ただ問題は、欧米の世間一般の人にとってはJapan- Anime Expo.は子供文化のExpo.だと見られる可能性が大きいんですね(フランスは違うのかもしれないけど)。というのは、本来欧米のマンガはグラフィックノベルといって、まともな大人の読むものではないという認識が一般的にあって、そのせいで日本のマンガがいくら素晴らしくても一部に人気があっても、まだまだ世間的に受け入れられているとは考えにくい。前述の「フシギの国ニッポンを面白がってくれる若い人達」が実際には少数派であることとともに、Japan-Anime Expo.も世間一般からは、「日本の子供文化に入れ込んで喜んでる特殊な人の集い」、または「日本文化に入れ込んだ子供達の集い」だと見られる可能性もあるわけです。そんな、世間から見て、特殊な人たちにしかうけない日本から来たキワモノグループ。そんな設定でのライブ。それでもいいんですが…。
ただもう少し、市場の広がりを想定して考えたい。私はPerfumeはもっと広い範囲で売れると思うんですよ。前述した海外にもうけるだろうPerfumeの魅力(1.ダンス、2.キャラクター、3.ライブ、4.中田さんの良曲)は、日本発であることを越えて十分に受け入れられるほど明確なパッケージ性、特殊性があると思うからです。そんな魅力的な特殊性をもった商品は、既存のファンのみに頼らなくてもそれ単体で売れるはずなんです。
現在の日本のポップカルチャーに興味を持ってくれた層を基本のターゲットとし、そこからPerfumeがすでに持っている特殊性を強調して「海外仕様Perfume」をライブ向けに作りあげ、外の世界にも働きかけていきます。もともと日本で、小さなターゲットを狙った近未来型テクノポップアイドルユニットの人気が、外の世界に瞬く間に広がったように、海外でもそれに近い流れを想定して売っていったほうがいい。すでにRemixなどでクラブ系の音楽通にはそこそこ知られているようですし、去年のドームのコンサートには海外の現代アートの人たちがかかわったそうですから広がる可能性は十分にあり得ます。そういう既存のファン以外の人たちを、おっと言わせるためのライブに向けた海外仕様なのです。