4年に1度のアメリカのお祭りがやってまいりました。
大統領選です。11月の投票日に向けて最後の追い込み合戦が続いています。昨日米国の9月26日には、2候補の討論バトル(Presidential Debate)が全国ネットワークのテレビでも放送されました。
このテレビ討論会というのは…
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大統領選に望む2人の候補者が、TVで公開生ガチンコ勝負をするというもの。視聴者は自宅にいながら、各候補者の政治的な主張のみならず、彼らの表情や口調、押しの強さ、性格までしみじみと値踏みできるというイジワルな企画(笑)。これアメリカの伝統です。要するに、候補者の2人を大衆の面前で礼儀正しく喧嘩をさせてみて、どちらが上手く立ち回るのか、どちらが強いのか、頭がいいのか、とちらが道理にかなった主張をするのかを見るというもの。ひゃー厳しいですね。見てる視聴者にとっては、だから面白いんだけど、候補者はこれで勝たなきゃ選挙にも負けるんです。だから両方とも必死。実際に、このTV討論会で候補者の良し悪しが決まる場合も少なくないという。
(4年前に書いたエントリーからコピー)、
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前回4年前の戦いは、民主党のオバマさんの2期目と、共和党のロムニー氏。ワタクシ、前回は大変盛り上がって真面目な文章を書いていたのですが、今年は…困りましたね。候補者2人とも期待薄。盛り上がりに欠ける。そのせいか今回の大統領選には全く興味が持てずにいる。
今回の候補は
米国初の女性大統領を目指す元ファーストレディ+元国務長官
ヒラリー・クリントン氏(民主党)
VS
そして政界の外側から揺さぶりをかける、政界しがらみフリーの不動産王
ドナルド・トランプ氏(共和党)
民主党のヒラリーさんは順当です。あまり驚きはない。彼女には色々と黒い噂もあるらしいですが、まぁ今の民主党で彼女以上の人がいるわけでもないのでしょう。今年の前半ヒラリーさんと民主党内で争っていたサンダースさんは、理想だけは素晴らしいんだけれど現実的ではないんですね。学校を無料にするとか…無理です。
アメリカは過去8年の間に、理想は高くてもその理想を現実化出来なかったオバマさんに(彼に反対した議会にも)少なからずがっかりしたんですね(それでも私個人的にはオバマさんが悪かったとは思わない)
問題は、オバマさんは理想を掲げるのには最高の人だったのに、それを実行する為に(国内の)反対派を説得する力が無かった。簡単に言えば、いい人なんだけど消極的過ぎて国内の議会にお友達を作れなかった。
アメリカの大統領とは、国内の問題に関しては勝手に好きなことが出来るわけではないんです。アイデアを思いついて実行するためには、反対派も多くいる国の議会(上院・下院)を説得して、自分の味方につけなければならない。なぜなら物事は議会の投票で決まるからです。どんなに素晴らしいアイデアでも議会から賛同を得ない限りは事が進まない。
というわけで、大統領には、高い理想と共に、人を惹きつける知性とカリスマ、説得力。無闇に敵を作らない頭のよさ。実務をこなせる経験と忍耐力、そしてなによりも物事を遂行するための意志の強さが必要。
その辺りを考えると、トランプさんはねぇ…どうしてもっといい人がいなかったのかなぁ…。
というわけで第1回目のテレビ討論の感想は、次のエントリーで…。