2020年11月3日火曜日

お猫様H:尻尾を立てて下りてくる



猫さんが下りてきます。
尻尾をピーンと立ててトコトコ下りてくる。
お姫様ご機嫌ですね 

あ、猫パパAの脚 


コロナのせいで今年は10月末のハロウィーンが全くなかった。うちもお菓子を買わなかったし誰も訪ねてこなかった。静かでした。すごいねぇ。

今日は大統領選の日で、今テレビを見てる。どうなるかな。ワクワク。



2020年10月29日木曜日

Sonny Fodera & Ella Eyre - Wired (2020)



ソウルフルな声


Sonny Fodera & Ella Eyre - Wired (2020)
Wired – Single 
Rerealsed:  OCTOBER 9, 2020 
℗ 2020 SONNY FODERA UNDER EXCLUSIVE LICENSE TO
 PARLOPHONE RECORDS LIMITED / FFRR. 



佳作。気持ちのいいメロディ。歌詞がよく韻を踏んでいて上手いものだ。それにしても最近はピアノを打ちつけるようなアレンジが本当に多い。バックにゴスペルを入れればもっとイイキモチ。

歌詞はどうやら運命の人に出会ってとても幸せで興奮している女の子の歌みたいですね。euphoria(多幸感)などと言ってますが、幸せでふわふわしてる感じかな。 

You got me wired.と歌ってますが、Wiredってスラングらしい。ネット上でWhat does you got me wired mean ?(You got me wiredってどういう意味?)という質問を見つけた。


答えは
Usually it's meant in a drug sense, ie you got me high. However, in this sense i think it means that you've made this persn so happy, excited, hyper etc that they are at their highest point of emotion. Is it your 不boyfriend? If so they're at their highest point of love. or horniness...
(一般的な意味は、薬をやった時みたいにハイになること。ただし…You got me wiredの意味なら…Youがこの人を超ハッピーにしてワクワクさせて興奮させて…などなど感情が高ぶった状態にしていることかな。ボーイフレンド?だったら最高に盛り上がった愛の状態とか超ムラムラするとか… )

ほぉ…なるほど


★Ella Eyreさん
英国のシンガーソングライター。1994年生まれの26歳。2014年のヒット曲「Waiting All Night」BRIT AwardsのSingle of the Yearを受賞。売れてる方なのかな?ソウルフルな声。お父様がジャマイカの方だそう。この歌もちょっとリズムの取り方がレゲエっぽいかも。

★Sonny Foderaさん
英国在住。オーストラリア出身のDJ/Producer。今かなり売れている方らしいです。北米や英国で完売ツアーをやるお方だそうだ。


Wired
Sonny Fodera & Ella Eyre
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[Verse]
多幸感 
それを今 感じてる あなたのために
それはあなたに会うまで 感じたことのなかったもの
本当よ 私は酔ってない
Oh, でも私 降りてこないから

ニルヴァ―ナ 
最高の愛は全ての問題からのがれて
恋人の中に それを見つけるなんて思ってもいなかった
当然なの, oh,
あなたに一緒にいてほしい


[Pre-Chorus]
だってあなたは与えてくれたけど 今はもっと私に与えて欲しいの (More)
あなたは私の天井を開けたから 私の感情は水のように流れてる (Water)
あなたが私に触れることだけが、
    私を十分過ぎるほど満たすのに必要なもの
あなたはそれを知らないでしょう?

[Chorus]
あなたの愛がドラッグのように (Drug) 私を興奮させる
私の肺を満たして 私をハイにさせる
私が欲しいのは 
あなたを呼吸すること
初めてのハイのように 
あなたは私を興奮させる

[Post-Chorus]
Say you got, you got, you got, you got, got me wired
(Wired)


[Verse]
多幸感 (Oh), 
それを今 感じてる あなたのために (For ya)
それはあなたに会うまで 感じたことのなかったもの (For ya)
本当よ 私は酔ってない
Oh, でも私 降りてこないから (Comin' down)

ニルヴァ―ナ (Oh),  
最高の愛は全ての問題からのがれて
恋人の中 それを見つけるなんて思ってもいなかった
もちろんのこと, oh,
あなたに一緒にいてほしい


[Pre-Chorus]
だってあなたは与えてくれたけど 今はもっと私に与えて欲しいの
(Give me some more) (More)
あなたは私の天井を開けたから 私の感情は水のように流れてる (Water)
あなたが私に触れることだけが、
    私を十分過ぎるほど満たすのに必要なもの
あなたはそれを知らないでしょう?

[Chorus]
あなたの愛がドラッグのように (Drug) 私を興奮させる
私の肺を満たして 私をハイにさせる
私が欲しいのは 
あなたを呼吸すること
初めてのハイのように 
あなたは私を…

あなたの愛がドラッグのように (Drug) 私を興奮させる
あなたは私に終わることのない興奮をくれる
私が欲しいのは 
あなたを呼吸すること
初めてのハイのように 
あなたは私を興奮させる, woah

[Post-Chorus]
Say you got, you got, you got, you got, got me wired
(Wired)

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Songwriters: Benjamin Kohn / Ella Mcmahon / Janee Bennett / Peter Kelleher / Sonny Fodera / Tom Barnes

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第25回「羽運ぶ蟻」9月27日放送



むむむゆっくり…


あらすじ
1566年.覚慶(滝藤賢一)は還俗し足利義昭に…その後越前に向かうが朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)に止められ敦賀で待機。信長は(染谷将太)は美濃を平定。光秀の母・牧(石川さゆり)が美濃に帰る。光秀は信長に会って義昭をおすすめ。越前に帰ったら義昭が訪ねてきていた。義昭少しやる気に。朝倉も乗り気。その頃足利義栄が14代将軍になる。京の薬工場は順調。


今回もあまり進まなかったぞ。光秀は美濃に母を送ったついでに信長に会って越前に帰ってきた。…信長の美濃平定をやらなかったのは、おそらくコロナで撮影が難しいと判断されたからではないのか? 内部事情は稲葉良通(村田雄浩)に語らせて終わり。そんな風に様々な事柄が屋内の会話劇ばかりになってる感じ。


歴史が進まないかわりに、母・牧さんの美濃への移住をしっかりやる。そして光秀と信長は夢を語り合う。義昭もやる気を語り、朝倉も「いいね」と言う。駒ちゃんは薬をまた売りをする子供を見て人生哲学する。

物事が進まないのでちょっと退屈なのは致し方なし。

しかし個々の台詞はいいんですよね。
義昭が「蟻は私。迷ってる。でも将軍になれば出来なかったことが出来る。人を救える」
朝倉義景は「将軍は美しい神輿で周りの大名が盛り立てる。神輿は軽い方がいい」
信長は「戦が嫌いではない。皆が喜んでくれた。堺が欲しい。南蛮や明と貿易がしたい…」。それにしても信長の仕事のモチベーションが「皆に褒めてもらうから」なのは多少心配ですね。幸せの理由を外に求めると不安定ですよ。

お牧の方
それにしても、母・牧さんの言葉がとても感動的なのですけど…「思い残すことはありません」…牧さんはもしかしてもう出てこないのでは…と思ってしまった。これから牧さんはお一人で美濃に住むのだろうか?孫とは住まないないの?光秀はどうする?

2020年10月28日水曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第24回「将軍の器」9月20日放送



みんなで悩む。


あらすじ
1565年5月 京にて足利義輝(向井 理)が討たれる。三淵(谷原章介)+細川(眞島秀和)の幕府奉行衆は義輝の弟・覚慶(滝藤賢一)推し。三好一派は義輝のいとこ・義栄推し。三好一派は覚慶を幽閉。その後覚慶は脱出して甲賀へ。光秀(長谷川博己)は、松永久秀(吉田鋼太郎)を大和に訪ねて怒り、甲賀に覚慶を訪ねる。その後越前に戻り、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)に「覚慶はどう?」と聞かれて「だめかな」と答える。その頃、京では関白近衛前久(本郷秦多)が帝に足利義栄を推す。


なかなか進みませんね。将軍義輝が討たれてから、みんなで悩んで1回分が終わってしまった。松永さんも唸っているし三淵+細川兄弟も微妙な顔。というのも、覚慶さんが「死にたくない。嫌だ嫌だ」と言っている。朝倉義景も「覚慶に将来性があるのなら越前に迎えてもいい」と言うのだけれど、その判断をなぜか光秀に任せる。…で光秀は「ダメですかねぇ」などと言う。なんとも話が進まないですな。

京の街では駒ちゃん達がミラクル丸薬の製造業を開始。伊呂波太夫をセールスマンに繁盛しているらしい。そこへ関白近衛さんがふらふら派手な衣装で徒歩でやってきて「次の将軍をどうしようかなぁ」と相談すれば、伊呂波太夫は「勝手にすればいいわ。武士なんかいなくなればいい」などと言う。え~…そんな話いる?この人もあんまり考えてないですね。それを聞いて近衛関白は「だれでもいいかな」と三好のアイデアに沿って四国の義栄を帝に推薦。



仏ドラマ France 2/Netflix『エージェント物語/Dix pour cent/Call My Agent!』(2015) シーズン1





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『Dix pour cent』(2015-) TV Series – Season1/仏 
/カラー/約52分 ・全6話 
Creators: Fanny Herrero 
Original Release Date: 14 October 2015 (Fr) 
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Netflixで8月頃からだらだら見始めたドラマ。 シーズン1を見終わった。

すごく面白い。 

お洒落。オトナね。

日本に住んでいた時は西洋に憧れ、英国に住めば欧州大陸+アジアに憧れ、そして太平洋上に住めば欧州に憧れる。そんなわけでいいヨーロッパのドラマがないかな~とフランス発のドラマを見始めたらとても面白かった。これは大発見。


フランスのパリの芸能プロダクション(エージェント)の話。人と人がすぐ仲良くなるから面白い。さすがフランスは愛の国。

オトナのコメディ。中年オジサンはモテるし、レズビアンのかっこいい女性は男のように女漁り。若い娘も、エージェントのおっさんも、俳優同士もみーんなくっついたり離れたり。ひゃー面白い面白い。これぐらい毎回色々あるとすごく楽しい。


しかしながら、このドラマの中の人物達の恋愛事情はストーリの主題ではないのですね。誰がくっ付いて誰が誰を好きになって…というのはサイド・ストーリー。スパイスのようなもの。

ドラマの軸はあくまでも芸能エージェントが、いかに気難しい俳優、女優達に仕事を見つけて監督に斡旋し、プロジェクトを成り立たせ、そして会社をやっていくのか…なのです。

人の恋愛はスパイス

だから会社の話をメインコースとしてシーズンが続けられる。俳優や社員がドタバタやりながら会社がどのように進んでいくのか…のドラマなので、これならドラマとして延々とストーリーを続けられますね。フランスではすでにシーズン4まで続いているのだそう。ちょっと目から鱗。 


というのも近年、日本の若者向けのドラマの多くは「誰かの恋愛」がストーリーの要なので早く決着がついてしまうものが多い。ドラマの主題が主人公の恋愛ならだいたい5~10話くらいで終わってしまう。日本のドラマはそういうのが多いのだなとあらためて思った。


このドラマの構成は、毎回何らかの映画や舞台、ドラマなどの ①プロジェクトが一話完結であって、同時に ②会社の社員達のストーリーが連続ドラマとして続いている。…2つの内容で構成されていて、その両方が面白いので飽きない。 

個々のエピソードでの ①プロジェクト話の内容は…老いと戦う女優、2大女優の戦い、仲の悪い母娘の共演、犬猿の仲の男女…などなど様々。それぞれ に出てくる俳優さん達は、ドラマ内で皆御本人を演じているのだそうだ。それもまた贅沢。

②社員達もそれぞれ魅力的。一人一人全員がいい。それぞれのキャラクターが面白いので、それぞれの話の続きが見たくなる。よく出来たドラマです。


レズビアンのアンドレアが中性的な魅力で素敵。いつも思うのだけれど、フランスの女優さんは綺麗な人が多い。いや…カメラが女性を綺麗に撮るのだろう。フランス映画を見るといつも思う。女性の撮り方が英国や米国とは違いますね。女性同士がチューしても綺麗。撮影する光が明るいせいなのか、女性の目の色がとても綺麗。混血の大きな髪の受付嬢ソフィアもゴージャス。個別のエピソードの女優さん達もみんな驚くほど綺麗。

フランスの男性の俳優さん達は皆個性的ルックスの人が多いのにね。それも面白い。


とりあえず全6話のシーズン1を見終わった。会社は紆余曲折あってもなんとか継続している。第6話の最後、社員達がパリの街を歩きながら一人一人抜けていくのがとてもお洒落。いいシーン。 

シーズン1で答えが出なかった事柄もあるので、またシーズン2が楽しみ。ゆっくり見る。





2020年10月26日月曜日

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー/Manchester by the Sea』(2016):芸術映画気取りがやたら鼻につく






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『Manchester by the Sea(2016年)/米/カラー 
/137分/監督:Kenneth Lonergan』 
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昨日ドラマの感想を書いていて思い出した映画。随分前の2017年1月頃に見た。俳優が主演男優賞を取ったので劇場で見たのだけれど、今まで感想を書かずにいた。いや…書こう書こうと思いながらそのままになっていた。丁度いい機会なので書いておこう。随分前に見たので記憶が間違っているかもしれないけれど。



★ネタバレ注意

昨日ドラマの感想を書いていてこの映画を思い出した理由は、この映画も事故で子供を失った男の話だったから。事故というよりもかなり酷い状況で子供を失った夫婦の話なのだけれど。子供を亡くしてそれで夫婦が別れてしまう。 

事故の数年後、離婚して土地を離れた男が、父親(主人公の兄)を亡くした甥の世話をするために帰ってくるところからストーリーは始まる。それで離婚した元妻にも町でばったり出会うのだけれど…元妻が夫に向かって泣きながら「I still love you.」と言う。そんなわけないだろ…と思った。ああいう状況で子供を亡くした女性が夫を許すはずがない。


この映画は、業界内のプロ、批評家にも大変高評価で、主演のCasey Affleckはアカデミー賞主演男優賞を受賞。だから映画を見たのだけれど…

ぇえええ…そんな…これ
脚本が最低じゃないか
えっ…これ脚本賞もとったの???
今知った。驚愕。酷すぎ。


変な映画なのですよ。自分の犯した罪で土地を離れた男が帰ってきた。それで彼がずーっと落ち込んでいて行動もいちいち変なのだけれど…、俳優さんがどうとか言うよりも脚本が変だと思った。いや…Casey Affleckは大根だな。全然よくない。アカデミーは彼に何を見ているのだろう?お兄ちゃんのコネ?

甥っ子をガールフレンドの家に連れて行って、上の階で若者がラブラブしてる声をそのガールフレンドの母親とキッチンで聞く? ユーモアですか?

そういえば何処かの場面ではわざとらしく物にあたっていたし…あれが主演男優賞の演技か?陳腐。なんというか…このCasey Affleck演じる主人公にさっぱり心を寄せられなかった。ただのいやなやつ。そんな男に「I still love you.」と言うMichelle Williamsの妻も妙。上手いはずの彼女も大根に見えた。


そういうわけでこの映画は感動どころか…賞取りシーズンを意識してつくりずぎた憂鬱な雰囲気が鼻につき、時々見える小さなユーモアもわざとらしく不自然、苦しくなるほど芸術映画気取り…いやですねぇわざとらしすぎ。冗長で何が言いたいのかさっぱりわからない。見終わって映画館を出た時に私はやたらと怒っていた。

単に合わなかったということだろう。合わないのはしょうがないけれど…なんだかやたらと不自然なくらい過大評価されていると思った。なにがいいんだろうこの映画。悲劇をただ陰鬱に描いてもいい映画にはならないと思う。ただの暗い映画として存在するのは別にかまわないけれど、90%以上の業界のプロが大絶賛しているのを見ると文句の一つも言いたくなる。

そういう映画でした。最後に春がくるシーンはよかったかも。



2020年10月25日日曜日

NHK 土曜ドラマ『天使にリクエストを〜人生最後の願い〜』全5話・感想



日本での放送は2020年9月19日から10月17日まで。


今録画を見終わった。
これはいいドラマ。

最初に第1話を見た時は、タメぐちの小娘にガラの悪いおじさんのコンビでコメディかと思ってしまった。感想も江口さんが喧嘩が強そうでいいねぇ…などと書いたのですが、

こんなに心温まるドラマだったとは。深いテーマにもかかわらず重くなり過ぎず、人が人を思いやって助け合う優しいドラマでした。


元刑事の探偵・島田(江口洋介)が、資産家風の女性・佐藤和子(倍賞美津子)から、高齢の方々の「最後の願い」を叶えるための活動をして欲しいと依頼を受ける。助手・亜花里(上白石萌歌)と、看護師・寺本(志尊淳)とともにサイレントエンジェル号に乗って人々の願いを叶える。


テーマ音楽は珍しくジャズ。それぞれの回の最後に昭和の歌が歌われるのだけれど、それもまたいい。重いテーマを歌が包んで全体が温かくなる。最後第5話の全員が歌う場面で役者さん達が皆楽しそうでとてもよかった。ニヤニヤした。


★ネタバレ注意

1話「探偵挽歌」
 2話「捨て子ブルース」

わけあって息子を手放した幹枝(梶芽衣子)が、別れた息子に会いたいと依頼。
3話「貧民狂想曲」
誰かに自分を認めてもらいたかった元ホームレスの男・武村(塩見三省)。
4話「つみびと巡礼歌」 
島田の元妻・時恵(板谷由夏)の父・三井(山本學)と秩父の札所巡り。
5話「聖母バラッド」
明らかになる看護師・寺本と佐藤和子の関係。最後全員で歌を歌う姿がしみじみといい。 

いいドラマ。たった5話では短かすぎる。
人と人の繋がり、人と人が助け合うメッセージが素晴らしい。 


1+2話の最後、組長(六平直政)が一人、母の読んでいた「にあんちゃん」の文庫本を見つめる場面で思わず涙。これで名作決定。この話が一番好き。
3話は、爆弾がらみの話はなくてもいい。武村が一生をかけて小説を一人書き続け、それを誰かに認めてもらいたかった…という話だけでもよかったと思う。人に認めてもらって救われる…いい話だ。
4話は、難しい。子供の話は、まず主人公のバックグラウンドとして深刻すぎ。この4話での和解も、子供を亡くした母親の気持ちを思えばなかなか難しい。難しすぎる。たとえ年老いた父が望んでいても、二人が元に戻るのは無理かなぁと正直思った。 これはまだ結論が出ていないのだろう。
5話 島田が看護師・寺本を説得する場面。オヤジと若者のシーンに説得力。


江口洋介さんが素晴らしかった。高い額、眉間の皺の小さな動きでさまざまな心の動きが見える。一見いつも機嫌が悪そうなのに実は温かい心を持った優しいおじさん。くしゃくしゃにお顔を皺だらけにして泣く大きな演技よりも、細やかな表情の変化で心の動きが見えるのが素晴らしかった。江口さんは大きなお方。大きなお父さん。第5話で悩む寺本を父親のように諭す姿に説得力。江口さんは御本人が大きなお父さんなのだろうなぁと思う。いい男だ。

江口さんの「大きな男」の存在感がこのドラマの要。この強面の島田が「いかにも頼りになる男」であることで、老人の願いを叶えるストーリーにも説得力が出ましたね。


そして島田の「大きな父親」の姿もまたこのドラマの大きなテーマ。 記憶の中の島田と息子の楽しい会話のシーン。そして4話で明かされる助手・亜花里とのつながり。島田は亜花里にとっても父親のよう。島田の、いいお父さん、熱いオヤジの姿がいい。

第5話で島田は看護師・寺本にも父親のように接していた。「佐藤和子に自分が利用された」のではないか…と悩む寺本。彼は最初から「ありえないほどいい若者」でつかみどころがなかったのだけれど、和子との関係を知って悩む姿で彼の心が見えた。 

その悩む寺本を島田が説く
「人のためにやっているつもりが、結局は自分のためだった。だけどそれのどこがいけない。俺も亜花里もずっとそうだった。間違ったことばかりしてきた。その間違いを正そうとして、また間違った事をする。そんな人間は大勢いる。…いくつになっても人は間違えんだよ。けどその分、人の事を思えるようにもなる。人の事を思うことが、自分を思うことにも繋がるんだよ。それがこの活動を通じて俺が依頼人から教わったことだ。死を見つめることが生きることに繋がるようにな。」 

このような熱いオヤジと悩む若者のドラマって近年のドラマでは珍しいかも。久しぶりに大きな父親的な人物(人生の先輩)が若者を諭すドラマを見たと思った。 

それは世代の違う人と人の繋がりの話でもありますね。ちょっと考えさせられた。いまどきの若い人々が悩むのは、世の中で…話を聞いてくれる父親や人生の先輩の姿が見えにくくなっているからではないか? 社会の中で人と人の縦の関係が少なくなっているからではないのか?

近年のドラマの中年の男性は、コミカルでちょっとかわいい/かわいそうなオジサンキャラが多い…たぶん。この島田のような直球の、面倒見のいい熱いオヤジ的な人物は少ないのではないか。昔の父親的な大きな存在…島田のキャラクターの説得力は江口さんならではなのかもしれませんね。


人生の終わりにやりたいことを叶えてくれる…このドラマの軸は高齢化社会。シリーズ化してもっともっと沢山の話が出来そうだ。お年寄りの話…お年寄りの人生の話を聞くストーリーは、すごくいいドラマのシリーズになるのでは?

高齢化の進むこの時代…家族の(世代的な)縦の繋がりが薄くなったこの時代、祖父母の世代のお年寄り、そして50代60代の親の世代と、若者の世代…違う世代の人々の関係/繋がりを描くドラマはもっともっと必要なのかもしれませんね。考えさせられた。それぞれの役者さん達も素晴らしかったです。いいドラマでした。