能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2025年3月13日木曜日

バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑧迷ったシンク上の鏡



迷いに迷ったシンク上のミラー

すでに書いたように、シンク上の小さな額縁入りのミラーは今のトレンドなのだろうと思う。どのインテリアの情報を見ても今どきのシンク上のミラーは、絵画のようにフレームで囲ったものを個々のシンクの上にひとつひとつ置くデザインが多い。

それで最初は額入りの小さなミラー2枚を調べることにした。ハワイのショールームにはいいデザインのミラーがない。それで既製品をネットで注文することになる。

シンク上用のミラーはいくつかの規定のサイズが決まっている。それらは(すでに注文していた)ヴァニティ―の2つのシンクの位置に合わせようとすると、妙なサイズでバランスよく収めることができない。大き過ぎたり小さ過ぎたり長過ぎたり…。それでまず躓いた。


それで次に大きな1枚の額付きのミラーを検討した。もちろん地元のショールームには大きなミラーはない。ネット上ではアマゾンが品数は一番多いが、実物を見ることが出来ないので製品の質がいいかどうかの確認ができない。またハワイは輸送に手間がかかるためミラーが絶対に割れないとは言えないだろう。割れたら返品が面倒だ。アマゾン以外にもWayfairなどのオンラインのショップはあったが、大量のミラーのデザインを見ることに疲れ果てて断念した


さてどうしよう。地元のガラス専門店(ドアやミラーを注文制作する会社)を訪ねると、大きなミラーに取り付けるための金属の1cmほどのフレーム/枠があると言う。ゴールド/真鍮の色のフレームがあるかと探してもらったが結局時間をかけても見つからなかった。それでフレームのアイデアも却下。

結局シンクのヴァニティ上の大きな鏡は、昔ながらの大きな鏡を直接とりつけることになった。

そんなわけで結局以前と同じように大きな鏡になった。枠が無いのでミラーの中に「もう一つの空間」が出現し、部屋全体が大きくなったような気がする。縁取りのない粗いミラー・デザインではあるが慣れたらあまり気にならなくなった。なによりも部屋が大きく見えるのが一番。元々最初に希望していたのはこのようなシンプルなミラーであった。紆余曲折で迷いに迷ったが、結果には満足している。


バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑦予期せぬ出来事Sink Countertop



予期せぬ出来事

ヴァニティのカウンターの奥行を広げることになった


ヴァニティ(シンク周りのキャビネット家具)のカウンタートップは、最初は既成の大きさでいくつもりだった。ところが工事の途中で、以前のカスタムメイドのヴァニティに合わせていた壁の中の古い水道管の位置が新しいヴァニティに合わないことが後でわかった…古い水道管の位置が、新しいヴァニティの真ん中の引き出しの後ろになる。新しいヴァニティに合わせて水道管の位置を変えることになったのだが、あいにく壁に柱が通っていて柱を切ることが出来ない。皆で青くなった。

職人さんの提案で、ヴァニティの設置位置を壁から3インチ離して前に出し、壁とヴァニティの間にスペースを作る。そしてそのスペースで水道管を壁の前に出して配管工事を行い、水道管の向きを変えて新しいヴァニティのシンクの位置に合わせる。ヴァニティを前に出すためにできる横の隙間は3インチの既成の板で閉じる(ほぼ気にならない)。そしてトップのカウンターは奥行きを3インチ伸ばすことにする。大きなカウンタートップにすることが可能だったのは、(特注のバックスプラッシュのために)運よく大きな石板を注文していたため。皆で心の底からほっとした。

石工の職人さんが来て石板をカットしてくださったのだが、現場でヴァニティを目の前に見ながらバックスプラッシュの高さを6インチに決めた。その場で私が決めてそのまま石のカットの作業に入った「もの作りを一緒にやっている」と実感できて嬉しかった。


結果、うちのバスルームのカウンタートップは奥行きが深い。一般的なアメリカのバスルームのカウンターの奥行は20~23インチ。しかし上のようなことがあってうちのバスルームのカウンターは26インチ強の奥行になった。キッチンのカウンターより少し大きい。

壁から26インチ強

結果、カウンタートップにゆとりがあってこれが最高に贅沢…ゴージャスなシンク周りになった。物を置いてもスペースに余裕があるのがいい。フォーセットの後ろも大きく開いているので掃除をするのも楽。まさに怪我の功名。水道管を前に出すアイデアを思いついた職人さんには心から感謝している。これが最高に嬉しい結果になった「予期せぬ出来事」。

トップは25インチ
フォーセットの後ろにゆとり



バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑥欲しかったもの 2 Dry Area



最初から欲しかったもの2
機能とデザイン上の要望


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ドライな洗面エリア

①白い人工の石のカウンタートップ
②シンク向こうの石の壁バック・スプラッシュ(back splash)は特注
③顔が洗える大きなシンク
④Deltaのフォーセットも真鍮
⑤モダンなシステム・ヴァニティ(組み合わせ可)白
⑥ヴァニティに取り付けるハンドルとバーも真鍮で色を合わせる
⑦タオルバー、フック、WCペーパーフォルダー全て真鍮で色を揃える
⑧床の白いタイル(店で現物を見て選んだ)

⑨家中の全てのドアを取り換える
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一番の要望は、シンクで水を出して顔や手を洗う時に水飛沫が跳ねるのを最小限におさえたかったこと。水が跳ねればカウンタートップが汚れる。フォーセットの後ろのミラーにも水飛沫が飛んで汚れる。ついうっかりとそのままにしていれば水垢になって痕が残る。掃除がしやすい素材を選び、水はねの少ないカウンタートップのデザインを求めた。



①白い人工の石のカウンタートップ
デザイナーさんにアイデアを伝えてお任せ。ただしフォーセット後ろのバックスプラッシュの高さを特注で高くしたかったので、カウンター全体の石の素材を大きなサイズで注文することになった。

②シンク向こうの石の壁バック・スプラッシュ(back splash)は特注
これは最初から決めていた。以前から水が鏡に跳ねて汚れることにうんざりしていたので、フォーセット(蛇口)の後ろの石の壁/バック・スプラッシュは一般よりも高さを高くリクエストした。普通は4インチにカットされた石の既製品を使うことが多い。しかし私は特注で6インチ以上(最初は8~12インチにするつもりだった)にしたいと思った。それでカウンタートップの人工の石の板をワンサイズ大きく注文した。これが後でシンクエリアのデザイン調整の大きなプラスとなった(後述)。


③顔が洗える大きなシンク
これも大切。シンクで顔を洗うのに出来るだけ水が周りにこぼれないようお店で一番大きなものを選んだ。


④Deltaのフォーセットも真鍮
製品の質を信頼してDeltaと決めていた。シャワー・ルームのパーツを先に選んだので、それらに合わせて真鍮製/ゴールドの色のパーツを選ぶことにした。DeltaとBrizoは同じ会社なのでゴールド系の色を問題なく揃えることが出来た。

⑤白くモダンなシステム・ヴァニティ(組み合わせ可)
バニティも白、掃除がしやすいことを伝えてデザイナーさんに選んでもらった。システム式で既成のキャビネットを組み合わせてセットをつくる。シンクを設置する両扉の箱を両脇に二つ。その真ん中には引き出しの箱。そして全体の長さを合わせるために右端に3インチの板。それらを組み合わせて2つのシンク用のヴァニティを作った。機能的でいい。扉のデザインはシンプルなシェーカー・スタイルをリクエスト。

⑥ヴァニティに取り付けるハンドルも真鍮で色を合わせる

ヴァニティのドアにリズムをつけるため、ノブとバーを組み合わせることにした。ネット上を探したら運よくDelta製品とのカラーマッチの表が出てきたのでそれで注文したらほぼ問題なく色が揃った。

⑦タオルフォルダー、フック、WCペーパーフォルダーを全て真鍮で色を揃える

その他、洗面エリアとトイレは全てDeltaの製品にしたので色が揃えることができた。

⑧床の白いタイル(店で現物を見て選んだ)
ウェットルームのタイルと同じ会社製の床専用のタイルは形が大きな(12 x 12インチ)正方形のスペイン製。床用にすべらないように少し質感が凸凹しているが、その上にサテンのグレーズをかけているのですべすべで温かい感じがする。ドライ・エリアもこの地中海風の床タイルがなによりも大きなデザインの要となった。粘土はテラコッタではなくベージュだが質感が素晴らしい。裸足で踏み込むたびにいい質感だと思う。



タイルの質感はその場の居心地の良さに関わってくる。手で触って心地よいもの、裸足で踏んで気持ちのいいものが日々の心地よさにつながる。感覚的なものだと思うが、バスルームのように人が無防備になる場所は素材の質感が大切だと学んだ。


⑨家中の全てのドアを取り換える
バスルームと同時に実行したかったのが家中の8枚のドアを全て取り換えること。この家に元からあったドアは安いべニア製のもの。木枠をべニア板で挟んで中が空洞のドアは軽く音も遮らない。全てのドアをしっかりとした木のドアに取り換えようと思った。デザインは(バスルームのヴァニティと同じく)シェーカースタイルのシンプルなもの。色は白。
ドアハンドルはネットで探し、家中の窓枠の色に合わせて色を黒くした真鍮製を選んだ。手触りがずっしりと重いのがとてもいい。




2025年3月12日水曜日

バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑤欲しかったもの 1 Wet Room



最初から欲しかったもの1
機能とデザイン上の要望


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シャワー+バス室/ウェットルーム

白いタイル(店で現物を見て自ら選んだ)でデザインする
②アクリルまたは琺瑯のスタンダードなバスタブ
③ゴールド=真鍮/ブラスのパーツ(オンライン)
④シャワーエリアはの入口を拡大
⑤入口のガラスドアとゴールドのハンドル
天井のライトを調光スイッチ付きの新しいものに変える
⑦シャワーと排水口の位置を変更。
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シャワー+バス室/ウェットルーム


① 白いタイル(店で直接選んだ)でデザインする

デザイナーと店に見に行って勧められた壁用のタイルは硬い質感(ガラスのようにつるつる)のものでいかにも冷たい感じがした。それから床用のタイルは滑り止めのため質感がサンドペーパーのようにざらざらしていた。直感で肌に心地が悪いと思った。ザラザラのサンドペーパーは足の裏に不快。ガラスのように冷たい壁のタイルも凍えそうだ。それで却下。

それで別の店を自ら訪ねて探すことにした。ちょうどいい質感のタイルがすぐに見つかった。壁用の長方形の大きなタイル(12 x 24インチ)はサテン・マットの質感で温かい印象。表面が滑らかですべすべしている。 それから地中海風の手焼きの凸凹したタイル(6インチ四方)は現物を見てすぐに恋に落ちた。旦那Aもこれがいいと言うので、バスタブの奥の壁に一面だけに使ってアクセントにすることにした。床は滑り止め用と施工のしやすさ、排水のシンプルさで小さめのモザイク・タイルを選ぶことにした。

後から知ったのだが、大きな壁用のサテンの質感のタイルと、凸凹の手焼き風タイルは共にスペイン製。素材は赤い土のテラコッタで上に白いグレーズがかかったもの。素材がテラコッタのためか色合いが温かい感じがする。大きな壁のタイルは白だがクリームがかった色合い。そしてアクセントの手焼き風の凸凹したタイルはグレーズが一つ一つ微妙に違っていてピンクのトーン。組み合わせると面白い質感になる。そして床のモザイクはアメリカのデザインでタイ製。粘土がグレーのために青みがかって見える。これらの3種のタイルの質感がこのバスルームのデザインの要となった。


② アクリルまたは琺瑯のスタンダードなバスタブ
(ジャクージを付けない)

以前のバスルームにはタイルで固めた巨大な(日本風)お風呂があった。ただこのお風呂はとにかく大きすぎてお湯が溜まるのに何時間もかかる代物。15年間この家に住んで結局お風呂に入ったのは3回ぐらい。そしてそのお風呂にはジャクージ機能も付いていたが、まずお湯が溜まらなければ使えない。なんとかお湯を溜めてスイッチを入れても音がうるさくて全くリラックスなど出来ない。これは完全にデザイン上のミスだと思った。普通のシンプルなバスタブは夢であった。悲しくなるくらい長い間、15年間もお湯につかりたいと夢を見た。悲願のバスタブである。

色々とデザインなどで迷いに迷ったがバスルーム専門のお店に行って質のいいバスタブを注文した。お店の方にはとてもお世話になりました。とても感謝してます。

アメリカのバスタブは長さ60インチがスタンダード。しかしうちのウェットルームの幅はぎりぎりの62インチ。バスタブの設置方式はアンダーマウント型とドロップイン型がある。


● アンダー・マウント/Under Mount方式
…とはタブを下で支えてタブの上にタイルや石の枠を乗せる方法。しかしアンダー・マウントはタブと上のカウンターの間のシリコンのコーキングにカビが生える可能性があると思った(私の思い込みの可能性あり)。

● ドロップ・イン/Drop In方式…
とはバスタブの縁を枠の上に乗せ、また下からも支える方法。タブの縁がカウンターの上に露出しているので掃除がしやすい。


私は掃除が簡単だからとどうしてもドロップイン式で設置したかった。

うちのタブ設置スペースは小さい。しかしバスタブを小さいものにするとタブのデザインが選べない。それでぎりぎりに両脇を1インチずつだけ残してドロップイン型で設置することにした。かなりギリギリの設置だが掃除もしやすくほぼカビの心配がないのでそれでよかったと思う。


③ ゴールド=真鍮/ブラスのパーツ

長いトラックの上下移動式シャワー
すでに他のバスルームで使っていたDelta社の製品の質がよかったのでまずはDelta社の製品で探し始めた。最初はクロームやニッケルなどの一般的なシルバーの色を考えていたが、ふと思いついて真鍮=ゴールドはどうだろうと思い始めた。特にタイルを全て白にするので、シルバー系の金属は冷たい印象になるかもしれない。

早速ゴールドでパーツを探し始めたらデザインが多く出ていることに気付いた。少しデザイン的な実験になるが「ゴージャスなゴールドがいい」と思った。白い地中海風タイルなら映えるはずだ。真鍮ならタイムレスでクラシックな印象も作ることが出来る。Delta社の製品で探し、そのうちDeltaのハイエンドのブランドBrizoにたどり着いた。そこで縦に長いトラックで上下移動可能なシャワー・ヘッドを見つけた。それを一番最初にオンラインで購入。そこから全てが始まった。ゴールドの色調を調べて全てのパーツをDeltaかBrizoの真鍮製のパーツで揃えることにした。その他のパーツも同じ色で探した。


④ シャワーエリアは入口を拡大
元々あった入口は小さかったので大きく広げるようにリクエストしたら可能だとのことで(屋根を支えない)柱を1本切って間口を広げることになった。


⑤入口のガラスドアとゴールドのハンドル

今どきのシンプルでモダンな1枚ガラスのドアに真鍮のハンドルをリクエスト。全ての工事が終わってから注文したので後から取り付けられた。


⑥天井のライトを調光スイッチ付きの新しいものに変える
建物が建てられた時からそのままだったシンクのエリアの天井のライトを全てLEDの新しいものに取り換える。デザインは天井にはめ込むシンプルなもの。スイッチで調光ができるようにすれば夜中に目が覚めたときに眩しくなくていい。ウェットルーム内は(戸外用の壁用ライトを)二つに増やす。これもスイッチで調光できるようにした。


⑦シャワーの位置と排水口の位置を変更
以前のシャワーの位置が部屋の斜めの壁の位置にあったのでタブの隣に変更。それと共に排水口の位置も部屋の真ん中に移動した。斜めの壁はシャンプー用の棚を取り付けた。



バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ④選択しなかったもの 2



メディアで見たが選択しなかったもの


勧められたり雑誌などで見ていいと思ったが却下したアイデア
数えきれないほどのデザインの素材の中から自分に合うものを見つける作業…そのために多くのモノを却下する作業が必要になってくる。そのために「誰かが後悔しているデザイン上の失敗」にも注目した。それらの「Don’ts」の情報はネット上に溢れている。YouTubeにも情報があったので参考にした。それに私が個人的に却下したものも加えた。


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①カウンターの上にボウルが乗っているデザインのシンク
②複雑なデザインのトイレ
③ダークな色のタイル
④シャワールームでの自然石のタイルやパネル
⑤シンク上のミラーについて
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① カウンターの上にボウルが乗っているデザインのシンク Vessel Sinks
今どきの流行り。しかしこれは掃除が大変。水が回りに飛び散る。ボールの外に水が伝わって落ちてカウンターとボウルの下に入り込む。完全に綺麗にすることは難しだろう。昔ながらのデザイン…シンクが石のカウンターの穴の下に収まっている(Under mount)が掃除がしやすいと思った。

② 複雑なデザインのトイレ
タンクとボウルが一体になったものがいい。特にタンクとトイレのボウルが分かれているものは間の掃除がしづらい。近年の高機能トイレ…ウォシュレットや電動式の機能型トイレも、掃除がしずらいこと、いつか壊れるだろうことを考えて、一番シンプルなものにした。タンクとボウルの一体型。蓋もシンプル。蓋が壊れた場合に取り換えやすいデザイン。一番シンプルな飾りのないトイレを選んだ。

③ ダークな色のパーツ
石灰質の水垢が付いた場合に目立ちやすいそうだ。

④ シャワールームでの自然石のタイルやパネル
これはメインテナンスの難しさのため。英国にいたときにシャワーの壁が大理石のタイルだったが、自然石は時間と共に色が変わることが多く状態を同じに保つことが難しいと思った。例えば大理石は石灰質の水垢が付いたら酸での掃除が出来ない。大理石も水垢と同じ石灰質なので掃除のための酸が使えない…ということを硬水の英国で学んだ。掃除用に酸、また化学洗剤が使える方がいいとなると丈夫なセラミックのタイルが無難。

⑤ シンク上のミラーについて
今は壁一面の大きなミラーは流行らないのだと言う。コントラクターが「もう誰もそのような大きなミラーはつけませんよ」と言う。なるほど大きなミラーはフレームが無ければ端から黒く錆びることもある。ミラーのガラスのカットしたエッジが生で見えるのもデザイン上粗い感じはする。今どき大きなミラーを取り付けたいのであれば、額をつけるか、またはタイルや木のパネルに埋め込む方法がある。しかしそれは設置が大変だったり、デザインが複雑になることから却下。それで暫く迷うことになった。(後述)


バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ③選択しなかったもの 1



薦められたが選択しなかったもの


掃除のしやすさが一番の優先順位。
その基本の考えを元に…


薦められたが選択しなかったもの
いきなりネガティブな言葉だがこれがデザイン上の重要な作業。数えきれないほどのデザインの素材の中から自分に合うものを見つける作業…そのために多くのモノを却下する作業が必要になってくる。実はこれがデザイン・プロセスの要でもあった。

コントラクター/デザイナーに薦められたが却下したもののリスト
コントラクターにとってのプロジェクトは、新しいデザインやスタイルを試みる場でもある。綺麗に出来上がったプロジェクトは彼らにとって新しいポートフォリオとなり会社の宣伝にもなる。また市場にはありとあらゆる「魅力的なもの」「かっこいいもの」が溢れている。そのためデザイナーは最新のデザインのものを薦めてくる事も多い。しかしそれらの最新のデザインは必ずしも使いやすい物ではないかもしれない。ライフスタイルに合わないかもしれない。そこでこちらが意志をもって却下しなければならない場合もある。


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● シャワー+バス室/ウェットルーム
①床に据え置き型の丸いバスタブ
②頭上のレインシャワー
③切り替えの多いシャワーシステムや他の機能
④バスタブ専用のシャワー・システム
⑤シャワー室の床の長い排水
⑥シャワー室内のLEDライトの追加
⑦同レベルのウェット・ルームの床とドライな洗面エリアの床

● ドライな洗面エリア
①シンク上…流行りの額入りの小さなミラー二つ
②洗面所のヴァニティの下に空間をつくらない
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● シャワー+バス室/ウェットルーム

① 床に据え置き型の丸いバスタブ Freestanding Tub
広い部屋ならかっこいい据え置き型の丸いバスタブ。しかしうちのバスタブのスペースは小さい。シャワー・エリアの部屋の横幅は62インチしかない。置けないことはないが、タブを置いたら後ろのスペースの掃除が難しい。だから却下。

② 頭上のレインシャワー Rain Shower
かっこいい頭上の大きなレインシャワー。しかしこれもいずれ掃除が必要になる。英国で住んだ家のバスルームに付いていたが頭上のレインシャワーに石灰質がゴワゴワについて詰まっていたのでクルクルと回して取り外して酢に漬けて溶かす…などなど掃除が大変だった。だから却下。

③ 切り替えの多いシャワーシステムや他の機能
それ以外にも(今の時代は)壁から噴き出すスプレーやデザインの凝ったシャワーヘッドなどなど…お洒落な凝ったデザインものはいくらでもあるが、少しでも掃除が大変そうなモノは全て却下。また水の切り替えが多いということは、壁の後ろの仕組みが複雑で不具合が出るケースも増えるということだ。同じ理由で、タブから直接飛び出すハンドシャワーも、タブの下、または壁の向こうで水漏れしたら大変なので却下。

④バスタブ専用のハンド・シャワー
Tub Faucet with Handheld Shower

バスタブ専用のシャワーが最初は欲しかった。しかし狭い空間に複雑なデザインのシャワーヘッドがあると掃除が大変。それで却下。バスタブの中で髪を染める時や、バスタブの掃除にはハンド・シャワーがあった方がいいので、タブの隣のメインのシャワーのホースを長いものにした。バスタブの中でもメインのシャワーを伸ばせば使えるようにしたので、タブにはシャワーがなくてもOKとした。デザイン上もシンプルでいい。

⑤ シャワー室の床の長い排水…Linear Drains
今どきの流行りだそうだ…床のタイルを大きなサイズにして敷き詰め、床を一方向に傾斜させ、床の端の一番低い場所に長い雨どいのようなものを床に埋めて水を受ける。それにメッシュの蓋をする。その雨どいの中央に排水口があって水が流れる仕組み。一旦水を雨どいに集めて流すような仕組みだが、この蓋の下を掃除するのが大変だろうと思い却下。このリネア・ドレインのメッシュ蓋の下はおそらくカビが生えやすい。毎日蓋を開けて蓋の裏と水受けの雨どいを掃除するのも大変だと思った。排水口は水が直接排水口に流れる丸か四角の蓋の簡単なものがいい。

⑥ シャワー室内のモダンな埋め込み型LEDライトの追加
ケーブルを新しく天井に入れる話も出たが却下。今あるライトを二つに増やせば十分明るいはず。

⑦同レベルのウェット・ルームの床とドライな洗面エリアの床
A Barrier-free wet room/Curbless shower

今どきの流行りなのだろうか。ウェットとドライなエリアを同レベルにすることを薦められたが却下。シャワー室の床は掃除のため端から水を流せるようにしておきたいのでドライなエリアからはしっかりと区別したい。そこでシャワー室の床とドライな洗面エリアの間にはシャワー室の床から3インチほどのバリア(少し高くなった敷居)を作った。




● ドライな洗面エリア

① 洗面所のシンクの上の額入りの小さなミラー
今のトレンドなのだろうと思う。どのインテリアの情報を見ても今どきのシンク上のミラーは、絵画のようにフレームで囲ったミラーをシンクの上にひとつひとつ置くデザインが多い。しかしデザイン上いいものが見つからなかった。そのことは後で詳しく書く。

② 洗面所のヴァニティ(洗面台家具)の下に空間をつくらない
床掃除が大変なのでヴァニティは床に隙間を作らず直接設置。



バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ②基本の考え



基本の考え

まずこのバスルーム改装で目指したもの
最も優先したこと=Priority



掃除がしやすい。掃除が楽
これが一番。なによりも一番大事。全てのデザインはまずこれが前提。基本的に掃除は面倒なのでできるだけ簡単に掃除ができるように全てをシンプルに。掃除がしやすいことを考えて素材も選択した。

● 全ては白をテーマに
これは最初から決めていた。バスルームに色はいらない。白は清潔。白は部屋を明るくする。白は汚れがわかりやすいのもいい。すぐに汚れに気付いて掃除ができる。清潔なら気持ちよく使える。色で汚れをごまかさない(このことは現在、これからいつまでこのバスルームが綺麗に保てるのかの実験中でもある)。特にシンクのある部屋は北向きで窓が小さいので、部屋を明るくするために最初からテーマは白にしようと思っていた。

● シンプルな部屋のデザイン
改装にあたってレイアウトはほぼ変えない。変えるのはシャワーと排水溝の位置のみ。凝ったデザインのものを導入しない。様々な意味でデザインを優先しない…掃除がしやすいことを最優先にする。

● 機能を考えて素材、部品を選ぶ
まず掃除のしやすいセラミック・タイル。それから錆びない、剝がれない、カビにくい、傷みにくい質のいいパーツを選ぶ。掃除が大変そうな家具は導入しない…例えばミラー付きのメディスン・キャビネットは掃除が大変だからと却下。ほこりが溜まりがちな棚も壁に作らない。どうしても棚が必要なら後から追加すればいい。まずは余計なものが何もないところから始める。タオル掛けやフックも同様。最初は最低限必要なものだけを取り付けることにした。


バスルームの一番の大きな問題は「水を使う場所/湿気の多い場所」であること。水を使うからモノが傷む、汚れがつく、汚れが増える、ひび割れる、カビが生える。水があるから…湿気が多い場所だからいつか綺麗ではなくなってしまう。長い間綺麗に保つためには、水や湿気、掃除に強い素材を選ぶこと。シンプルなデザインで掃除が楽であることが大切。まずは掃除のしやすさが一番の優先順位。