能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2020年1月7日火曜日

映画『マリッジ・ストーリー/Marriage Story』(2019):離婚リアルの傑作









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Marriage Story2019年)/英・米/カラー
137分/監督:Noah Baumbach
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Netflixにて鑑賞。

すごい映画。ひさしぶりに心をグッと掴まれた。すごい。リアルリアル。20年以上も(元々は)赤の他人(ましてや育った文化圏の違う外国人)と一緒に暮らしていれば、離婚していなくてもこの映画の二人の話は身に沁みてよくわかる。

なんと見事にリアルなのだろう…と調べたら、どうやらNoah Baumbach監督は子供の頃に両親の離婚を見て育ち、またご本人も離婚を経験なさったのだそう。特に子供の頃の両親の離婚は彼にとってかなりのトラウマだったらしく、過去にも“両親の離婚のテーマ”で映画『The Squid and the Whale』を撮り高い評価を受けたのだそうだ。「離婚」のテーマはこの監督のライフ・ワークなのかもしれませんね。



★あらすじ

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夫・チャーリー(Adam Driver)はニューヨークの舞台監督+脚本家。妻・ニコル(Scarlett Johansson)はカリフォルニア出身の元ティーン・スター。若い時にニコルはチャーリーを追ってニューヨークに移住…女優として舞台に立ちながら夫チャーリーのシアターカンパニーを共に成功させようとしてきた。ある日、ニコルにロサンゼルスでのドラマの仕事が舞い込む。彼女は8歳の息子ヘンリーと共にハリウッドに移住。一方チャーリーはニューヨークに残ることにする。平和的に別れるつもりだったのだけれど…。
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★ネタバレ注意

 いやーこの…仲の良かった夫婦がなぜ別れる事になってしまうのか?…の話はリアルです。本当にこんな感じ。そのまんま。それにまずびっくりした。そのリアルさに何度も唸らされた。見事。

 
長い二人の関係の中で、ニコルはチャーリーのお母さんになっていたのかな。チャーリーはニコルに甘えっぱなし。ニコルもチャーリーのことが大好きだから、彼に全てを賭けて自分の夢(ハリウッド)に目を瞑り(いや…彼と共に舞台女優として夢を見ようとした)、ずーっと彼を支える事を幸せだと思ってきた。それでいいと思ってきた。
 
それなのにチャーリーは自分の仕事のことしか考えていない。ニコルの思いやりはチャーリーにとって「空気」のようにあたりまえ。チャーリーは、ニコルの献身や、彼女のサポートに感謝することもないし、彼女が彼のために諦めた夢のことなどについて彼女を思いやることもない。

二人の関係はいつの間にかそんなふうになってしまっていた。
 
ある日ニコルは「これでいいのか」と自問する。「フェアじゃない」「私にも夢があったのに」「そのことをチャーリーに話そうとしても全く聞いてくれない」「おかしい」「こんな関係終わらせたい…」
 
 
女性とは、好きな相手には無理をせずに合わせられるもの。相手が嬉しいと思うことをやってあげたいと思うのも自然なこと。理屈で損得などは考えない。女性とは好きな相手に対して「寄り添い」「思いやる」ことを自然にやってしまう。夫婦の関係は、程度の違いはあっても、女性の側からはだいたい同じようなものではないだろうか。
 
その「妻の思いやり/献身」を、次第に夫は「当然のこと」だと思うようになってしまう。妻が自分に「寄り添ってくれる」「支えてくれる」「献身的」「優しい」「これをやってくれる」「あれもやってくれる」のを日常の「あたりまえ」だと思い始めてしまう。もちろんそこに感謝の気持ちはない。
 
夫婦あるあるですね。
 
 離婚のプロセスでニコルは言う「チャーリーが成功して大きくなればなるほど、自分が小さくなっていく」 愛があって結婚したのに、チャーリーと一緒にいることでニコルのアイデンティティは次第に危うくなっていく。
 
またニコルは彼女のキャリアについてもチャーリーに話をしてみた。しかしチャーリーは自分の舞台に忙しく、ニコルの話を聞いていない。彼女の悩みも理解していない。ニコルは一人悩む。二人の関係がニコルを不幸にしているのなら、ニコルは家を出るしかない…。
 
もう…これ、ずばり一般的な離婚の第一の理由じゃないかと思う。

 
30代半ばでうちの夫婦も悩んだし、その同じ頃に友人の夫婦二組が離婚した。理由はほぼ同じ。奥さんが、旦那さんや子供のために日常の細々したことを日々やって平和に暮らしていて…ある日、夫婦二人の関係性に「ちょっと待って」と思い始める。「これっておかしい…フェアじゃないよね」と気がつく。
 
この映画のように奥さんに夢が残っているのなら「まだやり直しができるかも」と思っても不思議ではない。ニコルにとって、ニューヨークで「チャーリーの奥さん/添え物」として暮らしていくことはもう耐えられなかったのだろう。ニコルの気持ちはよくわかる。

 
しかしチャーリーも哀しい。ニコルの「思いやり」を当たり前だと思うほど二人の関係に安心しきっていたのに、ある日妻が出て行ってしまう。彼はルール破りもやっているのに、それさえも「ニコルなら許してくれるだろう」と安心しきっていたのかも知れぬ。それはダメダメなのだけれど。
 
 
状況がかなり進んだ後、二人は弁護士を介さずに二人だけで話し合おうと歩み寄る。結果激しい言い争いになる。「ああこの夫婦は今までこういう話をしてこなかったのかもしれんね。離婚する今になってやっと本音を吐き出しているんだろうか」と思った。話さなかったから途中で軌道修正ができなかったのだろうか。もっと早く喧嘩をしておくべきだったのに…。
 
夫婦を救うのはガス抜き。
時々本音で話し合い/喧嘩をしたほうがいいですよ。
 
チャーリーは全てが終わった後、ニューヨークの仲間の元に帰ってきてカラオケで歌う。「Being Alive 僕を抱き締め、傷つけ、眠りを妨げる誰かが、僕に生きていると実感させてくれる…」ああチャーリー君哀しすぎる。なんだかかわいそうだよな…この男。しかしまぁ…ダメと言えばダメだし…うーん…困ったねぇ。
 
 
まぁそんなわけで、あまりのリアルさに驚きました。夫婦とはこういう感じ。「相手がわかってくれるだろう」と思っていると、全然わかっていなかった…とか、そういうのばかり。しかしそんなすれ違いはあってあたりまえ。夫婦は元々赤の他人なのだから。だから本音の話し合いが常に必要。そして時々喧嘩してガス抜きをしたほうがいい。小さな不満を溜めると、いつか大爆発をする。本当です。
 
 
構成も上手い。冒頭のお互いの長所を話す文章が、映画の後半で出てきた時は涙。上手い。
 
元々は夫婦間の平和的な「別れ話」が、弁護士を雇い入れ、子供の親権を争うことになってどんどん話が醜くなっていくのも恐ろしい。離婚とは、二人の人間のパーソナルな関係を表に曝け出して社会に裁かれる戦い。こんなものだとは全く知らなかった。
 
 
ニコルのスカーレット・ヨハンソン。いい女優さん。びっくりした。上手い。薄っぺらい女優さんだとばかり思っていた。このニコルは自然。あまりにも役に馴染んでいて違和感が全くない。素晴らしいです。ヘンリーを両手をグーパーして迎える姿がかわいい。
 
そしてチャーリーのアダム・ドライバー。前々から気になっていた(顔が好き)のだけれどいい役者。大きな身体。ぼーっとしてそうに見えて実はアメリカ海兵隊員だった人。いや軍人だからいい…というわけではないけれど、海兵隊員ならアクションもバリバリに出来ますよね。繊細な演技が出来る上に身体も動くなら万能でしょう。歌もいい。味のあるいい声。
 
他の役者さん達も皆適役。皆上手い。子供の扱いにくい様子もまた自然。脚本が上手いのだろう。
 
 
いい映画。離婚する夫婦の心理が丁寧に描かれたいい映画です。

夫婦の離婚の話なのに、二人が単純に憎しみ合うのではなく、お互いにまだ情が残っている描写が何度も出てくるところが切ない。離婚裁判で激しく争っているのに、お互いに心が触れ合う場面を何度も描く。二人は本当にかわいい微笑ましい夫婦(だった)。特殊な理由で憎しみあって別れるのではなく、小さなすれ違いから離婚に至る夫婦とはそういうものなのだろう。そのあいまいさが情緒的で切なく何度も心揺さぶられる。

最後に結果が出た後で、二人がそれなりに穏やかな関係に戻っているのを見てまた考えさせられた。ちょっと哀しいですよね。この夫婦はなんとかなったのかもしれないのに…。どうかなぁ。

 

2020年1月5日日曜日

お猫様H:クリスマスの朝

 
 
🎍 あけましておめでとうございます 🎍


さて去年のクリスマスの朝は
人間がなにやら楽しそうにガサガサとやっておりましたので
ワタクシも参加しました
 

Hはこのようなものを貰いました。
これはなんでしょう?
そしてまた昼寝します
 
 
 

2019年12月31日火曜日

MUSICAL★『レント/Rent』 - 20th Anniversary Tour - Dec 26, 2019


 

2016年から始まったツアーのプロモーション映像
 

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Rent – 20th Anniversary Tour
Musical
Music and Lyrics by Jonathan Larson
Book:  by Jonathan Larson
Language:  English
Basis:  La Bohème by Giacomo Puccini
Premiere:  January 25, 1996: New York Theatre Workshop, New York City
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Cody Jenkins:  Mark
Coleman Cummings:  Roger
Shafiq Hicks:  Tom Collins
Joshua Tavares:  Angel
Aiyana Smash:  Mimi
Samantha Mbolekwa:  Joanne
Kelsee Sweigard:  Maureen
Juan Luis Espinal: Benny
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Blaisdell Concert Hall
Dec 26, Thursday, 7:30pm

 
わーっ…ずいぶん休んじゃった。旦那Aがクリスマス年始2週間のホリデー中なので、毎日毎日一緒に海や山や街に出かけて文章が書けない。昨日30日は島の北に大波を見に行ったら米国本土からの観光客が沢山いてどこもギュウギュウ。西の町に着いたら車の渋滞が酷かったのでうんざりして折り返すことにするトホホ。途中でパイナップルアイスだけ食べて帰ってきた。やっぱりホリデーシーズンに観光地へは行くもんじゃない。というわけで今週末までクリスマス年始ホリデーを続行中なのですが、ちょっと時間が出来たので、先週見たミュージカルのレビューを書いておこう。

クリスマスの翌日26日の夜、『レント/Rent20th Anniversary Tourを見てきた。

『レント/Rent』とは、ニューヨークのブロードウェイのミュージカルで、このツアーは2016年から始まった20周年記念公演全米ツアー。この地の公演は1229日に終わったのだけれど、まだまだこれからも全米ツアーは続く…次の公演地はフロリダ州だそう。これからも色んなところに行くみたいですよ。
 
 
さてこの『レント』なのだけれど、ワタクシはこのミュージカルのことをよく知らなかった。20年ぐらい前にロンドンでポスターを見たりはしたけれど当事の公演も見ていない。だから何の話なのか全く知らない。今年の秋頃にこの地での公演のチケットがまだ残っていたので見にいくことにした。
 
実はミュージカルは歌詞が聞き取れないことが多いので、ストーリーを予習することにする。時代設定は1989。同居中の若者二人。クスリ漬けの階下の女の子。レズビアンのカップル。ドラァグクイーンと大学講師のカップル。登場人物の数名はHIVポジティブ等等…ずいぶんイマドキの話じゃないですか。なんだか近年の米ドラマPOSEの設定に似ているんですけど…。初演は1996だそうで…1996年ならまだまだLGBTQを扱ったテーマは珍しかったのかもしれませんね。どうだったのかな。
 
 
というわけでウミガメのびっくりするぐらい辛口レビュー! これからこのミュージカルを見る方々、『レント』がお好きな方は読まないほうがいいと思います。


★ネタバレ注意

開演早々すぐに歌詞が/ストーリーがわからなくなる。やっぱり。私はミュージカルはだめなんだわ…歌詞が聴き取れないのだ。今回は席が2階で舞台から遠かったものだから、演者のお顔がよく見えないのもいけない…誰がどの歌を歌っているのかもわからなくなる。アチャー…これは全然イカンやつやわ…。

音楽はロックです。ロックミュージカル。舞台上の左側でフルのバンドが演奏。音はまんまロックコンサートのよう。しかし…この大きなギターやドラムの音が、これまた演者の声を聴こえにくくする。ひゃ~これは最初からお手上げ。 やっぱりミュージカルは無理をしてでも前の席で見ないといかんよなぁ…。

というわけで、ロックコンサートのような元気のいい音なのに(ミュージカルだから)もちろん観客は立ち上がらず、ワタクシの席は後ろの方で舞台を遠く眺めながら最初から結構冷めてしまった。どうするよこれ。

なかなか気持ちが温まらない状態で歌は続く。


そして派手なドラァグクイーンのエンジェルちゃんが出て来たっ!あっ…大好きなやつやっ!やっぱりこれは前で見ないといかん…。このドラァグクイーンはハイヒールで両脚を揃えて床からテーブルの上に一気にポーンと飛び乗ったぞっ…おおっすごいやないか。会場も湧く。

それからエンジェルちゃんの恋人のコリンズさんがすご~く歌が上手い。いいお声。あ…このお方は本当に上手いわ。このお方はスターの声。

…実は、このコリンズのShafiq Hicksさんが歌うまで演者が全員ちょっと微妙…だと思っていた。あまり歌の上手い人がいないかも…。ええっ?だってこれブロードウェイのツアーでしょ?もっとみんな上手いものじゃないのか?

というのも今回席が遠くて演者のお顔が見えないものだから、自然に演者の歌声を集中してじっくり聴くことになってしまい…結果、演者の歌の上手さ/微妙さがかなりはっきりとわかってしまったのだ。

どうやら後でパンフレットを読んだら、演者の方々は皆お若い方々。だからまだ舞台の経験が浅いのかもしれない…と思った。

上手い人ははっきりとわかる。この公演で飛びぬけて上手かったのは、
・コリンズのShafiq Hicksさん…このお方はスターの声の持ち主
・ミミのAiyana Smashさん…彼女もものすごく上手い 才能

そして
・エンジェルのJoshua Tavaresさんいい声 いい役
・ベニーのJuan Luis Espinalさん…出番は少なかったけれど彼も上手いはず

この4人以外は(基本的に上手いんだけれど)声が安定していなかったり、声にスターの輝きが足りなかったりする。皆さんお若いのでまだまだこれからなのかな…と思った。

そんな風に少し冷めた状態で見ながら一幕終了。

そして二幕が進むに連れて会場が温まってきた。だんだん良くなってくる。全体にレベルが上がってきた。ああ…演者も温まってノッてきたんだろう…おもしろいな…と思う。やっと盛り上がってきたと思ったらすぐに終了。ああ終わっちゃった。
 
 
これは1989の若者の話を1996にミュージカル化したもので、内容を考えれば話題になったのはよくわかる。しかしこれ、正直この音楽はそんなにいいかね?と思ってしまった。なぜならこのミュージカルの音楽は1980年頃の音楽。オールアメリカン・ロックの響き。普通のロック。ちょっと時代が古いんじゃないのか。
 
だって1989年と言えば…Bobby BrownPaula AbdulRoxetteMadonnaMilli VanilliPrinceJanet JacksonNeneh Cherry等等…もっとガンガンにダンス系の曲が流行っていた時代。だから普通のアメロックはちょっと違うよなぁ…と思ってしまった。
 
台詞の全てにいちいちメロディが付いて歌になっているのもつらい。だらだら無駄に歌っているように聴こえて苦しい。曲も微妙。一人一人の台詞の曲はキャッチーなメロディが少ない。うわーっと盛り上がれる曲が少ないと思った。台詞にいちいちメロディーが付いているのは、演者にとってもかなり演じにくい/歌いにくいのではないか?この作品の歌をうまく歌うのは演者にとってもかなり難しいのではないか?とさえ思った。
 
全体の曲の中で一番良ったのは、全員で525000 minutes…と歌うSeasons of Love。この曲は心に響いた。ぶっちゃけコーラスだから個人のアラがカバーされて曲が綺麗に聴こえる。キャッチーでいい。
 
 
なんだかね…そんな風にいろんな事が気になってどうも熱烈にモリアガルことが出来なかった。…ただ勝手に重箱の隅をつついているだけなんですけどね。台詞が聞き取れなかったこちらが悪いのに、なんだか文句ばかりになってしまった。あいすまぬ。単純に音楽が合わなかっただけだと思います。好みの問題。残念。ミュージカルはもっと前で見るべし。


とは言っても、このミュージカルはピューリッツァー賞をはじめ、トニー賞 ミュージカル部門の各賞、ニューヨーク市批評家協会賞などなど…ものすごい数の賞を受賞している名作なので、文句を言っているのは私だけだと思います。

 
ともかく
コリンズのShafiq Hicksさんと、ミミのAiyana Smashさんは注目だと思う。
このお二人は本当に上手かった❤❤❤❤❤

 

2019年12月23日月曜日

HAPPY HOLIDAYS!!!





HAPPY HOLIDAYS!!!


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とりあえず年末の色んなことが一段落して、また文を書き始めようと思ったのですが、やっぱりまだまだいろいろとあって時間がとれない。というわけで、もう少しお休みします。