先週はきりちゃんがうぜぇうぜぇと吼えて感想が終わったんですけど、世間でもかなり吼える方々が多かった模様。いやー今年は大河ドラマとはいえ昔の重厚ドラマとも違うし、どうしても三谷印のコメディ調が出るのは致し方なく…。きりちゃんの件も出るたびにうぜぇうぜぇと文句を言いながらそれでも楽しんでドラマを見る…今年はそんな感じで見続けるんだろうなと思います。なんだか全編を完璧な歴史大河とは思わなくてもいいような気がする。とりあえず楽しめればいい。
そんなわけで、今週は昌幸パパの黒い陰謀の回だったわけですが、心優しい視聴者の方々にはあれが結構きつかったらしい。悪い男やね。しかしワタクシは今回昌幸パパの陰謀はOKです。誰を斬ろうが騙そうが嘘をつこうが全然OK。大丈夫大丈夫。ただ問題はその陰謀の辻褄があうのか…という問題。
もともと史実では、春日さんが自ら北条に寝返ったのが上杉に見つかって処刑されたらしい。北条が上杉との戦を避けたのは徳川家康が甲斐に入ったため。また上杉が越後へ帰ったのはたまたま起こった家臣の反乱を鎮めるため。上杉と北条が信濃から撤退したのは、真田とは何の関係も無かったらしいです。それを今回のドラマは、全て真田昌幸パパの企み大成功!ということにしたんですね。いやーこれがちょっと無理があると思ってしまった。
真田は春日を調略してそれをお土産に北条に下る。綿密に計画したように見えて無駄が多い気もする。ドラマの演出的に無理やり辻褄を合わせた部分もありますね。ちょっとそれが気になった。
たぶんいろいろと話を捻って視聴者を右に左に揺さぶるのが三谷印でもあるんでしょう。これもきりちゃんと同じで「な~んだよそれ変じゃねーか」と管を巻きながらも楽しんで見続ける…このドラマはそういうのが結構多いのかもしれない。
★あらすじ
(堺)信繁と叔父信尹は、上杉についた春日信達を北条側へ引き入れるため調略に行く。(草刈)昌幸パパは南の北条へ下る。北条へは春日が真田とともに北条に下ると伝えながら、裏で春日を殺害。北条は上杉攻めを断念して南下。上杉もたまたま越後で起こった部下の反乱を鎮めに信濃を捨て北上。信濃は(草刈)昌幸パパの思惑通りフリーになる。●OKな事項
・地図上を紫の小さい人達が歩いてる
・大魔王・北条氏政…顔芸最高!面白い「食べる分だけ汁をかける…すこぉしずつすこぉしずつ」
・春日さんは脚が長いねぇ。
・北条のぼんは馬鹿ぼんぼん OK!
・紳士(エンケン)上杉景勝さま OK!
・悪い信尹叔父さん OK!
・おい、いきなり刺すのかよ OKOK!
・あー磔だ OK
・北条の南下を聞いてびびる家康 OK(笑)
・またまた穏やかな上杉景勝さま、OK
●「ん?」と気になった事項
・春日さんは裏切りたくなかったのね。それを無理やり真田が北条側に誘っている。・パパの北条行きも突然。北条氏政に春日の恭順を伝えるだけで手紙をもらえるのなら信尹+信繁が春日を調略する必要はなし。
・信尹+信繁が上杉にいる間に真田パパの北条への寝返りが上杉へ伝わる。敵に寝返った真田の家臣なら捕えられて上杉の人質にならないの?
・その状況で春日を調略するのも無理がある。
・真田は北条から春日への手紙を持って簡単に上杉陣に入れるのか?
・どうせ殺すなら、春日に手紙を見せて喜ばせる必要もなし。
・信尹「春日が斬りかかって来たから斬った」←春日の刀に信尹は脇差で戦ったとして勝てるのか?←その嘘を上杉に信じてもらえるのか?
・そもそも裏切り者の真田の家臣が、上杉の家臣・春日を勝手に斬ってもいいのか?
・北条/上杉が対峙している場面。春日の磔を見ただだけで北条は突然全軍を撤退させるのか?
・昌幸パパ「上杉に襲いかかれ」と氏直に進言しているけど、そのまま氏直が同意したらどうする?氏直のあまのじゃくな性格をなぜ知っている?
な~んて史実を全く知らないのに文句だけうだうだと並べましたが自分でも何を言っているのかよくわからん。でもなんだか話が不自然。まとめると…
真田が最初から春日を殺すつもりでいるのなら、このドラマのような熱心な調略は必要なし。北条に春日への手紙を書いてもらえたのも、たまたま氏政の機嫌が良かったから。氏政が真田パパの顔を見ただけで書いているのならやはり調略は必要なし。信伊と信繁は適当に春日と和んで密かに北条からの手紙を受け取ればいればいい。北条に下った真田の家臣が上杉内に留まって、上杉の家臣を斬って許されるのも不明。なんだかいろいろと無理がある気がした。
まあいいんですけどね。この大河ドラマは、三谷さんが凝れば凝るだけ重箱の隅をつつきたくなるものかもしれません。それがまた楽しみであったりもする。