今回面白かったです。このあたりはおそらく黒田官兵衛さんにとって一番輝いていた頃なんでしょうか。もともと官兵衛さんのことはよく知らないのですが、この中国大返しに秀吉を支えた功績は大きい。毛利との交渉役としても活躍。
いやーそれにしてもこのドラマでの毛利との駆け引きはかなり珍しい設定なのかな?簡単にネット上で調べても、このあたりの史実は秀吉側が信長の死を毛利側に悟られること無く和議をとりつけたのが定説みたいですね。私もそれが史実だと思っていたので、このドラマの展開はかなりびっくりです。
そもそもこの高松城水攻めを取り囲む秀吉側と毛利の状況って、毛利が3万、秀吉軍も3万だったそう。五分五分の勢力なんですが秀吉には後ろに信長がいる。信長の援軍(光秀1万?)が加われば秀吉・織田側が数に勝るわけで毛利には都合が悪い。しかし本能寺が起こって秀吉には後ろ盾が無くなった。秀吉は京に帰らなければならない。もし光秀と毛利が結んだら挟み撃ちにされる。そこで秀吉が大きく譲歩して毛利には本領安堵、その代わり秀吉側は高松城の清水宗治に切腹させることで和議を結ぶ。(信長の死を知らなければ)本領安堵は毛利にも都合がいい。そこで和議を受け入れたわけで、これは信長の死を知らなかったからこそ成り立った話。もし信長の死を知っていれば、秀吉軍と毛利は五分五分。もし光秀と結べば勝てる可能性も十分。簡単に和議を受け入れる必要は無かったのでは。また高松城主清水さんを殺すこともなかったのでは…。
というわけで、私はこのあたりの話は毛利が信長の死を知らなかったからこそ可能だった秀吉の危ない綱渡りだと思っていたので、先週官兵衛が安国寺恵瓊に信長の死をあっさりと伝える場面では椅子からころげ落ちるほどびっくりしました。
そのような思い込みで見ているからこそ、このドラマのような変化球は違う意味で面白かったです。全体のテンポも良かったし。どう辻褄を合わせるのか…?結果的には…うーん70点ぐらい?よくわかんないけど、ちょっと無理があるかな…ウーン…。でも俳優さん達の熱演でうまく納得させられちゃった感じ。それはそれで面白い。ちょっとずつ茶々を入れながら楽しんで見れました。そんなわけで感想もちょっと揚げ足を取り気味…。
★あらすじ
まず恵瓊に信長の死を知らせて話にのらせる。それで内側から毛利を説得。高松城の清水さんを切腹させて和議を結ぶ。官兵衛が毛利との交渉、中国大返しの準備と大活躍。秀吉軍は走る走る走る…。
●流れと感想
・まず先週のまとめ。官兵衛、秀吉に「すべてはこの官兵衛にお任せください」ギラギラ嬉しそうだ。
★6月3日
・恵瓊と密談。おっとここは官兵衛の陣だったんですね。さて官兵衛が全てを話す「明智謀反」恵瓊立ち上がる「なんで言った?」官兵衛「恵瓊さんならわかるでしょう」恵瓊いい顔「面白いその懸けワシも乗った」「私ら二人で天下を動かす。これ以上に面白いことは無い。」恵瓊ノリノリ「高松城へは織田へ寝返るようにときつける」←恵瓊さんなんで乗ったのよ?毛利に言えば全部ひっくりかえるぞ。押せ押せでいけるじゃん?それに清水さんが織田に寝返るわけがない。
・高松城 恵瓊が清水さんに織田に寝返ろと言う。清水「腹を切る」この人はどうしても死にたいらしい。
・小早川隆景の本陣 恵瓊が信長の死を隠し和議の受け入れを勧める。小早川は訝る「なぜ我らに有利な話になった?」そこへ官兵衛登場「戦いはいけない。YesかNoか今返事をくれ。清水さんは素晴らしいけど彼が死ねば戦いが終わらせられる。」←え…なんかおかしくない?
・和議の理由は…官兵衛「天下のため。乱世を終わらせるため。」…えーまだ乱世は終わらないぞ。九州と関東、東北はどうする?…そして何故か小早川さんは納得。←このあたりが一番苦しい展開かな。なんとなーく辻褄が合いそうで合ってないかも。うーん…信長の死が伝わらなければありうるのか。しかし恵瓊さんが信長の死を毛利に知らせればそれまでだからなぁ。この時点で平和のために和議を結ぼうなんて…ちょっと妙な感じ。
・黒田本陣 官兵衛家臣に宣言「我らが秀吉様を天下人へ押し上げる」準備開始。詳しい準備の内容が出てきたのはよかった。官兵衛さんはこの時に本当に活躍したらしいです。馬や食料、草鞋の用意。船も使う。松明で街道を照らす…などなど具体的で面白い。こういう細かいところが描写されたのは嬉しい。善助が活躍。
★6月4日
・高松城下 水上にて清水さん切腹。これが一番理由があいまい。単なる捨て駒。見捨てる恵瓊と官兵衛も黒い。この人の死は毛利と秀吉軍の戦を終わらせる為のギリギリの選択だったはずなのに、この話ではなんとなく清水さんが死にたい人に見えてしまった。それにしても宇梶さんは本当にかっこいいですね。こんなに短期間の出演なんてもったいない。身体も大きいし怖いし、いかにも戦国武将っぽくてかっこいい❤。毛利側が泣く。なんだか小早川さんも納得して無さそう。
・毛利陣 小早川に本能寺のニュースが届く。\(^o^)/ワーーーーッ!!
・姫路・黒田屋敷 ここにも本能寺のニュースが届く。又兵衛が官兵衛に知らせに出発。
・黒田陣 出発準備中。
・姫路への街道では 黒田陣を出た長政がヘトヘト。そこでばったり又兵衛に会う。ああ…。
・伊賀の山中 家康は徒歩で三河を目指す。貫禄がすごいですね。
★6月5日
・安土城 光秀が城に入る。茶器の分配「信長の物は全て分け与える。この城もオレが燃やす」
・美濃 おねさん達が避難中。長浜城が明智軍に落ちた。おねさんの貫禄が役に合ってきた。
・姫路・黒田屋敷 秀吉軍を迎える準備。長政到着してまた秀吉軍に戻る。徒歩は大変。
・安土城 京、近江は明智軍に落ちた。細川からの手紙「出家する、戦には加わらん」青ざめる光秀「朝廷にお墨付きをいただく」
・秀吉軍 にせの手紙(信長は死んでいない)を各地にばらまく。
・毛利陣 官兵衛と小早川。毛利から人質をとって兵を引く。官兵衛は毛利の旗が欲しい。実は小早川は全て知っていた。官兵衛の開き直り作戦開始。小早川「光秀と挟み撃ちできるけど」官兵衛「秀吉はつえーんだから従えっ!」小早川「毛利にも野心はないし…行けっ、わしゃおぬしに懸ける」←うわーなんだか都合が良すぎ。小早川さんいい人過ぎ。なーんだか納得がいかんな。でも鶴見さんはステキですね❤
★6月6日
・秀吉軍 出発です。みんな走る走る。
・毛利陣 吉川元春が京からの手紙を受け取る。「!」小早川に摑みかかる。怒る怒る怒る怒る「追えーっ!」吉川さん怒ってます。この人の反応は真っ当。理解できるわ。吉川さんは真っ直ぐです。二人で喧嘩してます。
・黒田陣 山向こうの毛利陣を観察。毛利が引いている!
★6月7日
・安土城 光成、朝廷の後ろ盾をとりつける。
・その頃秀吉軍は走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る…。
それにしても情報が多いですね。なんだか情報が多すぎて、大変な事態なのにあまりドラマチックなうねりを感じない。多少無理のある毛利との駆け引きもチマチマして見えてしまった。結局小早川さんを説き伏せられたのも「秀吉は強いから味方に付け」なので、えー戦ってそんなに簡単に終わるものなのか…うーん。