能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20...

2025年8月7日木曜日

仏ラングドック=ルシヨン地方/Languedoc - Loussillon地中海沿岸の白ワインKysela, Picpoul de Pinet H.B., Les Costieres de Pomerols, 2023 とサーモン・ロースト



フランスのワインを学ぶシリーズ。

今回はワインで有名な仏ラングドック=ルシヨン地方の白ワイン・ピクプールドピネ/Kysela, HB Picpoul de Pinet, 2023


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● アルザス地方/Alsace
● ロワール地方/Loire *
● シャンパーニュ地方/Champagne
● ブルゴーニュ地方/Bourgogne *
● ボジョレー/Beaujolais
● ジュラ地方/Jura
● ボルドー地方/Bordeaux ←今回はこれ
● シュッド・ウェスト地方/Sud Ouest 南西地方 *
ラングドック=ルシヨン地方/Languedoc & Loussillon
↑ 今回はこれ
● ローヌ地方/Rhône *
● プロヴァンス地方/Provence
● コルス島(コルシカ島)/Corce
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実はあまり思い入れもなく買った白ワイン。ラングドック=ルシオンて南国なのに白ワイン?どんなものだろう?買った理由は近所のスーパーで、安いのにもかかわらずオススメのコーナーに沢山置いてあったから。値段はハワイで17ドルぐらい。米本土では11ドルなんて値段もあった。そして調べたらなんとVIVINO com.で4点です。安いのに美味しいのね。というわけで全く前知識もなく購入。 ピクプールドピネとは聞いたこともなかった。

そんなわけで全く思い入れもなく買ったのでその後、実は扱いに困っていた。ここ数カ月、米国の寅氏の関税話でこれからワインが高くなると思い欧州産のワインをストックし始めたら、なんだか手持ちのワインの数が増えてきた。置き場所に困る。うちはあまり飲まないので今ストックしているワインだけで数年間ブログが書けそうなくらい溜まってしまった。そろそろ消費しなくては場所がない。

それで一番安いワインを開けようということになった。「あのキゼラがいいんじゃない?あれ開けよう。あれは白だから魚にしよう…」などと突然スーパーで思いついてサーモンを購入。


というわけで開けました。

Kysela, Picpoul de Pinet H.B., Les Costieres de Pomerols 2023



合わせたのはオーブン焼きのサーモンにスイートポテト、赤黄ピーマンとズッキーニも同様。レタス。そして揚げナスのトマトソース・パスタ。

関係ないけどストロベリーパパイア
今もシーズン 11個は食べてる 毎週買う


結論から言えば…、もう少し下調べをしてから料理をすればよかった。

食べた後から調べたら、このピクプールドピネのワインはシーフードが合うらしい。それも地中海のオイスターやイカのリングフライ、アンコウのグリル等々…軽い薄味のシーフードが良いらしい。そう考えれば…サーモンは北の魚で少しオイリー過ぎるかも。おまけに今回残り物の揚げナスをつかってトマトソースのパスタを作ってしまったものだから、…ペアリングとしてはあまり合わなかったかな。ヒャ~ムズカシイ


うちはお酒は週末だけ。旦那Aが夜仕事をするので平日は飲めない。ところが週末は昼間外出することが多いので、帰って来てきちんと料理をするには疲れている。それで料理も簡単なもの…オーブンに入れてほったらかし系が楽。というわけでまたまた野菜とサーモンをローストしただけのご飯になった。

しかしながら…このピクプールドピネはもっと色合いが白い料理がいいらしい。エビの酒蒸しマリネ。サラダ。イカのフライ。白身魚のカルパッチョ。あっさり白身魚のグリル、アクアパッツァとか酒蒸し系もいいだろう。(うちはあまり食べないけれど)オイスターやアサリ…などなど色合いが白っぽいものがよさそう。 魚卵などもいいらしい

飲んだ後から情報を読んでなるほどと思った。確かに。



さてワインのお味は…

シャープです。ピリッとしてる。でも嫌な感じじゃない。軽い。けどシャープ。酸味。柑橘系。なるほど…これならシーフードが合うのはわかる気がする。

最初は浅い直線的な味だと思った。とにかくシャープ。しかし暫く経つとちょっと深みが出てきた?どうかな。でもこのワインはシャープだからこそいいという感じ。ピリッとした味が貝やイカ等のシーフードに合うのだろう。爽やか。とにかくシャープ。

柑橘系と言えば、暫く前に飲んだソーヴィニヨン・ブラン/Sauvignon blancを思い出す。しかしこのワインの方がず~っとシャープで直線的だと思う。ソーヴィニヨン・ブランはもうすこしまろやかでフルーツが前面に出ていたと思う。ソーヴィニヨン・ブランの方が飲みやすいかな。

こういう軽いシャープな味は夏にいいですね。このワインは冬に飲んだらきっと寒い。

今回このワインのことを学んだので、今度またこのワインが手に入ったらハワイのマヒマヒやモンチョン、オノ、カジキあたりと合わせたい。ワイン蒸しにしよう。エビのマリネもいいね。



それではワインの情報

Kysela, Les Costieres de Pomerols, Picpoul de Pinet H.B. 2023
= Les Costières de Pomerols Hugues Beaulieu Picpoul de Pinet 2023
↑ これらの二つのワインは同じワインです


● Kysela Pere et Fils 輸入会社

この会社は1994年にマスター・ソムリエのFran Kysela氏により始められた米国バージニア州のワイン輸入会社。米国各地に支店のある大手の輸入業者。

…さて調べていたら、このワインはフランスのワイナリー「Les Costières de Pomerols」「Picpoul de Pinet H.B.」と同じワインという情報が出てきた。

それからこのワインの名前…Picpoul de Pinet H.B。この「H.B」とは何だろうと探したら、フランスの全く同じラベルのワインが出てきた。どうやら「H.B」とは「Hugues Beaulieu」…このKyselaのワインは「Les Costières de Pomerols」の「Hugues Beaulieu Picpoul de Pinet」と同じワインだと出てきた。…謎が解けた。

● ワイナリーLes Costières de Pomerols, Hugues Beaulieu

1932年に設立されたこのカーヴ協同組合。ポメロル/Pomérols地方の高地、ペズナ/Pezenasの低木地帯とセット/Seteのモン・サン・クレール/Mont St Clairがそびえる海の間に位置している。年間平均800万本のワインを生産しており、300個のオーク樽を備えた樽熟成用の洞窟を持つ。2,100ヘクタールのブドウ畑を管理しており、そのうち450ヘクタールはピクプール・ド・ピネ。

ポムロールのブドウ畑は、粘土質/石灰質土壌の広大な日当たりの良い段々畑に広がっている。ピクプール、シャルドネ、ヴィオニエ、ソーヴィニヨン・ブラン、テレット、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、グルナッシュ、サンソー、カリニャンを生産している。生産量の割合は、白が54%、ロゼが28%、赤が18%。

● 産地

地中海沿岸の低木地帯「costières /コスティエール」(沿岸地域)と呼ばれる太陽が降り注ぐ丘陵地帯。セット港/Sèteとマルセイヤン/Marseillanの間に位置する沿岸の静かなラグーン、トー湖/Etang de Thauを見下ろす土地が産地。粘土と石灰岩の丘陵地帯に植えられた南向きのブドウ園。地図で見るとずいぶん海に近い土地なのですね。

このマルセイヤン/Marseillanという土地は、あの有名なマルセイユ/Marseilleと同じかと思ったら違うのですね。マルセイヤンは地中海を東に望むスペインに近い土地。マルセイユは地中海を南に臨む南仏の真ん中辺り。地中海を挟んで向かい側。お互いに見えるほど近いのかな。今調べたら…海岸線を車で走ると2時間24分と出てきた。あまり近くないかな。

ところでこの Étang de Thau のエリアはフランス国内のオイスターの10%産地だそう。なるほど土地のワインと合うわけだ。

● 葡萄

この白ワインのブドウはピクプール種の白/Picpoul Blancの100%を使用。フランスのローヌ地方からラングドック地方、そしてスペインのカタロニア地方までよく栽培されている。このワインに使われたPicpoul Blancは最もよく栽培されている品種。元々ラングドック地方で昔から栽培されていて17世紀には記録が残っている。ピクプール種には白(Blanc)と黒(noir)の種類があり、現在白(Blanc)は米国のアリゾナ州、またカリフォルニア州のソノマでも栽培されている。

またこのブドウPicpoul BlancはFolle blanche、Gros Plant、Enrageat blancとも呼ばれており、コニャックとアルマニャックにも使用されている。

● Picpoul de Pinet特徴

Piquepoul blancのみを使用したラングドックのAOC。緑がかった金色のワイン。フル・ボディで爽やかなレモンの香り。ほんの少しだけ塩のようなミネラル感。レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘系や青りんご、またハーブの香り。名前のピクプールとは「唇を刺す」の意味。シャープな感じがしたのはそういうことだろう。英国人が好んで飲み、生産量の半分を英国人が飲んでいるという話も。本当かな?

●「ネプチューン/Neptune」ボトル・デザイン

ところでこのワインのボトルには特徴がある。細身の緑色のボトルの前面にラングドックのクロス/Languedoc Crossのマーク。そして上部に波の模様。クロスの下には Picpoul de Pinetと刻まれている。すごくかわいいボトル。このボトルのことを「ネプチューン/Neptune」ボトルと言うらしい。Picpoul de Pinetであれば、どのワイナリーでもこのボトルを使用しているそうだ。


● 組み合わせ

このラングドックの地方がオイスターの産地で、なるほどオイスターとよく合うらしい。魚介類のグリルやザリガニのビスク。ソテーしたスナッパー/鯛や軽いシーフードサラダ。高い酸味と爽やかな風味のおかげで、揚げ物の前菜、生牡蠣、寿司、地中海風の魚料理、さらにはイカフライにも抜群の相性。冬は魚介鍋もいい。和食ともいい相性。


キリっというのか、ピリッというのか、シャープな味のワイン。白身魚や魚介の料理と合わせなかったので残念だったけれど、シーフードと合うだろうというのはわかった。キリっと冷やして夏に飲むワイン。今度はちゃんと調べて合う料理を合わせよう。

値段が20ドルもしないのに、Vivino.comスコアが 4.0 点。何と素晴らしい。スクリュー・キャップでお気楽に開けて飲む夏のワインでしょう。オイスター食べたいけどなぁ…。昔あたったことがあるのだ。コワイ~


● 余談のチーズ話

いつも旦那Aが思い付きでチーズを買っているのだけれど、今回イタリアの「アジアーゴ・チーズAsiago cheese」なるものを買ってきた。ま~~~~っおいしいわっ。フレッシュなやつです。柔らかめのセミハードかな。結構柔らかい。ブリ―より味が豊か。カマンベールより臭くない。ミルクの優しい味。よくあるチーズのちょっと臭い癖がほとんどない、ただただクリーミーでまろやかな優しいセミハード。子供が好きそうなチーズだと思う笑。好きだわ。これは美味しい。また買いたい。ちなみにこのチーズはプロセッコに合うらしい。


ワインメモ
🍷 Kysela, Les Costieres de Pomerols, Picpoul de Pinet H.B. 2023
🍷 Les Costières de Pomerols Hugues Beaulieu Picpoul de Pinet, 2023

Vivino.com Score: 4.0
Winery: Les Costières de Pomerols Hugues Beaulieu
Grapes: Picpoul Blanc
Region: France / Languedoc-Roussillon / Languedoc / Picpoul de Pinet
Wine style: Languedoc-Roussillon White
Alcohol content: 13%



2025年8月6日水曜日

DHT Musical★『スポンジボブ・ミュージカル/The SpongeBob Musical』





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The SpongeBob Musical
Music & Lyrics by Various artists
Book by Kyle Jarrow
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またまたホノルルのコミュニティー・シアター Diamond Head Theater(DHT)で先週の週末ミュージカル『スポンジボブ・ミュージカル/The SpongeBob Musical』を見てきた。
 
定期的に年6回ショーがあるDHT。今季の最後の出し物はなんと『スポンジボブ・スクエアパンツ』のミュージカル。アニメの番組はたまたまつけたTVのチャンネルで見たことがあるけれど、1話続けて見たことはないと思う。しかし面白い。変なアニメ。なんだろうね…あれは笑。なんというか Nutty な話… Nuttyとは「風変わりな、少し気が狂った」と訳しますがまさにそのような感じ。珍妙なものが大好きなワタクシはこれは大変素晴らしいと笑いながら見た記憶。珍妙な世界観のアニメです。その作品がなんとミュージカルになるという。なんだろうね笑。想像したのは人が四角いスポンジの着ぐるみやカニの被り物を着て演じる芝居かと思った。

早速YouTubeで予習。ステージの上でそれらしい衣装を来た俳優さん達が歌を歌っていた。着ぐるみではなさそうだ。主な歌を集めた動画を見て心の準備は出来た。ステージはとてもカラフル。楽しみ。



そして…
面白かったです。なんだかとても明るい。楽しいわ。夏休みの時期なので子供向けなのだろうと思ったけれど十分大人も楽しめる。様々な場面にユーモア満載。アニメのキャラはいくつかは知っっていたので、俳優さん達がアニメのキャラクターをどのように再現しているのかもとても面白かった。衣装にカラフルなアロハシャツが多いのはオリジナルかな。


実はYouTubeで見たブロードウェイのプロダクションよりも、このDHTでの演出や衣装や俳優さん達のほうがずっといいのではないかと思った場面も沢山。

例えば主役のスポンジボブ・スクエアパンツ(SpongeBob SquarePants)。DHTの俳優さんは小柄で目の大きな元気一杯のアジア系の男の子。黄色いシャツに茶色の半ズボン。ブロードウェイよりずっと本物に近いぞ笑。ジャンプの高さが高くて驚いた。彼は普段はナースさんだそう。

そしてピンクのヒトデのパトリック・スター(Patrick Star)は大柄な白人の男性。印象がすごく似ている。御本人が楽しんで演じているのが伝わってくる。彼のタンバリンは最高に笑った。大興奮!このお方は以前のショーでも見たと思う。前回も同様、このお方はユーモラスで楽しい。

そしてイカルド・テンタクルズ(Squidward Tentacles)は学生さん。彼は現在ボストン大学で舞台芸術を学んでいるそう。夏休みで帰省中なのかな。背の高いひょろっとしたハンサムな男の子。このお方がお鼻の両脇に青い線を描いて衣装も青い色で…スクイッドにすごく似ている!とてもわかる…そうあのスクイッドだよね、だよねとうなずく笑。ワタクシは大変感心しました。すごくいい。イメージの再現がうまい。

悪役のシェルドン・J・プランクトン(Sheldon J. Plankton)は、ここDHTのオリジナルなキャラづくり。線の細い男の子が少し中性風に演じているのがとてもよかった。くねくねしてる。声が素晴らしくよく響く上手い人。ブロードウェイ版を見たら、大柄な白人男性が演じていたけれど、このDHTのキャラ作りのほうがず~っと面白い。目が釘付け。カリスマがすごい。

元気のいいリスのサンディ・チークス(Sandy Cheeks)はアジアンハーフの女の子。私はこのキャラを知らなかったのだけれど、とにかくリスが海中にいるという設定が面白い笑。彼女は今高校生なのかな。かわいかった。

その他にも海賊やカニの親子や筋肉マン・ロブスターなどなど…とにかく楽しい楽しい。カラフルなサーディン/鰯の群れは歌がうまい! いいな。心が子供になったみたいに楽しかった。


この舞台でも思った。いつも思う。このDHTはブロードウェイやもっと大きな都市のシアターに比べて予算も少ないだろうし(近年新しく出来たとはいえ)劇場もそれほど大きいわけじゃない。YouTubeで見たブロードウェイのショーはステージセットも大きくて電飾も豪華。…でもね、でも、このDHTは皆さんの沢山のアイデアと工夫、それに俳優さん達の頑張りで、毎回本当に素晴らしいステージを作ってます。

(ありえないと思われるだろうけれど)私はこのDHTは時にはブロードウェイよりもいいステージをやっているんじゃないかとさえ思う。今回もそう思った。スポンジボブやパトリックやイカルド・テンタクルズ/スクイッドのアニメに寄せた再現性、そしてプランクトンの新しいキャラクターづくり…などなど、DHT独自の演出が沢山あって、それがとても素晴らしかった。きっとステージ上の若い俳優さん達は、スポンジボブのアニメを見て育ったのだろう。だからスクイッドは鼻を強調したメイクをして出てくる笑。、元のアニメ作品に対する「愛」が沢山溢れる演出だと思った。

ちょっと中性的な演出のシェルドン・プランクトンや、スクイッドの後ろの髭面のバックダンサーが赤いミニドレスを着ていた笑のも、すごく好き。ユーモア溢れる。楽しいね。


予想したよりもず~っと楽しいショーでした。こういうカラフルなステージはいい。歌もキャッチー。この作品の作曲には、エアロスミスの Steven Tyler & Joe Perry、Sara Bareilles、John Legend、Panic! at the Discoなどなど有名なアーティストも名を連ねている。なんとなんと知らなかった。


楽しかったです。ミュージカルはいくつかロンドンの大ステージでも見たけれど、このDHTにはまた別の楽しさがある。小さいステージながらもクリエイティビティが沢山で、若い俳優さん達(高校生や大学生、20代の方が多い)のエネルギーと、彼らの舞台への愛がキラキラしていてとてもいい。皆歌もうまい。この小さな島の州にどれほど沢山のシンガーや俳優さん達がいるのかと、毎回ショーを見るたびに驚きます。

またまたいいものを見せてもらえました。ありがとうありがとう。


ブロードウェイ・ショーのトレーラー
Show Clips - SPONGEBOB SQUAREPANTS



2025年8月5日火曜日

Alok, Daecolm, Malou – Unforgettable (2025)



心地よいトランス



Alok, Daecolm, Malou – Unforgettable (2025)
Unforgettable – Single
Alok, Daecolm, Malou
Released: June 27, 2025
℗ 2025 Alok Music/B1 Recordings, 
a Sony Music Entertainment company


心地よいトランス。ボーカルの Daecolmさんの声には聞き覚えがある。ちょっと前のヒット曲「I Adore You」のボーカルでした。Daecolmさんはジンバブエの出身だそう。今はアフリカ系の方が多いですね。そしてDJはブラジル出身のAlokさん。そしてコーラスにはMalouさん。このお方はドイツ在住だけれどハワイにルーツのあるお方だそう。フィリピン系に多い名前らしいけれど、ハワイ語では「平和/peace」の意味だそう。

★Alok
Alok Achkar Peres Petrilloさん。1991年生まれ33歳。ブラジルのmusician、DJ、record producer。2021年からDJ MagazineのベストDJランキングで4年間連続して世界4位。ブラジルで一番成功しているDJ。彼の両親がインドに旅行した後で彼を名付けたそうでAlokはサンスクリットで「光」の意味だそう。

★Daecolm
ジンバブエ出身のアーティスト。英国とLAでも活動している。様々な音楽…ゴスペルからポップスの界隈での影響からAfro-fusion…Afrobeat、Afropop、そしてAmapianoの影響にRnBのメロディーやパターンなどに影響を受けている。有名アーティストとのコラボも多数。

★Malou
ポップでエッジの効いたエレクトロポップで知られる、ドイツのハンブルグ在住のアーティスト。ハワイにもルーツがあるお方だそう。22歳。この曲ではコーラスを歌う。



Unforgettable
Alok, Daecolm & Malou
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忘れられない…

[Verse 1: Daecolm]
普通じゃない
彼らは僕みたいじゃない
最高で
僕は彼らを信じさせようとはしない
多くはない
彼らは自らをこんな風にはできない, oh-ah-no
何も言わないで
ただ君が…

[Pre-Chorus: Daecolm]
少し動いて そんな風に 少しずつ
僕は知りたい もっと知りたい…
少し動いて そんな風に 少しずつ
僕は知りたい もっと知りたい…
そうしてくれるかな…


[Chorus: Daecolm & Malou]
君の手を僕の身体に乗せて 
もう一方の手を僕の魂に合わせて
皆のことは忘れさせないから
君は皆に知らせられる?
僕は忘れられないって
僕は記憶に残るって

君の手を僕の身体に乗せて 
もう一方の手を僕の魂に合わせて
皆のことは忘れさせないから
君は皆に知らせられる?
僕は忘れられないって
僕は記憶に残るって


[Verse 2: Daecolm]
僕の動きをスローにさせないで 
僕を無視しないで
全ての緊張が とても心地よく
僕をうまく扱える? (Can you handle me?)
Yeah, 値段がつけられないほど
でも僕はそれをただであげるよ
一晩中 間違いなく (All night, undeniably)
何も言わないで 
ただ君が…

[Pre-Chorus: Daecolm]
少し動いて そんな風に 少しずつ
僕は知りたい もっと知りたい…
少し動いて そんな風に 少しずつ
僕は知りたい もっと知りたい…
そうしてくれるかな…


[Chorus: Daecolm & Malou]
君の手を僕の身体に乗せて 
もう一方の手を僕の魂に合わせて
皆のことは忘れさせないから
君は皆に知らせられる?
僕は忘れられないって
僕は記憶に残る

君の手を僕の身体に乗せて 
もう一方の手を僕の魂に合わせて
皆のことは忘れさせないから
君は皆に知らせられる?
僕は忘れられない
僕は記憶に残る

[Outro: Daecolm & Malou]
Unforgettable (Unforgettable)
I'm unforgettable (Yeah)


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Songwriters: Loris Cimino, Wayne Hector, Alok, Daecolm, Lucas Secon, Malou, Maximilian Riehl & OHYES



2025年8月4日月曜日

お猫様H:STRIKE A POSE!!



猫さんはカメラ(スマホもコンパクトカメラも)を向けると必ずポーズをする。「写真を撮る」というコンセプトが解るはずがないのに、どうしてそれらしいポーズを始めるのか不思議でしょうがない。

これは昨日8月3日のお写真。


さあそろそろ始めますか
黒豹のポーズ
ステキよ 綺麗だね
もっとリラックスしてごらん
魅惑の Piercing eyes
おぅいいねぇ
スン
撮影の後はおつかれのようです


2025年7月31日木曜日

映画『フォー・シーズンズ/The Four Seasons』(1981) :時代が違い過ぎて楽しめない





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『The Four Seasons』(1981)/米/カラー
/1h 47m/監督・脚本:Alan Alda』
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今週旦那Aに休みの日があったので一緒に見た。スティーブ・カレルとティナ・フェイの2025年版を見たばかりなので忘れないうちに見ようと思った。


まず2025年のドラマシリーズと比べよう。
私は2025年版のほうが100倍いいと思った。2025年版は面白かった。時にはゾッとするほどリアルでちょっとドキドキした。キャラ達は皆色々とあるけれど十分理解できる人々。全員それぞれが魅力的だった。1話を30分だけ見るつもりが、一旦見始めたら続けて2時間も見てしまった。コメディとして十分面白かったし考えさせられた。見てよかったです。先日ここに書いた感想では「居心地が悪い」と書いているけれど、実際にはよく笑ったと思う。楽しめた。



しかしこの1981年版の映画
・異様なくらい古臭い
・時代の違いを感じる
・面白くない

その理由をこれから書いていきます。


監督は俳優のアラン・アルダさん(この映画ではジャックを演じる)。この映画は1981年作。今から44年前。当時の私は高校生。当時からアメリカのドラマや映画は見ていたので、あの80年代初期のアメリカの雰囲気には慣れているつもりだったが、まず思った感想は「なんて古いのだろう」。映画が始まってすぐに違和感を感じるほど直ぐに古臭いと感じた。

今の私は英語のニュアンスがわかる。1981年当時は、映画は字幕で見ていたが英語そのもののニュアンスはわからなかった。いま英語がわかるようになって、1981年の映画の台詞が、いかに今のアメリカの言葉と違うのかにまず驚いた。もちろん言葉だけじゃない。演技も違う。人物たちの行動や関係性も全く違う。モラルも違う。ユーモアも全くおかしくない。なによりも、人物達が全く魅力的に見えないのに閉口した。


わかってるのよ。この映画はあの時代の、あの社会的クラスの人々の映画としては何もおかしなことはないのだろう。問題は「面白くない」と感じた私の方にある。

この映画は、東海岸の白人の伝統的プロテスタントの気質を持つ、高学歴アッパーミドルクラスの知的階級の人々のストーリー(東海岸の都会近辺ではそれほど珍しいわけではない)。実は旦那Aはこのソーシャル・グループの出身。旦那Aの家族は1980年初期の時代から暫くニューヨーク界隈に住んでいた。

旦那Aにこの映画がどうかと聞いたら「懐かしい」と楽しんだ様子。私が「まったくリアリティがない。人物達が魅力的に思えない」と言うと「ああそうか」と反応。もう少し聞いてみると「あの時代の雰囲気は覚えてるんだよね、ああいう人達にも会ったことがある。ニックみたいな人もいた。Met opera のシーズンチケット持ってて、いつも綺麗な女の人と一緒にいたかっこいいおじさん。でも彼はずーっと独身だったかな」などと言う。なるほど旦那Aには当時の雰囲気を十分懐かしく感じられる映画だったらしい。

要するに、違う文化圏から来た私には「懐かしい」と感じるほどの思い入れが無いことから、描かれた時代の違和感ばかりが気になって楽しめない。そして私は「アメリカ東海岸アッパーミドルクラスのお堅さ」も苦手。彼らのユーモアもわからない。そんな感じであまり面白くなかった。




★ネタバレ注意




この映画の基本フォーマットは2025版と同じ。6人の友人達の四季それぞれのホリデーの様子を描く。2025年版とは違い彼らはクラスメートではない。人生の道のりで出会った6人。年齢も立場も違う。カップル2組は40代半ばの設定。

(2025年度版ではアフリカ系のゲイの設定だったダニーは)この映画では皆より10歳年上の白人の歯科医となっている。そして彼の奥さんは(少し異文化の)イタリア人アーティストのクラウディア。ジャックは弁護士、奥さんのケイトはビジネス誌のエディター、ニックは保険のセールス、アンは主婦。全員ニューヨーク周りの裕福な上ミドルクラスの人々。

ストーリーも2025年版とほぼ同じ。彼らは6人でいつも共にホリデーを楽しむ友人同士だが、ニックが離婚して若いジニーをホリデーに連れてくることで、全員の関係がギクシャクしてくる。


一番の違いは、奥さんを捨てるニックはこの映画では罰を受けない笑。2025年版のニック(スティーブ・カレル)は徹底的にコテンパンにやっつけられ、ニック本人も多少は後悔していたと思うが、この1981年版のニックは全く悪びれない。まったく罰を受けない。そして周りの友人達もそれをいつしか黙って受け入れている。そして(温厚だが退屈だった)元嫁アンは結局捨てられてストーリーから消えてしまう。そのまま忘れられてしまうのだろう。

ジャックの奥さん…ニューヨークでバリバリ第一線で働く女のケイトは、あの時代の女性解放運動の戦士のようだ。男性と同格に議論し合って口調が非常にキツイ。お堅い。まったく女性らしい柔らかさがない。ユーモアのセンスもない。ジャックとの夫婦らしいケミストリーも無し。チューばかりはしているけれど。

そしてジャックは自己中で「自分を解放できない」ことに悩み(それもあまり印象になかったが)、ケイトから「冷たい」などと言われて最後はブチ切れて騒いで自己を解放(1970年代の映画にはよく見かけるマッチョなシーン)。そして皆に「ごめんね」などと言って許してもらう。よくない。意味不明。あんな人は現実にはいないと思う。

歯医者のダニーはコミックリリーフだろうか。年齢も上でおとぼけの変わり者。しかし10歳年上だから皆とは違う視点で物事を見ている。彼が一番リラックスしているように見えるのは意図的なものだろう。奥さんのクラウディアはほぼ印象がない。


なんというかな…どのキャラクターも全く魅力的ではない。この映画には2025年版のようなチャーミングなおかしみが無い。台詞は奥歯にモノが挟まったよう。基本的には時代が違うからなのだろうが、これは監督/脚本のアラン・アルダさんの言葉からくるものなのか、それともこのドラマの…キャラ達の社会的立場(裕福な上ミドルクラス)からそれらしく創作されたものなのか、台詞も行動も pretentious で全くリアリティを感じない。登場人物達の誰かが冗談を言ったら皆でウケて全員で肩を叩きながら大笑いするのだけれど、私には全くおかしくない。なんだか不自然なリズムの映画だと思う。

不自然…contrived。そうだ、この映画の登場人物達は1980年代初期のモダンでインテリで進歩的な人々の設定(中華料理を自分達で作り、次はインド料理などと言っている)なのだけれど…私がこの映画を見ていて受ける印象は、東海岸インテリの上ミドルクラスのお堅い人々が無理してワイルドに振舞って騒いでいるような印象。しかしよく考えてみればにアラン・アルダさんは現在89歳。うちの義父の世代なのだ…お堅い印象なのは無理もないだろう(←義父は優しいジェントルマンでした)。


しかしそれは1981年の東海岸の上ミドルクラスのあり方に、そもそも私があまり親しみを感じないからなのだろうとも思う。結局は、1981年頃のお堅い人々が「彼らのユーモアで、彼らが面白がって、彼らが彼らのために作った映画」が、私には何も響かなかったということだろうと思う。台詞が嘘っぽくて(今の米国人は誰もあのような話し方はしないと思う)、pretentious で、なんだか…うわ~めんどうくさい人々…という感じだ。これは私の個人的経験によるバイアスからくるもので、普遍的なものではないだろう。


2025年版の『フォー・シーズンズ』自虐的なほどにキャラクター全員の不完全さ/弱さ/vulnerability を描いたことに、私は「今のアメリカは本当に生きやすくなったんだね」と思った。

この退屈な1981年版に比べると、2025年版は全員がチャーミングでかわいくて面白い。全てのキャラが好きになれる。全員に心寄せられる。そして苦笑がちだとはいえ実際にはよく笑った。

それだけ今は時代が変わったということなのだろう。それはいいことです。


2025年7月30日水曜日

Micah McLaurin – Satisfied (Until Dawn Remix) (2025)



また面白い人が出てきた



Micah McLaurin – Satisfied (Until Dawn Remix) (2025)
Satisfied (Until Dawn Remix) – Single
Micah McLaurin
Released: June 4, 2025
℗ 2025 Micah McLaurin
* * * * *
Original
Micah McLaurin – Satisfied (2025)



今週の英国 Commercial Pop Club Chart に入っていた曲。
まずはキャッチーな曲にビジュアルが綺麗ねということで取り上げようと思った。そういえばこのお方は少し前にも「バブバブーン」と歌う歌がダンスチャートに入っていたのを覚えている。チャートは英国のチャートなのですけど、このアーティストは米国のお方でした。

最初はゲイカルチャーの綺麗な人…の枠で軽く取り上げるつもりだったのだけれど、調べてみたらもっと面白いことが出てきた。このお方は米国の保守的なサウスキャロライナ州出身のクラシックのピアニストだった。カーティス音楽院で学び、ジュリアード音楽院に学び…バリバリのエリートのピアニスト。そのお方が(NYのジュリアードにいる間なのだろう)自らのクイアネスに目覚め、最近はポップスターとファッションアイコンとして活躍中。

まぁ~面白いですねぇ。これだけバックグラウンドがお堅い場所から自由なアートとファッションの世界に飛躍。御本人もピアノを習っていた時には自分を押し殺していたと仰っていて、ニューヨークに来てやっと解放されたとのこと。それで今は自由に自己発見と自己開発を進めているのだろう。オフィシャルの YouTube を見ると、今はポップ・アーティストとしての活動の方が多いのかな。

最初は、すごく綺麗な男の子が、とてもナルで、その方向でいい感じにサマになってるアーティストなのだろうと思ったのよ。そうしたらもっともっと色々出てきた。YouTube のリストの下の方には、ピアノのリサイタルの映像なんかも出てくる。ピアノは優しい音。メロ―な印象。

Micah McLaurin - Chopin Nocturne in C sharp Minor, Posth.
 


本当の自分と大好きなことが見つかって本当によかったですね。

それにしても綺麗なことが好きで自分も綺麗でいたい人が、その理想のイメージを実現できる綺麗なルックスで生まれてきて、その上に人並外れたピアノの才能もあって…なんて恵まれた人だろうと思う。いいですねぇ。


チャートに入っていたのは Until Dawn Remix のディスコ調。「Let me keep you, Satisfied- satisfied…」がゲイクラブで鳴っているのが想像できますね。


★Micah McLaurin
米国のピアニスト。1994年生まれの30歳。元々はクラシックのピアニストを目指したが、クイアに目覚め現在は Virtuoso pianist、composer、avant-garde artist としてポップスのシーンでも活動中。

米国サウスキャロライナ州のチャールストン生まれ。8歳からピアノを習い始める。18歳でペンシルバニア州フィラデルフィアのカーティス音楽院/Curtis Institute of Musicに学び卒業、その後ニューヨークのジュリアード音楽院/Juilliard Schoolに進んだ。2016年には Gilmore Young Artist Award を受賞。その他にもピアノで数々のトップ賞を受賞…それらの賞のリストは Ettlingen International Piano Competition、Thomas and Evon Cooper International Competition、2011年のHilton Head International Piano Competition、Verbier Festival Tabor Prize。2018年にはフィラデルフィア・オーケストラとの共演デビュー。その後も米国各地、各国のオーケストラと共演。2019年には Lincoln Center でリサイタル。2020年にはライブ・アルバムをリリース。2022年にはショパン作品のスタジオ・アルバムをリリース。

ニューヨークに移住してからクイアに目覚めた。現在もクリエイティブな活動を通して自己開発中。アルバム『Diamonds』では思い入れのある歌をカバーし、またファッションデザイナーのZaldyと組んでイメージを構築。またアルバム『Instinct』でも過去のポップソングをカバーし、有名な作曲家やオーケストラともコラボ。またファッション誌やアート誌にも WWD、Paper Magazine、Resident Magazine、Pluton Magazine 等に登場。

★UNTIL DAWN
オランダのDJ/プロデューサー・デュオ。メンバーは Joey van Zanden さんと Lars van Jole さん。コロナ禍の頃から活動開始。現在 drum and bass のシーンで良く知られた存在で、各フェスにも出演。彼らの作品の特徴はハイエナジーのビートのダンス・アンセム。少しの neurofunk に jump-up vibes の元気のいいサウンドで知られる。


Satisfied
Micah McLaurin
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Satisfied- satisfied
私にあなたを満たさせて
Satisfied – satisfied
私に…


彼ら全員とつきあったんでしょ
彼はホットだったのよね
彼はきっと甘かったんでしょうね
誰かは陽の光の中
誰かは暗闇の中で
でもあなた 彼ら全員を手離したのよね
私を手に入れるために

あなたの人生のすべてを私にくれるって言って
死ぬまで私と一緒にいてね
私だけが好きだと言って
そうしたらあなたを満足させてあげる

あなたがどんなに私に必要なのか話してるの
So baby, baby 私にあなたを
Satisfied – satisfied
私が満足させてあげる


Satisfied- satisfied…
私にあなたを満たさせて


ダンスフロアで
車の中で
バーの裏の路地裏で
シャワーの中、
ガラスを蒸気で曇らせて
見てみましょう
あなたがどれくらい長く続けられるのか

あなたの人生のすべてを 私にくれるって言って
死ぬまで私と一緒にいてね
私だけが好きだと言って
そうしたらあなたを満足させてあげる

あなたがどんなに私に必要なのか話してるの
So baby, baby 私にあなたを
Satisfied – satisfied
そして私が満足させてあげる
Satisfied- satisfied…


Satisfied- satisfied
そして私が満足させてあげる…


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Writer: Ramiro Padilla, Fernando Garibay, Micah McLaurin, Daniel Padilla, Simon Wilcox




2025年7月28日月曜日

米ドラマ Netflix『フォー・シーズンズ/The Four Seasons』(2025) シーズン 1:リアルで身につまされる





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『The Four Seasons』(2025) TV Series-Season 1/米/カラー
/1話 約30分・全8話/制作:Tina Fey, Lang Fisher, Tracey Wigfield』
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週末にNetflixのオススメに出てきて見始めたドラマ。週末の2日間で「春夏秋」を見て翌週に「冬」を見終わった。面白かった。面白かったけど色々と考えさせられたドラマ。

最近は世の中の政治関連が忙しいので、なかなか2時間の映画を見る気持ちになれないのだけれど、このドラマは1つのエピソードが30分。気楽に見られるのでよかった。  


元々大学時代の友人だった5人(+1人)=6人のグループの30年後…現在50代半ばの彼らがシーズン毎に集まってホリデーを過ごすフォーマット。シーズンが進む毎に進んでいく物語。ストーリーの要は主人公ニックの中年の危機/Midlife crisis。ニックの想定外の行動により、友人関係のバランスが崩れていく様子をかなりリアルに描いている。


メインのキャストはスティーヴ・カレルとティナ・フェイ。お二人ともよく知られたコメディアンなので、当然作品はコメディ目当ての視聴者を想定したものだろうと思われる。しかし内容は結構シリアス。軽い気分で見始めるとびっくりさせられる。「いったい…これは笑っていい話なのか?」

例えば視聴者が20代~30代であれば「中年がまたおかしなことをやっているははははは」と単純にコメディとして笑えるのだろう。しかし(主人公達の年齢も超えた)実の中年~高年齢の視聴者が見れば印象は違ってくる。このドラマはあまりにリアルで居心地が悪い。リアルな台詞にいちいち「これ、私だわ。これ私達だわ」と笑えなかったりする。ドキドキハラハラしたりゾッとしたり…。なんだか自分の(そして今まで見たことのある誰かの)行動や言動を思い出して恥ずかしくなる。赤くなったり青くなったりする。それは脚本が(シーンの描写が)上手いということなのだろう。

いや~これはどうかな。可笑しくはない。あまり素直に笑えない。ただ身に覚えのある台詞や行動のリアルさに思わず身をよじって苦笑いする。そのようなドラマだ。見てよかったと思う。色々と考えさせられた。旦那Aとも感想をよく喋り合った。

制作はティナ・フェイを含む女性3人。なんと…女性が書いた話なんだ。だから身につまされるのか。それに男性に対して情け容赦ない。なるほど…納得したわ。


全体に楽しめたドラマだが、少し無理があるかと思った部分をまず先に書いておこう。

Con 1
まずスティーヴ・カレルはニックを演じるのには年寄りすぎるだろう。制作はこの作品をコメディとして売りたかったのだろうから、カレルとティナ・フェイの2大コメディ・スターを配役したのだろうが、スティーブ・カレルだけ他の俳優達より年齢が上。彼は現在62歳。彼以外の俳優たちは全員55歳。

カレル演じるニックが、6人の中で一番「若さを諦められない」キャラであるのに、カレル御本人が一番高齢というのは無理がある。私が見るスティーヴ・カレルの印象は「面白おかしいユーモラスなお父さん(←だからいい)という感じなので、「まだまだ遊び足りないギラギラした中年の危機の男」のニックのキャラには納得できない。

ニックのキャラには『Mad Men』のジョン・ハムのほうが合っているだろう。彼は54歳で他の俳優達と同じ世代だし、ハンサムでいかにも「まだまだ諦められずにトライアスロンに挑戦してポルシェに乗り若い女の子と遊びそうな男」に見える。彼も実は面白い人なのですけどね。しかしコメディ枠では売りにくいのだろうな。ハンサム過ぎる。

● Con 2
ドラマのコンセプトが、1981年の同名の映画を元にしていて…四季の移り変わりを通してストーリーの流れを追う話…になっているからしょうがないのだけれど、あまりにも事件を詰め込み過ぎではないか。「春」が終わって「夏」以降は全員がニックの行動に振り回される話になってしまっている。そして「冬」。…なかなか急ぎ足だなと思ったが、これはしょうがないのかな。あまりいい結末ではないと思う。




★ネタバレ注意


さてここからは私が個人的に血圧の上がったシーンを書いていこう。誰が誰がと説明はせずに、ただキャラの名前だけを書いていく。だからドラマを見ていなければ全くわからない感想だと思います。

私も中年の女…なので、なによりもこのドラマの二人の中年女性の描写に度々青くなった。あまりにも「ワタシだわこれ」の場面が多い。それを書いておこう。


アン+ニック
ニックが男友達に言う「アンは全て諦めてしまったんだ。彼女は本も読まない。新しいことにも挑戦しない。(窯を作ったのに)陶芸もやらない。iPadで農業ゲームばかりやってる」

ぅわああああああああこれワタシ、ワタシやでこれ。挑戦しなくなった。諦めてしまった。人生イージーモードでいいよね。もう頑張りたくないの。もういいじゃない。楽にいこうよ。それです。それそれ。…そしてニックにあきれられている。

思わず旦那Aを振りむいて「ねえ、あなたもこんな風に思うの?」と聞いてしまった「これワタシだよね笑」 なんか…ぞっとした。居心地が悪い。リアル過ぎてこわい。脚本うまいね。でもドラマになってるということは…よその中年女性も皆こんな感じなのかしら。中年女性アルアルなのかな。だといいな。だって更年期も終わったんだからもういいじゃない。あまり頑張りたくないよね。…いや私の場合は40歳を過ぎてからずっとこういう感じだったけれど。それに更年期とコロナで怠けゴコロが加速しましたね。笑えない。でもこれから頑張るつもりもない。

iPadで農業ゲームにも…ぅぁ…苦しいな。しかしまだ農業ゲームには手を出してない。あれははまりそうだから意図的に避けている。面白そうだと思ったのよ。『Hay Day』だっけ?かわいい広告を見て何度かココロ惹かれた。 さすがにベッドルームにiPadを持ち込むことは無いけれど、旦那Aが寝てしまった後もリビングで『Tile Match 3D』や積み木崩しゲームをやってる。そうそう、ちょっと前に3000面クリアしたとここで報告したやつです。

いろいろと…こわいねこのドラマ。「夏」でアンとサーフィンのインストラクターとの逸話は…もう身もだえするほど恥ずかしい。私はやらない。けど、彼女の気持ちもわからないではない。ぁああ辛い、つらいね。

そして「秋」はニックにとにかく腹を立てる。あのやろう、なんて無神経な。男の傲慢ですね。あれはゆるせない。あいつは自分の理想を皆に押し付けて、皆が無理して彼に合わせてあげているのに「皆打ち解けてるからいいことだねえ」などとニヤニヤしている。もう却下。あいつはいなくなればよろしい。他のメンバー全員が困ってるし、アンには残酷。マジで。そして娘の父親への憎しみにも激しく同意。そしてなによりもジニーに対して酷いと思う。ニックは最悪。 実はあれに近い場面を見たことがある。世の中には馬鹿な男がいる。

そして、そのように感じる私は「もう100%、人の嫁の中年女なのだな」とも自覚した。もう完全に「人の嫁」としての考え方になってしまっている…もう独身の自由な若い女の考え方は出来なくなっているのだろう。ジニーは可哀そうだと思うけれど、なによりもアンの気持ちに寄り添って無茶苦茶腹が立った。ニックはバカです。本当にどうしようもない。

ニックはあのように自分の傲慢を押し通すのならまずグループから抜けるべきでしょう。静かにグループから離れて、彼は「彼の新しい楽しい時間」を勝手に大切にすればいいと思う。変わってしまった今の自分を周りに押し付けるのは傲慢。誰もいい思いはしない。迷惑。

そして「冬」でニックの苦労を知る。ざまぁみろだ。これも私が「もう100%、人の嫁の中年女」である証拠。本当にニックはバカだと思う。バカバカ。可哀そうだなんて一ミリも思わない。しかし展開が急すぎる。あまりうまく消化できなかった。だからプロットに無理があると思った(上記Con 2参照)。

● ケイト+ジャック
ワタシと旦那Aの関係がケイトとジャックにとても似ている。「私がいなきゃあなたやっていけないでしょ」と夫にガミガミ言う。あ、ワタシだ。これもワタシ。ゾッとして青くなる。いや「ワタシ達だ。ね、これワタシ達だよね」と旦那Aを振り返る。ニヤニヤ笑いをする旦那A。かわいそうに。  外から見ると、私も/うちもこんな感じなのだろうね。なかなか外に見せることもないですけどね。似てるわ。本当に身につまされて居心地が悪くなった。

でも「冬」にジャックのヒーロー場面が出てきてよかった。

● ダニーとクロード
彼らはゲイのカップルのせいか、あまりうんうんと頷く場面もなく、ただ微笑ましいと思った。そういえばニックとアン、ジャックとケイトの場面は、苦しくなるほど恥ずかしい場面も沢山あるのに、このゲイの二人の場面はあまり恥ずかしい場面もない。ダニーは最初から最後まで一番かっこいいクールな人だし、クロードはかわいい。

おかしかったのは、「春」にダニーに激怒したクロードが一人で宙に向かってイタリア語で文句を言い始めた時。イタリア語はわからないが、おそらく「もうやってられないわ。いつもこうなんだから」とかなんとか叫んでいたのだろう。これもワタシ、やるやる。旦那Aに猛烈に怒った時は日本語で宙に向かって悪態をつきまくる「冗談じゃないわ、やってられないわこのおとこ!」などとと私も言う。日本語のわからない旦那Aは困って立ち尽くす。クロードの怒り方を見て一人ゲラゲラ笑った。


というわけで、こんな感じです。また自分語りをしましたね。だってあまりにもリアルだもの。だから面白かった。痛いね。やれやれ。


アンのことで「…挑戦しなくなった。頑張らなくなった」とあったけれど、人は「挑戦をしなくなる、自ら戦いの場に上がらなくなる」ことで、やっと人生を俯瞰して見ることができるようになるのも事実なのです。(いい意味で)リラックスして物事に距離を置く姿勢は、年を取ったからこそできるようになることでもある。それは悪いことばかりだとも思えない。


今度、このドラマの元ネタの1981年の映画を見てみようと思います。時代が違うので設定がかなり違う。今の私は主人公達の年齢を超えているけれど、1981年はまだ高校生だった。当時は男女や夫婦の関係も今とは全く違うので、今と比べると面白いだろうと思う。また感想を書こうと思います。


どうやら次のシーズンがあるらしいけれど、あまり期待していない。あれで終わっていいと思う。続きの話を作るには複雑すぎ。どうするつもりだろう。