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『 スーパーエイト/SUPER8(2011年)/米/カラー
/112分/監督: J.J. Abrams 』
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んまーなんとワタクシが中学や高校の頃に見た映画と似てるんでしょうか…と思ったら、監督のJ.J.エイブラムスさんが同世代。なるほどあの時代のアメリカ映画の雰囲気がよく出てますもんね。お話の時代は1979年。おおーっだからマイシャローナなのか、ドントブリングミーダウンなのか、ハートオブグラスなのか、おしゃれフリークなのか…おーい懐かしいじゃないかい(←これだけでもう高評価決定)。
内容もワタクシが見て育った映画のまんまです。要するに私と同世代の監督が中年になって子供の頃に見た映画をそのまんま再現したようなノスタルジーSF映画。
…と思いながらおおいに楽しんで映画を見終わったら、プロデューサーはなんとスピルバーグ大先生ご本人じゃないですか。あーやられたっ。やっぱりなー…といかにもなセッティングに大笑い。現在アラ50世代の人間には嬉しく嬉しくててたまらんSF映画です。
ネタバレ注意
昭和35年から昭和40年ぐらいに生まれて、1980年頃に洋画が好きな中高生だった世代の皆様、これは楽しめますよ。全編パロディのよう。未知との遭遇(夜の青い光、謎設定)、エイリアン(ホラー、巣)、ET(おうちに帰りたい)、グーニーズ(子供)、スタンドバイミー(子供)、それに当時全世界で流行っていたホラー映画(ワッとびっくり演出)の数々。そんなものを思い出してニヤニヤ出来ます。
時代設定は1979年、まず画面の色が70年代の映画、これわざわざ努力して再現してるんでしょうか。いかにも当時の映画っぽいの。色合いが当時の映画のまんま。夜の光がなぜかやたらと青いのもそう。たぶんカメラワークも考えてそれっぽくしてると思う。人物の顔を急に大写しにしたりね。音楽もちょっと大げさ。テーマがそもそも当時流行りのエイリアンものだし、ホラーものだし…。子供の服も髪型も子供部屋の飾りも、アノ頃の憧れのアメリカ映画のまんま。あー懐かしいわー。
音楽もELO, ナック、シック、ブロンディー…でどうよ…。
プロデューサーがスピルバーグで全てがガチ。おーい…やっぱりそうか…スピルバーグがもう一回あの頃のような映画を撮ろうかなと思ったら、20歳年下の後輩がまんま同じ様な映画を撮ってくれたからプロデュースしちゃったのかなと思える映画。
エイブラムス監督がスピルバーグ師匠に心をこめて贈るオマージュ。あれもこれもとスピルバーグ映画の記号がたっくさん出てきます。それを大先生も喜んで受け止めてプロデュースを引き受けてくれたんでしょうか。なんと微笑ましい。
79年には出来なかったCGによるトレイン・クラッシュの大参事は見もの。こういうの、やりたかったんだろうな…。おーいあんなに大げさに爆発して一人も怪我してないなんて、あるわけないじゃないのー(笑)。
大先生の映画が超プレミアムA級なら、この映画はたぶんBプラス級。いろいろとアレレな場面もあるけどね…まあいいじゃないですか。エイブラムス監督のスピルバーグ大先生へのリスペクトで帳消しにしていいでしょう。この映画にあるのは監督から大先生への愛、愛、愛です。
当時のあの頃を知る世代にとっては、それはそれはもう嬉し恥ずかし懐かしのノスタルジー映画なんだもの。見てる間はあの頃に戻れます。ニヤニヤしながら全編楽しめる。同世代の旦那Aも大変盛り上がって見ておりました。ワクワクしてほんとに面白かった。
エイブラムス監督が、アノ頃のスピルバーグ映画の感動をもう一度…と思いながら作ったBプラス級SF映画。大先生も話にのってくれたぞ。ちょっと大先生の映画よりもツメが甘いのはご愛嬌。世界中のアラ50の世代が'70年代後半を懐かしく思い出せるノスタルジーSF映画。まるでエイブラムス監督とスピルバーグ大先生と一緒に同窓会に参加するような楽しみ…。
昭和35年から昭和40年ぐらいに生まれた中年の皆様、これはお勧めです。