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2014年4月2日水曜日

BABYMETAL:3月18日付『JAPAN TIMES』の記事―CDレビュー



またまたずいぶん遅れましたが、ネット上を見回してもこの記事の翻訳が出てこなかったので、また意訳をします。これはアルバム『Babymetal』のCDレビューです。記者のPatrick ST. Michelさんは、以前Perfumeの『LEVEL 3』のレビューをなさっていた方ですね。アルバムレビュー担当の人? 『LEVEL 3』のこともかなり褒めてくださっていましたが、今回も評価が高いです。

それでは意訳です。下手で申し訳ない。多少間違ってるかもしれませんが、だいたいこんな感じ。一応旦那Aには内容を確認済み。


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元記事はこれ
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Babymetal “Babymetal”
By Patrick ST. Michel
2014318
 
 
BABYMETALがヴァイラルに流行った(伝染的にクチコミで広がった)のは驚くことではない。それぞれ全く共通点のなさそうなアイドルポップとヘビーメタルを融合させたこの3人は、インターネット上の「妙なニッポン」好きファンにとっては最高の、視覚的に鮮烈なプロジェクトなのだ。
 
しかしながらとにかく驚くのは、このセルフタイトルのアルバムが、米国、カナダ、英国のiTunesのヘビーメタル・チャートで1位になり、またアメリカのiTunesアルバム・チャートでは(一時的に)なんと35位まで上ったことだ。BABYMETALは音的にとんでもなくクールなアイデアなのだが…いったいどんな曲が可愛いコーラスとメタルの雄叫びを合わせてヘッドバンガーズにも受け入れられる?…しかしこのプロジェクトは音楽的にも多様で十分聴けるものになっている。
 
Babymetal』アルバムのほとんどのサウンドは、パワーコードと高速のドラム、それに野太い雄叫びをかき消すような陽気な歌声なのだが、(もし)グループがそんな組み合わせばかりを忠実に守っていたら勢いを無くしたかもしれない。しかし多くの曲は少しずつ違っているのでずっと飽きずに聴ける(一緒に鼻歌で歌える)。「4の歌」はギターの練習曲から急にトロピカルラウンジの間奏に変わるし、「いいね!」では、(途中)昔流行ったウィッチハウスのサブジャンルから持ってきたようなラップで(メタルサウンドから)一休みする。歌詞はいかにもありがちなアイドルポップの内容…チョコレート、朝起きれない…、それにイジメの問題や、「おねだり大作戦」ではパパをだましてお金をもらう話にも触れている
 
アルバムの音楽的な多様性は、元々このBABYMETALプロジェクトのために様々な分野から集められたソングライターやプロデューサーによるものである。Narasaki氏(メタルのCoaltar Of The Deepers)や上田剛士氏(Mad Capsule Markets)がクレジットに名を連ねるのは驚くことではないが、いくつかの曲にEDMフェス向けのびっくり系ベースを持ち込んだのは、ボーカロイド・プロデューサーのゆよゆっぺ氏である。
 
Babymetal』のベストモーメントは、このグループがギミックを捨てた時だろう。Youtubeのヒット「ギミチョコ!」はうなり声もあるが、実は(この曲は)BABYMETALの一番ストレートで(最高にキャッチーな)ポップソングだ。シングルの「メギツネ」や「ドキドキモーニング」も同様に作られており印象に残る。
 
Babymetal』はアイドル・シーンとヘビーメタル両方の馬鹿馬鹿しさが満載であるが、しかし(このアルバムは)冗談(のレベル)を超えている。これは数多くのメインストリームの真面目なメタル・アルバムよりもずっといいフルのアルバムなのである(マキシマムザホルモンの最新アルバム『予習復習』を、もう少しシニカルさを減らして、もっとポップ寄りにしたようなもの)。BABYMETALとは最初で最先端の視覚的「なんじゃこら」だが、彼女達の実力と(その後ろにいるプロの音楽家達)は、この堅実なアルバム(の質)で評価されるべきである。
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●以下、亀感想…。
褒めてくれてますね。いやーこれだけ先にアルバムが世界中で話題になってしまうと、ジャーナリストとしても、実際下手に作品を貶す事も出来ませんよね(笑)。だって売れちゃったんだもん。
 
BABYMETALはそこがすごいのね。ジャーナリストがうだうだ褒めたり貶したりする前に、ネット上で作品そのものがバーっと広がってしまった。「ギミチョコ!」のフルのプロモーションビデオを動画サイトで見て、世界中の人々が「あっ!」と思ったわけです。作品そのものが面白ければもう理屈は必要ないのね。作品のパワーだけでウケる。良質のビデオをフルで出すことが世界へのプロモーションとしていかに効果的かの証明ですね。
 
ただ、BABYMETALがもっとすごいのは、Youtubeで「ギミチョコ!」を見て「あっ!」と思った人達が結果的にアルバムを購入していることなんです。これ「ギミチョコ!」だけがウケて1曲だけチャートを上がったのならまだわかるんですよ。だけど今回、実際には「ギミチョコ!」がプロモーションツールになってアルバム購入まで客を引き込んでる。それが何よりもすごい。
 
この記事でも、このアルバムが単純な「アイドルポップ+メタル」のフォーマットの同じような曲ばかりではなく、ヒップホップやEDMなどの別分野のジャンルの音がメタル音の間に挟まれてるのが面白いと言っている。だから音楽的にも聴き応えのあるアルバムだと言っているんですね。
 
「ギミチョコ!」をきっかけにして「なんじゃこら」と興味を持ってくれた人達が、実際にアルバムを聴いて音楽的な質の高さに驚いているんだろうと思います。だってBABYMETALを外からみた印象はあくまでも「不思議ニッポン系子供だましのアイドルイロモノ枠」ですもん。それなのに音楽が予想以上に良かった。結果、アルバムの質の高さが評価されて実際の購入にも繋がったんだろうと思います。それでビルボードのアルバムチャートのトップ200にも食い込んだという。
 
世間はビルボード187位で盛り上がってますが、実際に売れた理由は「アイドル+メタル」のギミックパッケージだけではなく、アルバムの楽曲の良さもあったということなんです。もちろんスゥメタルちゃんの歌の上手さも大きい。
 
子供にメタル、ダンスに可愛い衣装、音楽的にもバラエティに溢れ、そんな色々なものが混ざり合ってとんでもない化学反応を起こしたんだろうと思います。間違いなく偉業ですよこれは。今の段階では、単に「一時的に面白い結果が出ただけ」とも言えるのでしょうが(これから彼女達が海外でも大スターになるとはまだ考えにくい)、それでも一発屋のギミック売り以上の音楽的な評価はされたんだろうと思います。すごいですよね。このプロジェクトに関わった方々に大きな拍手。