能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2012年6月17日日曜日

ELO - Shine A Little Love (1979)



急に思いついた。


ELO - Shine A Little Love (1979)

Album:  Discovery
Released: 1979
℗ 1979 Epic Records, a division of Sony Music Entertainment


ELO Electric Light Orchestra)。イギリス、バーミンガム出身…というのは今の今まで知らなかった。メンバーでちょっと有名なのはジェフ・リンかな。それとももう忘れられているのか。

なんか馬鹿っぽいくらい明るい曲。1979年の曲。結構ヒットしててラジオで流れてて、かなり好きだった。勢いがあっていい。

踊る曲でもファンキーでもないけど結構ノレる。ドラムがすごく正確。当時流行りのディスコの影響か。コーラスがすごくいい。1979年は名曲が多い。


 

2012年6月14日木曜日

ドラマ『私が恋愛できない理由』第9話



初回の感想を書いた後、その後もずーっと見てます。こちらでは来週最終回だそうだ。


このドラマは面白かった。主人公の3人の女の子達がほんとによくて何度も泣かされた。あんまりいいので思わず旦那Aにも簡単に通訳して見せたらはまったらしい。ほんとによく出来たドラマだと思う。

かなり等身大にリアル。彼女達3人は私の世代より20歳も年下の今の日本の若い女性達なのに、恋愛にぎこちないのはいつの時代もいっしょ。あの頃からもうずいぶんたってるのに、このドラマに出てくる女の子達は私達の頃とちっとも変わってない。恋にぎこちなくて、純粋だったり、簡単に傷ついたりほんとにリアル。昔を思い出しながら「そうそう」「あー辛い」「いいぞ頑張れ」などとTVに釘付け。

いずれにしてもこの3人、ドラマの前半では全員が全員とも全くどうしようもないほど出口のない恋をしていて身につまされた。皆色々と上手くいかなくて辛くて…、そんなドラマの最後にパソコンの画面に打ち込まれるメッセージ、彼女達に向けられる優しい言葉にも毎回ほろりとさせられた。



3人のキャラクターがいい。主人公の3人は、男っぽい藤井恵美、勝気でプライドが高い小倉咲、奥手な半沢真子。みんな不器用。だからこそ応援したくなる。この3人の誰かには、たぶんどの女性もどこかに自分を見つけることが出来るはず。だから自分のことのようにはまる。私も3人全員のそれぞれどこかに過去の自分を見ることが出来た。

AKB48の大島優子さんの真子ちゃんはもう大変。純粋すぎるとはいってもあそこまで辛い思いをするのもありえないだろうと思う。何?あの嫌な野郎達。妹まで。もうこの子が可哀想でたまらない。それでも立ち直って、好きな料理が活かせるようにレストランでのバイトを見つけ、調理師免許を取るために勉強を始めた。強いです。前向きに歩いてます。大きな拍手。この子はほんとうに応援したくなる。

藤井さん(香里奈さん)はかっこいい。男性に混じって同格で責任のある仕事を任される女性を見るのはとても嬉しい。そんな強い彼女が実は繊細で、過去の恋愛にうじうじしてるのが意外だけどそんな弱さがいい。

咲ちゃん(吉高由里子さん)はもうね…どうしよう。恋をしても友達の会社の既婚の上司なんて…出口が無い。それも初めての純粋な恋。でもこの情けない社長・白石拓海さんとの(卓球したり朝日を見たりの)2人の癒しあいの場面はほんとに暖かい。だから頭ごなしにダメだとは言いづらい。肩肘を張って生きてきたから、ダメ社長にだけ素直に心を開けたんだろう。だけど社長の奥さん・美鈴さんの気持ちはどうする。この人も元々は自己中でやってきたんだろうけど、そんなに酷い人だとも思えない。あー苦しい。

そんなこんなではまりました。


それに私達の若い頃に比べて、20数年で変わった時代の描写も大変興味深い。藤井さんは男を差し置いて責任ある立場を任されているし、美鈴さんは会社経営。そんなバリバリに仕事をする女性達も今の日本の社会ではもう珍しくないんだろうと思う。咲ちゃんも真子ちゃんも、今は仕事を見つけるのに苦しんでいるけど、心はしっかりと仕事をすると心を決めている。もう私達の頃とはずいぶん違うのだろうと思う。たのもしいです。

それに比べて男性陣のなんと情けないこと。いい人もあからさまにダメな奴もみんなガッツが足りない。真子ちゃんにとってはとんだ災難の木崎君も責任逃れのダメ男、山本君なんて論外。女の子が自分の思い通りにならないと「つまんないや」とおもちゃを捨てるように女の子を捨てるなんて信じがたい。おこちゃまか。最低。それに拓海社長もしっかりしてください。今回「僕なんて咲ちゃんも美鈴も幸せに出来ないから」って後ろに下がるのを咲ちゃんに無責任だと怒鳴られてました。そのとおり。咲ちゃんが正しい。ひかりちゃんと結婚したかった長谷川優君も、結局ひかりちゃんのお父さんに拒絶されるのが怖くてなかなか言い出せない。唯一男らしかった武井警察官はあまりにもいい人過ぎる…。

なんだか武井さん以外の男達は、みんなどこか自分が可愛くて問題を直視できないような輩ばかり。今の日本の男性はこうなのだろうか。女性がダメな人に惹かれるのは解らないでもないけど、そればかりになったら困る。彼らがそんなふうに弱い理由も、おそらく彼らだけのせいではない。(表面的に穏やかな)優しい男性ばかりを求めつづけた日本の女性達や社会にも責任があるのではないか…などとちょっと考えさせられる。私は武井警察官がいいわ。

ともかくこのドラマはよかった。安室奈美恵さんの曲も絶妙。また泣く。こんなに毎週楽しみにしたドラマも珍しい。


ドラマ『私が恋愛できない理由』初回




NHK ドラマ10『はつ恋』第4回-Innocent Night




これは昼メロというものか…。でもいい昼メロ。初回から楽しんでます。

お話はいろいろと昼メロっぽいんだけど、ものすごく雰囲気がいい。綺麗です。だから、わかっていてもついつい引き込まれてしまう。すごく面白い。

お話はベタだし(おフランスの名医の評判と職を棒に振ってまで既婚の元カノを救う元彼なんて主婦大興奮)いろんなところで語られてると思うので、またまた俳優・女優話をします。



村上 緑……木村佳乃
綺麗です。最初この人は大河ドラマ『天地人』で見て綺麗だなと思った。ものすごく真っ直ぐに清らかに生きてきたような感じ。この緑のキャラもあんなに辛い目にあったのに、曲がることなく明るく朗らかに生きている。木村さんは背筋を正した美しさ。糊のパリっときいた真っ白なコットンシャツのような綺麗さ。ご本人も真っ直ぐな明るい女性なのかなと思う。何をやっても清潔。なんだか全身の細胞の11個から綺麗な感じ。そんな印象。そんな感じの女優さんは実は非常に珍しいです。



村上 ……青木崇高
実は今回のこの人を見てこれを書こうと思った。大河ドラマ『龍馬伝』での後藤象二郎役で注目。事前の情報も全くなく後藤象二郎を見ていたのだけど、まぁなんと迫力のある役者さんだろうと毎週楽しみにしていた。押しの強さだけの俳優さんもいるので上手いのかどうかは判断できなかったけど、香川さんの岩崎弥太郎とのコンビは最高。すごく面白くて毎回楽しみにしていた。この人が弥太郎を蹴飛ばして怒鳴りつけるたびに笑った。最近『平清盛』にも出ているが、まだあまり台詞がない。そしてこのドラマ。普通の優しい優しい旦那さんの役。ほんとにいい人なのね。誠実、実直、子供好き、奥さん大好き、家庭が大好き、仕事も真面目。そんな普通の人。この潤さんと緑さんの家庭が非常にほほえましい。幸せな楽しい家庭。奥さんを心から愛してる旦那さん。奥さんが病気になると真剣に心配して仕事も手につかなくなる。ほんとに優しい。その彼が(今週)緑さんに一目ぼれした過去の場面でびっくりした。ほんとに若いの。初々しいというのか…ほんとに女性を好きになった実直な若い人。ものすごく上手いと思った。微笑ましい。これがあの後藤象二郎をやった人なんだろうか。後藤象二郎の時は目がギラギラして脂ぎって迫力満点の怖いルックスだったのに、こんなに可愛い役もできるなんて…。なんかこの役者さんはすごいのかも…。これから注目です。



三島 ……伊原剛
かっこいいです。この人は『硫黄島からの手紙』での馬術で有名なバロン西さんで注目。あぁカッコイイ俳優さんもいるもんだと思った。今回ドラマなので毎回見て思ったのだけど、この人はほんとに男臭いです。大きい。椅子に座った後姿の背中が大きいこと大きいこと。背も高くて、全身ががっしり。がっしり。ものすごく男くさい。全身から大人の男の色気が匂い立つ。昼メロ設定には最高。この人と並ぶと木村佳乃さんが本当に華奢に見える。またまた今回、体温計が無いからって大きな手で緑さんの額をいきなり掴むし、しっかり抱きしめるは、キスはするは…や~ん昼メロ…(笑)。でもね…こんな大人の男系俳優は最近なかなか見ないんですよ、ほんとに。昔は三船敏郎さんとか藤竜也さん、千葉真一さん、岡田真澄さん、渡哲也さん、渡瀬 恒彦さんとか、すっっっっつごく暑苦しいぐらい男くさくてかっこいい俳優さん達がたくさんいたものです(洗練されているのにどこか野獣みたいな)。最近の俳優さん達はみんな上品すぎるのかも。現在の40代に野獣系は少ない。3020代なんて皆無かも。 だから貴重。もっとこういう大人の男が引っ張る映画やドラマが見たい。

それから話せない大竹まことさんがすごく可愛い


ところでこのドラマ、演出もすごくいいと思う。緑が桜の満開の雨の日に三島に会いに行った場面はとても綺麗。全体の雰囲気もすごくいい

8回だそうなのであと4回。さてこれからどうなるか…。




2012年6月11日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第23回「叔父を斬る」



今回もよかったと思います。びっくり。重厚歴史大河ドラマ。ほとんど以前とは別物。ものすごく真面目な歴史ドラマになってきた。

これなら清盛マラソン、完走間違いなし。


その前に、まずダメ出しから。

●音楽。今回の音楽はほんとに邪魔。処刑の場面のうるさいピアノなど論外。うるさくってしょがない。これほどメロディーのはっきりした曲だと、歌を歌うようにそっちに気をとられてしまう。人物達は迫真の演技をしているのに台詞も聞き取れない。音楽だけMUTEボタンを押せないものかと思った。ああもったいない。そのちょっと前、由良御前が鬼武者と話す場面からの一連の流れで使われたオーケストラの曲もうるさい。ばらばらな短い場面を一つの曲を流すことでまとめるのはやめたほうがいい。ともかく全体に音楽の使用と選択に繊細さを欠いている。劇的な場面に劇的な音楽を使うのは稚拙な演出。これはセンスの問題で、他に例を挙げてこれがいいと断言が出来ないだけに非常に難しい。

●清盛君、叔父さんの死刑宣告を受けてから落ち込んで出てきた時、なんで階段でずっこけるのかなぁ…また笑っちゃったよ、んもー。

●今回の話でまず事前に心配したのは、親族の罪人の処刑に番組1回分をまるまる使ってお涙頂戴劇にしてしまうのだろうドラマの構成そのものだったのだが、あにはからんや思った以上に良かったので前言撤回。確かに処刑で番組1回分なだけに尺を長く取りすぎた場面もあったが気にはならなかった。なのでこれに関してのダメ出しは無いです。

ともかく処刑がらみで引っ張りながらも、そのまわりの政治的なもの…特に源氏と平氏があれだけ辛い思いをしているのに、天皇を始めとする貴族達が、何事も無かったようにへらへらしているのが対照的で非常に良かった。説得力のある話の展開だったと思う。満足です。



今回、話の流れが良かった。

平忠正叔父さん、源為義パパも、それぞれ本人達は覚悟を決めている。なので苦悩するのは残された者達。

まず平家側。叔父さんが自分の身代わりになったと苦悩する弟・頼盛。自らの甘さゆえに叔父を救えなかったと苦悩する清盛。皆も気持ちは同じだ。義姉・池禅尼も、忠正に言った「いざというときは平家をたのみます。」の言葉がこのような結果になるとは思っていなかっただろう。そもそも忠正は、この義姉を悲しませないために頼盛の身代わりになったようなもの。うわー悲しい。そんな彼は供に死んでいく息子達を前にして「断じて平家一門を怨むではない。怨むならこの父を怨め。」(泣)ああぁ。身支度を整えた忠正と息子達を、一族揃って皆涙を流しながら静かに送り出す場面はとても美しく悲しい。

今回の清盛君も今までと違って別人のよう。叔父の死刑を宣告されると声を落として信西に詰め寄る。今回全編を通して声を抑え非常に男らしく見えた。心を決め叔父を自ら処刑する。すぐに息子達も。その後力尽きてその場に倒れこむ。短い描写で引っ張らなかったのがよかった。

一方の源氏側は、義朝の驚くほど感情的な描写に驚いた。まず父の死刑の宣告をされた時、信西へ取り乱しながら抵抗。帰宅してからいきなり由良御前を「余計な事をした」と張り倒す。その後も呆然として時を過ごす。そこへ父為義が揺れる息子を諭す。「親兄弟の屍の上にも雄雄しく立て。」(泣)

処刑場でもそう。清盛が最後に苦しみながらも自ら処刑を遂行したのに、義朝は出来ずじまい。まさか弟を殺しても平気だったこの人を、こういう風に描写するとは思わなかった。当然これは平家側の清盛と対比させたもの。清盛が心を決めたのに比べて、義朝は出来なかったということなのだろう(父親を殺す方がずっと辛いのだが)。源氏側の処刑は義朝の忠臣正清が行うことになる。初めて弱さを見せた義朝の描写がとてもよかった。

義朝の苦悩をめぐる家族の描写も素晴らしい。夫に張り倒された由良御前、まだ小さい鬼武者に、お祖父さんがパパに殺されるので見て来いと言い聞かせる(これはすごい台詞)。全てを見届けた鬼武者は、その後義朝に向かい元服したいと名乗り出る。鬼武者はこんなに小さいのに、初めて弱さを見せた父・義朝を見て、自分がしっかりしなくてはと思ったのだろうか。将来の源氏の棟梁の姿が見える。源頼朝元服。この流れはすばらしかった。その後、由良御前は頼朝を強い武士に育てると言う。立派。



それから後白河天皇に呼ばれて戦勝の祝宴。今までなら清盛君は「いやだいやだ」とわめくところだが、今回は黙って耐える。武士がこれだけ辛い思いをしているのに、呼ばれて行った御所では貴族達が何事も無かったように華やいでいる。得子さんもとても綺麗。清盛君は憤懣やるかたない様子だが黙って耐えている。清盛君にとっては辛い場面だ。これも良かった。これで視聴者も清盛君の気持ちに添うことが出来る。

極めつけはオレ様後白河天皇。ほんとにいつものことだけどこの人のオレ様ぶりは最高。あの自信満々な顔が画面に出てくるだけでまさにゾクゾクする。こんなトンデモ親分が権力を握っている限り、平家も源氏も犬のまま。この対比は最高に素晴らしい。

清盛君がこの華やかな場でいつものように、いつ反抗期の子供のような事を言い始めるのかとひやひやしたが、なんと今回黙って耐えている。立派。大人になりました。大変結構。そうです、そうやって耐えて耐えて耐え抜いた後にドッカーンと爆発すればよろしい。非常に楽しみになってきた。ほんとに今回は清盛君が立派。あとはもう少し声を落として腹から声を出すようにすればもっといい。今回は信西との対決で声が裏返ってたけど、全体には声も抑えて確実に良くなっている。最後に一族を集めての「一蓮托生(事の善悪にかかわらず仲間として行動や 運命をともにすること)」宣言もいい。いいぞがんばれ。

それから深キョン。殆ど出番が無かったけど、この人が深刻な表情で静かに苦悩しているのはとてもいい。裏返った声でおかしなことをしゃべるよりも、黙ってしんみりしてたほうがずーといいです。非常に美しい。それに最後、滋子に向かってつとめに出るよう命じた声も非常に落ち着いていてよかった。この女優さんは立派に大人が演じられるんだと初めて思った。女優さんも俳優さんも脚本と演出次第。どうかこれからも今回のように大人の時子を演じて欲しい。(清盛君もそうなのだが)声の響きは非常に大切です。


またまた人物の評価で終わってしまったけど、良かったです。極限の状況だからこそ登場人物全員が真剣なのが素晴らしかった。特に清盛君の変貌ぶりにはびっくり。反対に義朝は弱さを見せたところがまたいい。見所もたくさんあった。豊原さん=忠正叔父さんの堂々たる男振り。最後まで息子を気遣う優しい小日向さん=為義パパ。素晴らしかったです。このお二人がいなくなるのは本当につらい。

最後にもう一つ。処刑の場面で一切の血を見せなかったNHKさんの英断には拍手を送りたい。為義パパの首らしいものが一瞬落ちたのが見えただけでそれ以外は全て暗転や画面の外。斬首という処刑そのものが非常に残酷なものなので一切の血を見せなくても陰惨さは十分に伝わってきた。特に小さな鬼武者を画面内に入れた源氏側の描写は非常に陰鬱。映像での残酷さを娯楽にしがちな昨今、よくあそこまで抑えてくださったと心から感謝したい。(地面に広がった血だまりぐらいはあってもよかったかも)



最後に清盛紀行で、義朝が自ら父を処刑したと言っていたのに驚いた。清盛と義朝が親族を自ら処刑したのは、このドラマを劇的にさせるための脚色だとばかり思っていたのだが、実際にそういうことだったそうだ(清盛のことは不明)。辛かったろうと思う。ほんとうの義朝とはどういう人だったのだろう。

それから、いまさら言うのもなんだが清盛の持っている宋剣に非常に違和感があるのだけれど、あれは史実なのだろうか。(痛すぎると思います) 以前、刀鍛冶の方のインタビューで、日本の刀作りは鎌倉時代が最高で、現在でも再現が難しいぐらい高い技術が当時既に完成されていたと聞いたのだが、このドラマのちょっと後の時代にそれほど高度な技術があったのだとしたら、この時代も日本刀を持っているのが自然じゃないだろうか。それともこの宋剣の記録が残っているのだろうか…。




2012年6月10日日曜日

映画『メン イン ブラック 3/Men in Black 3』:夢の中へ



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Men in Black 3 2012年)/米カラー
 106分/監督; Barry Sonnenfeld
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ネタバレ注意

ちょっと前に見て、レビューをするのかどうか迷ったのだけどこれも記録の一つ…ということで書くことにした。


寝てしまいました。ああぁぁ。



トミー・リー・ジョーンズが老けメイクをしていると思ったら、なんと第一作目から10年目なんだそうだ。え、じゃあ、あのウィル・スミスの変わらない若さはなに??

この映画大好きだったんですよ。1作目は特に。2人のコンビも面白いし、なによりも初期のウルトラ兄弟のシリーズを見て育った世代の者としては、こういう単純怪獣ものは無条件に「見に行かなくては!」と思ってしまう。

ウィル・スミスが好き。もーかわいいかわいい。あの2人がイヤになるくらいキモい宇宙人と戯れるのは面白くてしょうがない。

ところが…本作、ちょっとゆっくり過ぎた。中華街で魚のお化けが出るあたりまでは面白かったんだけどな…。その後、怪獣らしい怪獣もあんまり出なくなったし、今回のメインの敵は余りにも魅力が無さ過ぎた。だって目が痛そうなんだもん。見た目も人間とあんまり変わらないし…。やっぱ怪獣が出てきてくれなくちゃ…。ウィル・スミスが過去に遡って、ジョシュ・ブローリンに会うあたりから目が開かなくなった。

目が覚めたら、ウィル・スミスのちっちゃい子が出て来て、パパが…という場面をやっていた。ありゃー。

反省しております。映画を見に行って寝てしまうとすごく悲しい。文句をブーブー言って「金返せ」のほうがまだ映画さんに失礼をしていないと思う。ほんとうにゴメンナサイ。


映画『少年と自転車/The Kid with the Bike』:あなたには出来るだろうか




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Le gamin au vélo---The Kid with the Bike2011年)/ベルギー、仏、伊
カラー 87分/監督; Jean-Pierre Dardenne、Luc Dardenne 
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ネタバレ注意


リアルです。映画的な演出は一切無し。まるでどこかで現実に起きている事を目撃しているような気にさせられる。ものすごく地味。静か。普通の人達のちょっとした日常の問題。

この映画、何よりもリアルさがすごい。最初はそれが解らなくてちょっと困った。だってあのガキが余りにもかわいくないから。リアルにひねくれてて手が付けられない。まぁ困ったもんです。映画だから「まぁこの子はこんな目にあって可哀想に…」などと思えるけど、現実にあんなに反抗的な子供が目の前にいたら、即刻施設へ送り返すと思う(ゴメンナサイ)。…という以前に、まず今までに会った事もない子供を、そんなに気楽に受け入れたり出来ないです。よくあの親切な女性はあんな厄介者を引き受けたもんだとあきれるくらい。私なら正直係わり合いになりたくないだろうと思う。

だけど、まてよ。これ映画じゃないの。このかわいくない子供の演技、ぜーんぶ事前にリハーサルして脚本どおりに演じたものなのだ。そんなことを全く忘れてしまうくらいリアル。脚本も演出もすごいし、子供ながら主人公のこの俳優さんもすごいと思う。


映画内の出来事に至るまでの、それぞれの人物達の過去の説明や解説的なものは一切無し。なので、あんな気難しい子を気楽に引き受ける女性の心理も理由も解らない。…だけど現実の私達の日常でも、(日々出会う)いろんな人達のいろんなことが必ずしも明確ではないのは普通のこと。そんなときに私たちは「人それぞれだから…」とか「彼女なりの理由があるんでしょう…」なんて見て見ぬ振りをしたりするもの。この映画もそんな現実の日常のように、なんの説明も無し。私は「もしかしたらこの女性は以前に子供を亡くしたのか…」とか「離婚した旦那に子供をとられたのか…」などと余計なことまで想像してしまった。そんな風に思わせるところまでリアル。もちろん子供をいやがる父親の解説も皆無。だただた自己中のいやな親父なだけ。そんな風にどの登場人物も一切の説明がなされない。

だからこそ、「あれはこうなのか…」「なんでこの人はこうなんだろう…」などと映画を見ながらいろんな事を色々と考えてしまうのも最近の映画では非常に珍しい。少なくとも近年のハリウッドの作る映画でこのようなものは見たことが無い。こんな無骨な映画作りは、現代のものというよりも、大昔のヨーロッパのリアリズムの映画(よくは知らないけど)だかなんだかそんなものを思い起こさせる。

時間が経つにつれ、このひねくれ者のシリル君もだんだん心を開いてくる。だけど私にはこの子がまだまだ信じられない。これからティーンになれば、もっと本格的な反抗も始まるはずだ。うわー大変じゃないかな。だけどそんな風に思わせるのも、リアルな映画だからこそなんだろう。

無骨です。ぶっきらぼーな語り口。だけどこの映画のそんな無骨なリアル感は(実際には)計算に計算を重ねて緻密にフィクションとして構築されたもの。繊細な作り手の目があるから可能なのだ。 シリル君のひねくれ具合も、(パパに拒絶されて)心がキューンと苦しくなるような寂しさも全てリアル。だから見ていて結構つらい。本当はとても可愛いんです、シリル君。

最後も(脳震盪を起したのか)暫く気を失った後、起き上がってフラフラしながら(シリル君が)うちに帰っていく場面で唐突に終了。ほんとにこの子は大丈夫なのか…。いやきっと大丈夫だろう…。どうかな…。などとまたいろいろと考えながら映画を見終わった。


西洋の世界では子供は社会に属するものだと聞く。親がだめなら社会が子供を育てるのは当たり前。この映画のような状況が現実の日常で起こっても、誰かが子供の里親になるべく名乗り出るものなのだろう。彼らが子供に手を差し伸べる優しさの源はキリスト教の教える慈愛の心なのだろうと思う。素晴らしいことだ。だが実際に子供を引き取るなんて簡単なことではない。この映画のシリル君も難しい問題を突きつける。それでもこの映画の女性は一貫して彼を救おうとする。どうしてそこまで…。

この映画を見た者は、誰でもちょっと居心地悪く自問せざるを得ない。「私にはできるだろうか…。」なんだかいろいろと考えさせられた。



2012年6月8日金曜日

Madonna - Lucky Star (1984)



マドンナはこの曲で大きくなったんです。
 

Madonna - Lucky Star (1984)

Album:  Madonna
Released: 27 Jul 1983
℗ 1982, 1983 Warner Bros. Records Inc.


Like a Virginでドッカーンと大売れする直前に「あの娘、誰?」とみんなに思わせたのがこの曲。Like a Virginの直前に大衆の目を彼女に向けさせたのがこの曲。私も見ていた。

当時始まったばかりのMTV(日本では深夜にどこかのチャンネルでやっていた)で見たBurning UpPVとラジオでかかった何曲かで興味を持ち、早速貸しレコード屋へ。ファーストアルバム『Madonna』は全曲が踊れるかなりいいダンスアルバムで早速気に入ってよく聴いていた。それから少したって、このLucky StarPVTVで流れて「あっ」と思った。これはいい…。


曲はまったりして踊りやすい曲ではない。だけど何よりもこのダンスにクギづけ。真っ白なバックを背に踊る3人。2人のバックダンサーは普通に上手いんだけど、あっと思ったのはマドンナのダンス。空気の少し抜けたゴムが分厚い(ちょっと反応の鈍い)ボールのようなダンス。ちゃんと音にあわせて跳ねてるのに、なんだか重い感じのするリズム感。膝の関節が柔らかいんだろうか、ふわふわしてるのに粘り気があるリズム? なんかもってりしてるの。世間はこれをセクシーと呼んでいた。それまでマイケル・ジャクソンのカチっとしたダンスを見ていた目には新鮮だった。このステップを振りコピした。

それにビデオの半分はカメラ目線で「どうよ、どうよ」と言わんばかりにおへそを見せながら床をのた打ち回る映像。全身の筋肉がうっすらと脂肪につつまれたマシュマロのような白い肌。目の大きな童顔のかわいい顔、なのにこちらを睨みつける目線。赤い口の右上のほくろ。鼻息の荒い気の強そうな顔。強烈だった。私もこのビデオで大ファンになった。

「いったいこの娘は誰だろう…?」とみんな思ったんだろうと思う。


当時、毎週雑誌でBillboard Hot 100のチャートをチェックしていたのだけど、この曲がトップ100に入ってからなかなか圏外に落ちなかったのをよく覚えている。この曲の前のシングルHolidayといっしょになってチャートに延々と居座り続けた。さっき調べたらBillboard Hot 10018週間(4ヶ月以上)も残ったそうだ。

この曲で世間にも知られるようになり(米国中の女の子が彼女の格好を真似し始めた)その後時間をおいて十分に期待させた後「Like a Virgin(処女のように)」を発売。まるで時限爆弾です。こんなビデオの後にそんなタイトルの曲がうけないわけがない。その後発売した同名のアルバムは、当時泣く子も黙るナイル・ロジャースのプロデュース。これで彼女は大スターになった。メディアは彼女を「現象」だと呼び、文字通り時代が動いているような感覚があった。すごかった。


その後も休むことなく、マリリン・モンローそっくりのPV、映画の挿入歌、映画にも自ら出演、全米ツアー、ハリウッド・スターとの結婚…等など一切とどまることなく大スターの道を駆け上っていったマドンナ。その成り上がりぶりは前例の無い桁外れなスケール。成功につぐ成功。何から何まで(スキャンダルでさえ)全て自分の味方に変えてしまうカリスマと頭脳、意志の強さ。小柄なこの人がこれだけ大きくなるとは誰も思わなかった…。

そんなマドンナの大ブレイクのきっかけになったこの曲。私はこの曲がなかったらその後のマドンナもなかったかもしれないと思う。

この曲の入ったファーストアルバム『Madonna』は捨て曲無しのダンスアルバム。今でも聴ける。ダンスアルバムとしては『Like a Virgin』よりずっと上。傑作です。