面白かったです。残念ながら最初から見てなくて、実際に番組を見始めたのは3回目。もしかしたら最初の面白いところを逃したのかもしれないけど十分楽しめました。
最終回は時間が足りなかったんでしょう。あまりにも急ぎ足でやっつけ感がすごかった。そのため、作品全体として最後までクオリティーを保ったとは言い難いのだろうけど、第6話まではかなり入り込んで見てました。
私ぐらいの年齢になると、どんなドラマを見ても「そんなことは言うわけないだろ」とか「そりゃー矛盾してる」などというところが結構目に付いたりするんだけど、このドラマでは6話までほとんど違和感を感じる事がなかった。それが話に引き込まれた理由の一つ。ドラマなんて完璧でなくても、それなりに話や台詞を自然だと思えれば入り込む事が出来る。脚本もおっと思う台詞が結構あったと思う。俳優さん達もいい。
しかし何よりも一番心を動かされたのは、広末涼子さんの演技。上手いです。びっくりした。全く予想してなかった。私は長年日本を離れている為彼女のアイドル時代の作品を見た事がなく、過去に実際に動いてるのを見たのも『竜馬伝』と『おくりびと』のみ。『龍馬伝』は出演が少なくてほとんど見れなかったし、『おくりびと』はなんだかキャラ設定に違和感があったのと、彼女の妙な甘え声が耐えられず、この女優さんは上手くないのだろうとばかり思っていた。
ところがこのドラマ、上手いです。ほんとにびっくりした。彼女の演技がこのドラマの一番の見所。期待してなかったこともあって余計に驚いてしまった。『おくりびと』が2008年。今年2014年。この6年の間に何があった?以前の女の子っぽい印象と全然違う。広末さんは実生活でも以前から恋愛には自由奔放。出来ちゃった婚でもうお子さんが二人もいらっしゃると聞く。現在34歳。もう決して可愛いアイドルではないんですね。なんといい大人の女優さんになったんだろう。若くて可愛いだけの女優さんなんてつまんない。今の彼女はいろんな表情がすごくリアルで思わず心を動かされてしまった。これからいい作品に出合えばすごい女優さんになると思う。5話の最後、春樹君がホテルの部屋で否定的な言葉を言ったときの彼女の表情の変化なんてすごいです。一瞬で顔が変わる。うわーリアル…。
さてこのドラマ、主人公の肘井 基子さんは本当に寂しい女。運も悪い。たかだか一度だけ家庭教師をした高校生を、最高の男として忘れられないなんて、今までどれだけ妙な男ばかりに出会ってきたのか。運が悪すぎる。彼女だって人並みに普通の親切な人々に出会って、普通に友情を感じ、普通に惹かれあう誰かに出会っていれば、こんな複雑な状況に入り込むこともなかったろうに…。もし彼女が育ちの複雑さから男に過剰な警戒と期待をして不自然に振舞ってしまい、妙な人ばかりを惹きつけたり、いろいろと拗らせてしまうのであればそれもまた悲しい。
寂しくて寂しくて寂しくて…、もうずいぶん前のことなのにたった1回だけ上手くいった(傷つかなかった)高校生の男の子との恋愛を最高だと思い込んでしまい、たまたま偶然に(その元高校生に)再会したがためにどんどん壊れていくなんて…かなり可哀想です。6話なんてもう完全に壊れてましたよね。晴樹君が「(泉美と)結婚する」と言うそばから「あなたとやり直したい」なんて、全く相手のことも見えてないんですよ。怖いです。痛いなんてもんじゃない。怖いよほんとにこの女。
だけど広末さんの熱演でなんだか可哀想になった。6話の最後、タクシーに押し込まれて泣く泣き顔に思わずもらい泣き。あ~この人は本当に不幸だ…。…と思ったらその泣き顔は薄ら笑いに変わる…ゾゾーッコワイコワイ。上手いなぁ。
さていろいろと書きたいことはございますが、とにかく1と2話を見ていないので、あまりウダウダは書けないけど、最期に顔の可愛い春樹君みたいな男がいかに女性にとって迷惑か…を書きたい。
この人ね…イイカゲンな男なんです。肘井 基子さん綺麗でしょ。…んで、その綺麗な広末さん=肘井さんが「あなただけを愛したの」などと熱く語りかけてくると、思わず手を合わせちゃったり、タクシーで手を握り返しちゃったり、ついつい誘われてホテルの部屋に尋ねていったり…、コイツ…なんなんだよ!!!(怒)下心アリアリじゃないか…。今まで肘井 基子さんを傷つけてきた下心満載の男達と何も変わらないんですよね。ましてや奴には婚約者がいる!キーッ!ダメダメじゃんこの男。最低。ああいう優柔不断なバカ男は二人の女性を両方とも不幸にする。んもー。そんなダメ男を「一生で一度愛したあなた…」などと言ってしまう肘井さんは可哀想だと思います。そしてそんなバカ男を一生懸命信じようとする泉美ちゃんも可哀想だ。
もーそんなダメ男捨てちゃえっ!
というわけで、海亀的には決着。
最終回は本当に駆け足で、文句を言うほどの評価も出来ないんですけど、これもう少し長く出来ればよかったのに。結末も自殺なんてさせずに。しかし、最初から見てないせいか、最後のオチ…肘井 基子さんは(本当に)シロかクロか…がよく分からなかったんですけど、どっちだったんでしょうか…。 (´・_・`)