能登半島地震 ─ 寄付・支援情報
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2016年1月10日日曜日
NHK土曜ドラマ『破裂』全7回・感想
年末に忙しくてHDに録画したままだった番組を今ようやく見ている。去年の11月に放送された『破裂』を見終わった。
ドラマに興味を持ったのは「あさイチ」と「スタジオパーク」での椎名さんと仲代さんのインタビュー。しかしながら出遅れてしまって最初の2話を見逃してしまった。
3話目から見たにもかかわらず、最初から椎名桔平さんと仲代達矢さんのやりとりに引き込まれた。前知識のほとんど無い状態で見たので最初はストーリーがわからなかったのだが、俳優さん達の演技だけでTVに釘付け。
最初は医療現場での父親と息子の話だと思っていた。心臓を蘇らせる治療法を研究している医師…しかしその治療法には突然死を起こす副作用があった。話はいつしかその治療法を悪用した国家の殺人計画へと展開していく。父と息子の話だと思っていたものが、星新一の近未来SFホラーのような話に変わっていく。ぞっとするような話。
一見暗い印象のドラマだったせいか視聴率は良くなかったらしいけれど、これはすごい話です。ドラマ全体の質も高い。俳優さん達も皆真剣勝負。特に仲代さんと椎名さんのやりとりは息をのむ程のすごい迫力。
制作の方々も気合が入ってたんだろうと思う。作品に対する真剣さが伝わってくる。心臓破裂/超高齢化社会で破綻する国家をイメージさせるような冒頭の砕け散る石榴の映像もドキッとさせられる。久しぶりにこんなドラマを見た。
原作があるらしいことは後で知った。
実際の医療現場でのリアリティとか、政府がらみでああいうことが可能なのか…。徐々にSFホラーと化していく内容のため、こういう話にどれほどの真実味があるのかどうかはわからない。しかし日本は現実に高齢化社会。もしこのような話が起こり得るとしたら本当に怖い。話があまりにも極端すぎて脚本が巧みなのかどうかもわからなかったけれど、場面場面で心に突き刺さる台詞が何度もあった。
「お前もいつかは年を取る」「医者は3人殺して一人前になる」「人間の気持ちなど一つに決められない」「利用されたまま死ぬなんて真っ平ごめんだ」「あんたたちの無責任、無為無策がどれだけ国民を苦しめるか」
以前、民放のドラマ『半沢直樹』が流行ったせいなのか、最近は真面目を装ったドラマというと無駄に大声を張り上げるものが多いように思うが、このドラマの椎名さんと仲代さんの怒鳴りあいの演技には違和感を感じなかった。いい俳優さんはドラマ全体の質を上げる。
TVドラマを見た後は、普段からよくYahooの感想ページを見るのだけど、この番組の感想に、ドラマの質や俳優の演技についてのものがほどんど見当たらず、ストーリーの主題(高齢化社会)に関する意見ばかりが並ぶのも興味深い。感想の中に佐久間を擁護するような意見が多いのにも驚かされた。確かに机上の理屈は理解できるけれど…。
しかしながら佐久間のアイデアは、国をあげて秘密裏の大量殺人計画。現実に高齢化社会があまりにも身近な問題だからこそ、このような設定には恐怖を感じる。いかに理屈が通るからといって佐久間のプランに賛同することは私には出来ない。
ドラマの中盤、ゆるきゃらと共にPPG/PPP(ピンピン元気/ポックリ)のフレーズが出始めた頃から話はシュールで薄気味の悪いSFホラーに変わっていく。現実にこのような計画がどこかで進められているとしたら…。
心臓蘇生治療法の成功、その副作用の発覚、それが国の殺人計画に利用される、それを知り抵抗する医師、ついに副作用の解決法が見つかる。これで治療を受けた患者は皆助かるはず…。最後に「死なせて」と囁く患者。
官僚と医師の戦いは現実論とモラルとの戦い。視聴者は相反する二つの方向に何度も揺さぶられ問いかけられる。結果を曖昧にしてドラマは終わる。果たして正しかったのは佐久間なのか香村なのか…?
話の内容も非常に興味深いものなのだが、私がこのドラマで一番惹かれたのは俳優さん達の演技。最後は俳優さん達について。
仲代さんは別格。あのお方には何の言葉も無い。別次元。演技の迫力に息を飲む。怒鳴り声も慟哭も、孫に向ける優しい顔も全てに心を動かされる。仲代さんは本当に素敵です。映画「鬼龍院花子の生涯」のオニマサをなさった頃から好き。いろんな物を通り越してとにかくすごいお方。ただ感嘆するのみ。
椎名桔平さんは怖い。私はこのお方の映画もドラマも殆ど見ていなくて、たぶん初めて拝見するんじゃないかと思うんだけど…興味が湧きました。きついですね。怖い。でも怖いからいい。私の勝手な想像ですが、椎名さんは御本人もたぶんきついお方。「あさイチ」のトークを見て「あ~この人には冗談が通じないな」と思った。おそらく俗に交わる事をなさらない方でしょう。
昔気質の強い男の印象。どこか昭和の俳優の香りがする。昔の男の気概。雰囲気が非常に硬派。こちらの勝手な想像だとはいえそんな印象を受ける俳優さんて今の日本にはほとんどいないんですよ。世の中が優しくて穏やかな男ばかりを求め続けたせいか、今の日本の俳優さんは「優しい」印象の方が多い。キレたら何をやらかすかわからないような「怖い」印象のある俳優さんはほとんどいない。だから椎名さんは貴重。彼のように黙って立っているだけで威圧感のある俳優さんは本当に珍しい。
現在51歳だそうですが外見はお若い。まだ30代に見えるかも。彼のきつい感じは内面から出てくるものなのか。世代的なものもありますね。昭和の男の雰囲気が残っている最後の世代は今の50歳ぐらいまでだろうと思う。
口を開けば声の響きが暴力的。なのに演技は抑え気味。ドラマの中の一場面…仲代さんの一言の後、無言のまま目に涙が溢れる椎名さんの様子をみてすごいなと思った。無骨でも子供や女性に向ける表情は優しい。抑えた演技がいい。もっとこのお方の作品を見てみたいと思った。
滝藤賢一さんは全く正反対の印象。全てがオーバーアクション。外見も演技もどこか漫画的。このドラマでも「本当にこんな人物がいるかな」と思うほどの熱量。何をやってもリアルに実存する人物に見えない。しかしそれこそがこのお方の魅力ですよね。おかしみと哀しみが同居した表情。このお方が怒鳴って怒鳴って怒鳴りつくしても全く怖くならない。たぶん椎名さんの反対側の位置にいる。それでも一度見たら決して忘れられない顔。彼は不思議な俳優さんだと思います。
他の俳優さん方もよかったです。揺れ動き苦しむ甲本雅裕さん。面白いオジちゃんなのに極悪モロ師岡さん。冷酷佐野史郎さん。配役も面白い。
2016年1月7日木曜日
アメリカのアナログ盤レコード/Vinyl事情
これらの写真は、去年の9月に近所で撮ったもの。
なんとアナログのレコード盤がかなりのスペースで売られていたんですよ。これは本当に不思議。
現在1月は、アナログ盤のスペースがまた小さくなっているみたいなんだけど、去年の9月あたりに大量のアナログ盤の新品が売られてたんですね。びっくりしたんで写真を撮った。
若いアーティストの新作もあるんだけど、ほとんどは懐メロ。この写真に写っているのも、「Led Zeppelin III」にPrinceの「Purple Rain」、Michael Jackdonの「BAD」、NirvanaにIron Maiden…。近年のBruno Marsが見えるのはご愛嬌。全て新プレス盤。中古ではありません。
不思議ですよ。今時、新プレスのアナログ盤が売られている本当の理由は全く不明。この本屋さんは特殊なマニア向けの店ではない。普通の書籍の新刊と音楽/映像ソフトの新作が売られているお店。メディアなどでアナログ盤の復活などという文字を見ることはあっても一般的ではないと思っていた。どうしてこんなことになっているのか。
以下解析。
昨日も書いたようにアメリカでの音楽ソフトは、曲の殆どがオンラインのサービスで楽しめるので、音楽ソフトのパッケージ製品を買う層はよほどの音楽マニアのみ。店まで出向いてわざわざパッケージ製品を購入するのはマニア層だけ。彼らの趣味の範囲はCDだけとは限らないかもしれない。音楽マニアにはアナログ盤のコレクターもかなりの数が存在する。
要は、音楽ソフトパッケージ製品を音楽オタクの客層に限って売ろうとしているんでしょうね。大型チェーンの店舗さえもこういうことを始めている。もう普通の音楽ファンはCDを買うために店舗には行かないんですね。だから店舗の品揃えもマニア向けにしようという試み。
ちなみにこの試みは一時的なものだったらしく、現在はまたCDの数が増えている様子。結局十分に売れなかったんでしょう。アナログ盤を買うぐらいならマニア向けの他のレコードショップに行けばいい。大型チェーンの本屋に行く必要はないわけです。
しかしこういうのを見ると音楽ソフトの業界がいかに苦戦しているのが透けて見えますね。
Queen Live at the Rainbow (Deluxe Box Set) |
2016年1月6日水曜日
BABYMETAL: ローカルの本屋のCDコーナーで
アメリカではポピュラーな音楽を聴くのにも、皆がCDを買わず、ダウンロード(iTunes)や音楽配信購売サービス(Spotify等)、無料ストリーミングサービス(Pandora等)を利用するのが常であるらしく、(ニューヨークやシカゴ等の大都市ならともかく)地方都市のCD屋は全くもって元気がない。いやそもそも存在しないことの方が多い。
うちの近所にも7年前に引っ越してきた時には、既に新作を売るCD屋は一軒もなくなっていた。
CDの現物を店で買おうと思ったら、唯一買えるのが本屋の音楽ソフトコーナー。DVDやBlu-ray等と共に細々と音楽ソフトが売られている。うちの近所にあるのもBarnes & Nobleという大型チェーンの本屋が1軒のみ。7年前は4軒ほど見かけた近所の様々な本屋も、今は1軒しか残っていない。本屋も苦戦している。マニア向けの中古CD屋は存在するらしいのだけど行った事がない。
現在のアメリカでのCDは、ファン・グッズ、コレクターズ・アイテム、ノベルティ的な扱い、またはマニア向けの特別な音源ソースとしてしか存在しないのだろう。CDとは音楽を聴くために買うものではないらしい。そもそもCDをわざわざ購入するのは、昔の習慣から抜け切れない年寄りだけなのかもしれない。
そんな状況だから誰かの新作が出るといっても、CDを店で購入する…という行動がまず不可能なのだ。大抵はダウンロードで曲のみを購入。CDの現物が欲しければアマゾンなどで送料を払って購入する。
さてそんな状況で、BABYMETALちゃんのCDはどうなっているのか?
年末に1軒のみ残る本屋に出かけてチェックしてみた。
▲写真がボケていてすまぬ |
おお、ありましたね。たった1枚だけですけど。
それでもすごいんです。だってこの本屋のCDコーナーの大きさって、クラシックや民族音楽を含めてもこの写真のせいぜい3倍程度。ロック/ポップス関連でここに並んでるのは(どういう理由であれ)かなり絞り込まれた結果。
すぅさん |
⑭Road of
Resistance (Bonus Track Feat. Herman LI & Sam Totman) ⑮Gimme Chocolate!! (Bonus Track - Live at O2 Academy Brixton)がボーナストラックで最後に入ってます。
さてもう一つ。例のFunko Pop Rocks: Babymetal - Su-Metal Action
Figureというお人形…。
X-ファイル |
もう発売されてるのかと思ったら1月23日発売らしいですね。(←㊟訂正です:去年の秋から発売されてましたね。現在アマゾンでの再入荷情報で思い違いをしてしまった。アイスマヌ) な~んだクリスマス商戦にのってもう発売されているのだと思いこんでいた。結構探したのに無かったのはそのせいか。
←しょうがないので年末同じ本屋で撮影したFunko人形。
セサミストリート |
いったいなんなんですかねこれは(笑)。コレクターズアイテムなの? 誰が買うのか謎なんだけど、本屋では中学生ぐらいの女の子が結構人形の箱の山を見ていたんで売れているのかな。私はBabymetalといえども、買わないと思います。 (^_^;)\
2016年1月4日月曜日
映画『スター・ウォーズ・フォースの覚醒/Star Wars: The Force Awakens』(2015):SWブランドを楽しむ
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『Star Wars: The Force Awakens(2015年)/米/カラー
/135分/監督:J.J. Abrams』
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最初からネタバレ注意
というわけでクリスマス明けの週末に話題のスターウォーズ7作目を見に行ったぞ。旦那Aが見たいというのでついていった。
また途中で寝ちまいましたとさ…アチャ~…。
いや、ポイントは押さえましたよ。ハンソロが出てきたところも見たし(カッケー)レイア姫はいつ出てきたかな…?マーク・ハミル(←なせ本名)が最後に出てきたときも、おおおおおおぉとサイレントな叫び声が出た。いいじゃないですか…。この3人とC-3POにR2-D2が出てるのなら十分嬉しいじゃないかねキミ。
寝落ちしたのはどの辺りかな…レイちゃんやフィン君が頑張ってるところか、ダース・ベイダーみたいなのが怒りまくって機器を破壊していた後か。結構前の方でうつらうつらし始めてわけがわかんなくなった。ハン・ソロが出てきた後で寝たのか前で寝たのかもわからない。でも寝てたのは短い時間だったと思うのよ。
いつのまにかレイア姫がいて、おおと盛り上がるし、ハンソロはかっこいいし、なんだかダース・ベイターのコピーみたいなのがフガフガ怒ってる。その辺りからしっかり起きた。
物語はわかんなかったです。やっぱり。面白かったけど。
スターウォーズ・シリーズはね、あまりにもSWのブランド力が大きいので、映画を見てわけがわかんなくてもいいんですよ。いちいち細かいことをチクチク言わなくても、お決まりのSW印の映像を堪能できればそれでいい。
ロボットとかメカとか変顔の宇宙人とか、巨大宇宙船に砂漠の風景だとか、得体の知れぬフォースとか…、まあそういうのが見れれば満足。監督J.J. Abramsさんなんて懐かしSFオマージュ映画作りなら最高の人選じゃないか。SWの様式美が楽しめればそれでOK。細かいストーリーなんてどうでもいいのだね。実際にこのシリーズの7作品全部を理解している観客なんてどれぐらいいるのかと思いますホント。
映画で雰囲気を味わった後はSW印のゲームで遊べばそれでよろしい。普通のゲームをやった後はレゴ・スターウォーズのゲームも可愛くていいぞ。昔かなりハマって遊んだわ。
というわけで、わからないながらも色々と面白かったです。BB-8君はとてもかわいい。ハンソロの最後はうわ~っと驚いたし、チューバッカが怒った場面は興奮したわね。死んだと思ったパイロットが生きてる。しかしカイロ・レンって誰よ? ハンソロが親父とか何?何?
…もともと無知な人間には、見れば見るほど謎が広がるばかり…だったので、映画を見終わった後に旦那Aを質問攻めしてみた。以下問答。
亀;レイちゃんはどうしてフォースを持っているの?
A;ルークとどこかで繋がっているからなのかなぁ
亀;カイロ・レン君て誰?
A;レイア姫とハンソロの息子。
亀;え?二人いつ付き合ったの?
A;6作目と7作目の間らしいよ。いろいろとあったらしい。
亀;で、カイロ君はなんで性格がコロコロ変わるの?
A;それは知らんなぁ
亀;カイロ君はダース・ベイダーの孫なの?
A;レイア姫がダース・ベイダーの娘でしょ。
亀;ええええええ?それほんと?(←海亀はSWの基礎知識ゼロ)
亀;で、ヨーダはどこいったの?
A;知らんよ。
亀;ところでR2-D2はなんで急に生き返ったの?
A;知らん。
というわけで色々と謎は多い映画でしたが、面白かったです。よくわかんなかったけど。
まーSWシリーズに思い入れがないとしょうがないです(苦しい言い訳)。SWシリーズの映画は一応殆ど見てるんだけど、今までストーリを理解したためしがない。PCゲームソフトはかなり真面目にやったんですけど助けにはなりませんでしたね。
スター・ウォーズを見るたびに「私にはスターウォーズを理解する才能がないのだろう」と本気で悩む。理解しようという意志はあるんだけど、なんで理解できないのかなぁ。何度見ても全然記憶に残らないんですよね。
1、2、3作は続けて見たし(3作目は面白かった)、オリジナルの4作目は昔から何度も見た。6作目も劇場で公開時に1回だけ見た。しかしながら傑作と言われる5作目を未だ見ていないことが致命傷らしい。やっぱりシリーズを1作逃すとわからない事がたくさんあるらしいです。
いつ5作目を見ることになるのかな~。
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