2026年9月24日木曜日

DHT Musical★『レ・ミゼラブル/Les Misérables』





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Les Misérables
Music by Claude-Michel Schönberg
Lyrics by Herbert Kretzmer
Original text: Alain Boublil, Jean-Marc Natel
Book: Alain Boublil, Claude-Michel Schonberg
Basis: "Les Misérables" by Victor Hugo
Premiere: 24 September 1980: Palais des Sports, Paris
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8月にホノルルのコミュニティー・シアター Diamond Head Theater(DHT)でミュージカル『レ・ミゼラブル/Les Misérables』を見てきた。感想を書くのが大変遅くなってしまった。忘れないうちに書いておかなければ(毎回言ってますね)。

『レ・ミゼラブル/Les Misérables』って…すごいでしょう?コミュニティ・シアターがこんなに大きな作品をきちんとセットを組んで演るのですよ。本気です。中途半端にやっていない。すごいな~と思う。

去年から今年にかけて続いていた今シーズンは、DHTの創立110周年記念のシーズン。そのシーズン最後を大掛かりな『レ・ミゼラブル/Les Misérables』で締める。記念の公演なのですね。


そうなの。ホノルルのダイアモンド・ヘッド・シアターは今年でなんと111年間も続いている劇場なのです。この劇場が始まったのは1915年。最初は小さな映画館だった建物を使って、芝居好きの人々が111年前に始めたのがDHTの始まり。数年前に建物を建て替えて、今は立派な劇場になりましたが、それ以前にあった古い劇場には、20世紀中期のステージの様子を写した白黒の写真が壁に沢山飾ってありました。DHTは「太平洋のブロードウェイ」と呼ばれ、全米で3番目に長い歴史を持つ、継続的に運営されているコミュニティー・シアターだそうです。


さてその110年を記念したシーズン最後の大作。

素晴らしかった!



またまた大絶賛!感謝感謝。やっぱり演劇/ミュージカルはいいよね~と思った。芝居と音楽への情熱と愛に溢れるDHTは111年目にもキラキラと輝いてます!



またまた海亀の「すごいね~すごいわ~感動」しか言わない大絶賛の感想文。

これも有名な作品ですね。原作はフランスのヴィクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル/ああ無情』。オリジナルのフランスのミュージカルは、1980年にパリで初演。その後キャメロン・マッキントッシュによる英語版が1985年10月からロンドンで上演され、そのミュージカルは現在も継続して続いているそうだ。NYブロードウェイをはじめ世界中で繰り返し公演されている大作中の大作ミュージカル。
 
さてこのミュージカル、ロンドンのウェストエンドでは以前「Palace Theatre」で2004年まで公演されていて…いかにも大きな劇場だったので当時の劇場の外観の様子はよく覚えている。残念ながらこのミュージカルも私は見ていない。見ておけばよかった(当時の私の英語力では内容を理解できなかったと思うけれど)。

この作品は2012年には映画化。これは私も映画館に見に行った。しかしこの時も完全にストーリーが理解できたとは思わない笑。ワタクシ海亀、ミュージカルの言葉を聞き取るのが大変苦手なのです。映画はラッセル・クロウとヒュー・ジャックマンとアン・ハサウェイをよく覚えているけれど、内容はよくわかっていなかった。こんなに有名な作品なのに…苦笑。歌のメロディだけはよく覚えたけれど。


というわけで、今回のミュージカルにはきちんと予習をして臨みました。ネットであらすじを読み、YouTubeで音楽を(字幕入りで)聴きつくし、全体の流れをつかんで、歌も耳に馴染むくらいに準備してから劇場に出かけた。  

たぶんそれがよかった。ショーは最高に素晴らしかった。またまた拍手喝采。最後は劇場の観客全員でスタンディング・オベーション。この太平洋の真ん中でDHTはこんなにも頑張っている。本当に素晴らしいステージでした。

もちろんロンドン・ウェストエンドやNYブロードウェイに敵うとは思えない。しかしこのシアターは独自に自由に…本当に本当に素晴らしい芝居をやっている。またまた感動。


ストーリー
● 時は18世紀末。パンを盗んで19年服役したジャン・バルジャン。しかし世間は彼に厳しい。教会の司教が彼を受け入れ泊めてくれる。そこでバルジャンは司教の銀食器を盗むが、司教は赦してくれる。感銘を受けバルジャンは正直に生きることを誓う。
● バルジャンの正体を疑うジャベール警部が彼を追いかけている。
● その後バルジャンは工場経営で成功を収め、マドレーヌと名前を変え市長となっている。従業員の女性フォンテーヌはシングルマザー。宿屋を営むテナルディエ夫妻に娘コゼットを預けて働いている。しかしフォンテーヌは上司のセクハラ+同僚からの意地悪で仕事を失い身を落とす。その後彼女は病死。バルジャンはフォンテーヌの死後、娘コゼットを引き取り育てる。
● 成長したコゼットは、革命を志す学生マリウスと恋に落ちる。マリウスに片思い中のエポニーヌは、宿屋デナルディエ夫妻の娘。
● 1832年のパリの民衆蜂起(六月暴動)の中、バルジャンはマリウスの命を救う。そしてまたバルジャンは、警察のスパイとして暴徒に捕らえられたジャベール警部の命も救う。ジャベール警部は戸惑い自分を見失う…川に身投げ。
● その後バルジャンはコゼットとマリウスに愛されながら穏やかな最後を迎える。

長いですが、難しい話ですね。時代が変わるのに追いつけなかったのだな。内容を呼んでもやっぱりわかりづらいという笑。いや今回はちゃんとわかりましたよ。十分理解しました。舞台を見ていて何が起こっているのかもわかったので大丈夫でした。


今回の舞台の監督さんはハワイ・オアフ島のカイルア出身。NY大学で演劇を学び、ブロードウェイの『レ・ミゼラブル』のリバイバルではマリウスの控え俳優(アンダースタディ)を務めた。数々のブロードウェイのショーでステージに立ったプロ。その彼が今回DHTで監督と振りつけを担当。プロの方が関わっていたのですね。ジャン・バルジャンを演じるのは米国のTV番組『American Idol, Season 4』に出演したお方。プロの方が関わるとレベルが上がる。このプロダクションの質の高さに納得。


『レ・ミゼラブル/Les Misérables』のミュージカルとは、大舞台では大掛かりなセットのステージで有名なショーだと思うのだけれど、このDHTでの公演は規模を小さくしながらもほとんど違和感を感じないほど素晴らしかったです。ストーリーがきちんと舞台上で語られているのがその理由だと思う。ストーリーを表現するための創意工夫、クリエイティビティがいたるところに見えてそれが本当に素晴らしかった。

例えばフォンテーヌが身を落とす売春宿での「Lovely Ladies」のシーンでは、女性が6人ぐらいしかいない(大きなステージでは20~30人ぐらいいる)のだけれど、衣裳をそれらしく、彼女達が宿のドアを開けて出たり入ったりしながら売春宿の様子が表現される。

第2幕の最初、半透明のスクリーンの向こうでゆっくりと動く群衆はまるでスローモーションの映像を見ているようで感嘆。

組み建てられたバリケードは小さめだけれど、ストーリーに没頭しているので違和感を感じない。役者さんの熱量に押されていたのだと思う。蜂起した民衆がバリケードからステージの後ろに向かって銃を向けているのだが、後でステージが回転すると、そのバリケードの下で亡くなっている少年が見えて驚く。

ジャベール警部は最後に橋の欄干に見立てたセットからこちらを向きながら、欄干の向こう側に両腕を広げたまま背中から倒れて視界から消える。それがとてもリアル。

…などなど色々とありましたが、セットの効果的な使い方が面白かった。


役者さん達も皆さん素晴らしかったです。主役のバルジャンはプロ(ちょっと若いと思ったが)、恰幅のいいジャベール警部の存在感もいい。フォンテーヌを演じたのは、以前『スポンジボブ』でリスのサンディを演じた女優さん。アンジョルラスは以前『ウェストサイドストーリー』でリフを演じた上手いお方。マリウスは『The Last Five Years』のジェイミー…などなど馴染みの役者さん達のお顔が見えるのも嬉しい。

今回誰よりも素晴らしかったのは、テナルディエ夫妻の夫、宿屋の主人を演じたPresley A. Wheelerさん。私はこのお方の大ファンになってしまった。テナルディエとは強欲で卑劣な宿屋のオーナー、コミカルで強烈なお騒がせキャラなのだけれど、ま~~~この Wheelerさんのテナルディエが面白いのなんのって…。大好き。

Wheelerさんを最初に拝見したのは『スポンジボブ』のプランクトン。そして『ファニー・ガール』ではジーグフェルドもなさっていた。このお方はステージ上のカリスマがとてつもない。存在感がすごいのです。毎回「この人、おもしろい~」と見とれる。今回のテナルディエでは彼の魅力が大爆発。おそらくテナルディエのキャラとしては少しお若いのだろうと思うけれど、とにかくこのお方は面白い。コミカルさに輪をかけて悪ふざけ満載の面白キャラになっていた。ストーリーがシリアスなので、彼と大柄な奥さんのシーンは大爆笑。彼が出てくるだけで目が惹きつけられる。そして御本人が心の底からこの役を楽しんでいるのも伝わってきて楽しかった。なんというか…彼が出てくるとステージ上を支配してしまうので他の役者さんが霞んでしまうほど。こういうのを天賦の才と言うのだろう。

Wheelerさんはちょっと中性的な魅力で…旦那Aと「彼はミュージカルの『キャバレー』でエムシーをやってほしいね」などと話した。もしそうなったらすごいな。


歌は映画などで聴いていたので馴染みがあるのもよかった。ミュージカルの歌は事前に知っていた方がショー全体ももっと楽しめる。生の歌声は迫力があっていい。「Do You Hear The People Sing?」の群衆のコーラスに感動。美しい「I Dreamed a Dream」、楽しい「Lovely Ladies」、コミカルなテナルディエの歌う「Master of the House」、マリウスに片思いするエポニーヌの「On My Own」では思わず泣きそうになった。いい曲が沢山。

しかし歌詞を聞き取るのは相変わらず難しい。ただでさえ複雑な話なので、内容を知らなかったらほぼ歌詞を理解するのは私には無理。ますますミュージカルやオペラに「予習」は大切だと思った。


色々と書きましたが、とにかくまたまた楽しかったDHTのミュージカル。あの有名な『レ・ミゼラブル/Les Misérables』を初めてこのシアターで見れたのはむしろ幸運だったと思います。大都市を訪ねて忙しい観光のひとつとして観劇するより、落ち着いた環境でしっかりと予習してこの作品の内容をじっくりと味わいながら見れたのはとてもよかったです。大変素晴らしかった。

DHT 様、110周年おめでとうございます。
毎回毎回感謝してます💕💕💕💕