能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年1月1日火曜日

紅白歌合戦観戦記 2012/12/31


 
あけましておめでとうございます!

HAPPY NEW YEAR!

 
昨日1日遅れで紅白を観戦しました。
今回は録画したので全部見れました。


今年は舞台が素晴らしかったです。後ろの丸いスクリーンに横の柱、階段にまで映像が映せるのがよかった。ほんとに色んなジャンルの方々が出演するのに、よくあれだけの演出が毎回できるものだと思う。すごいです。

それから紅白の魅力とは、やっぱりあのごちゃごちゃ感だと今回あらためて思った。ティーンの女の子から歌の上手い演歌の方々、バンドに美輪さんにPerfumeと、それはまあ盛りだくさん。美輪さんもおっしゃっていたけど、これだけ色んなものを混ぜた音楽ショーもなかなか無かろう。

歌が上手いのはやっぱり強い(後述)。だけど、じゃあ演歌の方々ばかりを集めればいいのかと言えば、それは違う。「演歌の花道」はやっぱり見ない。だけどじゃあAKBやジャニーズばかりを集めたほうがいいのかといったら、それももちろん絶対違う。

紅白とはあのごちゃ混ぜ感、はっきり言えば玉石混淆(合)の面白さが一番なのだと思う。今年は去年に比べると、演歌の方々が若い人達に多少押されていた気もしたのがちょっと残念。

いつも何故かツンとした感じの堀北さんの司会も上手でした。あんな大舞台をそつなくこなせるのはたいしたものです。大きな拍手。スタイルもよくてびっくりした。


●演歌の歌手の方々は素晴らしい

私はもともと洋楽しか聴いていなくて、演歌なんて論外な人間だったのですが…。

長年日本を離れ、世間の流行りの影響も、歌の前知識も一切無い状態で、ただ淡々と紅白を見て思うこと。それは「歌の上手さは何ものにも変えられない」ということ。

去年の紅白の感想でも書いたのだけど、一番あっと思うのは演歌歌手の方々の歌の上手さ。たった1曲歌って、歌の上手さだけでぱぁーっと世界を作ってしまう力は何を持ってきてもかなわない。一瞬でステージを一気に自分のものにしてしまう迫力。やっぱりすごいですよ演歌の方々は…。

坂本冬美さんが上手いんだこれが…。今回の「夜桜お七」はベスト。綺麗。かっこいい。あの、決してノリだけでは歌えない複雑な歌を、歌い始めた途端に極上のエンタメに変えてしまえる力は凄いです。上手いうまいうまい…。艶のあるいい女ぶり。ほれぼれと見とれる…。石川さゆりさんと北島三郎さんの「火」から「雪」もよかった。演歌の方は全員素晴らしい。歌の力が強い。

細川たかしさん、天童よしみさん、五木ひろしさんが、若い子達とがやがややってるのは頭を抱えたけど、これも紅白ならではでしょうか。上手い人達がもったいない気もする。
 
今後も演歌は大切にしたほうがいいと思う。(私は全く歌わないけど)カラオケで歌って一番気持ちがいいのは、実は演歌じゃないか思う。演歌が廃れるとカラオケ文化も廃れるかも。歌だけでドーンとパワーが出せる分野は残したほうがいい…というか、演歌歌手のように歌う力だけで真剣勝負出来る人々を残したほうがいい。舞台劇でも見ているような演歌は日本の極上の文化だと思う。
 
 
●歌の上手い人は演歌じゃなくてもやっぱりいい
 
一番すかっとしたのはいきものがかりさんかな…。彼女の歌い方は抑揚も感情もあまり感じないんだけど、ぱーんと音が正確で単純に気持ちがいい。余計なフリルがいらない声。あの安定感は天性でしょう。由紀さおりさんももちろん素晴らしい。彼女は本当に上品で美しいマダム。美しい声に美しいお姿。海外でウケたのも納得。素敵です。全く知らなかったけどHYさんの女性ボーカルの方もパワーがあって上手い。何気に西田敏行さんがとてもいいお声だといつも思う。MISIAさんはすごく上手いけど、あれは砂漠で本当に歌っていたんだろうか…だとしたらすごいです。
 
紅白は1曲だけの1発勝負。ソロのライブのように23曲歌って喉を慣らしてから…というのが出来ない。だから今回の紅白でも、最初の出だしで「おいおいおいおい大丈夫か」という方が実は結構いた。歌の上手さは一番。こういう番組では特にそれを感じる。それも面白いところ。
 
 
●それから
 
矢沢永吉さんはかっこいいです。実力で長年上に立つお方は迫力がすごい。それに斉藤和義さんが背が高くてビックリした。何故か知らねど小柄な方だとばかり思ってました。可愛いYUIさんという方は、ギター一本で肝の据ったパフォーマンス。かっこよかった。Aikoさんの歌はフュージョン/スムースジャズ風。いい曲。ところで舘さんのバックバンドに元カシオペアの神保彰さんがいたぞ…。それから永ちゃんのバンドのギターは BOWWOWの山本恭二さん、ベースはDimensionのベースの方、ドラムもフュージョンの方かも…豪華。あのバンドなら見たい。
 
 
単純にいろいろと楽しめました。あのごちゃごちゃな玉石混淆が面白い。お金をかけた演出も豪華で素晴らしいし、演歌の方々はやっぱり上手い。歌の力は大切。こういうお祭りはいつも楽しい。
 
旦那Aもとても楽しんだ模様。こたつにみかんは出来なかったけど、年越しケーキとコーヒーで観戦。彼も坂本冬美さんが一番だったと言っている。
 
Perfumeの感想はまた今度…。

 

2012年12月30日日曜日

I love Gingy=クッキーマン

 
ここ数日のマイブーム。
 
 
Shrek Moments - "Interrogating Gingy"

 
 
今年、2012年は絶対的に子供映画が足りなかった…。CGのアニメーション映画です。今年殆ど見た記憶がない…。「BRAVE/メリダとおそろしの森」も「マダガスカル3」も見ていない。これはいけない。
 
そんなわけで、ここ数日のホリデイシーズンにオンラインの映画サービスNetflixからいろいろと見ていたら、Dream Works「シュレック」シリーズのキャラクター「ジンジー」を再発見。ジンジャーブレッドマンの子。 (日本ではクッキーマンだそうです)
 
うひゃー可愛い。もうかわいくてたまらん…。
 
「シュレック」シリーズは2つしか見てなかったけど、こんなに可愛かったっけ? 今回見たのは「DreamWorks Spooky Stories」という小作品集。シリーズ全部見直そうかな。あまりオフィシャルな映像は無いのだけどこれは公式。消えないといいな…。
 
 
 
 

2012年12月29日土曜日

最近のPerfume:堂々としたパフォーマー達

 
 
今日この記事を見たんですよ。
 
 
Rockin'on Presents Countdown Japan 12/13 
 
 
 
日本ではこういうライブが昨日、開催されたそうです。この記事を読んでなんだか嬉しくなった。あーPerfumeは今最高なんだな…。
 
 
ソロのライブでもないのに、観客全員をこれ以上ないぐらい盛り上げて、会場を自分達のステージにしてしまったそうです。すごいよね。
 
いつもPerfumeは、フェスでの盛り上がりがすごいとは聞いていたけど、今回も素晴らしかったそうです。やっぱり今の彼女達のスター性がとてつもなくすごいからなんでしょう。踊れる良曲も、彼女達のダンスのキレも、楽しい話術も、全てパフォーマーとして一流なんだと思う。彼女達がその場にいるだけで、ファンじゃない人をも「うわーっ」と思うわせる何かがあるんだろうと思う。
 
 
また昔の話をするけれど、1985年の「ライブエイド」。何十組と一流のバンドが次々と演奏をしてきた当日のロンドンの会場で(出る人全員が大スター)、午後のステージに立ったQUEENが何曲か演奏する間に会場のノリを劇的に変えたんです。それぞれのバンドを見に来て、後は惰性でうだうだ見ていた観客を一気にひとつにしたの。その盛り上がり方が尋常じゃなくて、未だに「あの時のQUEENはすごかった。あの日一番のライブ。」と伝説になっているのですが…。
 
なんだかこの記事を読むと、Perfumeにもそんなとてつもないスター性が出来つつあるんではないかと…ちょっと思ってしまった。
 
 
とにかく今の彼女達はかっこいいんですね。問答無用に「うわーっ」と思わせる何かがもう身についているんだと思う。10年以上もやってきた経験からくる自信。何十(百?)とステージを踏んできた自信。今年のアジアツアーでまた大きな自信がついた。これだけ長い間やってきたからこそ持てる鋼のような絶対的な自信。今年1年でまた驚くほどの成長を遂げたんだろうと思う。
 
 
24歳というのは、若い女性が一番綺麗な頃。子供らしさも消えて本当に女性らしく綺麗になる時。最近のTV出演を見ても、ほんとうに綺麗で驚くほど。
 
それに単に綺麗なだけじゃない。この記事の3番目の写真なんてがっちり筋肉のついた大人の女性。アスリートのような迫力さえ感じる。もうニコニコして可愛いだけの女の子達じゃないですよね。
 
全員無茶苦茶ぶっちぎりでかっこいいんです
 
 
MCのレポでも、堂々としてて余裕。問答無用に会場全員を巻き込んでの「P.T.A.コーナー」に大合唱。あ~ちゃんが大声を上げて満面の笑顔で幸せを振りまく様子が目に見えるようだ。「おらおらみんなぁついてきとるんかぁー」のノリでガンガンに進むライブの会場は、ヘビメタガンガン男魂ロックのライブ会場に近いものだろうと想像する。
 
 
そうなのよ彼女達はむちゃくちゃかっこいいんだ
 
 
「気づけばこの広大な場所が「ワンマン・ライブの会場か?」っていうくらいにPerfumeのホームグラウンドと化している。…(中略)… ラストの“MY COLOR”でオーディエンスの腕が頭上に軽やかに揺れ、壮大な風景を描き出していく。(高橋智樹さん)記事抜粋」にもその様子が目に見えるよう。ちょっとドキドキする。
 
ほんとにPerfumeはすごいことになった。
 
 
 
 
 

2012年12月27日木曜日

映画『25年目の弦楽四重奏/A Late Quartet』:ショーは続いていくのか

 
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A Late Quartet2012年)/米/カラー
105分/監督;Yaron Zilberman
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派手な話ではないけれど、じっくりといい俳優さん達の名演を見る…というような映画。いい感じの小作品です。
 
国際的に活躍し、結成25周年を迎える「弦楽四重奏団」。ずーっとずーっと公私共に常に一緒だった4人の音楽家達。その中の1人が病気で続けられなくなってしまう。そこから少しずつこのカルテットを繋ぐ糸がほつれてくる…と言うお話。
 
こういう映画というのは、最初からいろんなことが明らかにはされない。淡々と4人の登場人物の日々を追いながら、玉葱の皮を11枚剥くように話が進んでいく。その進み具合がとてもゆっくりなので、じっくりと辛抱強く話を追う。そして次第に話が形を現してくるのを楽しむような映画。
 
世界的に有名な音楽家達の話だが、内容は誰にでも起こり得るような日常のいざこざが主題。個々のエゴや、男女間の問題、母と娘、友人でありながらライバルでもある仕事仲間との関係のバランス。誰が誰を好きで、誰を尊敬して、嫉妬して…。
 
今まで25年間、それぞれが「美しい四重奏曲」の一部としてバランスを保ってきたのに、一人が続けられなくなったことから、他の3人も少しずつ不協和音を奏で始める。その不協和音を追ったドラマ。
 
 
 
ちょっとネタバレかも
 
何よりもいい俳優さん達をじっくりと観賞できる映画。
 
フィリップ・シーモア・ホフマンさんがね…もう上手いですよねこの人。この俳優さんはあまりに上手すぎて、役がそのまんま本人に見えてしまうので怖いくらいの役者さんなんだけど、今回もじっくり見せてくれます。この人が嫌な役を演じるとそれだけでトラウマになってしまうぐらいで、それが嫌で(上手すぎるから)決してオープンに好きになれない俳優さんなんだけど、とにかく上手い。今回も「いろいろと不満で、不安で…それでもカルテットのために状況を甘んじて受け入れてきたちょっと哀しい男」を実にリアルに演じてます。こういう人いると思う。ちょっとかわいそうだ。
 
それからキャサリン・キーナーさん。まずこの女優さんの青い目と黒髪のコントラストがなんとも言えずミステリアスでいい。薄い目の色はどことなく哀しみを湛えてヨーロッパ映画にもいそうな雰囲気。今回の役は意志の強い芸術家の女性。でも決して嫌な女には見えない。カルテットの他の男性3人をこの人の視点から「一人を愛し、一人をパートナーとし、一人を欲している」と表現したのが印象的。黒いサンローランのドレスが素敵です。
 
もう一人の俳優Mark Ivanirさんは今まで知らなかった。いい味です。大変いい男なんだけど、こういう白髪の多い落ち着いた外見の人が年下というのは非常に気が滅入る…(笑)。
 
 
さてクリストファー・ウォーケンさん。この人のファンです。昔から妙な役が多い方だけど「ディア・ハンター」や「天国の門」「戦争の犬たち」のころは素敵でした。今回のこの役を見ていて、ふと思い出したのは高倉健さんの言葉。「俳優は生き方が画面に出る。黙っていてもカメラは俳優の日常の人となりを写し取る。」とおっしゃっていたのだけど、今回のウォーケンさんを見ていてそれを思い出した。
 
今回の役は四重奏団を率いてきたベテランのチェリスト。25年間も一緒のグループで他の3人の父親的なリーダーとして存在している。非常に上品な紳士。芸術を愛し、日々楽しみ、音楽家としての豊富な経験を若い世代に伝えている。この人物にはエゴが無い。ただただ芸術に人生を捧げた人物。私にはこのキャラクターにウォーケンさん本人を見る気がした。
 
ウォーケンさんはニューヨーク出身。子供の頃からステージに立ち、20代半ばから映画に進出。どんな役も受けて淡々と途切れることなく職業俳優を長年やってきた。賞をとってもエゴに染まることなく、「どんな役にも必ず学ぶことがある」と謙虚に、ただただ来た役を淡々と引き受け続けて来年で70歳。ユーモアに溢れ、俳優という仕事を愛し続けた日々。まさに全てを芸術に捧げた人生。業界でも愛され、大変尊敬されているこのお方は、ご本人も非常に素敵な紳士ではないかと思う。そんな彼本人がこの映画のキャラクターと重なる気がした。カクカクした台詞回しのこのお方が、上手い俳優さんなのかどうかは今もって分からないが、この映画の彼は素敵です。
 
 
最後は意図的に(だと思う)あやふやなまま終わる。ショーは続いていくのか、それともカルテットを繋ぐ糸はほつれたままなのか…は観客の想像次第。ベートーベンの「A Late (String) Quartet(後期弦楽四重奏曲)」作品131を聴きながら余韻を残して映画は終わる。ゆっくりと静かな大人の小作品。それぞれの人物の台詞が心に染みます。
 
 
 

2012年12月26日水曜日

NHK大河ドラマ 第50回 最終回「遊びをせんとや生まれけむ」


清盛君の大河ぼやきマラソン、完走いたしました! 途中で脱落もしかけたけど、さすが大河枠。やっぱりついつい見続けてしまった。
 
今回は1年分の感想を総括したい。辛口です。
 
 
しかし今年は苦しかった。いいところもいっぱいあったんです。例えば室内の美術。平安時代の建築の知識なんて無い私には、貴族の館などの内装はすごく綺麗で楽しめた。賛否両論だった画面もだんだん明るくなった。
 
平安を描くという挑戦もよかった。マンネリ気味の戦国や幕末に比べれば、新鮮で面白い題材だった。
 
リアルを追求する姿勢も悪いとは決して思わない。昔80年代までの、真正面から光を当てるようなライティングよりはずっといい。ただ問題はバランス。ケムケムのコーンスターチの多用や、逆光ばかりの初期の映像は確かに辛かった。そういうのも最近は改善して見やすくなってました。
 
俳優さん達は若い人ばかりで、説得力のある配役ではなかったと思うけれど、個々の俳優さん達は頑張っていたと思う。1年間の長丁場、視聴率の苦戦など、戸惑うことも多かったのではないかと思うが、全員1年間精一杯頑張ったことには大きな拍手を送りたい。おつかれさまでした。
 
ただやっぱり6050歳以上の人物を20代ばかりで見せるのはどうしても無理。これは配役が決まってしまってからはどうしようもなかったのだろうと思う。
 
 
しかし、視聴率の低下が予算にも影響したのか、最近は話を回していくのも辛そうだった。史実を見せずにナレーションのみ。俳優さんが演じるのは、個人の小さな話だけ。人物の気持ちだけで話を回していくものが多くなっていた。
 
そのあたりが、実は今年の大河の第一の問題ではないかと思った。大河ドラマはあくまでも歴史のドラマ。まず歴史のうねり、流れを描くのが基本。その大きな流れ(歴史)を見たいから「大河」を見る。その大きな流れの上に登場人物たちが乗っていなければ面白くない。それなのに、今年「大河」として描かれたのは、裏庭にチョロチョロと流れる小川のようなもの。そのせせらぎを後ろに聞きながら、人物が前面でうんうん唸って感情的な芝居をやっているような感じだった。だからつまらなかった。
 
史実を描く時も、大きな流れの中での事件というより、個々の事件がぶつ切りにツギハギされているような印象。羅列しただけ。そのせいで歴史のうねりが見えない。だからつまらなかった。
 
 
視聴率が落ちて予算が減ったために「大河の流れ」が描けなくなったのか、それとも最初から「大河」を描く意志がなかったのかは、今では分からない。鶏と卵のようなもので、それが私達視聴者に分かることはないのだろうと思う。
 
今週の最終回は、その「大きな河が描けなかった」最たるもので見ていて可哀相になるほど。絵として撮りたい場面(清盛の死、壇ノ浦時子、錨をかかえた知盛、額に矢を受けた弁慶)だけを撮影し、残りの人物は過去の映像の使いまわし。ドラマチックなはずの平家の滅亡を全て敵=頼朝のナレーションで足早に終わらせた。
 
それなのに、清盛が亡くなった後も、壇ノ浦、義経の最後、その後まで長々と話を引き摺った意図はよくわからない。ピンポイントで大雑把に事件だけを見せられてもなんの感動も沸かない。あれなら清盛の死から壇ノ浦までで終わってもよかった。
 
 
結局、このドラマの一番の問題は、何が描きたかったのかが見えなかったこと。歴史でもない。魅力的な人物でもない。人物同士の関係も双六をしてにらみ合うだけ。その上に、話を食ってしまう過剰な演出。意図が不明で鼻につく衣装、人物デザイン。くどい台詞の繰り返し。唐突でくどい音楽の繰り返し…。一貫性の無い人物像、話に思想や意図の見えない脚本を始めとして、これら周りの様々なものが不快な不協和音を奏でていた気がする。脚本が弱く、話の軸を真っ直ぐに通せなかったために、個々の不協和音が増幅されてしまったような感じ。結果「大河」が見えなくなった。そして人物達も話も見えなくなってしまった。
 
 
今年の大河は実験と言っていいのだろうと思う。その実験に乗っかった俳優さん達も辛かったろうと思う。もっともっといい話は書けたはず。もっともっと俳優さん達を活かす事は出来ただろうと思う。例えば今週、錨を抱えた知盛なんて大変な迫力だったけど、今まで過去に彼が表に出てきた場面は一度も無かった。知らない人物の大立ち回りを見せられても気持ちが動かない。盛国の上川隆也さんほどの俳優さんを、1年間も座らせてただけというのも信じられない。彼に限らず多くの俳優さん達が一度も輝くことなくこのドラマを通り過ぎていったんだろうと思う。ほんとうにもったいない。
 
もっと面白くなったはず。もっとドラマチックな大河に出来たはず。平安、源平だからダメだったんじゃない。人物さえ描ければ、平安、源平は決してつまらない素材じゃないと思う。むしろ私のように当時の歴史に詳しくない者には、戦国に比べれば新鮮で面白い素材だった。
 
ドラマは人物が輝くから面白いこと。そして何よりも、大河ドラマは歴史を描くからこそ面白いのだということ、1年もの時間をかけて丁寧に歴史を描くことは「大河ドラマ」だからこそ出来るのだということを、もう一度考えなおして欲しい…と思いながら最終回を見終わった。
 
それにしても老けない深田さんは綺麗だった…。みなさんお疲れ様でした。