能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2016年6月26日日曜日

英国がEUから離脱!



これにはびっくりした。英国を離れて早10年、もう英国の新聞やBBCを毎日チェックすることもないので、今の英国を語れるわけではないのだけれど、ちょっとびっくりしたので書き留めておこう。

週末は忙しかったので英国のメディア記事もまだ一切読んでいない。思いついたことだけを書いておく。

…しかしどうするんだろうこれから…本当に。英国は大丈夫なんだろうか。


ロンドンには外国人が多い。10年前でもそうだった。石を投げればほぼ外国人に当たる。アフリカ、中近東、インド、ロシア、北米、南米、極東アジア、豪州にNZEUに限らず、ロンドンには様々な国からやってきた外国人が非常に多い。

…英国には世界中から人々が集まってくる。そのなかでも距離の近い欧州と英国との関係は深い。今まで英国がEU=欧州連合のメンバーであったことで、英国からも欧州からも、人々はお互いに国境を意識しなくていい自由な関係を作ることが出来ていた。


EUから英国へ
職を求めてやってくる東欧からの人々。建設業では特にポーランド人をよく見かける。家や庭の改装/リフォームを頼めば、塗装業Painter/Decorator、土木業/建設業/大工Builder/Carpenter等、英国人の元で働く優秀なポーランド人の職人・技術者がやってくる。個人で高級不動産リフォーム専門の工務店を開業し成功しているポーランド人もいた。

それ以外に私が見かけただけでも、フランス人の美容師やシェフ、ドイツ人の教師、オランダ人の舞台俳優、ギリシャ人の実業家、ドイツ人とデンマーク人の歯科医師、様々な国からの投資銀行家…。それだけじゃない。どれだけいるのか想像も出来ないほどの「ちょっとだけ英国にやってきて、ちょっとバイトをして人生を楽しんで帰っていく」欧州からの若い人々。彼らは気楽にやってきてウェイターなどをしながら語学学校に通い、数ヶ月の単位で英国に出入りを繰り返す。まるで隣町に行くかのように英国にやってくる。

★英国から欧州各地へ
もちろん英国人も欧州へ気楽に出かけていく。ドイツで年の半年を過ごすビジネスマン。フランス人と結婚してロンドンとフランス両国に家を持つ銀行員。スペインでの英国人向けの不動産業で働く30代の青年…そう、英国人の中には老後をスペインやポルトガルに移住して暮らす人も多くいる。今wikipediaで調べたら、スペイン在住の英国人は(登録しただけで)30万人。BBCによればスペインに滞在中の英国人はおよそ70万人だという(登録しなくても滞在できることによる)。実際に南スペインのリゾート地には移住してきた英国人のコミュニティが出来上がっていて、その土地のスーパーの店内には英国国内と全く同じ商品が並んでいる。

欧州から多くの若者がやってくるのと同じように、英国の若い人々も欧州に出かけていく。語学を磨けばドイツで職を探すこともできる。英国国内の国民保健サービス(NHS)の質に満足できなければ、フランスの医療機関で治療を受けることも可能だ。ドイツで遊学し、オランダで遊び、イタリアで英語を教え、スペインでのんびりして、フランスで恋に落ち…家族を作って5年を欧州で過ごした後、英国に帰ってくる人もいるだろう。英国人にとってEU=欧州連合のメンバーであるとは、そういうことが自由に出来るということなのだ。


これからだって英国人が欧州で仕事を探したり、旅行、スペインの不動産を購入することはできるだろう。しかし今後EUから離れることになって、何事をするにも申請、登録を義務付けられ、様々な書類にサインをし…などという手間が増えれば、今までのような英国と欧州大陸との自由な行き来をためらう人も多いのではないか。家族の関係を引き裂かれたと感じる、イギリス海峡を越えた国際結婚の家族も多いに違いない。

まだ資料を一切読んでいないので詳しいことはわからないが、欧州に家族や仕事を持つ英国人、ロンドンで働いている多くのEU圏の外国人達はこれからどうなるのだろうかと思う。本当に英国は大丈夫なのだろうか。