バンドは勢いです。
SPAN – Cut Like Diamond (2005)
Album: Vs. Time, released 2005
Peaceful (2004)
Peaceful (2004)
Album: Mass Distraction,
Released in UK: 11 February 2004
℗ 2004 Universal Island Records Ltd.
℗ 2004 Universal Island Records Ltd.
さて先日はCheap Trickのことを書きましたが、今日は、彼らのロンドンでのライブに参戦した折、前座で出てきたノルウェーのバンドSPANのことを書きたい。たぶんあれは2001年あたりだったと思う。
アチラのライブでは、普通ヘッドライナー(メイン)の前に前座が出ることが多い。メインのショーが午後9時過ぎに始まるとすれば、前座はだいたい8時ぐらいに出てきて30分演奏。その後の30分で片付けと次のセットアップというスケジュールが一般的だ。1晩で2度おいしいのだ。普通は前座なんて誰も気にとめない時間つぶしなんだけど、彼らは違った。
その日、観客のほぼ全員が10年、20年来のCheap Trick古参のファンだったのだが、SPANはそんな頑固な古臭い音楽ファンを最初からあっと言わせた。ぎゅうぎゅう詰めの小箱・The Garageで、最初の1曲の演奏を終わる頃には、ほぼ全員が「なんだこれは」という反応をしていたと思う。
とにかくかっこいいのだ。ステージ上の4人全員が無茶苦茶かっこいいの。曲は昔ながらのロックで、音がCheap Trickに近かったのも良かったんだろうと思う。とにかく4人の若さとパワー、曲が素晴らしく、特にボーカルのカリスマがとてつもなかった。
ボーカルはJarle Bernhoft(ヤーレ・ベルンホフト)さん。小柄で目ばかり大きく、どちらかといえば可愛い顔なのに、そのふてぶてしい態度が驚くほど。歌も上手い。声もいい。「Cheap Trickだけを見に来たコアな客を全員自分のファンに変えてみせる」と自信たっぷりに振舞っていて、またそれがさまになっていた。
その日、ほとんどのCheap Trickのファンは、このノルウェーの無名のバンドの事を全く知らなかったはずなのだが、ほぼ全員がこの若いバンドに一気に魅了されていた。3日連続の同じ箱・The Garageでのライブで、日を追って彼等への声援も大きくなっていった。私も1日目であっと思い、2日、3日とすっかりファンになった。まさか百戦錬磨のCheap Trickが前座に食われるのを目撃するとは思わなかった。もちろんその3日間のCheap Trickもハンパなかった。爺達も彼らに刺激されたらしい。
当時まだ彼らはイギリスではCDも出していなかったのだけど、その数年後、ネットで情報を集めファーストアルバムを購入。このタイプの曲はもうあまり聴かなくなっていたのだけど、とにかくCDを買わずにはいられないほど彼らのライブが忘れられなかった。
その後彼らはノルウェー本国でどんどん大きくなり、アルバム2枚「Mass Distraction(2004)」と「Vs. Time(2005)」を発表。イギリスでも少しずつファンを増やしていったのだが、残念なことにバンドは2005年で解散。どうやらボーカルのヤーレさんが違うタイプの音楽に方向転換をしたかったらしい。そのファイナルコンサートの模様はコチラ。やはり彼らはライブがいい。
SPAN - Don't Think The Way They Do (live - the final gig 2005)
SPAN - I'm Nothing (live - the final gig 2005)
Album: Vs. Time, released 2005Released in UK: 11 February 2004
℗ 2004 Universal Island Records Ltd.
ともかく、解散してしまったのでどうにもならないのだが、今でも動画サイトには結構曲があがっている。実はファンの間でも有名だったイギリス人のCheap Trickファンの方が、同2001年のCheapTrickのライブで完全にSPANファンになってしまい、今もYoutubeでSPANの動画を集めてくださってます。リンクはコチラ(インデックス)
http://www.youtube.com/user/Spanzone/videos?view=0&shelf_index=4&sort=p
ボーカルのヤーレさんが、先週の14日、東京のブルーノートに出ていたことを今発見。お、11日のサマソニにも出たそうな。今180度違う事をやっているこの人のソロワークはまた今度。