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2012年8月28日火曜日

閉じ込められた女の子達:Perfume PV三部作に思う


Perfumeのこれまでのシングル3曲を「SP三部作」と呼ぶ人もいるらしい。それぞれのタイトルが英語の綴りでSPから始まっているからだそうだ。

SpiceSpring of LifeSpending All My Time。確かに…。そういえばこのSP三部作、他にも共通点がある。最近PVのことを考えていたらつい思いついた。おそらく気付いたのは私だけではないと思うのだが、とりあえず検索に出てこなかったので書きたい。

このSP三部作のPVでのPerfumeは、全部閉じ込められてます。

Spice
安全で刺激の少ない薄いピンク色の室内の3人。退屈している。小さな扉の向こうにはカラフルな世界。彼女達はこの扉を開けてカラフルな世界のキャンディーを口にする。たちまち彼女達の周りが色鮮やかに変わり始める。だけどそんなカラフルな世界は何故か金魚鉢の中。やっぱり囲われた世界。そして彼女達は歌う「知らない方がいいのかもね…」

Spring of Life
彼女達は実験室の中で製作された3体のアンドロイド。電源ケーブルに繋がれているので室内から出る自由は無い。とあるデータ上のアクシデントから余計なデータがインプットされてしまい感情を持ちはじめる。そしていつの間にか外の世界にも出れると思い始めてしまう。外に出ようと最後に電源ケーブルを抜くと…。

Spending All My Time
彼女達は超能力者。その特殊な能力のため施設に閉じ込められて強化訓練を受けている。彼女達は退屈している。制服を着せられ腕には番号を振られ、毎日同じ訓練を繰り返す。時間があれば室内を行きつ戻りつうろうろしている。3人で遊んでみるがやっぱり退屈だ。ドアの向こう側の看守を呼ぼうとノックをするが誰も答えてくれない。扉には鍵がかかっている。外に出られない。
 

全部閉じ込められてます。このところのPVの印象がなんとなく物悲しい感じなのも、Perfumeが大人になったからだろうとばかり思っていた。実は全部ちょっと悲しい設定なんですね。自由が無い…。

Spring of Lifeのあの「切なさ」は特に強烈。このPVの彼女達は生まれたばかりのアンドロイド。あんなに綺麗な女の子達。全てが純粋でイノセント。赤ちゃんのように無垢な女の子達。アクシデントから感情のデータをインプットされてしまい、若い女の子ならではの楽しい事を想像し始める。人生の春を謳歌しましょうと楽しそうに歌って踊る。お洒落してウキウキして大喜びで出かけようとした途端に全てが終わってしまうなんて…。このPVはやっぱり傑作だと思う。全てがポエトリー。いつ見ても泣く。最後の彼女達の笑顔がまたいいんだこれが…。


3作とも共通して自由の無い室内に閉じ込められた女の子達のストーリーであるのなら、これだけでコンセプトPV閉じ込められ三部作」にもなると思う。偶然だろうか。それとも最初から狙ったんだろうか…。3作ともストーリーや設定が練られていて非常にハイクオリティーなのも共通。いろいろと想像させられる。普段のPerfume本人達が明るい感じなだけに、PVでのちょっともの悲しい感じはまたすごくいい。なるほど…なぜか最近アートっぽい感じがしてきたのはそんなこともあるのかも。


一連のPV鑑賞に付き合わせている旦那Aにこのことを伝えてみたら「面白い」と言い始めた。彼によるとPerfumeの女の子達はアイドルという職業柄、対外的にアイドルという決められた枠(品行方正、男っ気なし、言動も態度もアイドル枠内)=閉じ込められた世界に生きなければならないはずで、そんなことを象徴しているのではないか……とのこと。
ほぉなるほど…そこまで深読みするのか…。