今週はみねちゃんで泣きました。いやー子供の涙は…辛いですよ…。二本松少年隊に続いてまた子供で泣きました。
今回はね、演技がよかった。このドラマ、脚本がいいのがまずあるんですけど、俳優さん達の演技もすごくいいですよね。先週に続いて今回も京都編に移行する前の繋ぎの地味な回なんですが、いやいや演技だけでかなりきました。ほんと。会津戦争までは歴史のドラマとして情報を詰められるだけ詰め込んだ感じがあったのですが、先週と今週は人間ドラマ…という感じ。これが歴史ドラマとして面白いかどうかは別にしても、今週は特に俳優さん達の演技だけでぐっと引き込まれました。
特にぐっときたのは、うらさんの長谷川京子さん。平馬君の池内博之さん。それにみねちゃんです。その他の人々もみんないい。もしかしたらこのドラマ、制作の現場での雰囲気がすごくいいんじゃないかな。仲がいいというだけじゃなくて、全員がいいドラマを作ろうと一致団結してるんじゃないかと思う。こういう静かな回で特にそれを感じる。
うらさん、いいですよね。ものすごく美人なのに性格は朴訥で地味で不器用。地味~で健気で古風な女。あんなに綺麗なのに自分では全くそんなことを思ってなくて、いつもおとなしく自己主張をほとんどしない。
覚馬・お妾さん問題でも、騒ぎ立てることもなく一人静かに身を引く決断。誰にも相談せず静かに全部自分で決めてしまう。「私にも意地がありやす」って言ってたけど、ほんとはそんな強気じゃないですよね。彼女は静かに身を引いたんだと思う。だから可哀想。
だって本妻なんだから、(いくらあの時代だって)人並みに自己主張が出来る女なら京都まで押しかけていっても当たり前なんですよ。(妾と同居…がいいのかどうかはともかく)彼女の立場なら、生活が今よりもずっと楽になる覚馬の元に堂々と行けばいいんです。特に食べる物にも困るような生活をしているのなら尚のこと。普通の女はもっと計算高くて狡猾です。でも彼女にはそれが出来ないのね。黙って身を引いてしまう。だから凄く可哀想。八重ちゃん達も励まして無理やり連れて行けばいいのに…なんて思ってしまった。だって行ったら覚馬だって無視できないでしょう。会えばなんとかなるのに。
あ…覚馬君と時栄さんはね、あれはしょうがない。昔はああいうものです。9年も離れていたんだもの。あの時代の男に一人でいろというほうが無理でしょう。だから覚馬君にそれほどの罪はない…あの時代なら。むしろそれに対して本妻がどう対応するかのほうが問題。うらさんは別れを選んだ。
余談ですが…この場面を見てて、史実のうらさんは山本家に馴染んで無かったのかもなぁという気もした(ドラマとは全く関係ない私の想像ですが)。姑と小姑は気が強い(←女性の強い性格は母親譲りが多い)。嫁いびりもあったかもしれないし、それに夫の覚馬とも9年間会ってないんですよね。そもそも山本家で窮屈に暮らしていた(よそ者の)彼女が、(9年も会ってなくて)愛情も無い夫に妾と子供が出来た…と聞いてさっさと縁を切ったのかも。そのかわり娘は取られてしまった。実際にはそんな話だったのかもと思った。
ドラマでは山本家を綺麗な家族に描いてますからね。そもそも主人公の嫁いびりなんて描けないしなぁ(笑)。ともかく長谷川さんのうらさんが可哀想だった。これから大丈夫なんだろうか…。
それからぼろぼろよれよれになった梶原平馬くんにもびっくり。月代もぼさぼさで、座ってても背中が曲がってるし、二葉さんに別れを切り出した後立ち去り際の泣く表情がもう…。すごく年を取ってる。別人みたい。あの強気な若い平馬くんはどこ行った…。こういう俳優さんの演技の変化を見るとびっくりしてしまう。演技だけで「あれっ」と思う。ああいうのを見ると俳優さんご本人に興味が湧きますね。最初は池内さんの顔が好きなだけだったんだけど(笑)、もっとこの俳優さんのいろんな演技が見たくなった。
そして、みねちゃん。あの泣き顔は…もう…。あんなに泣いちゃうんだもんね。上手いなぁ…みねちゃん。そりゃそうですよね…だってあの子、今までママにべったりだったでしょ。お婆ちゃんの佐久さんとも八重ちゃんとも割とあっさりな関係なんですよね。今まで佐久さんに抱きしめられた場面なんてほとんどなかったと思う。ママにべったりで、ママが忙しい時は女中のお吉に可愛がってもらってたもんな。
なんだかそのあたりを見ても、史実では山本家の女性がちと冷たかったのかな…などと思えたりして。だってあの子を母親から引き離すのはむごいですよ。義母と小姑が嫁と打ち解けてなくて、こんな状況になったから子供だけ奪い取って嫁を離縁させたのかも…などと思ってしまった。いやどうでもいいことですけどね。なんだか感想も人間ドラマ風になってきたな。
それでは簡単なあらすじを。
●八重ちゃんとその家族---------------------
1871年2月、北の国は寒い。八重ちゃん(綾瀬はるか)が夫・尚之助(長谷川博己)から突然離縁の手紙を受け取る。「三行半をつきつけられたらおなごは黙って去るしかねえ…。」悩む八重ちゃんをうら(長谷川京子)が慰める「旦那様に会えば何か分んべ…。」
7月、廃藩置県が実施された頃、京都の覚馬(西島秀俊)から手紙が届く。京都府に出仕していて落ち着いたので京都に家族を迎えたいという。覚馬に女が出来て子供が生まれたことを知らされると全員ショックを受ける。
うらが一人考え込む。京都には行かないと筆をとる八重ちゃんを母佐久(風吹ジュン)が諭す。「会って話せば…みねの行く末も考えなければ」
うらが京都に行かないと決めた事を家族に告げる。みねは手放すという。「私にもおなごの意地がある。旦那様には赤い櫛が似合っていた頃(若くて綺麗だった頃)の私を覚えていてもらいてえ。」
10月。八重ちゃん、母佐久、みね、京都に到着。覚馬を訪ねると着飾って洗練された時栄(谷村美月)が出迎える。泣き崩れる父・祖母・叔母3人を目の前に、みねちゃんが立ちすくむ。(←時栄の京女の洗練と、着の身着のままやってきた八重ちゃん達の比較は強烈ですね。)
●会津藩士達---------------------------------
1871年冬、北の斗南では、寒さと不作による飢えで全員が困窮を極めている。港が閉じて交易もできない。3万石と言われた石高はその年7000石しかなかった。皆飢えている。状況を変えようと北海道に米の買い付けに行った川崎尚之助が訴訟に巻き込まれる。斗南藩で指示したことなのかとの北海道からの問い合わせに山川(大蔵)浩(玉山鉄二)は関わりが無いと尚之助を見捨てる。既に飢えている斗南藩には3000両の借財は背負えない。この後尚之助は4年の裁判を東京で闘うことになる(そのための八重ちゃんとの離縁)。
1871年7月.廃藩置県(斗南藩は2年で無くなってしまう)。「藩が無くなれば武士はどうなる…。」
梶原家を山川浩が訪ねる。山川は東京に行くと言う。そこで平馬(池内博之)が二葉に突然離縁話を始める。もうやり直す気力がないという。
●新政府----------------------------------------
江戸を東京と改め新都と定める。
国中で一揆が起こっているらしい。
↓
「幕府を倒すのに金をかけすぎた。」
↓
「役に立たん士族は面倒見きれん。」
↓
「藩を廃止し、県を置く。土地に縁故の無い人物を長として送り込む」
↓
「武家の世を終わらせる」
「200万人の武士が職を失う。また戦になるかも。」(←西南戦争)
そこで西郷どん
「おいがひきうけもす…廃藩置県が失敗なら全員腹を切る覚悟で。武家の世に幕を引くことはそれぐらい重かこと。」