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『Inside Out(2015年)/米/カラー
/94分/監督:Pete Docter, Ronaldo Del Carmen』
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この映画、封切られてもう暫く過ぎているのだけど米の批評サイトでは最高得点。まーピクサーか…ピクサー…本当は大人の映画が見たいものだが…うーんでも良さそうだしとりあえず見に行くか…と鑑賞。
佳作ですね。話は面白い。ただキャラクターがフォーカルポイントとして弱いので(ライリーちゃんも感情キャラ達も)サラサラっと見て上手いもんだなぁ~と思いながら途中で泣いたりもするんだけど…結局あまり後に残らないかな。よく出来た話なんですけど。
★ネタバレ注意
よく出来た話なのよこれ。頭がいいですね。アイデアが素晴らしい。人の頭の中に世界があって感情のキャラが人間をコントロールしている…。昔DNAが人を運転しているという本を読んだけど、これもそんな話ですね。感情が人間を運転している。
しかしあの頭の中の世界は上手いもんだよなぁ。なるほどなるほど…と思いましたもん。あの設定は実写でSFでもいけるな。いやいけないか。人間宇宙船どうよ…。
そんなわけでキャラに入りこむ程ではないんだけど、あの頭の中の設定が大変面白くて楽しめました。感情の記憶の玉のぶつかる音が重いガラスみたいな音で、割れないのかなと気になったり、ホッケー島やファミリー島が崩れるときは「あああああぁこれはいかん…」とドキドキ。
ピンクの像さんビンボンは「イマジナリー(想像の)フレンド」だそうですが、私にも昔はいたんですかね。覚えてないです。友人が、昔彼女の子供が小さかった時に「うちの子が誰かと一人で話してるのよ」などというのを聞いたことがありましたが、ああいうものなんでしょうね。
ライリーちゃんが、新しい環境で辛いことが重なって無表情になっていくのが、「ヨロコビとカナシミのキャラがコントロール・センターから消える」という設定も上手い。怖いのと怒りと拒否の感情は残ってるのね。
記憶が奈落に落ちていつしか風化していくのもなるほど…そうそう記憶が消えるのね。いつしか消えていく。ああいう人の頭の中で起こっていることの具現化が本当に面白くていちいち唸らされました。上手いもんだ。
あまり心が入らなかったとはいえ2度程泣きました。旦那Aも隣で泣いていた。ビンボンを見て泣くのは大人なんだよな。カナシミには「人を泣かせて次に進む」大切な役割も、なるほどなるほど…うまいもんだね…とまた唸る。ライリーちゃんもかわいい。
ところでイマジナリーボーイフレンドなんて私にはいなかったぞ。
というわけで…この映画は「作った人は頭がいいもんだな」と思いました。良く出来てます。しかし最近のディズニー印ピクサーアニメは毒がないんでちょっとつまんないんですけどね。そのせいなのかどうもキャラクターが弱い気がする。もっとアクが強いキャラがいてもいい。もうCGへの驚きもなくなっちゃいましたしね。昔の「バグズライフ」や「Mr.インクレディブル 」なんてもっとふざけていてアクも強くて面白かったと思う。
でもアメリカ製の健全で正しい王道アニメーションはそれはそれでやっぱりいいと思います。そういう文化なのね。
最後の犬の頭はそのまんまで笑う。猫はもっと知的だと思いますよエェ。