というわけで昨日9月26日に行われた、テレビ討論会の結果…
海亀の点数
クリントン候補6.5点
対
トランプ候補3.5点
んー…印象はヒラリーさんの方がず~っと上。優等生的。まーワタクシは最初からトランプさんをいいとは思っていないので、お二人を完全にフェアに見るのは難しいのですが、話を聞いてもやっぱりトランプさんはダメでした。ヒラリーさんにもいろいろとあるので最高だとは思わないけれど。
討論の印象は、
気の強いプロの政治家
対
喧嘩っ早い素人
ヒラリーさんをプロの政治家というのは決して褒め言葉ではない。優等生らしく正しい話をしても表面だけで中身が無い場合もある。…とは言っても、ヒラリーさんに関しては今までの彼女の経験を考えれば、彼女が理想ばかりの夢物語を語っているとも思えない。政界での経験は豊富。彼女のプランが正しいのかどうかは不明だけれど、今の彼女の立場で、彼女が今主張することがそれほど間違っているとも思えない。経験こそが宝。
それに比べてトランプさんはずぶの素人。経済問題には確かに強い。しかしそれ以外は全くの素人。元々人種差別主義者なんていう噂もあるし、経済以外の国内の問題にも明るいようには思えない。外交も全く素人。お話にならない。何よりも直ぐに苛立ってガミガミ吼える短気な性格はいけない。実業化としては決断力があって物事の本質を見極める目も持っているのだろうと思うけれど、どうも近視眼的で、長期の問題に取り組まなければならない政治家向きじゃないと思う。気が短すぎる。政界での経験はゼロ。失言も多い。あまりにもアウトサイダー過ぎて議会との関係も皆無。もうこれだけでトランプ氏はダメだなという感じ。
★ドナルド・トランプ候補(共和党/The Republican Party)
討論が始まって、最初の30分ぐらいのお題は「経済」。さすがに経済問題には強いらしい。すらすらと言葉が出ていました。まず中国等へのアウト・ソーシング(海外発注・委託)を止めて国内に仕事を取り返せ。企業が自由に予算を使えるよう税金はカット…。実現可能かどうかはわからないが具体的な話。
お、意外にいけるやん…。
…と思ったのはつかの間、ヒラリーさんに過去の言動を攻撃されると落ち着きをなくし、次第に腹を立て、ヒラリーさんと現行の民主党の政権を攻撃し始める。後は喧嘩。ヒラリーさんの言葉にいちいち噛み付き横槍を入れてガミガミ吼えてましたね。感情をコントロール出来ないのは政治家として致命傷。
司会から提示された質問…人種問題、犯罪、サイバーテロ、外交、防衛、核兵器…等等、具体的な問題にも全く答えられない。質問から話をそらして他の事を話し始める。質問に答えていない。だいたい予想はしていたとはいえ、大統領候補がこれではダメでしょう。
とにかくよく吼えてました…中国、ロシア、中近東…、中国、中国、中国。日本は軍事費を自分で払え。ヒラリーが悪い、あれもこれもヒラリーが悪い、オバマがダメだった、現行の政権が悪い、あいつも悪い、こいつも悪い。あれはダメだ。アイツがダメなんだ、…ばかり言っていた印象。
こういう人は敵を作りやすい。失言が多すぎる。このような人が、保守派も多い国内の議会の賛同を得られるとも思えない。
一番の問題は、こういう短気で闘犬のような性格の人は、国際問題の火種になりかねないということ。大統領がこんな性格では困る。なぜなら大統領は軍の最高司令官だからです。ロシアを怒らせ、中国を怒らせ、もちろんメキシコとも問題を起こし、中近東は激怒…。世界中がきな臭くなってしまう。危ない危ない。トランプ氏は論外。終了。元々何の期待もしていない。
★ヒラリー・クリントン候補(民主党/The Democratic Party)
最初から最後まで笑顔で落ち着いている。プロの政治家。落ち着いているとは言ってもトランプ氏に対して言葉での攻撃はかなりやってました。口喧嘩が強い。さすが元弁護士。トランプ氏の過去の黒い噂を引っ張り出してきていちいち攻撃する。全国民が見守る中、短気なトランプ氏を苛立たせるのも彼女の作戦でしょう。ヒラリーさん御本人はあのトランプ氏を前にしても声を荒げることなく、この討論を酷い口喧嘩にさせなかったところは上手いものだと思った。プロですね。もちろんそういうことも十分にわかっていて「落ち着いた大統領候補」を演じているわけです。流石です。
彼女が経済のことに詳しいのかは不明。トランプ氏の案の方が具体的に聞こえる。しかし人種問題、銃規制に関しては詳しい。そしてホワイトハウスで国務長官だった経験による外交、防衛、国際問題に関しては、トランプさんのような素人とは比べるのも馬鹿馬鹿しい。彼女は経験豊富なプロです。トランプさんは素人。これで勝敗ははっきりする。
こういう討論会というのは、いかに正しい内容を話せるかどうかということ以上に、どういう顔色でどんな風に自己のプレゼンをするのか…の方が重要だったりするんですね。落ち着いているか、カリスマがあるのか、話がわかりやすく理路整然としているのか、知的で魅力的であるのか…。
今回の討論は、最後までペースを乱されなかったヒラリーさんに軍配が上がりました。それが上記の点数。
外交問題に関して大きなポイント。
トランプ氏の一番の問題は、トランプ氏が何事も「世界 対 アメリカ」「世界 vs アメリカ」という視点から話を進めていること。彼にとって世界は敵なんでしょうかね。それに比べて、ヒラリーさんは「世界を敵だとは言っていない」。彼女は外国と問題が起こったらまず会話をして、外の味方とも協力し合うと言っている。国務長官時代の経験からの現実的な案で、大統領候補としてこれを名言しているのは心強い。なぜなら…繰り返しますが大統領は軍の最高司令官だからです。
経済界との深い結びつきなどなど、ヒラリーさんにも黒い噂が無いわけではない。…とはいっても、ヒラリーさんがそれほど酷い大統領になることはまさかないだろうとも思う。政界での経験こそが宝。彼女の今回の討論も自己のプレゼンとして十分成功していたと思う。まさにプロの政治家。
それぞれの候補が選ばれたら…
★ヒラリーさん
選んでもあまり大きな変化は期待できない。
しかし大きな間違いを起こすことも無い。
★トランプさん
選べば大惨事。素人。
とにかくこの国を、政治の素人に治めさせてはいけない。本当にとんでもないことよ。アメリカよどうしたのだ。トランプ氏の政治の経験はゼロ。気が短くて、失言が多く、外国ともすぐに喧嘩を始めるような人を大統領には選ばないで欲しい。お願いします。