能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年1月20日日曜日

映画『世界にひとつのプレイブック/Silver Linings Playbook』:デニーロ父ちゃん…

 
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Silver Linings Playbook2012年)/米/カラー
122分/監督;David O. Russell
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この映画、すごく高評価なんですよ。
 
アメリカの映画データベースサイトの評価は、10点満点で8.2点。お…それに、今年のアカデミー賞にもノミネートされたんですね。トップクラスの映画なのね。それは驚き。ほんとなの?
 
面白かったです。とくにロバート・デニーロさん。大笑い。『ミート・ザ・ペアレンツ』以来この大御所はこういうのによく出ますね。喜んでやってるんだな。
 
とにかくゲラゲラ笑って楽しめた。言ってることも、設定も、シーンも、画面も、俳優もやたらとおかしい。全体でよくまとまっているというより、場面場面のパーツがすごくおかしい。デニーロパパの友人達もすごくおかしい。デニーロパパが熱狂しすぎるのが超おかしい。
 
…しかしそれだけなのだ。
 
 
ネタバレ注意
 
ストーリーは、心を病んだ男女2人がギクシャクしながら出会って…というドラマなんだけど、決して深刻ではない。設定は深刻なんだけど、全体のトーンがコメディのドタバタなんで、特にこんな深刻なテーマを持ってくる必要も無かったかなという気もする。
 
たぶんそこが好き嫌いの分かれるところ。「心の病」を患った二人の話だからこそ、もう少し掘り下げた話も作れたと思うのだけど、おかしなシーンや台詞のほうがずーっと強烈なので、結局2人の「心の病」の設定はどうでもよくなってしまう。ドタバタコメディを描くためだけに登場人物を病気にしちゃったのかな…という印象さえ受けてしまうのは難点。ちょっと設定に無理がある…というか、あまり必然性が無いかな…という感じ。
 
正直、単に可愛いロマンティック・コメディでいいんじゃないかと思った。なにも二人を病気にする必要はないですよね。だって病気の描写なんて、室内でギャーギャー騒いで両親を早朝に起したり、道でギャーギャー怒鳴り合いをするだけなんだもん。それ以外は普通の人。落ち込むシーンも殆ど無い。病気の必然性はないな…。あまり病気に見えないから、パット(男)が奥さんをしつこく忘れられないのも説得力が無い。
 
この程度なら、ちょっと冴えない離婚したばかりの男に、やはり離婚したばかりで落ち込んでる女性でも十分成り立つよなー。だけどそんなありきたりな設定にすると、80年代のメグ・ライアンとトム・ハンクスあたりのロマコメの焼き直しになってしまう。だから今風にするために、心の病気の設定にしたのか…という感じ。
 
 
最近は、病気だとか、いろいろと人生に問題を抱えた人物が、いろいろとあって、それでも最後には幸せを見つける…という話がやたらと多い。それぐらい今のアメリカは病んでいるのか…。しかし、病気だから、不治の病だから、問題を抱えている設定だから…だから全ていい映画というのは大変間違っていると思う。非常に安易。近頃そんな話が多すぎる。そういえば『The Perks of Being a Wallflower』も設定に無理があると思ったな…。あれもすごくいい話なのに。
 
「ちょっとネジの外れたギクシャクしたファミリー(問題を抱えたファミリー)だけど、みんなゲラゲラ明るく幸せ」なんていうテーマも、ありがち。この映画のダンスコンテストなんて、『リトル・ミス・サンシャイン/Little Miss Sunshine』の焼き直しだと思ってしまった。
 
まとめると、映画はゲラゲラ笑って楽しめたけど、設定に必然性がない。最後のまとめもオチもありきたり。あはははは面白かったね…とそれだけの映画。あまり中身は無い。
 
中身は無いけど、外側は凄くいいんですよね。ドタバタコメディのパーツも、一つ一つはすごくおかしい。場面場面で大笑いがかなりある。デニーロさんは最高。主演のお二人も素晴らしい。特にジェニファー・ローレンスさんがいい。どちらかといえば地味な顔なのに、時々ドキッとするぐらい超美人に見えるときがある。不思議な魅力のある女優さん。あの青い目がいい。『ハンガーゲーム』の時もいいと思ったけど、この人は注目だ。…と思って調べたら、なんとまだ22歳なんだそうだ。うわーこれはすごいな。28歳ぐらいかと思ってた。こんなに若いのなら、まだまだこれから顔も変わりますね。