2015年5月28日木曜日

NHK土曜ドラマ『64』全5回・感想



ちょっとだけ感想。

不思議なドラマ。全体の緊張感がなかなかすごい。最初から最後まで緊張の連続。俳優さん達の演技もすばらしい。男が男臭い男のドラマ。演出、カメラワーク、音楽も面白い。重苦しさと緊張でドキドキしてずーっと興味が継続。かなり実験的な印象。穏やかではない雰囲気が緊張を強いてそれが面白い。

しかしながら話の中の細かなエピソードのバランスが変で、途中「これは何が言いたいんだろう?」と何度も思った。

・昭和64年、雨宮家誘拐事件
・主人公・三上広報官(ピエール瀧)の行方不明の娘の件
・警察組織内の不透明さ(←よくわからない)
・三上さんの立ち位置
・報道記者達との関係
・目崎家誘拐事件
他にもあると思う。


64年の未解決事件が尾を引いて、現在は三上さんちの娘が行方不明。そしてまた別の誘拐事件が起こる。報道記者たちはうるさく文句ばかり。警察内の事情もいろいろと不透明…。それぞれの問題がバラバラに存在していてまとまっていない印象。どうしてだろう。

例えば一番わからなかったのは、警察と報道の関係の描写。第4回の記者クラブでのバトルなんて、あれは現実でもあんな感じなんだろうか。それに(ドラマとしても)どうしてあの場面にあんなに尺をとるのか不明。伝書鳩のように刑事部と記者の間を深夜から早朝に29回(?)も往復する場面なんて、記者も酷いが、いちいち言う事を聞く警察も馬鹿としか思えない。質問はまとめて持っていけ。大人のまともな仕事場にさえ見えない。話としてあんなに引っ張る必要があるのか。あの場面での報道の必要性がわからない者としては、あの記者達はうるさいハエにしか見えない。いやー酷い酷い。

三上さんがあまり幸せに仕事をしていないのは理解した。そういう話なんだろうと思うけど、記者との関係以外にも同僚との関係や組織内の不透明さ…などなど周りは困難と敵、謎ばかり。そこにまた誘拐事件が起こる。問題山積み。おまけに家庭では娘が行方不明。そうだ三上さんの娘は結局どうなったのだ…。

それから64事件の雨宮氏が目崎氏を探し出す可能性はどうよ?あれもリアルに可能なのか?ほぼ無理じゃないのか、あー…こういう事を言い始めるとこういうドラマは楽しめないですね…ごめんなさい。

なんだろう…一見緊張感が素晴らしくてドキドキして、目が離せない…全体に面白いドラマなんだけど、細かいところが不自然で「???」となってしまったドラマ。困難と闘いながらも仕事を遂行する男の話なんだろうけど、ドラマの演出として無理やり「辛い男の描写」ばかりを強調したため話の軸がどこにあるのかわからず、嘘っぽくなってしまった印象。何を言いたいのかわかりづらい。最後のオチのリアルさも薄い。

しかしこのテンションは素晴らしいと思う。俳優さん達も演出も素晴らしい。雰囲気がいい。ちょっと怖いですね。音楽も変でいい。

余談だけどこの緊張感を大河の戦国時代に持ってきたら面白いと思うけどなぁ。歴史を女子供向けのホームドラマにするよりずっと面白いだろうと思う。