今週はなんにも起こらなかったですね。八重ちゃん(綾瀬はるか)とJoe(オダギリ・ジョー)のなれそめの回なので、まあそれもやむなし。
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…と、こういう具合ですが…、まーとにかくこの製作チームは尚さんを引き摺りますね。長い長い。とうとう亡くなる瞬間まで描写。正直今週はもう出なくてもよかったんじゃないかと思った。
いや実は、前々回に八重ちゃんが東京の尚さんに会いに行くのも、無くてもよかったんじゃないか…と思うくらいで。だってあそこでわざわざ会いにいってるのに結局知らん顔してるから山本さんちが冷たい兄妹に見えてしまうんだもの。ネット上でどなたかがおっしゃってましたが、八重ちゃんと尚さんは会津城開城の回を最後として、後日八重ちゃんは、尚さんが東京で亡くなった知らせを京都で初めて聞き「八重さんには前を向いて歩いて欲しい…云々」というような尚さんの❤レターを読んでさめざめと泣く…ぐらいでよかったんじゃないかと思う。それじゃあ尚さんファンには物足りないかもしれないけど…。
わざわざ尚さんを引っ張ったもんだから、またまたぶしつけで超胡散臭いJoe君の求婚をそのまんま受け入れる八重ちゃんもいかがなものか…と思えてしまった。今回の八重ちゃんとJoe君のなれそめはかなり無理があるよなぁ…。
あのJoe君ピクニックデートも私としては苦しい…。だってさ、最愛の家族を亡くし、最愛の夫をつい先日亡くし…といろんな悲しい事が山積になっていっぱいいっぱいな女性に「向き合わなくちゃいけませんよ…」なんて、とんでもなく無神経でぶしつけな申し出だと思う。
まだ心の傷が癒えない人に「過去の事なんて忘れろ。地面に触ってみ。気配があるかも。ここに死んだ人の魂があって話しかけてくる…声が聞こえるだろ」なーんて言われても、頭おかしいんじゃね…?と思うのが普通。このJoe君のキャラには、現代のスピリチュアリズムが入っているんでどーも胡散臭いですな。よくあんな人との結婚を承諾できるもんだと思う。私、スピリチュアリズムは決して嫌いではないけれど、明治の時代に持ってこられると非常に戸惑いますね。
それにJoe君に尚さんの「会津戦記」を読ませて八重ちゃんの旦那二人を無理に結びつけるのももういい加減にしてほしい。Joe君が尚さんをどう思うのかなんてどうでもいいことですよ。なんだかもうベタベタ。
…とまあ、文句ブーブーですが…。
私は個人的には、歴史上の人物にあまり気持ちを入れ込まないんで、彼らの気持ちを察しはしても、その行動の善悪やいい人かどうかにはあまり興味がないんですよ。歴史上の人物もまた私達と同じ人間。環境も時代も違うんだから私達に理解できない事をしても別にいいんです。
それを現代人の嗜好に無理に合わせようとすると無理が出てくるのはあたりまえ。ここ数回のこのドラマを見ていると、どうも現代人の嗜好に合わせたキャラ作りで、人物像がおかしなことになってきているような気がする。会津編はよかったのにな…。
例えば、これは想像ですが(もしかしたら史実では)、覚馬君とうらさんが仲のいい夫婦である必要は無いし、うらさんと山本家の関係も、いつもわきあいあいとしているとは限らない。八重ちゃんと尚さんの夫婦関係だって、あれほど仲がよかったわけではないかもしれないし、また八重ちゃんとJoe君との結婚が(特に結婚当初)ラブラブである必要も全く無いわけですよ…当時の感覚からすれば。そもそも記録されている資料を見ても、山本家の人々はそれほどよそ者に優しい家族という感じもしないんですよね。尚之助さんやうらさんの扱いなんて特にそう。それに実際のJoe君は短気で、あんなに天使みたいじゃなかったそうです。でも…別にそれでもいいんですよ…話の筋さえ納得できれば…みんな必死であの激動の時代を生きていたんだもの。
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むしろこのドラマの初期の、あまりラブラブではなかった覚馬君とうらさんの新婚当時の様子のほうがリアルでよかった。今回の八重ちゃんとJoe君だって、最初はとりあえずご縁があったから結婚(←当時の結婚の理由なんてそんなものが多い)。2人とも気性が激しいんでよく喧嘩もするけど、一緒になってみたら意外に相性がよかった…ぐらいでよかったんじゃないのかな。夫婦の相性のよさなんて時間をかけて分かることも多いんです実際。
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ともかく生暖かく見守っていこう。
時尾さんと斎藤さんのなれそめは、あまり時間をとらなかったのにサラッとイイカンジ。よかったですね…。