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2025年9月28日日曜日

映画『エイジ・オブ・イノセンス/The Age of Innocence』(1993) :3回目…エレンは誘う女だったのか?そして不器用な男の普通の一生



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『The Age of Innocence』(1993)/米/カラー
/2h 19m/監督:Martin Scorsese』
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まだまだ続く『エイジ・オブ・イノセンス』祭り。その3回目。

この映画は一旦はまってしまうと色々なことが気になって、また見直せば新しく気付くことが出てきて、なかなか止められない。旦那Aが原作を読み始めたので、それでまた食事中によくこの映画のことを話しているのだけれど、気になったことが出てきたので早速購入したBlu-rayを見てみることにした。

人物達について、また新たに付け加えたいことが出てきたので書いておこう。1回目と2回目の感想で気付かなかった(文に書けなかった)人物の印象を改めて書き加えておきたい。自分用のメモで映画のストーリーを追っているので文章が長いです。年寄りは文章が長い。


この映画(小説)の面白さは心理描写の巧みさ。男女二人がゆっくりとゆっくりと近づいたり離れたりする…その様子をまったりと見る話なので退屈だと言えば退屈。しかし鑑賞する者が年齢を重ねていれば(物事を時間をかけてじっくりと見ることができれば)その心理描写の巧みさには心の底から驚かされる…そのような映画。100年以上前に書かれた小説なのにその心理描写のリアルさに本当に驚かされた。

この感想3回目は、主人公のニューランドとエレンの心の変化を追う。同じ時間の経過でそれぞれがどのように考え、お互いに反応し合っているのか、(ニューランドの結婚までの)彼らの行動を個別に追ってみようと思った。。

長いです。



★全篇ネタバレ注意



◆ エレン/マダム・オレンスカは誘う女だったのか?

ここに以前書いた感想で私は1回目は「エレンに色気が足りない」、そして2回目は「いや彼女はただただ孤独な悲しい女なのだ、傷ついた小鳥のようだ」と書いた。…しかしやはり彼女はそれだけでもなかったですね。

Blu-rayを見直したら彼女はかなり大胆な女性でもあった。そこがこのエレンの複雑なところ。


実際にエレンの内面は(ここで2回目の感想で書いた通り)ボロボロに傷ついている…欧州の生活に馴染めず、救いを求めてNYに帰ってきたらNYの社交界にも拒絶されてしまった。彼女はどこにも行き場所がない。ニューランドを「明日5時にうちに来てね」と突然家に招いて会話をしていたら、すぐに本音が出てエレンは彼の前で泣いてしまう。彼女は驚くほど弱ってます。


しかし表面では…社交の場での彼女は、お堅いNYの人々が眉をひそめるほど大胆で型破り。オペラのドレスも相応しくない。(まだ再会したばかりの)ニューランドにも突然「子供の頃あなた私にキスしたのよ」と茶目っ気たっぷりに笑いかける。

街の有力者が彼女をパーティーに招けば、派手なドレスを着て悠々と遅刻してやってくる。そしてあちらで男性と会話をしていたかと思えば、部屋の向こう側に顔見知りのニューランドを見付けて自ら部屋を横切りニューランドと二人きりになって話し始める(ルール違反の行動)。そしてニューランドと話し始めれば「メイとは本気なの?」などと失礼でストレートな質問をする(NYではありえない質問)。彼女は本音しか言わない。そしてニューランドにたしなめられるとエレンは一瞬で傷ついた顔になる。

彼女はあまりにもストレート。正直で感情もすぐ顔に出る。その正直でストレートな性格は、お堅い保守的なニューヨークの社交界には受け入れられない。そのことを彼女もわかっていて苦しんでいる。


パーティで彼女はまた大胆にも突然「明日5時に待ってるわ」とニューランドを家に招き、翌日は二人きりで腹を割って会話をする(これもルール違反だろう)。そして自分は「ニューヨークに受け入れられていない」こと、ニューヨークは「道路が真っ直ぐなように人ももっと正直だと思ってた。誰も本音を言わないの?」ニューランドが「皆あなたを助けようとしている」と言えば「私がめんどうを起こさなければね、本当に寂しいのは優しい人達も私にいい人のふりをするよう要求してくること…(意訳)」と突然涙をこぼす。

彼女は感情がふらふらと揺れていて予測不可能。精神的に崖っぷちに立っているのだろう。


欧州帰りのエレンは、当時のNYの上流階級の…本音と建前を使い分けるのが当り前の社会…全てがよそよそしく、会話も社交辞令ばかりで誰も本音を言わない。そしてその裏側では皆がひそひそと噂話をして、決してよそ者を受け入れない…そのような社交界に馴染めず苦しんでいるのだ。

ここでの2回目の感想で私は「彼女はもともと太陽のように明るい女の子だったのだろう」と書いた。子供の頃から大胆でよく笑う明るい女の子だったのだろう。子供の頃なら彼女もその陽気さでNYの大人達にも可愛がられたのだろうと思う。

しかし大人になった今、彼女はただただマナーを知らない、外国帰りの、異質の、問題を起こしそうな、ふしだらな、そして離婚しそうでスキャンダラスなアウトサイダーになってしまった。NYの狭い社交界は彼女の帰郷を歓迎していない。彼女は社会の平和を乱す問題のある女だと受け止められている。


彼女がニューランドを大胆に家に誘ったり、突然彼の前で涙を流す姿を見て、「エレンは婚約者のいるニューランドを誘う悪い女なのか」と受け取る人もいるかもしれない。しかし私はそう思わない。彼女のあの…男性に戯れかけるような誘うような笑顔は、長年の欧州での寂しさからいつの間にか身についた習慣、癖のようなものだろうと思った。

彼女は美しい。彼女が笑いかければ優しくしてくれる男性はいくらでもいる。欧州の生活でとても孤独で友人もいなかった彼女は、いつしか優しそうな男性を見かければ花のような笑顔で笑いかけ、その場限りの浮ついた会話をすることが癖になってしまったのだろう。

…私には見えるのだ。彼女が欧州の貴族ばかりの集まるパーティーで、誰にも相手にされずにぽつんと一人ソファーに座っている姿が。そんな時にたまたま声をかけてくれた親切な優しい男性に最高の笑顔で笑いかければ、とりあえずはその場の会話の相手を確保することも出来たのだろう。

だから、彼女のニューランドに対する大胆なアプローチは、彼女にとって最初はそれほどの意味はなかったのだろうと思われる。彼女はただ正直に本音が言える友人が欲しかっただけ。幼馴染のニューランドなら彼女も心を開いて正直になれる…友人として話ができると思ったのだろう。


最初に彼女がニューランドを意識したのは「黄色い薔薇」だろうか。ニューランドの最初の訪問時に、彼女は涙を流した。その後ニューランドは親切心で薔薇を贈ったのだが、エレンはその薔薇のことをメイに話していない。


そして今度は弁護士のニューランドがエレンの離婚に関するアドバイスをすることになった。ニューランドはまたエレンの家を訪ねる。そこでエレンは厳しい現実(NYで離婚をするのは世間体が悪くエレンは社会的立場を失うこと)をニューランドから告げられる。エレンはまた傷ついた顔をする。しかしまた同時に、ニューランドが(弁護士として)彼女の欧州での問題の全てを知ったことは、彼女がニューランドにますます心を開くきっかけにもなった…「ニューランドには何も隠すことはない」。

その後のある夜に皆で芝居を見ている。その日、メイは冬の寒さを避けてフロリダのSt. Augustineに滞在中で不在。ここでエレンは初めてニューランドを意図的に誘う。「あの芝居の恋人は彼女に黄色い薔薇を贈るのかしらね?」ニューランドも「そう考えてました」と戸惑いながら告げる。「メイがいない時は何してるの?」(←完全に誘ってます)。「仕事してます」と戸惑いながら答えるニューランド。そしてエレンは「あなたには感謝してるのよ」とニューランドを見つめながらすがるように告げる。エレンはこの場面でニューランドを誘ってます。誘惑してる。


ニューランドはその夜、黄色の薔薇を彼女に贈ろうとするがあいにく花屋に黄色の薔薇はなかった。直ぐに連絡をするがエレンからは返事が来ない(←彼女は相手を押して、引いて、焦らして…)。そして3日後にカントリー・ハウスにいるエレンから手紙が届いた「あなたがここにいればいいのに」。直ぐにニューランドはいそいそとエレンに会いに行く。

この家の中で、エレンはニューランドの後ろから近づいて手を繋ぐ。ここで彼女もニューランドに情が移ったのだと思った。

その後突然、ニューランドはフロリダで休暇中のメイを訪ね結婚を急ごうと話をしている。真面目な堅物の彼も自分の心の動きに大変迷っているのだろう(後述)。

その後、祖母のミンゴット夫人の家でエレンとニューランドは一瞬すれ違い、すぐにまたエレンの家での密会。ここで二人はしっかりと抱き合う。エレンは「欧州の夫から離婚をすれば、メイとニューランドの家族の家名に傷をつける。自由になれない。しかしそれは辛い。でもニューランドは私を助けてくれた」と泣く。

そしてニューランドとメイの結婚が決まる。



◆ 真面目な普通の人ニューランドは戸惑い迷い優柔不断(リアル)

まずこのキャラクターの特徴は真面目なこと。とにかく真面目で堅物。彼は(何事も変わることのない安定した、しかし窮屈な)NYの上流階級で育った真面目な男、職業もお堅い弁護士。きちんとした家で育ち成績も優秀。良家の娘メイとの結婚も決まっていて、最初は自分の安定した人生になんの疑問も抱いていなかったと思われる。冒頭のオペラの後の舞踏会でも婚約者のメイをとても愛している様子が描かれている。彼はまさになんの濁りも無いまっとうな人生を歩き始めようとしていた。


そこにエレンが現れる。エレン/マダム・オレンスカは彼の婚約者メイの従妹。欧州帰りの型破りでルール破りな彼女は彼の幼馴染だった。オペラ座でエレンに久しぶりに再会した時、エレンは突然「あなた子供の頃私にキスしたのよ」とニューランドに笑いかける。ニューランドはただ戸惑っている。ちょっとドキッとしたかもしれない。しかしその場面はそこまで。


次に街の有力者のパーティー。エレンは(NYにあまり友人がいないからだろう)ニューランドを遠くに見つけると、それまで話していた男性から離れて部屋を横切ってニューランドに会いに来る。ニューランドはドキドキしている。そこで二人は昔からの友人のように親しく話し始める。彼女の言葉はストレート。上品とも言い難い内容。欧州からのゲストの悪口を言って笑い、そしてニューランドに「婚約者のメイとは本気なの?」と失礼なほど直接的な質問を投げかける「メイとの結婚はアレンジされたわけじゃないの?(意訳)」。その言葉にニューランドはびっくりして言葉を返す「ここではアレンジなんてことはないんですよ」。その言葉を「拒絶」だと受け取ったエレンは一瞬で傷ついたような顔をする。それを見てエレンに謝るニューランド。彼はあくまでも紳士なのだ。

この時のニューランドの表情が秀逸。まるで綺麗なお姉さんと嬉し恥ずかし…初めてお話しをする中学生のような顔をする笑。エレンの隣で照れて照れてにやにやと薄笑いを続けている。上手い役者さん。エレンの振舞いのひとつひとつに驚きながらもやっぱり彼は綺麗でエキサイティングなエレンとの会話がとても嬉しいのだろうね。

パーティーの最後でエレンは彼に「じゃあ明日の5時に待ってるわ」と急に告げる。あまりにも急な申し出にびっくりするがニューランドは断れない。なぜなら彼は紳士だから。彼は軽く会釈をする。エレンには驚かされることばかり。


そして翌日の午後5時、ニューランドはエレンに会いに行く。家でエレンの帰宅を待っている間、ニューランドは彼女の部屋の様子を眺めている。彼女の部屋は彼が今までに見たことのない興味深い物で溢れている。初期の印象派とも呼べる絵(イタリアの画家Giovanni Fattori)や、ブロンズ製のお面などが部屋を飾る。ソファーの上にはエキゾチックな布。彼女はそれらを欧州から持ち帰ったものだと言う。異国趣味に溢れる部屋にニューランドはとても興味を引かれる。そしてミステリアスなエレンにも興味を持ち始めているのだろう。

前日のパーティではニューランドは中学生のようににやにやしていたけれど、この場面のニューランドの話し方はかなりお堅い…よそよそしいほどの真面目な口調で話しているように聞こえる。エレンと二人だけになって緊張しているのだろうか。しかしその堅苦しさもエレンの涙を見て変わっていく。彼はエレンに近づき「マダム・オレンスカ」と話しかけ、直ぐに「エレン」と呼びかけて手を握る。彼は真面目で優しい男なのだ。泣く女性を目の前にして少し彼の心が動いたと思う。いやこの場面こそが、ニューランドの心が大きく動いた時なのだろうと私は思った。そしてその帰り道でニューランドはエレンに黄色い薔薇を贈る。あくまでも思いやりから。


その後彼の弁護士事務所がエレンの離婚に関わるケースを扱うことになった。事務所とエレンの家族からは「エレンが離婚をしないように」アドバイスするように言われている…なぜなら、メイの従妹のエレンが離婚をすれば家族にとって世間体が悪いから…それはメイの家族、そして夫になるニューランドの家族も傷つけることになる。

ニューランドはエレンを再訪。玄関に入ると、エレンの(親しすぎる)友人のボーフォートの声が聞こえてきてがっかりする。立ち去るボーフォートが「今度アーティストを招いて食事でもしようか」などとエレンに言うのを聞いて、ニューランドは「私も画家なら知ってる…」と会話に割り込んでいる。ここでニューランドは、明らかにボーフォートに嫉妬しているし、多少ライバル心も芽生えている。それにピンときたボーフォートが彼を笑う。

そして二人はエレンの離婚について話をする。ニューランドは真面目な男なので、離婚をしたいと言うエレンに「離婚は勧められない」と伝える。離婚をすれば彼女自身が傷つくことになると諭そうとする。しかしそれはエレンには通じない。離婚をすればエレンは自由になれるが、NYの社交界では生きていけなくなる、そしてエレンは欧州には戻りたくない。ニューランドは弁護士として、友人として、彼女に離婚は勧められないと言うものの問題は簡単ではない。ニューランドはエレンを救いたいが、家族のしがらみ、それからエレンのためにも離婚は進められない。そのことで彼は悩む。なぜならニューランドはあくまでも真面目で親切な男だからだ。最後にエレンは「おやすみ従兄弟さん」と言葉をかける。


その後また皆で演劇を見に行く。そこでニューランドはボックス席にエレンを訪ねる。エレンは「あの(劇中の)恋人はあの後黄色い薔薇を送るのかしらね?」とニューランドに話しかける。戸惑いながらニューランドは「私もそれを考えてました」と言う。ああ、ここでとうとうエレンが一歩踏み出していて、ニューランドもそれに答えてますね。そしてエレンは(メイがフロリダで休暇中であることから)「メイがいない間、何してるの?」と聞く。戸惑いながらニューランド「仕事してます」と言う。このぎこちないやり取りのまぁリアルなこと。

ニューランドはあくまでも真面目な男。だから「メイがいない間、何してるの?」と聞かれても「じゃあ今度二人だけで会おうか」とは決して言えない。言わない。彼は堅物だから。遊び人のボーフォートなら間違いなく言っていただろう。

そしてその夜、ニューランドはすぐに黄色の薔薇を探すが見つからず、エレンに連絡をするが返事はない。やきもきしていたら3日後にエレンから「カントリーハウスにいるの。あなたがここにいればいいのに」などと手紙がきた。

もうこの時点でニューランドは自分を抑えられなくなっている。いそいそとエレンに会いに出かけるニューランド。そして二人とも恋人同士のように親しく話をする。ニューランドはなんと…エレンが彼を後ろからハグしてくれないかと妄想までしている笑。彼はとうとうエレンを好きになってしまったらしい。窓に立つニューランドに後ろから近付いたエレンは、そっとニューランドの手を握る。ああ。

ところがすぐ後にボーフォートがやって来て二人の時間は台無しになってしまう。ボーフォートもすでにニューランドの気持ちに気付いているのだろう。


その夜、ニューランドは家に帰って来てからもイライラし続ける。ボーフォートに嫉妬しているのだ。ニューランドの揺れる心。ボーフォートと親しく付き合うエレンにもまた腹を立てている。しかし彼はこのまま運命に流されてしまうことも危惧してもいる。「自分の未来に生き埋めにされそうな気がする」とさえ思う。エレンがメッセージを書いて「会いたい」と言ってくるが、ニューランドはそれを握りつぶす。


そしてニューランドはフロリダで休暇中のメイを訪ねる。そして「結婚の予定日を早めよう」などと言っている。ところがメイは勘が鋭い「誰かいるの?」などと聞いてくるのでニューランドはドキッとする。薄笑いをしながら「誰もいない」と言ってメイを落ち着かせるが、どう見ても彼は結婚を進めて問題(あいまいなエレンとの仲)を終わらせ過去のものにしたいと思っているように見える。

直ぐにメイの祖母のミンゴット夫人を訪ねて結婚を進める相談をするニューランド。ここでミンゴット夫人はニューランドの複雑な気持ちに気付いているらしい。「エレンはまだ結婚しているのよ」とニューランドに釘を刺す。困ったような顔をするニューランド。そこへエレンが訪ねてくる。別れ際にニューランドはエレンに「会いたい」と囁く。


この辺りの矛盾した彼の行動で、ニューランドがいかにも迷っているのだろうと思わされる。ニューランドは、エレンに明らかに惹かれているのに深入りすることを恐れ、また遊び人のボーフォートとつき合うエレンに腹を立て、わざわざフロリダのメイを訪ねて「早く結婚しよう」などと伝えている。彼が自分を迷わすトラブル(エレン)から逃げてさっさとメイと結婚して落ち着きたいと思っているのは事実でもあるのだろう。あくまでもニューランドは真面目で保守の男なのだ。道を踏み外すこをと何よりも恐れているのだ。

しかしエレンを見かけるとまた反対の行動をしてしまう。「会いたい」と彼女に囁き、エレンの家を訪ね、二人だけの親密な時間を過ごす。ここでニューランドは初めて(メイが言うところの)「誰か」がエレンであることをエレン本人に告げる(とうとう告白する)。二人は涙ながらに抱き合う。

そこへメイから「結婚を早く進める」ことを告げるメッセージが届いた。ニューランドは予定通りメイと結婚する。これでニューランドの人生は決定してしまった。


ニューランドとメイが結婚して、エレンはワシントンDCに移住している。その後ニューランドは結婚してしばらく落ち着いたように見えたが、次第にメイとの結婚生活に退屈してくる。メイは何事にも用心深く新しいことを好まないのだ。

記憶の中のエレンは、欧州帰りでエキゾチック、言葉もストレートで正直でエキサイティング。エレンの家には興味深いアートが溢れ、彼女は文化の教養にも優れ、なによりも彼女との会話のキャッチボールは刺激的で楽しい。キラキラと聡明で刺激的なエレンと退屈なメイを比べてニューランドは絶望している。


その後エレンとニューランドは2度ほど会うのだが物事は進まない。NYに帰ってきたエレンとの馬車の中での密会もその時だけで何も進まない。ニューランドはますますエレンを熱望する。

メイとの結婚生活に退屈し、ニューランドは自らが「死んでいる」などと思っている。(異国の文化の)浮世絵の本を眺めながらメイの笑顔にもうんざりしている。


映画の後半で、ニューランドがメイに本音を告げようとする場面の緊張感は秀逸。妻に本音を告げようとするニューランドの勇気は、毎回メイの言葉に潰されてしまう。次第にメイが恐ろしい怪物のように見えてくる。ニューランドがなんとかエレンに近づこうとするたびに、妻のメイもNYの狭い社会もそれを阻む。そしてとうとうエレンはNYを離れ欧州に帰ることになった。そうなるようにメイが全ての流れを作っていたのが最後に明らかになる。

メイは戦いに勝った。地に足をつけて夫を縛り付けた。見事。


そしてニューランドはとうとう普通の男の人生を受け入れ、まっとうな男として、夫として、父親として模範的な一生を送ることになる。



しかし映画を見終わった後で私は考えた…ニューランドにはそもそもエレンと共に道をはずれる勇気がなかったのではないかと。

人とはそういうもの。ほとんどの普通の人々とはそういうものだと私は思う。ニューランドは真面目で親切で紳士的で優しくて…しかしそんな真面目な人だからこそ彼は冒険をすることができなかった。細やかな心理描写で驚くほどリアルな、普通の…不器用な人々の悲恋もののストーリー。自分を抑えたり勇気を出せなかったり…大抵の普通の人とはそういうものだろう。

だからこの話は色褪せない。



Blu-rayで見てみたら、Netflixより映像も音もクリアで驚いた。とても綺麗。セットや衣装に凝った映画なのでこれからも何度も見直すだろう。手に入れてよかったと思う。エクストラも沢山…スコセッシ監督や共同脚本家、舞台監督、衣装デザイナーのインタビュー、そしてメイキング・オブの映像もあってとてもいいパッケージだった。


映画『エイジ・オブ・イノセンス/The Age of Innocence』(1993) :3回目…エレンは誘う女だったのか?そして不器用な男の普通の一生
映画『エイジ・オブ・イノセンス/The Age of Innocence』(1993) :2回目の鑑賞で本質を知る…傑作でしょう


 

2025年9月25日木曜日

映画『エイジ・オブ・イノセンス/The Age of Innocence』(1993) :2回目鑑賞で本質を知る…傑作でしょう





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『The Age of Innocence』(1993)/米/カラー
/2h 19m/監督:Martin Scorsese』
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2回目に見た感想です。

というわけで1回目に見たときは、映画のゆっくりなペースに慣れず、内容も「あまり動きがない」「退屈」などと思ってしまい(正直に)途中で寝そうになったりして…スコセッシ監督には大変失礼な鑑賞の仕方をしてしまった。

それでもこの映画が丁寧に作られているのはよくわかったので「セットが凝っていて素晴らしい」「ダニエル・デイ・ルイス」の堅物ぶりが大変上手い!」などと書き、また「ミシェル・ファイファーはセクシーじゃないから役に合わないかも」などと私はここに書いた。

1回目にはそのような…作品に対して大変失礼な鑑賞態度でいい加減な感想を書いたのだけれど…実はそのことが気になっていた。旦那Aともその後数日間。毎晩食事の時にこの映画のことについて会話を続けた。そしてスコセッシ監督のインタビューもYouTubeでいくつか見てみたら、ますます映画のことが気になり始めた。

「もう一回見たほうがいいと思う」

それでNetflixでもう一度見てみることにした。最初は「ちょっと豪邸の内装を見直したい」ぐらいの軽い気持ちだったのに、結局一気に最後まで見てしまった。

感想が変わりました。そのことを書きたい。




★全篇ネタバレ注意



まず反省。私は内容を全く理解していなかった。これは恥ずかしい。

まず主人公のとらえ方が間違っていた。1回目に見た時、私はこの話は「お堅い弁護士ニューランド・アーチャー(ダニエル・デイ・ルイス)の話だと思った。彼が欧州帰りの美女に心惑わされるのだが、お堅い奥さんメイ・ウェランド(ウィノナ・ライダー)にがっつり抑え込まれる話」だと思っていた。

そうではない。
この話の主人公は二人です。

もう一人の主人公はもちろん「欧州帰りの美女エレン・オレンスカ伯爵夫人(ミシェル・ファイファー)」。1回目の鑑賞では、私はミシェル・ファイファーの演じるこの「欧州帰りの美女エレン」のことが全くわかっていなかった。大反省。

この映画は、惹かれあっても一緒になれなかった男女の悲恋モノです。
あ~全然わかっていなかった。反省反省。



まず欧州帰りの美女エレン・オレンスカ伯爵夫人(ファイファー)の(私の想像も含めた)ストーリーを書いておこう。

エレンは裕福なニューヨークの上流階級の出身だが、両親の都合でNYと欧州を行き来きして育った。(映画での)彼女は金色の髪で青い目で大変美しい。子供の頃の彼女は性格も明るくコロコロとよく笑う太陽のような女の子だったのだろう(たぶん)。彼女は子供の頃にNYに一時的に帰ってきていた時、同世代のニューランド(デイ・ルイス)に出会った。ニューランドはキラキラと綺麗なエレンに惹かれて思わず彼女にキスをしたらしい(二人にはそんな思い出がある)。

その後エレンは若くしてポーランドの伯爵に嫁いだ。しかし結婚は上手くいかなかった。異国に嫁いだエレンの生活はとても辛いものだった。…「欧州人とのモラルの違い」「エレンは米国の成金の娘だと笑われて欧州の貴族に受け入れられない」「夫はエレンに退屈してよその女性と浮気をする」などなど…エレンは欧州の貴族の社交界の中で友人もできないまま、たったひとり孤独で、苦しみ、傷ついた。とてつもなく寂しかった。寂しさから道ならぬ恋にも落ちた(スキャンダラス)。

元々はお堅いニューヨークの上流階級の出身だった真面目なエレンは異国での結婚で不幸になった。明るかった彼女の笑顔には大きな影が射すようになった。きらきらと輝いていたサファイアのような目は哀しみを湛えるようになった。

欧州での暮らしに耐えられず、エレンは一人ニューヨークに帰ってきた。彼女はボロボロに傷ついていた。故郷に帰ってくれば皆に温かく迎えてもらえると思っていた。しかしニューヨークの社交界は彼女を冷たく拒絶する。


当時19世紀末のニューヨークの上流社会は大変狭く堅苦しい世界。当時の上流階級の人々は狭い世界の中で自由の無い窮屈な生活を送っていた。どのような事情でもスキャンダルは決して許されない。そして彼らは異質のものや異分子を嫌う。彼らは驚くほど排他的。彼らは自分達の富と平和な日常を守るために、顔見知りばかりの狭い社交界の中で家柄や富で格付けをし合いながら(ゴシップを噂しながら)、その狭いサークルの中だけで生活をしている。

彼らがよそ者を受け入れることはない。

そんなニューヨークに帰ってきたエレン。彼女が「温かい故郷」だと思っていたNYは彼女に冷たかった。初めて従妹の家族と劇場にオペラを見に行けば、社交界の皆がひそひそと囁きながらオペラグラスで彼女を観察する「オレンスカ伯爵夫人て…あの人どんな人なの?伯爵夫人とはいっても上手くいかなかったらしいわよ。離婚するって噂よ。スキャンダラスね。見てよあの変なドレス。皆の集まるオペラによくやってこれるものだわ。恥知らずね。嫌ね…」。

また彼女の名前で人々にパーティーの招待状を送れば、皆が「残念ながら予定があって…」などと丁寧な断りの手紙を送り返してきて誰も来ることはない。彼女はパーティーを催すことさえできない。エレンは故郷のニューヨークが「欧州よりもっと孤独」だと思い知ることになった。

彼女は寂しい。孤独なのだ。

ニューヨークに帰ってきた彼女には欧州人の夫との離婚話も出ている(あいまいだが)。そのサポートに選ばれたのが堅物の弁護士ニューランド・アーチャーだった。それがこの二人の話のはじまり。


まずなによりもこの話は、女性作家のイーディス・ウォートンが書いた作品であることを忘れてはいけない。男性のニューランドが主人公だというよりも、むしろ作家は同じ女性…不幸なエレンの悲しい状況に心を寄せていたのだろうとも思われる。もしかしたらウォートンは実際にエレンのような不運な女性に当時のNYの社交界で出会ったのかもしれない。


その後のストーリーは、真面目な堅物のニューランドが次第にエレンに惹かれていく話。

恋の始まりは、ニューランドが弁護士としてエレンの家を最初に訪ねた場面。前日のパーティーでエレンに「明日5時にね」と誘われてのこのこ彼女の家に訪ねてきたニューランド。会話をしていたら突然エレンが泣く。 このエレンの突然の涙で、堅物のニューランドはほろっとしてしまったのだろう。わかるわ。(内容が間違っていたので修正しました)


まず…私が何を反省しているのかと言えば、ミシェル・ファイファーのエレンはセクシーむんむんな誘う女である必要はなかったのよ大笑 照れ笑。


エレンは羽の折れた鳥のように弱っていて、悲しくて、孤独で…欧州でも孤独だったが、ニューヨークではもっと孤独で…どこにも救いのない傷ついた女性なのですね。子供の頃からよく笑う明るい少女だったエレンは今も社交界では笑顔で明るく振舞っているけれど、心の中には深い闇がある。実はとてつもなく孤独な女性だった。

ニューランドは真面目で優しい人なのだろう。真面目にこの傷ついた女性を救おうと彼はエレンに手を差し伸べる。彼も最初は親切心からエレンを救おうとしていただけなのに、次第に自分から求めてエレンに会いたくなってしまう。エレンを見かけるだけで嬉しくなってしまう。少しづつ(ニューランド本人も気付かないうちに)彼はエレンにぞっこんになってしまう。(大人だから)フィジカルに惹かれ始めてしまうのも止められない。もう止められない。

そのあたりの描写が上手い。とてもゆっくりと二人の気持ちが変化していく。「あれ、いつからあの人が気になったんだっけ?」というようなおだやかな恋の始まりは今でもよくある話。まさにニューランドの恋は、じわじわと始まっていたのですね。きっかけはエレンが最初に泣いた時だと私は思う。



そんなわけでこの映画(話し)は全篇ず~っとこの二人が近づきそうで近づけず、上手くいきそうでも誰かが邪魔をしたりと、二人が近づいたり離れたりを繰り返してゆるゆるとまったり2時間、彼らの恋の行方を見る…そのような映画。



その邪魔をする人物の一人が、ニューランドの婚約者で後の奥さんのメイ(ウィノナ・ライダー)。彼女の台詞をよく聞いていると、それはそれは見事にかなり初期の頃から「女の感」を研ぎ澄ませて「ニューランドの迷う心」に気付いているのがわかる。女の感は鋭い。

例えば…
ニューランドが(思いやりで)「エレンに花を送ったんだ」とメイに告げる場面。メイが「エレンは私に言わなかったわよ」 …それでエレンはピーンとくるわけだ。正直に事実を告げたニューランドはともかく、(ニューランドから花を贈られたことを隠した)エレンの下心をすぐに感知したのだろう。メイはその場ですぐにニューランドの目を見つめながら「I love you」と何度も訴えかける。…メイはエレンが手ごわい敵だと思ったのだろう。気付くのが早いのですよね。すごいな。そしてその後も…ストーリーの最後まで場の流れを操るメイの強さには…正直イライラさせられるほど。

もう一人、二人の邪魔をする人物はエレンとメイの祖母のミセス・ミンゴット(ミリアム・マーゴリーズ)。彼女は、エレンとニューランドの仲に気付いたのか、彼らを牽制するような言葉を言ったり、また反対に妙なタイミングでエレンとニューランドを二人だけにしたりする。彼女はただ若い人たちを操って様子を見て楽しんでいるだけなのか。不思議でもあり(こういう人もいるかもしれぬと)リアルでもあり。

そして最後に、エレンとニューランドの仲を知った狭いNYの社交界が二人の関係を引き裂こうとすることにも恐ろしくなる。まるで小さな村のように人の悪口とゴシップをひそひそと噂話ししながらこの社交界の人々は「個人」が決して問題を起こさないようにに監視し「正しい生き方」を強制する…その様子を見ていて心が苦しくなった。

もしかしたら作家のイーディス・ウォートンも、当時の上流社会の空気を息苦しいと感じていたのかもしれぬとも思った。


そんなわけで…私が1回目に見て気付いていなかったのがミシェル・ファイファーのエレンのあまりにも悲しい状況。しかし彼女の孤独を理解しなければ、ニューランドがなぜ彼女に惹かれたのかも理解していなかったことになる。ニューランドは決してむちむちのセクシー美女に惹かれたのではない。ニューランドは傷ついた小鳥のようなか細く弱々しい女性を守ってあげたいと思って惹かれたのですね。細いミシェル・ファイファーにぴったりの役だった。

2回目に全てのことがわかった上で細かいところに注意をしながら再度鑑賞したら、この作品は本当によくできた映画だということがよくわかった。あらためて反省。

…言い訳をするなら、この映画全体が重厚で情報が多く、あまりにも多くのことに気が散ってしまって、1回見ただけでは(ただでさえゆっくりのペースの話で)人物達の人となりまでは掘り下げて見ることが出来なかったのも理由。それほどこの映画は様々な見どころが沢山。本当に沢山。さらっと1回だけ見てそれで全部がわかる映画ではないと思う。

この映画は本を読むように2回以上じっくりと見ることをお勧めします。

1回目に見えなかった色んな事が見えてきます。時代考証も丁寧にされていて大変素晴らしい。衣装も家の内装も、テーブル上のロイヤル・クラウン・ダービーの食器も大変美しい。役者さん達の演技も最高。脚本も(ナレーションも含め原作からそのままの台詞も多く)100年も前に書かれた小説の再現として最高の傑作だと思います。スコセッシ監督の本気が見える。すごい監督さんだと思う。


印象に残っている場面…
1時間30分を過ぎた頃からニューランドがエレンに本気になる。メイと部屋で二人きりになった時の空気の重さが秀逸。ニューランドの心は完全にエレンに向いていてメイに嫌悪感さえ感じている。日本の浮世絵の本を見ながら(異国のものに夢を見ている)、目の前のメイを見てイライラするニューランド。この結婚で「私は死んでいる」…自分はメイとの結婚に囚われている…あのエレンと共に自由になりたいと熱望するニューランドを思わず応援したくもなる。

しかしその後もニューランドがしがらみから抜け出そうとするたびにメイが彼に絡みつく。何度もメイが巧みに流れを作ってニューランドは決して逃れられない。見ているこちらまでメイにイライラさせられるのは役者さん達が上手いから。メイの最後の告白でニューランドは死刑宣告を受けたような顔をする。ダニエル・デイ・ルイスもすごいがウィノナ・ライダーも素晴らしい。

そしてストーリーは進み…最後にメイのその後がナレーションで語られる。可愛らしいメイは実は非常に意志の強い女性で、晩年は子供達でさえ彼女に口答えするのはやめた(だったかな)…などとあって、彼女は頑固で変化を好まない…真面目過ぎて堅苦しい人物だったとのこと。それを聞いてまた「彼女と過ごしたニューランドの一生はどのようなものだったのだろう」と考えずにはいられない。なんとも言えない気持ちになる。

映画の最後の印象は、旦那Aも私も暫く無言で…「悲しいね」と一言。いかにも昔の時代の話ですね。じんわりと悲しく深く心に響く映画。一言では語れないです。


しばらくこの映画のことを考え続けてますます知りたくなり、また米国のNetflixが9月30日でこの映画の配信を終了する…ことを知り、思い切ってBlu-rayを購入した。それから旦那Aが「原作を読みたい」というので同時に原作も購入。共にアマゾン。ちょっと嬉しい。Aはすでに原作を読み始めた。この映画がいかに丁寧に原作を再現しているのかに感心している。いつか私も読めればいいな。





2025年9月24日水曜日

ジミー・キンメル/Jimmy Kimmel氏のトークショー番組復帰!そして『NewsNation』



今日は水曜日24日。昨日23日火曜日の夜10時30分、私はテレビの前に座って待機した。先週9月17日から放送中止となっていたABCの人気深夜番組『ジミー・キンメル・ライブ!/Jimmy Kimmel Live!』が復活したというので見てみようと思った。

ジミーさん、冒頭のモノローグで沢山泣いてた。涙ぐんでた。私もちょっと涙ぐんた。彼が復帰してよかった。よかったよかった。

彼は正直な人なのだろう。私は普段から米国のトークショーやニュースショーのプレゼンターを見て「この人の本当の顔はどんな感じなのだろう」とよく考えるのだけれど、ジミー・キンメルさんはかなり正直な人なんじゃないかな。そういえば彼のことは去年の11月の選挙の後にもここで取り上げていた。あの時も彼は泣いていた。男が泣くなんてとちょっとビックリしたのだけれど彼は普段からそういうお方なのだろう。正直な感情が出やすい人。テレビの中の人とはいえ、そういうお方にはちょっと心が動く。

ジミ・キンメルさんが復活できて本当によかった。


番組中止の話を最初に聞いた時はとても驚いた。いよいよやばくなってきたと思った。言論統制などという言葉が頭に浮かぶ。私は日本人でこの国では移民の一人なので、ここのところ数か月のこの国の動きを見ながら不安は募るばかり。しかしそのような不安をここに書くわけにもいかない。書けばそれが後で仇になるかもしれない。怖い。実際にそのような不安がここ数か月ず~っと続いている。


番組にキンメルさんが出てきて会場の人々と一緒に拍手した。

「But I want to make something clear, because it’s important to me as a human, and that is – you understand that it was never my intention to make light of the murder of a young man."
しかし、人として私にとって重要なことなのではっきりさせておきたいと思います。それは若い男性の殺人事件を軽視するつもりでは決してなかったということを皆さんに理解していただきたいということです」

そして彼は涙ぐんだ。私も泣く。
彼が戻ってきてくれて本当によかった。



ディズニーの決定とその後

今回のABCチャンネルの親会社であるディズニーの決定は、各界にかなり大きなショックを与えたらしい。私もそのABCの告知の文章に「indefinitely suspended/無期限停止」の言葉を見てそのトーンの強さに驚いた。

番組終了といえば、今年の7月にもCBSの(同じ時間帯の)人気トークショー『レイト・ショー・ウィズ・スティーブン・コルベア/The Late Show with Stephen Colbert』が、来年5月で終了だと発表されたばかり。それに対してト氏がはしゃいで喜んでいる情報も流れてきた。…コルベアが終わり、そしてキンメル、それに続いて他のトーク番組、ジミー・ファロンにセス・マイヤーズも…などという話も出てくるほどで…とにかく「こうやってアメリカは変わっていくのか」と不安は重なるばかり。


キンメル氏の番組がなぜ再開したのかの理由は…
ディズニーによる「この番組の無期限停止」を受けて、数多くの彼のファンやリベラルの人々がディズニー傘下の「Disney+」や「Hulu」などのサブスクをキャンセルしたこと、それから有名人の多くが「言論の自由」への心配を表明したことによるものらしい。納得ですね。(政治的な派閥の)片方がもう片方を完全に黙らせることが、この「自由の国」でできるはずがない。


もう分断を煽らない

ジミーさんはまた、亡くなったCharlie Kirk氏の追悼式で奥さんのエリカさんが聴衆に向かい「私は彼(犯人)を許す」と仰ったことも取り上げ、それがいかに尊く心打たれることであったかとも話していた。

「There was a moment over the weekend, a very beautiful moment. I don’t know if you saw this. On Sunday, Erika Kirk forgave the man who shot her husband. She forgave him. That is an example we should follow. If you believe in the teachings of Jesus, as I do, there it was. That’s it. A selfless act of grace, forgiveness from a grieving widow. It touched me deeply, and I hope it touches many, and if there’s anything we should take from this tragedy to carry forward, I hope it can be that
週末に、とても美しい瞬間がありました。ご覧になったでしょうか。日曜日、エリカ・カークは夫を撃った男を許しました。彼女は彼を許したのです。これは私たちが見習うべき模範…もしあなたが私と同じようにイエスの教えを信じているのなら…まさにそれでした。悲しみに暮れる未亡人による、無私の慈悲の行為、許しです。私は深く心を打たれました。そしてこれが多くの人々の心にも響くことを願っています。もし私たちがこの悲劇から何かを学び、未来に繋げるべきものがあるとするならば、このことであってほしいと願います。」

私も彼女のその言葉の意図…聴衆に対し「憎しみや暴力を拡大させないこと」を伝える姿に涙が出そうになった。

しかし彼女のすぐ後、「私はチャーリーとは意見が違う、私は反対派が嫌いだし彼らのベストも望まないよ、ごめんねエリカ」とト氏は嘯いた。私は溜息をついた。しかしもう私は驚かない。


コルベアはとうしているのだ

この『キンメル・ライブ!』のCMの間に、裏番組のCBSの『コルベア』がどうしているのかも見にいった。この番組を見るのも久しぶり。なんとカリフォルニア州の知事ギャビン・ニューサム/Gavin Newsomが氏出ていたので驚いた。私はまだ彼のことはよくわかっていなくて様子見なのだけれど、さ~どうですかね。彼はどういう人なのだろう。面白そうなので後でYouTubeに彼のインタビューも見にいった。


私が(以前は)見ていたコルベアのショーを見なくなったのは、彼の番組があまりにも民主党政権の宣伝番組になっているように感じたから。コロナのワクチンが出たころ、彼の番組は視聴者に対し毎晩のようにワクチン強要のメッセージを発していた。まるで視聴者を洗脳しているようだった。「反ワクチン派は低学歴」などと一方的な意見を押し付けるのに頭にきて私は番組を見なくなってしまった。


トークショーの本来の役目

本来、米国の夜のトークショーの役割は「政治的なsatire/サタイア/風刺」。どちらの政党であれ一方的に進む政府に対し民衆の不満が溜まってきた時に、このようなコメディ番組がチクチクと針でつついてガス抜きをする…世の中が一方的になったり深刻になり過ぎた時にほんの少しガス抜きをして世の中の緊張をほぐすのが夜のトークショー役目のだったのだろうと思われる。しかし近年はこの「政治的な右派と左派が分かれて国民が戦っている状況から」なのか、トークショーも皮肉やユーモア以上に、政敵に対する攻撃が多くなったことは否めない。それが嫌で私もトークショーが楽しめなくなっていた。本来ユーモアでガス抜きをするはずの娯楽番組が、国の分断を煽るのは大きな問題だろう。前述のエリカさんの「犯人を許す」言葉を取り上げたキンメル氏もあらためてそのことを伝えようとしていたのではないか。



この国は右と左に別れて戦っている

このことはこのブログでも過去に何度か書いてきた。右が全て最高でもなければ左が素晴らしいばかりでもない。右の政府は恐ろしいが左の政府も過去に大きな問題をまき散らしていた。一番恐ろしいのは、右派の国民と左派の国民がそれぞれの反対派を敵だとみなし、その敵の発するものはとにかく何から何まで間違っていると攻撃している状況。相手を嫌い、攻撃し、暴力を使うことも厭わないと言う若い世代の人々。残念ながらそれが今の米国の現実。



『NewsNation』

少し前の5月、このブログでは米国のケーブルチャンネルの『NewsNation』のクリス・クオモ氏のことを取り上げた。あれから私は彼の番組を録画して毎晩見ている。彼の番組の軸は彼が毎晩繰り返すフレーズ

「NewsNation, where the right and left come together to be reasonable/ニューズネーション、右派と左派が共に協力して道理をわきまえる場所」

まさにこれですね。このフレーズに惹かれて私は彼の番組を毎晩1時間見るようになった。録画なら広告が飛ばせるので時間の節約にもなる。


様々なことが起こっている今の国の状況を見て、私個人はあくまでも「オブザーバー/観察者」になろうと心を決めたのだけれど、 それでも「今の世の中で何が起こっているのか」は知りたいと思う。そこでクオモ氏の番組を見る。彼の番組はその日に起こったことをほぼカバーしてくれるので助かっている。

この番組は(クオモ氏がリベラル・サイドであるにも関わらず)基本的にはニュートラルな立場で、左派のみならず右派からも人物達を招き、右派と左派が同時に会話をする場面もあったりして、決して国の分断を煽ることはない。まさに右派と左派が共に協力して道理をわきまえる場所を提供するこの番組には私も学ぶことが多い。クオモ氏が驚くほど知的で正直、Honestであることも大きな魅力。(上記のキンメル氏についても書いたが)プレゼンターが「信じられる人物であるかどうか」は本当に大切。クリス・クオモ氏は私には信じられる。

ついでだが、彼の番組の後のLeland Vittert氏の番組『On Balance with Leland Vittert 』も録画して時間があれば見ている。彼は元々はFOX Newsのプレゼンターで保守派の人物なのだが、リベラルではない彼の意見も興味深い。彼も今は『NewsNation』のプレゼンターなので、内容はクリス氏が言っていることとほとんど変わらない印象なのだが、彼なりの論説も面白いと思う。


そんなわけで国が不安定なので日々どうも落ち着かない。今はなかなかドラマや映画を見る気分になれないのも、この不安な空気のせいなのだろう。自分でもわからないところでコンスタントにストレスを感じているのだろうと思う。なかなか大変だが、これからの3年間をあまり落ち込むことなく過ごしていければいいなと思う。



2025年9月20日土曜日

Perfume:人工冬眠!おつかれさま~💕愛してるよ~♪



今日は日本の21日。
朝起きたらビックリニュース。
Cold Sleepというので人工冬眠。
しばらく充電期間だそうだ。
ぉおおおおおお ぅわ~びっくりした。

それが彼女達の決断であるのならなにも言わない。
なによりも今まで本当におつかれさまでした。

私はね、Perfumeが今でも大好きなのよ。
ワタシはPerfumeでこのブログを始めたのです。

なんか…娘を見守るような感じだった。
…いやそれは言い過ぎか笑
親戚の娘さんという感じかな。
かわいい姪っ子という感じ?
長い間このお嬢さんたちの成長をず~っと見続けてきた
ここまで立ち止まることなく成長を続けた彼女達は
本当にすごいと思います。
今は3人とも本当にエレガントで美しい女性達。
Perfumeの3人に感じるのは愛、愛、愛、愛
そして最大のリスペクト

彼女達のダンスは今が一番すごいと思ってます。
Perfumeはプロ。プロ以上のPerfumeプロ。
彼女達のように踊れるグループは
世界中を探してもどこにもいない
本当です。
ロボットのような正確な動きとシンクロは唯一無二!
技を磨いて磨いて長い間努力を重ねた結果ですね
本当に特別なグループだと思ってます。

また帰って来てね。
なによりも、これからの充電期間を楽しんで。
Perfumeがどの方向に進んでも
海亀は応援してます。
愛です。愛、愛、愛
Love, Love, Love…
🌺🌺🌺🌺🌺🌺


のっち Happy Birthday!!! 🎂😍🐈‍⬛
🌺💐💕🌺💐💕🌺💐💕🌺💐💕🌺💐💕


2025年9月18日木曜日

Rossi. Jazzy - High On Me (2025)



売れてる



Rossi. Jazzy - High On Me (2025)
High On Me – Single
Rossi. Jazzy
Released: June 20, 2025
A Chaos Release; ℗ 2025 Universal Music Operations Limited



もう1曲。この曲は今年の夏によく売れていてダンスチャートに居座ってます。シンプルでリピートの多い曲なのにかっこいい。お洒落。こういうサウンドがミニマル・ハウスというものかな。
途中でぼゃぼゃぼゃぼゃ…するパートはなぜか70年代のドラマや映画を思い出す笑。昔こういう効果音がありましたね。

シンガーの Jazzyさんは本当によく売れてますね。この野太い声がいいのかな。


★Jazzy
Yasmine Byrneさん。アイルランド、ダブリン出身のシンガー・ソングライター。1996年生まれ。このお方は今売れてますね。近年沢山の曲がダンスチャートに入ってきている。英国では今までに9曲がチャートイン。このお方はダンス界隈で今よく売れてます。

★Rossi.
英国ロンドンのDJ。ジャンルはミニマル・ハウス。ユニークなサウンドで、ロンドンの各クラブから大きなステージへ飛躍。イビサ、南アフリカ、欧州各国と飛び回っている売れっ子。名前のRossiの後にドット「.」を付ける。



High On Me
Rossi & Jazzy (IRL)
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[Chorus]
Ah, high on me
一日中私にハイ 一晩中
Bite on me
噛んで一日中 一晩中
High on me
私に一日中ハイ 一晩中
High on me…


[Verse 1]
あなたの心の奥
あなたが私を欲しい場所に, baby
探せば見つかる, I know
あなたの目の奥で
視覚につまずいて, baby
心の奥深く, woah


[Pre-Chorus]
方法を教えて もっと与えて
私がリアルなものをあげるから
やりかたを教えて もっと頂戴
もっと もっと もっと… (Don't stop)


[Chorus]
ハイになり過ぎて, high on me
私にハイになって一日中 一晩中
Bite on me
噛んで一日中 一晩中
High on me
私にハイで一日中 一晩中
High on me…


[Post-Chorus]
夜の間中
一日中 一晩中
High on me… (Yeah)


[Bridge]
夜の間

Bite all—, through the—
あなたの見つけた場所につれていく
あなたは私の横にいて 心の奥深く
あなたの心に (In your mind)
あなたの心に… (Your mind)
(Yeah, yeah, yeah, yeah)

High all—, all through the—
Bite all—, through the—
High all—, the night
High on me, high on me, high on me


[Chorus]
Ah, high on me
私に一日中ハイ 一晩中
Bite on me
噛んで一日中 一晩中
High on me
私に一日中ハイ 一晩中
High on me…(Don't stop)


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Songwriters: Ross Mccormack / Theo Hutchcraft / Yasmine Byrne





KiD ETERNAL, LowKey Luke – STUNNA (2025)



夏も終わりましたね




Kid Eternal, LowKey Luke – STUNNA (2025)
Stunna (feat. Lowkeyluke) - Single
Kid Eternal
Released: June 18, 2025
℗ 2025 Kid Eternal


6月にリリースされた曲が8月にチャートに入ってくる。この曲もそのひとつ。 サマーにスタナにコンマに、ケアにレア、ウェダーにベターによく韻を踏んで面白い。これもいかにも70年代のディスコ風ですが懐かしい音。一緒に歌いたくなる。


★Kid Eternal
英国をベースに活動するDance-Artist、songwriter/producer。現在デビューのプロジェクトで各アーティストとコラボ中。

★Lowkeyluke
米国LAのシンガーソングライター+俳優。すごくお若い方だと思う。上手いシンガー。かっこいいね。これから人気が出るんじゃないかな。このお方はTikTokで様々な方々とカジュアルにデュエットをしているのがとてもいい。みんな上手なのね。


She stays the main collecting commas
=コンマとはスラングで「お金」のことらしい。元々千の単位で数字に区切りのコンマが付くことから大きなお金の意味(ミリオン)だったそうだ。



STUNNA
KiD ETERNAL, Lowkeyluke
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[Intro Chorus]
夏の準備はできた
君を盛り上げなきゃ
君超かっこいいね
君の愛が必要

夏の準備はできた
ヴァイブも上がってる
スタナみたい
君の愛が必要
君の愛が必要かも


[Hook]
酔っぱらって愛し合おう(そんな気分)…


[Verse 1]
彼女は光を浴びる だって彼女は…
メインにいて コンマを集める(お金を集める)
プールにボトルを並べて
服をゆるめて girl 夏だし
俺は気にしないふりをするけど
君の持ってるモノは見てるよ 珍しいね!
俺達そんな風に 続いてく


[Chorus]
夏の準備はできた
君を盛り上げなきゃ
超かっこいいね
俺を君の愛で甘く

夏のは準備できた
ヴァイブも上がってる
超かっこいいね
君の愛が必要
君の愛が必要かも


[Verse2]

俺の感じてるヴァイブは本物
でも君にもヴァイブを感じて欲しい
俺だけじゃだめなんだ
俺と君でなくちゃ

君と一緒に
嵐 どんな天気でも
もっとうまくいく
どんなカップルよりも
ほら夏だよ!
熱くなろう (hot...)
俺は恋してる
たくさん (lot...)


[Chorus]
夏の準備はできた
君を盛り上げなきゃ
君超かっこいいね
君の愛で甘く

夏の準備はできた
ヴァイブも上がってる
君超かっこいいね
君の愛が必要
君の愛が必要かも


[Hook]
飲んで愛し合おう(そんな気分)


[Break down]
俺はなんとしてでも…
君の隣に行かなきゃ
彼女も欲しがってる…
彼女も近づきたがってる


[Chorus]
これは夏のため
君を盛り上げなきゃ
スタナみたい
俺を君の愛で甘く

夏のは準備できた
ヴァイブも上がってる
スタナみたい
君の愛が必要
君の愛が必要かも

Get drunk and make love...
I might need your love

Get drunk and make love in the sun, 
Summer sun, summer sun
Get drunk and make love


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Armin van Buuren feat. Louis III - Part Of Me (2024)



アーミン社長の



Armin van Buuren feat. Louis III - Part Of Me (2024)
Part of Me (feat. Louis III) - Single
Armin van Buuren
Released: September 20, 2024
℗ 2024 Armada Music B.V. 
under exclusive license from Armin Audio B.V.
* * *
Album:  Breathe
Released: June 27, 2025
℗ 2025 Armada Music B.V. 
under exclusive license from Armin Audio B.V.




今年8月にShazamのダンスチャートに入っていた曲。シングルでは去年 2024年9月のリリースなのだけれど、今年の6月にリリースされたアルバム『Breathe』の曲ということでチャートに上がってきたのだろう。

ゲッタ御大とくれば次はアーミン社長もとりあげる。このお二人はDJ界の大御所ですが、結局彼ら大御所は気持ちのいい音を作ることで安定している。(ボーカルは毎回変わるのにもかかわらず)アレンジが巧みなことが、彼らの曲がよくチャートにあがってくる理由なのでしょう。この曲は歌ものに聴こえるけれど、私にはボーカルの後ろのインストの音が気持ちよくて音ものとして聴いている。うまいなと思う。


★Armin van Buuren
オランダのプロデューサー・トラックメイカー(ビートメイカー)・作曲家・編曲家の音楽アーティスト、DJ。1976年生まれの現在49歳。オランダ・ライデン出身。EDM、プログレッシブ・トランスを代表するDJ。DJ MagazineによるDJ Mag Top 100において2007年・2008年・2009年・2010年・2012年に1位を獲得、その後も上位をキープ。2003年にダンス・ミュージック専門の独立系レーベルArmada Musicを立ち上げた。

★Louis III
英国 南ロンドン・クロイドン出身のシンガーソングライター&そーSNSパーソナリティ。ビート重視のR&B/ソウルミュージックと気さくな性格で人気になる。クイアなお方だそう。



Part of Me
Armin van Buuren
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[Intro]
Oh, yeah-yeah-yeah


[Verse 1]
僕が好きなもの わかってるでしょ
君だよ いつも (Oh, yeah, yeah, yeah)
君が僕の目にとまったとき
僕は催眠術にかけられた


[Pre-Chorus]
さあ 君の心を僕に届けて
君の体温を感じたい
僕の一部を君にあげたい, part of me
さあ 君の心を僕に届けて
君の身体の熱を感じたい
僕の一部を君にあげたい, part of me


[Chorus]
さあ 君の心を僕に届けて (Mе, me, me, me)
僕の一部を君にあげたい, part of me
さあ 君の心を僕に届けて (Mе, me, me, me)
僕の一部を君に上げたい, part of me


[Post-Chorus]
Oh, yeah-yeah-yeah...
Part of me


[Verse 2]
君の好きなものはわかってる (Oh)
毎回僕らがどんな風にするのか
君は僕を虜にする
君に僕を支配させよう
君のことを考えてる, my mind


[Pre-Chorus]

さあ 君の心を僕に届けて
君の体温を感じたい
僕の一部を君にあげたい, part of me
さあ 君の心を僕に届けて
君の身体の熱を感じたい
僕の一部をただ君にあげたい, part of me


[Chorus]
さあ 君の心を僕に届けて (Mе, me, me, me)
僕の一部を君にあげたい, part of me
さあ 君の心を僕に届けて (Mе, me, me, me)
僕の一部を君にあげたい, part of me

さあ 君の心を僕に届けて
君の体温を感じたい
僕の一部をただ君にあげたい, part of me
さあ 君の心を僕に届けて
君の身体の熱を感じたい
僕の一部をただ君に上げたい, part of me


[Post-Chorus]
Oh, yeah-yeah-yeah...
Part of me


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Songwriters:  Armin van Buuren, Jimmy James, John Dirne, Kéwork Der Stepanian & Louis III