能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

ラベル 平清盛 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 平清盛 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012年3月18日日曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第11回「もののけの涙」


ますます朝廷ダークサイドに突入のようだ。得子さんはいやだな。嫌われキャラまっしぐら。崇徳帝の棒の妙な感じがやんごとなきお方らしくていい。それにしても、この時代の天皇家、ほんとにいろいろと大変だったんだなと思う。権力と富と暇がありすぎると人間どこまでも堕落していく見本のようなものだろうか。あたりまえのことだが天皇家の人々も同じ人間なのだ。無論このような話日本だけではない。イギリス王室でも、フランスでも中国でも、あちらもこちらも権力の上に立つ人々のこういう類の話、世界中にころがっている。

この時代の頃の歴史を全く知らないので、宮中の権力争いがらみのことには毎回「へぇ~」などと驚いているのだが面白いなと思う。やっぱり、こういう楽しみは長い時間をかけて話を紡いでいける大河ドラマならではだろうと思う。感謝したい。欲を言えば、このあたりの話をもう一歩踏み込んで詳しくやって欲しい。

時代考証云々や人物の描き方など、こうしてくれればもっといいのになどと要望もあるが、もう文句だけを言うのは止めにした。それよりも楽しもうと思う。大河ドラマだもの。



今回は大好きな2人の女性がいなくなってしまって悲しい。たまこさまは出家するし、明子さんは亡くなってしまった。悲しい。この2人の美女、お2人ともそろって声が美しい。美人の定義ではまず顔が一番なのだと思うが、それ以上に女性の声というのもずいぶん印象が大きいものだと思う。得子さんがいじわるくがなりたててるのにたいして、この2人、声だけで美人だ。たまこさまがいろいろと乱れていたのに、どこか純粋で憎めなかったのも彼女の声のせいかと思う。明子さんの声も彼女の美しい顔と同じくらい涼やかで美しかった。もう、このお二人の声が聞けなくなるかと思うとかなしい。

余談だが、昔ロンドンに住んでいた頃、金髪の背の高いかっこいい青年が、大変小柄なインド人の女性にメロメロになっているのを目撃したことがある。バーとかそんな状況ではなく、単に会社の受付の女性と話していただけなのに、このスーツを着た育ちのよさそうな白人の青年、彼女と話しながら明らかにデレデレしていたのだ。階級社会の英国で白人のホワイトカラーの青年が異人種の女性に惹かれることはあまりない。この女性、見た目も可愛かったが、声が「」可愛いかったのだ。ちょっと面白い光景で記憶に残っている。いい声の女性は強力な武器を持っていると自信を持っていいと思う。ふふふ


ところで、関東の源氏サイドはずいぶん荒々しい。京都で比較的チャラチャラしている清盛君達と違って、義朝くんはかなり男っぽい。短い場面で残念だがこちらの話も面白そうだ。

それから清盛君、お坊さんを蹴飛ばしてはいかんと思うよ。お坊さんが可哀相だ。明子さんが亡くなったシーンで、こちらももらい泣きしていたのに、直後のこのシーンでまたまた大爆笑してしまった。あははははははは…まだまだ野蛮人ですね。こういうものも、ただゲラゲラ笑って楽しもうと思う。



2012年3月14日水曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第10回「義清散る」


うわー、コレは…、もう諦めよう。今年の大河に重厚さや真面目さや歴史的正確さを期待するのは諦めようと思う。いまさらか。痛いなあ…。期待していただけに…。

もう文句は言うまい。

平安の衣装やセットは相変わらず豪華だし、それはほんとに心から楽しんでいるけれど、脚本がお話にならない(大爆笑)。「義清散る」は「義清ご乱心」だ。もうね、トンデモ脚本、振り切れました。うわー。

義清、今回、たまこさまの首を絞めたり、いきなり可愛い娘を蹴飛ばしたり、なんだなんだなんだなんだ…なんなんだあれは…、脈絡いっさいなし。あれはただの変な人。いきなりキレるのかよー、おかしいですよー。それに鳥羽院も黙って見過ごしてくれたのに、自分から「オレは出家する!美しく生きたいのだ!」 え? 中宮を押し倒したり首を絞めたり、娘を蹴飛ばしといて何を言っているのよ…。それも吹雪のように桜散る中…(大爆笑)。清盛君、もうあと10回ぐらい殴っていいよ。

今回は主役の清盛君も脇。ほとんど宮中のぐだぐだで終わっちゃった。ありゃ~。

でもね、楽しんで見てます。結局日曜の夜8時、週の終わりにぼーっとして見る娯楽だと思えば、非常に面白く見れるのだ。非常に贅沢な娯楽だ。役者さん達はみんな素晴らしいと思う。子供の頃の記憶を頼りに、大河ドラマには「本格」とか「重厚」とかを無意識に求めてしまうのだけれど、実際にはいつの時代も、年寄りが若い世代の表現に文句を言いながら見ていたのではないか。同時代のドラマといえば大昔「草燃える」を楽しんで見た記憶があって、7年ほど前に総集編をDVDで見たら、やはりびっくりするくらい面白かったのだが、放送当時の大人達は、岩下志麻が「あなたぁ~」と甘い声を出すたびにを苦笑して見ていたと記憶している。そういうものなのだ。時代が変われば、その時代に合った演出や脚本というものがあるのだろう。
まあいいや。

今回の清盛君、出番が少なかったけど、十分大人になりました。多少癖のある役者さんなので、まだまだ何を出してきてくれるか予想が出来ないけど、楽しみにしたい。

義清のよく鳴く三毛猫はちとブサイクで可愛いな。しかし、得子は見るのが辛いですね。ああいう怒ってばっかりの女はきついな…、なんて私、十分楽しんでいますね、ふふふ



2012年3月5日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第9回「ふたりのはみだし者」


面白かった。映像は改善しました。今回は煙が少なくて見やすい。音楽も良かった。それに今回は長い場面が多い。解りやすかった。人物の大写しも多数。表情がよく見える。もともと顔の大写しが大好きなのだ。皇子の誕生祝でのひとりひとりの表情がとてもよかった。この大河、役者さん達はとてもいいと思う。


今週のダメだし
★…実は私、この平安時代の知識がまったくない。上下関係も、常識も、時代考証も全く知らない。この時代の歴史上の流れさえ知らない。平安時代は、源氏物語で男女間が多少ルーズであると思っているくらいだ。このドラマも、おおむね何があっても楽しんでいる。…が、それでも感覚で「あれれ」と思う場面があったので、そのあたりを…。
●自分の息子のお祝いで得子さん、あんなことをあからさまに言ってもいいものか。そもそも正妻よりも席が上座でいいの?上品な宮中と思えばあのような場面は信じ難い。それに得子さん、たかが側室。自分の地位も上皇次第なのに、そんな国の最大の権力者に公衆の面前で(犬も見ている)恥をかかせていいものか?それに、本妻をなじり泣かせていいのか? 本末転倒では???自爆するぞ。
●義清はたまこさんに庭で、あんなにオープンに近づける身分なの?いいのかな?武士は犬だぞ。中宮に触ってもおとがめなしなの? 家宅侵入罪で逮捕されたりしないのかな?展開が唐突すぎる。
●清盛は、自宅であるとはいえ、皇族に刃物を抜いたら、逆賊扱いされるのでは?

…とは言っても面白かった。しかし、あの上皇を囲んでの痴話劇は喜んで見ていいのかわからない。御所であんな大惨事(笑)。ありえないと思う。けれども役者さんはいい仕事をしてると思います。配役もいいと思う。1場面も長いし、俳優の顔の表情を見ることが出来た。
それに、御所の様子はほんとに豪華。今回は煙も少ない。屋内の様子は非常に美しい。セットにお金をかけているのが見てて楽しい。崇徳天皇の奥さんは能面顔メイクだし。うれしいな。ごみごみした町の様子もいい。

…が、全てに賛同するのは難しいところだ。こういう痴話沙汰を喜んで、時代の常識やタブーを無視した大河ドラマが当たり前になってくることが、いいことだとは決して思えないからだ。これからこの大河がどういう方向に進むのか、全ては脚本家がこのドラマで何を描きたいのかにかかっている。出来れば、私のような無知な視聴者に、歴史をしっかり正しく教えてくれるような正統派大河ドラマの方がいい(そんなものは存在しないのかもしれないが)。


それはそうと、雅仁皇子(松田)は良かった。ちと言葉が聞き取りづらいけど。こういう格好がとても似合う。この人のまっすぐな鼻に丸い頬は昔の仏像の彫刻のようだ。清盛のもっさりした外見にくらべて、いかにも高貴な雰囲気。しかし、この人が自ら清盛に「キミは僕の曾おじいちゃんの子供なの?」と、なんともオープンな話しをしてびっくりした。あんなにあけすけなものだろうか。
ところで、前から書こうと思っていたけどたまこさまは、なんと綺麗なんだろう。この檀さんという女優さんには、ほんとに華がある。こういう平安の衣装と髪型がとてもよく似合う。まさにはまり役。いままで、こんなに綺麗だと思わなかった。うっとりするほど美しい。この、ふわふわゆらゆらした美しさ。そういえば顔の形もうりざね顔だ。あんなにいろいろと乱れているのに清らかでイノセント。ああこの人はほんとに、なんにもわかってないんだろうなーと納得する。この女優さんはものすごく上手いんだと思う今回、なんと「愛することがわからないの…」とお泣きになった。濃いな。素晴らしすぎる。上皇が彼女を忘れられないのもあたりまえだ。こんなに綺麗なんだもの。こういう不安定な女性は(上皇が)がっしり抱きしめてあげればそれでいいのに…。この大人の美しさで、ぜひ私の『妄想源氏物語』の藤壺をやっていただきたい。
たまこさまにせまった義清は、ちょっと棒だったと思うけど(恥ずかしかったのか)やっぱりイケメンである。(こういうところで喜んじゃいかんが)
清盛君は、パパにもなったし成長しました。感情の波がありますね。もう少し綺麗な格好をしたほうがいいと思う。ところで、最後のすごろくの場面。子供が2歳ぐらいに見えたのだけど、この1話で2年も経ったの?

ところで、NHKのサイトに行くと、「ひと目でわかる今週の朝廷!」というページが出来ていた。いよいよ本腰を入れて朝廷ダークサイドに突入するらしい。今回の視聴率、また下がったらしいのだが、これは、今週というより、解りづらかった先週の影響だと思う。毎回、前回の良し悪しが視聴率に影響するのでは。



2012年2月28日火曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第8回「宋銭と内大臣」


視聴率、苦戦しているようだ。そのことについて今日は真面目に考えたい。
最初にこの回を見たとき、つい途中で眠くなってしまい、うつらうつらしてしまったので、もう1度見ることにした。2度目に見ると1度目よりも面白い。話の内容も既に見ているので解りやすい。実は以前にも2回見たら1回目より面白かったことがあった。なぜだろうと考えてみた。
なんとなく思うところがあったので、もう一度見てみたそれで気付いた。この平清盛、一場面一場面が異様に短いのだ。殆どの場面は1分未満から1分ほど。一場面で話が盛り上がる前に、ぶつっと切れて次の場面になってしまう。数えてみたら、なんとこの1話で28場面もあった。一場面で3分以上のものが2つしかない。一つは、上皇の菊の宴で344秒。もう一つは藤原頼長(山本)が清盛を呼び出した場面で748秒。それ以外は全てほぼ1分前後だ。短い場面など20秒しかない。これでなぜ2度目が1度目よりも面白いのかがわかった。場面の切り替わりが早過ぎて、1度見るだけだと何が起こっているのか非常にわかりずらいのだ。
低視聴率の理由も、これではないだろうかと思い始めた。というのもこのドラマ、どうもつかみどころがない気がしていたのだ。もう8回目だし、そろそろ人物のリアルな人となりもわかってきそうなものだが、どうもはっきりしない。性格描写が足りない気がする。それぞれの人物がまだよく解らない。上皇(三上)もたまこさま(檀)も、得子さん(松雪)も、義清(藤木)も何を考えているのかわからない。得子さんはどうしてあんなにいつも怒っているのだろう。たまこさんはどうしてあんなに空気なのか。平家もそう。忠正叔父さん(豊原)は、なぜそこまで清盛を嫌うのか、理屈はわかっても感情の根拠が無い。要は魅力的な人物、または「理解できる」人物が少ないのだ。
一人ひとりの演技をじっくり見てみると、みんないい表情をしている。優しい家貞(梅雀)なんて特に魅力的だ。なのに好きになれるほど印象的な場面の記憶がない。もしかしたら脚本上、一つの場面が短すぎて人物描写まで出来ないのではないだろうか12分で変わり続ける場面を追いかけていくのがやっとで、ストーリーや人物描写、演技を楽しんでいる暇が無い。非常に忙しい。結果、毎回なにが起こっているのかさえわかりずらい。確かに今回、頼長と清盛の場面は長かった。しかし、あの場面もそれほど緊張感のある見せ場には見えなかった。なぜだろう。それは唐突だからだ

過去の大河『龍馬伝』を思い出してみる(これも視聴率は低かったらしいが、話としてよく出来ていると思うので、比較するため例とした)。家族と龍馬、老いた父親が浜辺で話す場面。武市半平太と奥さんの最後の晩餐。山内容堂が武市を牢屋に訪ねる場面。後藤象二郎と龍馬の清風亭の対決。これら、私にとって思い出深い場面は全部一場面が長かった。話の構成も、前の場面を積み重ねながら次第にこれらの場面につなげていく描き方だったと思う。
早速録画していた『龍馬伝』を見直してみた。やはり1話の中に35分の場面が5回ほどある。1から3分程のいくつかの場面が繋がって一場面と考えられるものもあり、ひとつの流れとして話が20分も続くものがある「第29回・新天地長崎」。「第40回・清風亭の対決」の場面など14分も続いた。対決場面に至る前に5分の場面が2回あって話を盛り上げている。話が解りやすい。

単純に場面の数を比べてみよう。『龍馬伝』
29回 1話 19場面(丸山町を全20分の一場面とすれば8場面
40回 1話 13場面
それに比べて『平清盛』
8回 1話 28場面 かなり違う。

録画を残しているので、過去の『平清盛』も見直してみた。印象に残った第4回「殿上の闇討ち」では23分の場面もいくつかあって、もう少し落ち着いて見れた。今回の回が特に落ち着きが無かったのかもしれないが、『龍馬伝』と比べると違いははっきりしている。

ともかく、視聴率は苦戦している。いままで、理由も無く好き嫌いだけで批判をするのはやめようと思っていたが、ここにきて、私の個人的な意見をまとめてみようと思った。問題点のリストだ。今回の第8回を主に対象にしている。
1.編集
面場面の切り替わりが早過ぎる。このままではキャラクター全員のつかみどころが無いまま回数を重ねてしまう。人は人に惹かれてドラマを見る。もう少し、腰を落ち着け、人物描写をしっかりするような編集であってもいいのではないか。
2.脚本
編集とどちらが先なのかわからないが、問題は同様だ。一場面が短すぎて、登場人物の描写が満足に行われる前に次の場面に移ってしまう。これでは、どの人物に心を寄せればいいのかわからない。
3.コーンスターチ
リアルだからいいのだと思っていた。しかし今回8回目。だんだんうるさくなってきた。今回の1場面、弟家盛(大東)が女性と会う竹林の小道。竹を通した日の光がさわやかで、初々しい若者の逢瀬の場面として綺麗に仕上げることもできただろうに、家盛の顔のまわりを漂う白い煙。やっぱりおかしいと思う。やりすぎだ。市場にも庭にも室内にも白い煙が見える。せめて場面を選んで適宜必要な効果としてやってほしい。このせいで、人物の顔が見えないことが多い。
4.カメラ=光の処理
光の加減も変だと思う。白が異様に強すぎる。室内から撮った映像は軒下と柱の向こうに見える庭と空が、真っ白でまぶしくてしょうがない。床に反射した光もまぶしい。屋外の映像は空の白が強すぎて、人物の顔が見えない。白が際限なく広がって人物を消している。これはコーンスターチのせいだけではない。『龍馬伝』でも空が白くてまぶしい場面はあったが、これほどではなかった。カメラの感度の設定がおかしいのではないか。
5.音楽
今回どうも無駄に曲が流れた。崇徳天皇(井浦)と義清の場面のピアノ。清盛邸での宴会の後、夜の場面でのピアノ。最後の清盛邸で、明子懐妊の知らせの場面のあたりも、かなりうるさいオーケストラの曲が流れていた。唐突なのだ。必要が無い。場面にマッチしていない。特に今回はどうしたものかと思った。(音楽に関しては今回のみ気になりました。以前に気になったことはないです。タルカスも「遊びをせむとや…」の歌も素晴らしいと思う
こんなところかな。視聴率が苦戦している折、一視聴者としてなぜなのか感じるまま書き連ねてみた。衣装やセットは綺麗でいいと思うし、俳優さん達もかんばっていると思う。ただ忙しい編集と多すぎる場面の切り替わり、映像の妙な光の加減で良さが消されてしまっている。もったいないと思う


2012年2月20日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第7回「光らない君」


この大河、初回で「本格歴史大河の雰囲気。これは楽しみだ」と書いたのだけれど、もしかしたらイロモノ大河かもしれないと思い始めた。イヤそれが悪いわけではなくて、そういうものだと思わなくてはいけないのかなと…。

武家の御曹司、清盛。今日の回で19歳(頃?)。元服もずっと前に済ませて、位もあって御所にも出入りしているのに、まだ薄汚い格好でガウガウ言っている。御所に上がったらもっとまともな装束を着てないといけないのではないか(詳しくないのでよくわからないが)。当時の19歳なら責任もある立派な大人なのに、台詞も振る舞いもまだ13歳ぐらいのノリ。脚本家と演出家のアイデアなのだろうが、松山さんもちょっと演技に力が入り過ぎていないだろうか…。などと思ったが今週の女性とのやりとりを見ていてこれは「平成っ子、平安に行く青春話」なのだと思いついた(それでもちょっとヘンだと思うが)。うわー。

歴史の場面に現代人のキャラクターを持ってくる設定は結構ある。映画「タイタニック」は、あの時代に突如出現したアメリカの現代っ子(デカプリオ)の話だったし、アメリカ人の作った「硫黄島からの手紙」でも日本の兵士が平成の男の子(二宮さん)のしゃべり方。娘コッポラの「マリー・アントワネット」もそうだし、去年の大河「江」もそうだし、この大河もそうなんだろうな。そうだとしたら、リアルを求めてもしょうがないのかもしれない。だから得子が鳥羽上皇を昼間から押し倒しっちゃったりするのか。うーん。

…が、そうだと思って見れば結構面白いのかも。この時代には興味があって映像化を楽しんでいるし、まいいか…。

さて、今週の目玉は二人の女性の登場なのですが、

まず明子(加藤あいさん)。初めて見たけれど、この女優さんはいいですね。まず顔が大人顔。繊細な感情の表現も出来るし、いい感じです。

そして時子(深田恭子さん)。この女優さんは何度か見たことがあるけれど、非常に可愛らしくて29歳に見えない。そう、子供顔なんですね。それにあの可愛い声。だから今の彼女の年齢でも高校生から20代前半なら最高に可愛い。今の時子ならいい。…が、この大河、もし初回の冒頭であったように、平家滅亡まで描くのだとしたら、深田さん、あのルックスとあの声でだいじょうぶか…。
この時子、「清盛亡き後は、宗盛や建礼門院徳子の母である時子が平家の家長たる存在となり、一門の精神的支柱として重きをなした(Wikipedia)」そうで、亡くなる時点で59。壇ノ浦で孫を抱いて海に沈むわけで…ほんとうにだいじょうぶなのか…。

最近の大河で気になるのは、主役の若い女優さんたちが全然歳をとらないこと。髪も真っ黒。皺ひとつ無いつるっとした顔。「功名が辻=ちよ」が亡くなった時60歳。去年の「江」は家康が亡くなった時点で43歳。どちらも主役の女優さんたちがほぼ彼女達の実年齢にしか見えなかったので最近の大河はそういうものなのかと思ったのだけれど…。

平成やんちゃ現代っ子清盛に深キョン時子…、本格重厚時代劇は無いかもしれません…。ちょっと悲しい。

追記:
平盛国になった元鱸丸の上川隆也さん、「功名が辻=一豊」と、「龍馬伝=中岡慎太郎」と今回で3回目に見るのだけれど、この俳優さんは毎回役のオーラが全然違うのでびっくりする。まるで別人。すごく上手い俳優さんなんだろうなと思う。

それから璋子たまこさま(檀れい)この空気っぷりは毎回たまらない。笑

2012年1月30日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第4回「殿上の闇討ち」


毎週感想を書くつもりはないのだけれど、やっぱり今週も面白かった。中井貴一パパはかっこいい。ほんとにいい。今日は見せ場があった。『王家の犬になるつもりはない』そうだ。清盛君もとても嬉しそう。
よかったね

この中井貴一パパ、昔「ふぞろいの林檎たち」で若いのかトシなのか微妙な大学生を演じていらしたのだけれど今ほんとにかっこいい。あれから30年近くたった。彼が出てくると画面がピシっと引き締まる。声がいい。所作が美しい。清盛との親子関係も素晴らしい。やんちゃ坊主な息子を、言葉少なくも暖かく見つめる懐の大きな親父の姿がとてもいい。これからも、もっとビシビシ清盛を叱り飛ばしてほしい。

画面も相変わらすゴージャスでとてもいい。贅沢な画面だ。NHKさんの公式のサイトを見たら、今年は製作の方々、とても気合が入ってるらしい。「坂の上の雲」も終わったので予算が多く使えるんだろうか。ますます楽しみだ。

それにしても、男のドラマはやっぱり面白い。日本の歴史、ほとんどは男が作ってきた歴史だ(世界中そうだけど)。そのせいだと思うが、やっぱり男主役の歴史ドラマの方が断然面白いと思う。儒教などで世の中がそうだったのだからしょうがない。これは女性がどうがんばってもどうにもならないことだ。これからも質の高い歴史ドラマをやるのなら、きちんと男らしい男を演じられる若い俳優さんを育てていくしかないと思う。

NHKさんこの調子で迷わずがんばってください。オネガイ。もっともっと平安の時代にタイムスリップしたい。この調子ならDVDも購入するワ。

2012年1月23日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第3回「源平の御曹司」

さっそく面白くなってきた。この松山ケンイチという俳優、おもしろいなぁー。この人の顔を見ているだけで45分あっという間に過ぎてしまう。

いつも三白眼の大友克洋のマンガみたいな顔。いつもガウガウ言って、気に入らないとすぐにふてくされ、パパに叱られると口をへの字にして大粒の涙をこぼし、びっくりすると黒目が左右に小刻みに動いてうろたえる。まるでハナタレ小僧のガキ大将のようだ…と思ったら、この清盛14歳だそうだ。またガウガウ言って、気まずくなるとバタバタドタドタとガニマタで走り去る。びっくりした時の、「え?」のタイミングが下手なコントよりずっとおかしい。ほんとにおかしい。まるで一場面一場面がギャグマンガのようだ。

この大河はこの面白い俳優さんを見てるだけで一年が終わってしまうかもしれない。上手いんだと思う。なるほど14歳の「将来の大物」ならこんな感じの設定でもいいのかもしれない。これから大物「平清盛」に化けるのだとすればこれは楽しみだ。

平家の歴史は全く知らないのだが、このまま面白く続いていくのなら何か読んでみようかな。いろいろと巷では視聴率が云々などと少し心配だけれど、NHKさんにはこの調子で思いっきり突っ走ってほしい。

この松山ケンイチさん、一度対談か何かでTVで見たけれど、素顔もなんだかもっさりとしていて、いまどきの若い俳優さん達の中では際立って男(の子)っぽく、どこか予測不可能な荒々しい感じもあってなかなかいいと思う。役柄への取り組みも毎回体当たりらしいし、東北訛りも「東京に負けない」ためにも治すつもりはないと言ったそうで、こういう癖のある俳優さんはますます楽しみだ。その素顔の感じが、どこか故松田優作さんを思い出させるので、ネットで二人の名前を検索したら、なんと本人がファンなのだそうだ。松田さんには過去の映画で強烈な印象があるのだが、松山さんにも松田さんと同じような荒削りな男臭さを感じる。こういう人は将来化けるかもしれぬ。これは楽しみな俳優さんだ。

2012年1月19日木曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」初回「ふたりの父」


録画しておいた「平清盛」の初回を見た。いい感じですね。最初の人間の登場が砂にまみれたふんどし姿のお尻群ですもの。笑

最近の大河は、女性向けのドラマと、映像リアリズムドラマと交互にやっているのだろうか。去年は甘すぎて好みに合わなくて頭を抱えたが、今年はまた適度な歴史リアリズムでやってくれるらしい。

白塗り眉なしの宮廷の人々、汚れだらけ血だらけしみだらけの武士に盗賊、煙ったような光、暗い室内…。2年前の「龍馬伝」の時も、映像のリアリズムが話題だったが、今回も同じようなカメラを使っているのかなかなかいい感じだ。

(あくまでも個人的な好みなのだが)歴史ドラマや歴史映画は出来るだけリアルにやってほしい。というのも以前から歴史物の映画でのリアルな表現を見て、昔の時代に思いを馳せるのが好きだからだ。映画やドラマを見て、もっとその時代のことが知りたくなり、小説を読み、資料を読み、いろいろと想像するのが楽しい。西洋の歴史映画は、「クレオパトラ」など60年代のいかにもハリウッド風な映像の時代を経て、ここ20年ぐらいは(?もっと前からかな)視覚的にリアルなものが多いように思う。「グラディエーター」「エリザベス」「キングダムオブヘブン」「王妃マルゴ」「ダントン」…等々例をあげればきりがない。その時代の空気感や匂いまで感じられそうな映像は、見ていて非常に楽しい。

詳しくはないが歴史が好きだ。政治云々などよりも、その時代時代の生活の様子を想像するのが楽しい。衣服はどんな感じだったのか、化粧は、髪型は、街の様子は、農民は…。何を食べていたのか、お風呂に入ってないのよね、夜の室内はどれぐらい暗いのか、十二単は重いのか、長い髪もやっぱり重いのか、刀はどんな音がするのか…。それからその時代の空気感。生き難さ、苦しさ、悲しみ、つつましさ、宗教の重み、男女間の位置、階級、習慣等々、言い始めたらきりが無いが、そういうものが(現代の私達が想像できる範囲内でいいから)納得できるリアルさで作りこまれていればいいなと思う。たかがドラマ、たかが映画、結局は娯楽でしかないのだが、歴史好きにとってはリアリズムこそが最高の娯楽になる。もちろん内容も正確であればもっといいが、ドラマ仕立てであることが前提でドキュメンタリーではないので、ストーリー上の多少の妥協はやむをえないと思う。いや仮説レベルの事柄を取り入れるのなら、それこそが歴史娯楽の醍醐味だとも思う。ともかく歴史物は面白い。


学生の頃は、西洋史が好きだったが、今は日本史も好きだ。日本の歴史物は大河ドラマが一番だ(そうあってほしい)と思うので、まず映像を含めたリアリズムに気合が入っているととても嬉しい。「風林火山」や「龍馬伝」の男男したうす汚い感じや、歴史上の場面場面の崖っぷちな緊張感はとても良かった。どうやら今年の「清盛」もそちら系らしい。このドラマの時代、平安末期のリアルな映像化はあまり見た事が無いのでとても嬉しい。

それにしても、血糊は飛ぶし、上皇はまず見た目が怖い上に孫の嫁とはいけない関係だし、清盛のお母さんはいきなり殺されるし…今年の大河はなかなか毒があっていい。中井貴一さんは男おとこしてるし、子供は松山ケンイチさんに似ているし、女優の化粧も薄いし、なかなか楽しみだ。 吹石一恵さんを初回で消してしまうのはもったいない気もする。綺麗ないい女優さんだ。出来れば三上博史さんにも、藤原忠実の國村隼さんのように眉を剃って麻呂眉を描いてもらいたい。

ひとつ気になったことを。これもリアリズムの解釈なのだろうが、人が斬られるときに「ブシュゥゥゥゥゥゥ」とか「ギュゥゥゥゥ」など、カタカナで書けるような大きな音がするのはいかがなものか。それから、舞子が矢で射られた瞬間に着物の厚みを通して血が吹き出てくるのもどうかと思う。血のしみが少し間を置いて静かに布地に広がるだけでいいのではないだろうか。これに限らず最近の日本の時代劇映画も血が不自然に飛び散るものが多くてどうもいけない。リアルじゃないと思う。残酷さを娯楽にする必要はない。

ところで、オープニンングのクレジットに「タルカス」と「キース・エマーソン」の文字を見た。????実際の音楽は良く知らないが、プログレ関係の人というのとアルマジロ戦車のアルバムジャケットぐらいは知っている。いったいどうしたんだろう。面白いな。