能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2017年1月11日水曜日

映画『ラ・ラ・ランド/La La Land 』(2016):現代の普通の若者のミュージカル





 
 
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La La Land2016年)/米/カラー
128分/監督:Damien Chazelle
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ライアン・ゴズリングと言えばカ・ラ・ダ…カラダカラダカラダ…ふぅ…と以前見た映画『ラブ・アゲイン/Crazy, Stupid, Love (2011)で思ったのでございます。ええ男やね。知り合いの若者にも似ているので、エエ男というよりも「なかなか将来楽しみな若い子」というべきか。しかしこのお方、もう36歳なんだって。もっと若く見えますね。

というわけで、ライアン・ゴズリング君に注目…と思っていたのに、その後彼はマッチョな映画(よく知らない)に出ている事が多くて、結局その『ラブ・アゲイン』以降、彼の映画は一つも見ることなく時が過ぎてしまった。え?『マネー・ショート The Big Short (2015)に出ていたの?まったく気がつかなかったわ。影が薄い?

今回、ライアン君はその『ラブ・アゲイン』で共演したエマ・ストーンちゃんと一緒にミュージカルをやる。へーお歌も歌えるの?踊れるの?それじゃあ見に行きましょう行きましょう。


この映画も、見ている最中にあまり頭を使うことなく素直に見れました。深く考えなくてもいい。冒頭から『フェーム/Fameばりに道路で皆が踊りだす。おぅ…こういうのはいいね。最初からワクワクさせられる。

ハリウッド製のこの手の映画を見ているといつも思う…アメリカで成功している俳優さん達というのは本当に才能があるよなぁ。見目形が素晴らしい上に、台本を覚えられる頭脳もあって、演技もできて、おまけに踊って歌える。なんとマルチな才能なのだろう…といつも感心する。特に予想していなかった俳優さんがミュージカルをやっているのを見ると、またびっくりさせられるわけです。

今回のエマ・ストーンちゃんも、ライアン・ゴズリング君もまさか歌えて踊れるとは思わなかった。構成も演出も飽きさせることなく、ストーリーのリズムも良くていい映画でした。十分楽しめた。いい娯楽映画。

上の予告編/トレーラーの印象よりもずっといい映画です。


★ネタバレ注意

ただ文句がなかったわけではない(ここからがメイン)

正直な印象、

なんだか地味だわ。

だってこれハリウッド製のミュージカルなんだもの。もう少しキラキラしていて欲しかった。なんだか地味なのよ。なんなんですかね。
 
おそらく…あまり言いたくないけれど、

俳優さんが地味。

…おっと困ったね。
 
ライアン・ゴズリング君…確かにエエ男なんですよ彼は。しかしなんだろう…この俳優さんは押しが弱いのかな。声が弱い。なんだか後ろに引っ込んで見えてしまう。カリスマが足りないのかな…なぜだろう不思議。ハンサムなのに画面に迫ってくる迫力がない
 
エマ・ストーンちゃん。目が大きい。とんでもなく大きい。ちょいカワイイけどバランスがいい顔ではないと思う。ちと妙な顔。彼女も歌えるし踊れる…なのになぜか輝かない。
 
もしかしたらお二人ともミュージカルには向いていないのかも。
 
もしかしたらこの映画、今売れてる若い俳優さんをとりあえず2人連れてきてミュージカルを撮りましょうと撮った映画なのでは。顔が知られていて客が呼べるならならそれだけでOKなキャスティング。このお二人は特に歌やダンスが上手いわけでもないですよね。
 
現代は音声を技術的に調整できるので、飛びぬけて歌が上手くなくてもミュージカルに出演できる。ひととおり踊れればいい…。どうもそういう風に見えてしまったのは気のせいだろうか。
 
 
ワタクシ、ミュージカル映画にはもっともっともっと派手ゴージャスでゴテゴテの華やかさを求めてしまうのよ。

比べちゃいけないんだろうけど1940年代50年代のハリウッドは本当にすごいぞ。ジーン・ケリーやリタ・ヘイワースは本当にすごい。『カバー・ガール/Cover Girl (1944)『雨に唄えば/Singin' in the Rain (1952)のジーン・ケリーは超人。曲もいい。歌も無茶苦茶上手い。マイケル・ジャクソンも彼のファンだったそうだ。マリリン・モンローだって『紳士は金髪がお好き/Gentlemen Prefer Blondes (1953)はとてもいい。ジェーン・ラッセルも声がいい。キラキラしてとても綺麗。
 
いいミュージカルならそんなに昔まで遡らなくてもいい。
 
 『キャバレー/Cabaret (1972)
 『オール・ザット・ジャズ/ALL THAT JAZZ (1979)
 『フェーム/Fame (1980)
 『コーラスライン/A Chorus Line (1985)』、
それに近年なら
 『ムーラン・ルージュ/Moulin Rouge! (2001)
 『シカゴ/Chicago (2002)
 『レ・ミゼラブル/Les Misérables (2012)

みんなそれぞれいい。それぞれ俳優さんの声に力があって、せまり来る肉体の迫力もすごいです。みんなそれぞれがいろんな意味で華やか。
 
いいミュージカルには、声の迫力や肉体の美しさ…観客をスクリーンに飲み込んでしまうような強さがある。いいミュージカルの要は人間の迫力だと私は思うんですよ。人並みはずれた超人を感嘆して堪能できる…のがいいミュージカル映画。一流のスター達…ジュリー・アンドリュースも、ジュディー・ガーランドライザ・ミネリもみんな力強いです。ミュージカル映画で見たいのは俳優さんたちから放たれる力、エネルギー。
 
この映画はそれがちょっと足りないのかな…と思ってしまった。どうも現代の普通の人が、普通に歌って普通に踊ったミュージカルという感じだろうか…? 
 
 
行き過ぎのジャズ至上主義もちょっとどうよ…という場面もあって、エマちゃんがライアン君のバンド活動に文句を言う場面は「やめなさいよ」と思いました。だってワタクシ、ジャズも大好きだけど、ロックやポップスももっと好きだもの。あのジョン・レジェンドさんのバンドを貶すのはちょっといただけない…。
 
というわけで、巷ではこの映画がオスカーを取ると言われているんですが、ワタクシ的にはちょっと

迫力が足りない

と思いました。

映画の魔法が足りない。

好みの問題ですね。私はミュージカルにはもっと力強くあって欲しいんだろうな。ライアン君のカラダもあまり印象に残らなかった。それでも十分楽しんだことは間違いないんですけどね。