Bizet: Carmen, WD 31 - Overture (Prelude)
Performed at the Metropolitan Opera
Conducted by James Levine
Conducted by James Levine
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Carmen
Opera by Georges Bizet
Language: French
Based on novella of the same title by Prosper Mérimée
Premiere: 3 March 1875, Opéra-Comique, Paris
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Carmen
Opera by Georges Bizet
Language: French
Based on novella of the same title by Prosper Mérimée
Premiere: 3 March 1875, Opéra-Comique, Paris
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Blaisdell Concert Hall
October 13, Friday, 8:00pm
カルメンです!待ってました!
たぶん一番見たかったオペラ。昔買ったクラシックのコンピレーションCDで、小澤征爾さんの「カルメン」の前奏曲がそれはそれはもう元気がよくて好き。好き好き好き。ドッカンドッカン威勢が良くて元気が出る。これはハードロックだと思います。
このオペラは有名曲が多い。カルメンの歌う「ハバネラ「恋は野の鳥」…私を好きになってもいいけど簡単じゃないわよ」そしてドラマチックでかっこいい「闘牛士の歌」。クラシックは詳しくない海亀もこれくらいは知っている。曲を知っているならオペラも楽しいはずだ。
さっそくしっかり予習。前回見た『ホフマン物語』で、オペラは予習をしっかりしていった方がいい事を実感したので、公演当日の午後を使って情報を集める。
★自分用の粗すぎるあらすじ(ネタバレ注意)
1820年頃。美しく妖艶な女工・ジプシーのカルメンちゃんが、カタブツの衛兵ドン・ホセ君を惑わせて虜にする。ドン・ホセ君には田舎にミカエラちゃんという可愛いフィアンセがいる。それなのに彼はすっかりカルメンちゃんに惚れてしまう。その上に彼はまたカルメンちゃんにそそのかされて軍隊を辞め、ジプシーに加わって密輸業にも手を染める。一方カルメンは超かっこいい闘牛士エスカミーリョ君に出会ってしまい惚れてしまう(ロックスターのようなものですね)。密輸業に文句を言うドン・ホセ君に愛想をつかし、エスカミーリョの元へ走ろうとするカルメンちゃんを、ドン・ホセ君は刺し殺してしまうのだギャー!
★感想
肉感的な美女・カルメン
全ての男を魅了するカルメンちゃんは絶世の美女。お顔が綺麗。それにおそらく肉体も魅力的なのに違いない。むっちりと豊満でくびれるべきところちゃんとはくびれているいい女。いいねぇ。今回のカルメンちゃんはケイト・アルドリッチ/Kate Aldrichさん。とても綺麗な方です。それに豊満。おっぱいが大きいぞ。メロンかな。衣装からこぼれそう。お歌も上手なんだけれど、私はまず彼女のルックスに圧倒されました。衣装もステキです。第4幕の黒い衣装は地味で真面目なカタブツ・ドン・ホセ
そしてカタブツのドン・ホセ君にはキップ・ウィルボーン/Kip Wilbornさん。小柄。地味です。カルメンちゃんが惹かれるわけだから、もう少し若くてもよかった気がするけれど、お歌は上手です。それにルックスが地味なら、最後にふられる悲しいドン・ホセ君にもリアリティがあっていいのかも。彼の最後の頑張りはちょっとドキドキしました。
派手なエエ男・闘牛士エスカミーリョ
このエスカミーリョ君はアフリカ系の方です。ダレン・ストークス/Darren Stokesさん。大柄です。まあびっくりするほど肉体派。大きい大きい。声も大きいし身体も大きいしカリスマはハンパ無いし…ええ男。これはカルメンちゃんが惚れてしまうのもしょうがないですね。
ステージセット
ステージのセットもよく考えられたデザイン。レンガを積み上げた壁と門で室内、室外全てを表現。オペラのステージセットとはよく考えられているものだと毎回感心します。地方のオペラなので規模は小さいはずなのに、ステージセットに手を抜いていないのが嬉しい。
衣装
衣装も毎回いい。近年大都市などで上演されるオペラは(歴史的な時代の話でも)現代的な衣装やモダンなデザインの衣装が使われることが多いのですが、この土地のオペラは衣装も舞台もクラシックなアプローチをしているものが多いのがいい。今回の衣装も3幕分それぞれ時代に沿ったものだったのがよかった。
カルメンはそれらしいデザインの衣装を3種類。1幕は白い衣装で、それ下着じゃないの?というデザインの衣装だったけれど、回が進むにつれて衣装に色が加わる。2幕の衣装の色は黄黒赤。4幕で待ってました…いかにもなカルメンの衣装…全身真っ黒のドレス。フリルの付いた引き摺るほど長いゴージャスなスカート。黒髪には赤いバラ。いいですねぇ。カルメンちゃんはいい女よ。
女性は皆女性らしい衣装だし、衛兵はカラフルなユニフォーム。闘牛士は派手派手。かっこいいです。一回しか出てこない騎士たちの闘牛会場への入場のシーンも、皆それぞれ闘牛のユニフォームを着ているのが派手でいい。全体でたった10分ほどの登場なのに贅沢です。
★オペラ「カルメン」
曲に馴染みのあるものが多いのでそれだけでも楽しめる。今回は「ハバネラ」や「闘牛士の歌」の歌詞を動画サイトなどで予習していったのだけれど、演者の方々がしっかり演技をしながら歌っているので楽しい。
ホセ君は普通の人なんですよね。もしホセ君が古風で気立てのいいフィアンセのミカエラちゃんと無事に結婚したならば、きっと穏やかで幸せな家庭を築けただろうに、たまたまカルメンに出会ってしまって人生を狂わされたんですね。どうして水と油のような男女が惹かれ合ってしまったんでしょうね。肉欲とは危険なものです。カルメンちゃんのような派手な女性は、最初から闘牛士のような派手なスーパースターが似合っていただろうに…。
派手でゴージャスなモデルさんが、中堅サラリーマンと恋に落ちたのにやっぱり退屈してしまって、結局ロックスターの元に走ったら、嫉妬に狂った中堅サラリーマンに刺されてしまった…というような話ですね。
★ドラマチックな第4幕
オペラは演出次第で印象が変わるものだろうけれど、このカルメンの第4幕は最高によかったです。
闘牛の日。闘牛士と騎士達が派手な衣装で会場のゲートに登場。彼らスター達を観客がバラの花びらを散らして迎える。大変な騒ぎ。スター達に続いて観客達も闘牛場に入っていく(舞台裏)。壁の向こうでは闘牛が行われている。会場の外ではカルメンがエスカミーリョを待つ。
そこにドン・ホセがやってきた「もう一度俺にチャンスをくれ。俺と一緒になってくれ。お前が好きだ好きだ好きだ」といいながら、カルメンを追い掛け回す。豪華なロングドレスを引き摺って逃げ回るカルメン。走るたびに、闘牛士のためにまかれた赤いバラの花びらがひらひらと舞い上がる。綺麗。
「いやよ。エスカミーリョがいいの」逃げ回るカルメンをドン・ホセが追いかける。すがりついてカルメンの腰に抱きつき「お願いだから俺とやりなおしてくれ」「いやよ!あなたなんかキライよ離して!」「待ってくれ」「もうあなたなんか嫌い。これも…こんなものももういらない!返すわ!」と言ってカルメンがドン・ホセに貰った指輪を投げつける。
これでドン・ホセが逆上。ナイフを取り出す。カルメンが数歩下がる。そして闘牛場の入り口に向って走り出す。壁の向こう側…会場内ではエスカミーリョの勝利をたたえる観客の声。威勢のいい歌声。ドン・ホセがナイフを手にカルメンを追いかける。向き合って一瞬躊躇するものの、走り去ろうとしたカルメンをとらえて振り向かせると前からナイフを突き刺す。苦痛にゆがむカルメンの顔。そのまま崩れ落ちる。カルメンの側に座り込み「さあ俺を捕まえてくれ」と天に向って叫ぶドン・ホセ。幕。
ふお~これは盛り上がる。息をのみました。ドン・ホセとカルメンの修羅場の間、闘牛場内では闘牛士の勝利で観客が盛り上がっているのがもうドラマチックでエキサイティングで感動する。オペラがこんなに面白いものだとは…もうびっくりしました。
終了した後、幕が上がって演者が出てくる。皆カルメンちゃんが出てくるのを待っている。実は最後のドン・ホセさんも素晴らしかったのだけれど、どうしても今日の主役カルメンちゃんのために立ち上がりたい。ドン・ホセさんにも周りが立ち上がり始める。最後にカルメンが出てきてからすぐに立ち上がった。会場もどどどっと一気に立ち上がる。割れんばかりの拍手。拍手はいつまでも鳴り止まない。会場中が大きな歓声に包まれる。これもオペラの楽しさ。
最後に幕が引かれた直後、幕の内側からも大きな歓声と叫び声が上がるのが聞こえた。ステージ上でもこのショーの大成功を喜んでいる。幸せな空間。
イヤー良かった良かった。とても楽しかったです。やっとオペラが本当に楽しくなってきたかも。このオペラは、カルメンのあまりにものスキャンダラスさのために1875年の初演の時には評判が悪かったらしいです。それなのに現代では世界中で大変な人気のオペラ。時代は変わるものです。私もどちらかと言えば「いい娘が恋に落ちるのに結核で死んでしまう」ような話よりも、カルメンちゃんのように自由で活発なワルイ娘の話のほうが面白いですふふふ❤❤❤