能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2015年1月19日月曜日

総括『軍師官兵衛』&好きだった人々



簡単に総括しようかな。

ドラマ全体は史実の再現(本当かどうか詳しくは知らないけど)という意味では、色んな事柄が描写されていて面白い回も結構あったように思う。秀吉の中国大返しでは黒田家の活躍を時間を追って描写していたし、秀吉の九州攻めでは黒田家と宇都宮氏の話が描かれていた。関ヶ原時の如水の九州進撃も面白かったし、黒田家以外では荒木村重の謀反のあたりがなぜか詳しくてドラマとしても面白かった。後半、官兵衛の息子・長政が次第に家康に取り込まれていく様子も面白かった。

最初から最後まで大きな盛り上がりが無かった代わりに、最後まで同じペースで淡々と歴史の再現をし続けたような感じは必ずしも悪くはなかったと思う。最後に野外ロケがあったりして最後で多少元気が出たように見えたのも驚き。最近の大河は最後に沈んでしまうことが多いことを思えば、それなりにうまくまとめたのかなという気もする。

しかしドラマとしての一番の問題は、様々な事件の中で登場人物達がうまく活かされていなかったこと。人物の描写が薄い。台詞も紋切り型だったり(=なにがなんでも「生きられよ」)、ドラマの途中で人物の性格が変わってしまったり(=いい人官兵衛が後で黒くなる)、軍師なのに同じ間違いを繰り返したり(秀吉に翻弄される)、それを支える人々も言動に一貫性がなかったり(光ちゃん)…。3人の家臣ももっともっと活躍するかと思っていたら、最後までなんとなく殿と一緒にいるだけだったり…。全体に映像も美術も演出も悪くなかったし、役者さんたちの演技も素晴らしいのに、人物達が脚本で活かされてなかったのがとてももったいない。

それにしても戦国は、素材自体が面白いので最後まで特に文句もなくさらっと見れたのは事実。人物達がコスプレをしてガミガミやってくれればまあいいか…という感じだった。ただドラマが薄いのであまり記憶には残らないかもしれない。それがもったいない。


史実をなんとなーく通り過ぎたようなドラマではありましたが、キラリと光る人物達を10人。これは話の中のキャラがよかったとか、人物が好きだったとかではなくて、俳優さんがステキだったリストだと思います。ワタクシの独断による光っていた俳優さんトップ10。順不同。この方々がいたおかげでドラマが楽しく見れました。皆様お疲れ様でした。


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黒田長政=松坂桃李
ドラマ最後の頃の楽しみ。この俳優さんは時代劇が似合う。本当に似合う。いやー若い俳優さん達の中でこれほど時代劇の似合う人も他にいないかも。武将姿が最高にかっこいい。普段は現代の優しい男の子だろうと思うんだけど、侍の格好をすると急に出てくる古風な男らしい威厳。だただたかっこよかった。低い声もいい。ぜひまたいつか激しい戦国武将を演じていただきたい。まだ26歳なのにこの古風な雰囲気はどこからくるのだろう?不思議。

豊臣秀吉=竹中直人
1996年の『秀吉』から18年。当時竹中さんは40歳。現在58歳だそう。18年の時を経て竹中秀吉が完結。これが見れただけでも嬉しい。脚本がもうちょっとよければなぁ…いやもう少しこの人の場面が多ければ…というのはありましたが、もう一度竹中秀吉が見れたことは何よりも大きい。キレる秀吉はすごい迫力でした。

荒木村重=田中哲司
このお方はただただ見るだけで楽しかった。以前からぼんやりと俳優さんが好きだったんだけど、このキャラはハマリましたね。信長に追い詰められていく様子が見所。脇役なのになぜかこの人物は脚本も濃かったのが不思議。実は脚本が一番ノリノリだったのはこの人かも。この人がらみの話はドラマとしても面白かったです。

だし=桐谷美玲
たぶん…このドラマで唯一泣いたのはだしちゃんの話。綺麗でしたね。このキャラが特に好きだったわけではないと思うんだけど、大河ドラマには薄幸の美人がいたほうがハマる。全体にあまり人物に入りこめないドラマだったけど、実際にキャラで泣けたエピソードは大変貴重。桐谷さんも最初は固いかと思ったけれど最後のほうは素晴らしかったです。

安国寺恵瓊=山路和弘
毛利家の3人は皆さんステキでした。敵の武将が主役の側よりもいいというのも問題ですが、ドラマの最初の頃は織田サイドよりも毛利家の3人が出た方が楽しかった。安国寺恵瓊さんは回が進むほど魅力が増しましたね。あの髪型でも素敵に見えてしまうのは滲み出る知性のため。最後に関ヶ原の後、あっさりとナレーションで終わってしまったのは悲しい。

小早川隆景 鶴見辰吾
いやーかっこいいかっこいい。ただただ好き。ティーンの頃を覚えていますが今は本当に渋いおじさんになりました。ステキです。上品。このお方ももう少し見たかった。





吉川元春=吉見一豊
やかんのように沸騰する吉川さんもいい。この人のイライラは納得できる。古いタイプのオヤジキャラ。ステキでした。


黒田官兵衛/如水=岡田准一
今年の主役。最初はアイドルのしがらみなのかなんなのか…台詞も綺麗ごとばかり言って演技も固い感じがありましたが、幽閉時の仰天別人メイクに最後は頭も剃ってしまう勇気。大きな拍手。いやーやっぱりアイドル枠の方があそこまでいろいろと捨てるのは大変だと思います。最後はお椀を被ってノリノリ。もうジジイにしか見えない!…でもね、ワタクシはあの変身した岡田さんの濃いジジイ顔が大変ステキだと思いました。最後の弱った場面も枯れた感じがすごく上手い。なぜだろう? 1年間お疲れ様でした。

茶々/淀殿=二階堂ふみ
若い才能。二階堂さんのあのきっっっっっつい女ぶりが最高。んもー気持ちがいいくらいの嫌な女。おねさんの黒木さんと堂々と張り合ってバシバシ火花を散らすのが面白かったです。ひゃ~こわいわーこの娘。二階堂さんはなんとまだ20だそうです。仰天。すごい女優さんだと思う。


徳川家康=寺尾聰
最後のシメはこのお方。ドラマの終盤になってからの重鎮。信長、秀吉が消えてから最後の勝者になった巨人にふさわしく、大きな存在感でドラマの最後を引き締めた。こういうお方が最後にいて下さるととても嬉しい。この人に三成は勝てませんよ。関ヶ原の後、武将達を従えて大阪城に入り、淀殿+秀頼と対面する場面も素晴らしかった。力で周りを圧倒。さすがの淀さんも家康には勝てません。これは負けてもしょうがないですね。
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