能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年4月10日水曜日

フジテレビ『女信長』;見所は戦闘シーン


録画を見ました。

さて感想。これは苦しい企画。一番の問題はズバリ信長が女であるといういうことでしょう。

無理絶対無理。浅井長政と…光秀と…なんてナイナイナイ無理無理無理無理。冗談にしか思えない。話の流れも最後に向けてトンデモない方向へ飛翔。どう考えても無理。

日本全国、全国民にとってアノ信長はやっぱり伝説の信長でして…。聡明、型破り、直情型、激情型、残酷、冷酷、傲慢、無慈悲、切れ者、短気、うつけ者、面白がり、知りたがり、新しい物好き、日本一の戦国武将、公正、柔軟な発想、鉄の意志、高貴、美男…等々、この歴史上の人物はやっぱり特別なんですよ。まったく得体が知れない。

秀吉が頭のいい人たらし。家康が忍耐の人であれば、信長はその死も含めて非常にミステリアス。どうしてあの戦乱の時代を勝ち抜けたのか。どうしてあそこまで上り詰めたのか。いくら資料を漁っても本当の信長は見えてこない。この人の弱みは何なのか。いったい何を考えていたのか。ドラマ化してもいつもだいたい同じ型にはまった人物であることが多いのは、むしろ彼の本当の姿が分からないからだろう。だからこそ戦国ファンというものは男織田信長にロマンを感じ憧れるわけで…。

おそらくこの企画もそんなところから出たものだとは思うのだけど、いかんせん女だけはいけない。まず誰もあの信長を女としては見たくないと思う(ソレを言ったらおしまいだけど…)。それに女として納得できる程知られていないわけでもない。そもそも側室が何人もいて子供もゴロゴロいるのだからこればかりはどうにもならない。そんなわけで企画に無理がある。

それに伴って脚本も(そもそも信長が女という企画が無理なので)台詞や設定に当然無理がありすぎる。大問題。


…しかしこのドラマ、それだけで斬って捨てるにはあまりにも惜しい。ものすごくお金がかかってるんですコレ。美術や演出、衣装が豪華。野外ロケシーンもいいし、CGもいい。絵が綺麗。俳優さん達もいい。あーなんともったいない…。普通に男性俳優で信長のドラマにすればよかったのに。

時代劇ファンとしては、これはなんとしてもこのドラマのいいところを取り上げてリストアップしなければ。

1.       戦のシーンを真面目に再現

戦国時代のファンなら、定番の見たい絵、見たい場面ってあるじゃないですか。様々な有名な戦の再現シーン。

桶狭間の戦い(桶狭間をめざす織田軍、林を進む馬、幕をを降ろした向こうに突如現れる織田軍)、織田6万の大軍での上洛。雪の夜の光秀。日本海に攻め上る織田軍。敦賀湾での大軍。姉川の戦い。燃える比叡山。燃える寺。三方が原での武田vs徳川の大軍。本願寺、長島一向一揆。小谷城攻めの大軍(山の斜面での戦闘シーン)。燃える小谷城。長篠の戦い(織田鉄砲隊VS武田騎馬軍)、本能寺をめざす明智軍1万。竹薮を行く秀吉軍。燃える安土城。

このドラマ、こんな定番の見たい場面をお金をかけてかなり真剣に再現してくれてます。馬も多数。かなりの数のエキストラを揃え、衣装を着せて、足軽には旗指物を背負わせ野外を走らせて真面目に戦闘シーンを撮ってます。まずそれが非常に嬉しい。大軍を見せるのにCGも効果的に使用。5万の大軍といったら東京ドーム一杯分ですからね。かなりの迫力。全部で4時間のドラマなので、それぞれの場面は数秒なのに、ものすごく贅沢。戦国ものは戦闘シーンさえキチンと再現してくれれば、それだけでもかなり満足できるのがよく分かる。これもったいないなー。NHKの大河ドラマでもこれくらいお金をかけてくれればなぁ。来年黒田官兵衛でやってくれないかな。

2.       CGも効果的

やっぱりこれも見たい絵。例えば安土城と城下の昼間の全景。夜灯りのともる安土城。燃える小谷城。燃える比叡山の遠景。大軍を俯瞰(織田軍6万の上洛、姉川の戦い、三方が原の戦い、敦賀港)等々、かなりいい感じです。CGの違和感が無い。これもかなり嬉しい。

3.       天海祐希さんが信長に似ている?

これはどう言っても無駄話になってしまうけど、とにかく天海さんが綺麗。もしかして信長に似ている? 黙っていると(ちょっと線の細い)男に見える。ほんとに不思議。そう思い込んで見ればひげも違和感がない。実は天海さんが若い頃の信長に見えてしまった。声さえ出さなければ。

元々信長という人、若い頃はとちらかといえば線の細い青年だったのではないかと思う。美男だという言い伝えもありますね。昔の美形は能面が基本。体毛も薄くて色も白い。ひげもあまり生えないようなつるんとした顔だったんじゃないか。若いうつけ者の頃には女物の着物を好んで着たりしていたらしくて、中性的な外見だったんじゃないかと思う。

そう思えば天海さんの顔は若い頃の信長としてならいけるかも。十代ならたぶんいける。肌の綺麗な面長のつるんとした顔にまっすぐな高い鼻。大きすぎない日本的な目。小さな口。皺も殆ど無い。彼女の顔は、十代の若い男の子だとしたらそれはもう…文句なしに綺麗。むさい男ばかりの軍の中心で指揮をとる天海さんは驚くほど美しい。20代の前半までなら男信長としてもいけるんじゃないか(声を変えれば)。

ただしご本人が女性なんでやっぱり25歳を過ぎた男としては無理。線が細すぎる。首が細い。肩の厚みも薄すぎる。男は30歳を過ぎたらどんなに中世的な外見の人でも繊細さが消えて厚みが出てくるから結局女性が男を演じるのは無理。声も当然無理。(もちろんこのドラマは信長が女性なのでいいのですが)

だから惜しい。天海さんの顔が若い信長に似ているのであれば、なんとかして中年期を演じる天海さんみたいな顔の男性がいないかと…(笑)。もし天海さんに双子の兄か弟がいて、25歳以降を演じてくれるのであれば最高…などと思ってしまった。(←ほとんど無駄話)

それにしても天海さんは不思議な女優さん。女装より男装のほうがずーっとハマるのが不思議。光源氏は全然いいと思わなかったけど、あれはたぶんナヨナヨし過ぎてるから。こういう本当に男みたいなキャラは怖いぐらいハマる。あらためて驚いた。