能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年9月29日日曜日

NHK 土曜ドラマ『夫婦善哉』 第2回



はぁー濃いですね。これは面白いな。こんなドラマなかなか無いですよね。そもそも今どきこんな話書けないと思う。やっぱりこれ戦前の話しですよ。もう熱い熱い。情が深い。今どきこんな男女いるのかなぁ…いるんだろうな…すごいよなぁ。

だってね、もし私が蝶子さんだったらあんなに献身的になれない! あんなに自分勝手な男、さっさと放り出すっ! 放り出すって…だってあの柳吉君、まったく甲斐性なしじゃないですか。蝶子さんが全部稼いで養ってるわけでしょう。あんな身勝手な男、面倒見る必要なんて全く無いんですよね。私だったらさっさと放り出す!

ところが蝶子さんは情が深い。情深く柳吉を愛して愛して愛しているから何をされてもやっぱりとことん尽くしてしまう。うわー私には出来ない…絶対出来ない。無理無理無理無理…だと思う。いやだからこそ蝶子さんて本当にすごいなーと思ってしまう。尊敬してしまう。


よく言うじゃないですか、とことん惚れた方が、惚れられた方より実はもっと幸せだと。人にどう思われようと一切気にすることなく、自分の好きな人のためにとことん尽くす事が幸せ、尽くせば尽くすだけ幸せ…なんていう話があるじゃないですか。えーでもそれって本当なのか…うわーわからないよう…。

だって現代の常識では男女共に皆自分勝手でしょ。言い方を変えれば皆「自分を大切にする」。…でお互いにいろんな意味で都合のいい男女が寄り添って同等に平等にお互いを尊重しあう関係…っていうのが理想なわけで…。このドラマみたいに、一人がとことん自分勝手でもう一人がとことん尽くすなんてもうありえないじゃない…一般的には。

そこのところがね…不思議。(私も含めて)合理的になりがちな現代人にはこういう話って新鮮だと思う。蝶子さんがあんなに自分勝手でダメな男につくすのを見て、ただただほぉーと感心する。「もしかしたら、ああいう情深い女性のほうがワタシよりも幸せなんじゃないのか…?」(笑)

だって蝶子さん、柳吉と一緒にいて怒ってない時は本当に可愛いんですよ。幸せそうなの。維康の番頭さんにお金をつき返した後、柳吉にすがって「もうどこにもいかない?」と確認すると「よかった…」と2回呟く。かわいい あーこの人は幸せなんだよなぁ。


尾野さん上手いですよね。今回ほんとにびっくりした。柳吉に病院にひき止められて蝶子が母の危篤に家に帰れない場面で、無言のまま目からぶわっと涙が溢れる。まったく表情を変えずに涙が落ちる。人って本当に悲しい時ってああいう風に涙が出るんですよ。私にも経験がある。実際泣き顔の表情なんて人に見られるために作るようなものじゃないかと思うくらい。悲しい時って涙だけ出る。尾野さんすごいです。

それから、突然キレて物を投げるのもすごくおかしい。維康の番頭さんにお金を投げつけ、温泉旅館での柳吉にお土産をバンバン投げる投げる投げる…あははははははは…すごくおかしい。大笑い。そしてその直後にいきなり柳吉の胸倉を摑んで床に押し倒し胸に顔を入れるんだもん…(大笑)ヤレヤレ…熱いな…。

尾野さん、いろんな表情が素晴らしいです。怒ったりいい女だったり可愛かったり…この蝶子さんは本当に魅力的。
 
 
森山さんの柳吉もいい。やっぱりいい。私はあんな扱いをされたら絶対いやですけど、蝶子さんが惚れてしまうのはなんだか分かる気もする。強気なばっかりで意地張ってるけど、すごく傷つきやすくて繊細。物事が上手くいかないと拗ねていじける。自分に惚れている蝶子にはとことん甘えて子供みたい。我侭ばっかり言ってる。
 
蝶子が母の危篤で家に帰ろうとするのを「水持ってこい」と止める場面、最高。いや…柳吉は最低ですよ。だけどあの場面の柳吉の気持ちはよくわかる。あの場面の直前、尋ねてきた妹に八つ当たりして怒鳴り散らしてるんですよ。せっかく訪ねてきてくれた身内に八つ当たりして嫌な顔されて悲しい時に、たまたま蝶子も家に帰るという。…で、急に心細くなったのね。いきなり「水持ってこい」と怒鳴る。うわーひどい。でも寂しいんだよなぁこの男。身内に見捨てられて寂しくて今度は蝶子の愛情を試してる「こいつも俺を見捨てないだろうか…」。馬鹿なヤツだまったく。しょうもない。でもなんだか哀れだったりもする。あのあたりの可愛らしさは絶妙。いや私だったらさっさと家に帰るけど。蝶子さんは優しすぎるの。昔の女なんですね。
 
森山さんは不思議な魅力。ルックスはすごく若くてちょっと子供っぽいのに、声が意外に低くていい。ぶっきらぼうな話し方もオヤジっぽくて男臭い。昔の時代の男っぽい。とても不思議。蝶子がこの柳吉に惚れるのは分かる気もする。
 
 
そんなわけで、惚れた男には愚かな女になってしまう可愛い蝶子さんと、薄い繊細な外見なのに妙に男臭くて我侭な子供みたいな柳吉の二人が面白い。見ていて飽きません。あまりに楽しいんでついつい長文。
 
周りの人々もいいですよ。柳吉の妹さんが病院の廊下で蝶子さんを「お姉さん…」と呼ぶ場面はどきっとしたし、子河童がなんとか蝶子さんを助けようとする場面もいい。火野正平パパは本当に温かくて優しい。あのぼそぼそっとした声で「親が子を思うのはあたりまえ…」も泣ける。

カメラもいい。祭りの後、蝶子と柳吉の部屋を窓から覗いた構図も面白い。右に朝顔。真ん中に柳吉のお尻。左に床に座った蝶子。ぐずぐず言ってる。翌朝の維康の番頭さんとの緊張感溢れる場面。カメラが上から横から後ろから無言の二人をとらえる。ポンポン変わるカメラがいい。蝉の鳴き声も急に止まったりする。演出は真面目というより、コミカルで漫画みたいなんだけど、リズムがすごくいい。楽しくて飽きない。そんな場面が沢山あった。
 
最後の温泉での喧嘩の後で蝶子が柳吉を押し倒した場面で「別れりゃそれですむものを…」というナレーションにうんうんとうなずいて「ったくしょうもないな…」と苦笑しながら、やっぱり次回が楽しみ。