

NHK大河ドラマ「西郷どん」残念無念脱落します

 
 
いやーとうとう脱落することになってしまった。
前回似顔絵を書いた第27回「禁門の変」でこの似顔絵道場はおしまいにします。大変申し訳なく候。

この大河ドラマはいい俳優さん達が沢山出ていて、なんとか似顔絵だけでも続けようと思っていたのですが、TVでのドラマは現在第34回まで放送されていて、もうどうにも追いつけそうにないです。

脱落の一番の理由は面白くないから。歴史のドラマと思って見ると全く面白くない。そもそも大河ドラマとは歴史ドラマの前提で見ているわけで、歴史が描かれなければ面白くなくなってしまうのはしょうがない。

それに人物の描き方も上手くない。人物の心に踏み込んで描かないからどの人物にも心を寄せられない。そもそも政治が描かれなければ、人物達がなぜそんなに激昂しているのかもわからない。人物が描かれなければドラマとして面白くない。

また当時の身分制度の常識を無視して品川宿の女郎が将軍の妾になるのも我慢できない。ふきちゃんの女優さんは本当に綺麗で見るのは楽しいのだけれど、脚本家、制作のスタッフが「これとこれをくっつければいいや」とイイカゲンな気持ちでやっているのではないかと思えてしまうのは大きな問題。なぜふきちゃんを史実どおり江戸の町火消・新門辰五郎の娘にしなかったのだろうかと思う。


(追記)--------------------------------------- 

その後28話以降の録画を一応見直しているんですけど、やっぱり演出も気になる。特に薩摩の侍達が刀を脅しのためだけに抜くのが我慢できない。西郷と大久保が刀を抜いて構えて戦う気満々なのに、他から止められればすんなりと刀を鞘にもどす。おいおいおいおいおい刀とはそんなものじゃないと思うぞ。以前も書きましたが、当時の武士が刀を抜く時は相手を殺す時それ以外の使い方はしなかったと思います。刀は相手を殺すための武器で訓練を積んだ人々が斬り合えば殺傷能力も高い。だからこそ簡単に抜いたりはしなかったはずNHKの若い演出家の方々は日本の武士をゲームのキャラクターみたいなものだと思っているんでしょうか。困りますね。

それから西郷が、水戸徳川家出身次期将軍候補の一橋慶喜を、刀を目の前の畳につき立てて脅すのも…


本当に馬鹿じゃないの?

としか言えない。なにやってるんだよ。誰がこんな演出をやってるんだろう。本当に馬鹿すぎる。

そういえば以前にも、島津の斉彬公とその父斉興公がロシアンルーレットなんてやってましたね。あのね、藩主の親子がああいうことをやってどちらかが死んだりしたら、お家のお取り潰しだけではすまないと思う。鎌倉時代から続く大大名の親子があんなことをするわけがない。あんなに命を軽々しく扱うわけが無い。ずいぶん昔の回だけれどあれもかなり呆れました。

…思い出せば、このドラマがだんだん嫌になった理由も結構出てきますね。やっぱりもう時代劇はダメダメだな。脚本もだめ。演出もだめ。お話にならない。大河ドラマの枠で1年間も使って実在の人物についての時代劇を作るのならもう少し歴史を勉強して欲しい。

---------------------------------------
以前直虎と平清盛、花燃ゆの感想を断念したときには決定的な理由があったと思うのですが、今回は特に決定打はないものの、だんだんドラマとして面白くなくなってきたのが理由だろうかと思います。大変残念。それではまた。来年はどうなるかな~。
---------------------------------------

(追記)…と元のエントリーでは書いたんですけど、やっぱりこのドラマ全体に散りばめられたおかしな描写を不快に感じたというのも脱落の大きな理由ですね。不快に感じたのは直虎、平清盛、花燃ゆも同じ。脚本や演出が時代劇をやりながら、その時代のリアリティが出せないのは本当に困ったもの。演出を不快に感じればドラマを見たくなくなるのもしょうがない。さて今後大河ドラマはどうなるのか。


2018年9月8日土曜日

US Open 優勝!大坂なおみさんおめでとうございます!



おめでとうおめでとうおめでとう!

すごいわー。本当に大変な試合でしたね。なおみさんが勝ったのは彼女の実力。いろいろとあったけれど、彼女は本当に強かった。素晴らしかった。かっこよかった。
 
対戦相手のセリーナさんが審判と揉めて、セリーナさんは審判に怒るし会場の観客も騒ぐ。会場はセリーナさんサイドだし、なおみさんには本当に大変な試合だったと思います。それでも彼女はそれに影響されることなくしっかりと点を取り続けた。すごい。まだ20歳だそうです。鋼の精神力。本当にすごい。
 
最後までしっかりとプレイして、そして優勝が決まった後、なおみさんは椅子に座って泣いてましたね。私も泣く。もう大泣き。彼女がこのマッチでどんなにに辛い思いをしたかを思うと涙がとまらない。本当によく頑張った。なおみさんすごいわ。
 
 
表彰台に上って表彰式になっても会場が騒いでいて、なおみさんは泣いてるのね。セリーナさんはなおみさんの肩を抱き…。そしてセリーナさんはマイクを向けられると騒ぐ観客に向って「…She played well, and this is her first grand slam. 彼女(なおみさん)はとてもいいプレイをしたわ。これは彼女の初めてのグランドスラムなのよ」観客から大きな歓声。いつまでも歓声が止まない。「…(いろいろとあったけれど)Let’s make this the best moment we can, and we’ll get through it.…Congratulations Naomi!この瞬間を最高のものにしましょう。乗り越えるわ。なおみ、おめでとう!」いやーさすがお姉様。いいですねぇ。また泣く。
 
 
たまたまテレビをつけたら日本語チャンネルのニュースで「速報、大坂なおみがUS OEN決勝」と出ていたので、急いでUS OPENのチャンネルに合わせて試合を見たんですけど、ライブで見ることができて本当によかったです。見始めた時は、1セットを既になおみさんがとっていて、2セット目の途中から見たんですけど、すぐに
 
ああ、これは歴史的な試合になるかも

と思った。なりますね。これは皆の記憶に残る試合になりましたね。そして何よりも強いなおみさんを見ていて思ったのは

新しい世代のプレーヤーが出てきた
ということ。

セリーナさんが審判ともめていて会場も試合全体もガタガタしていたのに、なおみさんはそれに影響されること無く堂々とプレイしていて、すごいなと思いました。彼女はこれから大きくなる。このUS OPENの優勝はその始まりでしょう。彼女はこれからスーパースターになるのかも。楽しみな選手が出てきた。

なおみさんおめでとうございます!

 

2018年9月7日金曜日

TBS 日曜劇場『この世界の片隅に』第7話



録画を2回見た。急にやってきた戦争。日常に入り込んできた戦争を描く。

小さな命が消えた。その現場にいたすずと娘を亡くした径子。この二人の苦しみは私には想像することも出来ない。単純に悲しいとか辛いなどの言葉で表現できるものでもない。

終戦から70年以上が過ぎて、現代のほとんどの日本人は(視聴者も俳優も制作スタッフも)このドラマの登場人物達が見ているものを実際に知ることはない。経験することもない。ドラマ化するのなら当時を想像するしかないのだけれど、すずの苦しみは想像することさえ難しい。ドラマとしても表現がとても難しいのではないかと思う。


そんな難しい役をすずの松本穂香さんは本当によく演じていらっしゃる。彼女がぼーっとしているのは本当にどうしていいかわからないからだろう。下を向いて「すみません」「ごめんなさい」を繰り返す…それ以外彼女に何が言えるだろうか。

友人二人に外に連れ出されて「なんか…困った」「なんもできんけ」「居場所がない」と打ち明けて下を向く「消えてしまいたい」。幸子さんのスパルタ式慰めのあとの大粒の涙。三人娘と共に泣く。

夜の空襲で家に落ちた焼夷弾を見つめるすずの大きな目。日中の爆撃に仁王立ちで対峙する場面の表情。言葉は少なくても松本さんは目で演技をなさっています。


径子の尾野さんは時に上手すぎるのかもしれない。突然こぼれ落ちる涙はすごいけれど娘を亡くしたばかりの母親があれほど強く感情を外に出せるものだろうかとも思った。トマトをもらい空を見上げて泣き崩れる姿には違和感を感じた。もちろん上手いのだけれど。


アニメ映画を見た時に感じたのは「日常を飲み込んでいく戦争」のリアルな恐ろしさ。昨日まで普通の生活が続いていたのに、急に空襲や爆撃が始まって近所が戦場になってしまう。それが本当に怖い。

このドラマも同じ。六話まで比較的穏やかな日々が続いていたのに急に戦争が始まった。苦しみや哀しみが日常になる。非現実が日常になる。戦争とは実際にこういう感じだったのだろうと思う。

日常が突然非日常になる…空から爆撃があっても、庭では虫の声が聞こえたり雀がチュンチュンと鳴いている。はっとさせられた…そうだ戦争が始まってもやっぱり雀は鳴いているのだ。

また空襲が始まる。家に焼夷弾が落ちてくる。夜の呉への空襲で山の向こうの空が赤く染まる描写も怖い。そして街が焼けている様子に胸が苦しくなる。


その日、広島ではお祭りの準備をしていた。すずのお母さんも街に出かけた。呉のすずは広島に帰ろうかと荷造りをしている。そして閃光と地鳴り。義父に呼ばれて外に出ると屋根の上に大きな雲。 翌日になっても広島に何が起こっているのかはわからない。ラジオの放送もない。軍の実験なのか、それとも敵の新型爆弾なのか?


実はアニメの映画版を見て一番印象に残っているのはすずが鷺を追う場面です。この回にも出てきた。CGで少し描写が変わってましたね。アニメ版では追いかけるすずの前方を鷺が飛んでいるような場面だったと思うのだけれど、私はあの場面で泣いた。

空襲警報の鳴った朝、すずが庭に鷺を見る「ここは危ないからいてはいけん」と鷺を追う。広島なら安全だから広島に飛んでいけと言って鷺を追う。あの場面ではっとさせられたんですよ「戦争で傷つくのは人間だけではない」。戦争になれば野生動物も鳥も虫も近所の犬も猫もみんな巻き込まれてしまう。穢れることなく無垢な白い鷺を、人の作り出した暴力=戦争からなんとか逃がしたいと思ったのはすずの優しさ。しかし「安全なはず」の広島に次に何が起こるのかは現代の私達にはわかっている。それがあまりにも悲しくて悲しくて涙が出た。

来週は戦争が終わる。


2018年9月4日火曜日

お猫様H:寝顔



下から覗けば
光の中
お昼寝ですか…と肩に手を置く
顎を見せてくれるので優しく撫でて
顔からお尻までゆっくりと撫でましょう
おやすみ




2018年8月30日木曜日

TBS 日曜劇場『この世界の片隅に』第6話



最後の不発弾のシーンは怖かった。晴美ちゃんの後ろに見える爆弾…急に焦点が合って。そのシーンが本当に怖い。ぞっとした。映画で結果は知っているのだけれどあの描写は怖い。


今回の名場面。お花見のシーンのりんさん/二階堂ふみさん。彼女は本当に年齢不詳。二階堂さんがまだ23歳だというのに驚く。「綺麗な死体から順に片付けてくれる」とさらっと言う。りんさんは今までに何を聞いて何を見てきたのか。今までに何人の友人を亡くしたのだろうか。寂しそうな一瞬の表情の後の彼女の大きな笑顔。満開の桜の木に座る彼女は美しく。

橋でりんさんとすれちがった周作君が魂の抜けたような顔をする。
彼女に会うのもこれが最後だろうか。


りんさんの言葉で聞くテルさんの死。悲しい。あんなに可愛らしい若い女性が命を落とす。前回のテルさんもよかったんですよね。儚げな感じが本当によかった。亡くなってしまっていたなんて。

…これ、これなんですよ。遊女の命は儚い。仕事が仕事なのだし感染症を患いやすいのはもちろん、見知らぬ人の相手をするのであれば何があるかもわからない。どんな女性にとっても死ぬほど辛い仕事なはず。それでも一生懸命に彼女達が生きているからこそドラマや映画になれば心動かされるわけで…。
  余談だけれど大河ドラマの『西郷どん』で、遊女のおふきちゃんがいつもニコニコしていて次期将軍の側室になるなどという描写に私があきれかえったというのは、そういうことです。江戸時代の遊女をあんなに簡単にハッピーな話にしてしまってはいけないと思う。


すずちゃんと周作君はあいかわらずほのぼのとしてかわいい。朝すずちゃんのスケッチでいちゃいちゃしてるのが自然でかわいかった。

晴美ちゃんがかわいい。あどけない声がいい。切りそろえた髪もかわいい。どんな仕草もたまらなくかわいい。すずさんが小さな晴美ちゃんに敬語で優しく話しかける場面もいい。晴美ちゃんは本当にかわいい。

来週から辛くなる。